○添付資料の目次

 

1.当四半期決算に関する定性的情報 ……………………………………………………………………………2

(1)経営成績に関する説明 ……………………………………………………………………………………2

(2)財政状態に関する説明 ……………………………………………………………………………………2

(3)業績予想などの将来予測情報に関する説明 ……………………………………………………………2

2.四半期財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………………3

(1)四半期貸借対照表 …………………………………………………………………………………………3

(2)四半期損益計算書 …………………………………………………………………………………………5

(3)四半期財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………………6

(継続企業の前提に関する注記) ……………………………………………………………………………6

(キャッシュ・フロー計算書に関する注記) ………………………………………………………………6

(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) ……………………………………………………6

(セグメント情報等) …………………………………………………………………………………………6

(収益認識関係) ………………………………………………………………………………………………6

(1株当たり情報) ……………………………………………………………………………………………7

(重要な後発事象) ……………………………………………………………………………………………7

3.補足情報 …………………………………………………………………………………………………………8

(1)研究開発活動 ………………………………………………………………………………………………8

 

 

1.当四半期決算に関する定性的情報

(1)経営成績に関する説明

当第3四半期累計期間(2026年1月1日~2026年9月30日)における日本経済は、日本銀行によって31年ぶりの高水準まで政策金利が引き上げられましたが、大企業製造業を中心に世界的なAI(人工知能)需要拡大の恩恵を受けて、日本経済の底堅さが確認されています。また、海外経済においても、緊張状態が続く中東情勢によって物価上昇が生じているものの、地政学リスクの低下や好調なAI関連需要を背景に、世界経済は今後も拡大を継続する見通しです。

 

このような状況下、当社は「未来のがん治療に新たな選択肢を与え、その実績でがん治療の歴史に私たちの足跡を残してゆくこと」をビジョンとし、特に、がんのウイルス療法OBP-301を中心に研究・開発・ビジネス活動を推進させました。

当社は、2026年6月に食道がん領域でテロメライシン注の通常承認を厚生労働省から取得し、同年8月から販売を開始しました。テロメライシン注は、販売提携先の富士フイルム富山化学株式会社(以下、「富士フイルム富山化学」)や医薬品卸のSPLine株式会社などを通じて、医療現場に供給されます。また、食道がんに続く新たな適応として、下部直腸及び肛門がんや喉頭及び咽頭がん領域で開発を進めています。一方、海外では、2026年内の新たなアライアンス契約締結のために、ビジネス活動を進めています。

LINE-1阻害剤OBP-601(censavudine)は、Transposon Therapeutics, Inc.(以下「トランスポゾン社」)とのライセンス契約の下、同社の全額費用負担により臨床試験が実施され、トランスポゾン社のビジネス活動も進んでいます。

次世代腫瘍溶解ウイルスOBP-702は、2026年に国内承認を得たテロメライシン注の食道がんでの開発経緯と同様に、OBP-702の臨床における安全性や有効性を検討した後に、当社が臨床開発を引き継ぎ、テロメライシンとの棲み分けを考慮しながら開発を進めていく方針です。

 

当社活動の詳細に関しては、「3.補足情報 (1) 研究開発活動」をご確認ください。

 

当第3四半期累計期間の業績は、売上高527,808千円(前年同四半期は売上高28,546千円)、営業損失1,104,482千円(前年同四半期は営業損失1,571,067千円)となりました。また、営業外収益として、受取利息8,335千円、為替差益3,877千円等を、営業外費用として支払利息12,554千円、譲渡制限付株式報酬償却4,499千円、株式交付費2,761千円等を計上した結果、経常損失1,112,040千円(前年同四半期は経常損失1,614,576千円)になりました。その結果、四半期純損失1,115,090千円(前年同四半期は四半期純損失1,617,044千円)となりました。

 

(2)財政状態に関する説明

当第3四半期会計期間末における資産は、現金及び預金の減少等により3,752,641千円(前事業年度末比17.6%減)となりました。負債は、契約負債の増加等により666,168千円(前事業年度末比19.8%増)となりました。純資産は、四半期純損失等により3,086,473千円(前事業年度末比22.8%減)となりました。

 

(3)業績予想などの将来予測情報に関する説明

当社の業績は、未だ安定した収入基盤は小さく、OBP-301の販売提携契約に伴うマイルストーン収入の有無や、Transposon社によるLINE-1阻害剤OBP-601の開発イベント達成や同社のIPOやM&Aなどのコーポレートアクションにより発生するマイルストーン収入の有無によって大きく変動します。また、2026年から国内販売を開始したテロメライシン注の製品販売収入も、マーケット展開などによって大きく変動します。さらに、OBP-301の海外アライアンスに伴う契約一時金などの契約条件によっても変動します。

したがって、現時点では業績に与える未確定な要素が多いことから、業績予想につきましては適正かつ合理的な数値の算出が困難な状況と考えており、開示を控えさせて頂きます。

 

 

2.四半期財務諸表及び主な注記

(1)四半期貸借対照表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2025年12月31日)

当第3四半期会計期間

(2026年9月30日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

3,674,717

2,989,959

 

 

売掛金

31,306

31,462

 

 

貯蔵品

3,916

2,759

 

 

前払金

333,740

271,971

 

 

前払費用

61,520

36,690

 

 

未収入金

302,276

344,795

 

 

未収消費税等

39,907

28,273

 

 

関係会社短期貸付金

46,959

─

 

 

その他

10

10

 

 

流動資産合計

4,494,353

3,705,921

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

3,306

3,306

 

 

 

 

減価償却累計額

△3,306

△3,306

 

 

 

 

建物(純額)

─

─

 

 

 

機械及び装置

924

924

 

 

 

 

減価償却累計額

△924

△924

 

 

 

 

機械及び装置(純額)

─

─

 

 

 

工具、器具及び備品

35,734

35,081

 

 

 

 

減価償却累計額

△35,734

△34,065

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

─

1,016

 

 

 

有形固定資産合計

─

1,016

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

関係会社株式

20,936

20,936

 

 

 

出資金

100

100

 

 

 

敷金及び保証金

26,277

24,663

 

 

 

長期前払費用

14,208

─

 

 

 

その他

4

4

 

 

 

投資その他の資産合計

61,525

45,703

 

 

固定資産合計

61,525

46,719

 

資産合計

4,555,879

3,752,641

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2025年12月31日)

当第3四半期会計期間

(2026年9月30日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

短期借入金

233,332

138,888

 

 

リース債務

10,311

7,981

 

 

未払金

65,232

83,635

 

 

未払費用

26,238

18,270

 

 

未払法人税等

15,025

2,867

 

 

契約負債

110,000

293,511

 

 

預り金

10,580

26,337

 

 

流動負債合計

470,721

571,490

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

66,656

80,546

 

 

リース債務

9,720

4,329

 

 

退職給付引当金

8,812

9,802

 

 

固定負債合計

85,188

94,677

 

負債合計

555,909

666,168

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

4,366,132

4,094,821

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

1,621,460

102,514

 

 

 

その他資本剰余金

62,763

─

 

 

 

資本剰余金合計

1,684,224

102,514

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金

△2,058,049

△1,115,090

 

 

 

利益剰余金合計

△2,058,049

△1,115,090

 

 

自己株式

△17

△466

 

 

株主資本合計

3,992,289

3,081,777

 

新株予約権

7,680

4,695

 

純資産合計

3,999,969

3,086,473

負債純資産合計

4,555,879

3,752,641

 

 

(2)四半期損益計算書

第3四半期累計期間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前第3四半期累計期間

(自 2025年1月1日

 至 2025年9月30日)

当第3四半期累計期間

(自 2026年1月1日

 至 2026年9月30日)

売上高

28,546

527,808

売上原価

―

─

売上総利益

28,546

527,808

販売費及び一般管理費

1,599,613

1,632,291

営業損失(△)

△1,571,067

△1,104,482

営業外収益

 

 

 

受取利息

3,348

8,335

 

受取配当金

3

3

 

為替差益

―

3,877

 

その他

30

40

 

営業外収益合計

3,381

12,257

営業外費用

 

 

 

支払利息

3,803

12,554

 

譲渡制限付株式報酬償却

6,098

4,499

 

為替差損

28,296

─

 

新株予約権発行費

7,177

─

 

株式交付費

1,513

2,761

 

営業外費用合計

46,890

19,814

経常損失(△)

△1,614,576

△1,112,040

税引前四半期純損失(△)

△1,614,576

△1,112,040

法人税、住民税及び事業税

2,467

3,050

法人税等合計

2,467

3,050

四半期純損失(△)

△1,617,044

△1,115,090

 

 

(3)四半期財務諸表に関する注記事項

(継続企業の前提に関する注記)

該当事項はありません。

 

(キャッシュ・フロー計算書に関する注記)

当第3四半期累計期間に係る四半期キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません。なお、第3四半期累計期間に係る減価償却費は、次のとおりであります。

 

前第3四半期累計期間

(自 2025年1月1日

至 2025年9月30日)

当第3四半期累計期間

(自 2026年1月1日

至 2026年9月30日)

減価償却費

136千円

225千円

 

 

(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)

当第3四半期累計期間において新株予約権の行使による払込みを受けました。また、当社は、2026年3月24日開催の定時株主総会の決議に基づき、2026年5月31日付で減資の効力が発生し、資本金373,824千円、資本準備金1,621,460千円を減少させ、その他資本剰余金に振替えております。その上で、その他資本剰余金2,058,049千円を全額減少させ、繰越利益剰余金に振替え、欠損填補に充当しております。この結果、当第3四半期会計期間末において資本金が4,094,821千円、資本準備金が102,514千円となっております。

 

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

Ⅰ 前第3四半期累計期間(自 2025年1月1日 至 2025年9月30日)

  当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

Ⅱ 当第3四半期累計期間(自 2026年1月1日 至 2026年9月30日)

  当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

(収益認識関係)

顧客との契約から生じる収益を分解した情報

(単位:千円)

 

前第3四半期累計期間

(自 2025年1月1日

至 2025年9月30日)

当第3四半期累計期間

(自 2026年1月1日

至 2026年9月30日)

一時点で移転される財又はサービス

28,546

527,808

一定の期間にわたり移転される財又はサービス

―

─

顧客との契約から生じる収益

28,546

527,808

その他の収益

―

─

外部顧客への売上高

28,546

527,808

 

 

 

(1株当たり情報)

1株当たり四半期純損失金額及び算定上の基礎は、以下のとおりであります。

項目

前第3四半期累計期間

(自 2025年1月1日

至 2025年9月30日)

当第3四半期累計期間

(自 2026年1月1日

至 2026年9月30日)

1株当たり四半期純損失金額(△)

△64円63銭

△38円01銭

(算定上の基礎)

 

 

四半期純損失金額(△)(千円)

△1,617,044

△1,115,090

普通株主に帰属しない金額(千円)

―

─

普通株式に係る四半期純損失金額(△)(千円)

△1,617,044

△1,115,090

期中平均株式数(株)

25,018,117

29,338,116

希薄化効果を有しないため、潜在株式調整後1株当たり四半期純利益金額の算定に含めなかった潜在株式で、前事業年度末から重要な変動があったものの概要

―

─

 

(注) 潜在株式調整後1株当たり四半期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、1株当たり四半期純損失金額であるため記載しておりません。

 

(重要な後発事象)

新株予約権の行使による増資

2026年10月1日以降、2026年10月31日までの間に、第13回、第14回及び第16回新株予約権の一部について以下のとおり権利行使が行われております。

(1) 発行した株式の種類及び株式数

普通株式 112,000株

(2) 行使新株予約権個数

1,120個

(3) 行使価額総額

83,552千円

(4) 増加した資本金の額

42,456千円

(5) 増加した資本準備金の額

42,456千円

 

(注)1.(4)増加した資本金の額及び(5)増加した資本準備金の額には、新株予約権の振替額680千円がそれぞれ含まれております。

 2.上記の新株予約権の行使による新株の発行の結果、2026年10月31日現在の発行済株式総数は29,687,700株、資本金は4,137,277千円、資本準備金は144,970千円となっております。

 

 

3.補足情報

(1)研究開発活動

当社の当第3四半期累計期間における創薬事業の研究開発費は、972,693千円となりました。なお、当第3四半期累計期間における研究開発活動の状況は以下のとおりです。

 

1) 研究開発体制について

 2026年9月30日現在、研究開発部門は26名在籍しており、これは総従業員数の59%に当たります。

 

2) 研究開発並びにビジネス活動について

当社は、食道がん治療再生医療等製品として2026年8月から販売を開始したテロメライシン注の国内ビジネスを製薬会社モデルで展開させ、従来のライセンス依存の単一の事業モデルから、製薬会社型とライセンス型の『ハイブリッド型事業モデル』へ移行させています。当社は同方針の下に、研究開発並びにビジネス活動を進めました。

 

①腫瘍溶解ウイルス テロメライシン注に関する活動

当社は、厚生労働省から2026年6月に食道がんに対する再生医療等製品として製造販売承認を『通常承認』で取得し、2026年8月から販売を開始しています。

この適応に続くOBP-301の国内での効能拡大試験として、2026年6月に放射線化学療法併用下部直腸・肛門がんPhase1b/2a 臨床試験の治験届を提出し、2026年10月から投与を開始しています。また、放射線療法を併用した喉頭及び咽頭がんPhase2臨床試験の準備を進めています。

一方、海外での開発は、OBP-301とペムブロリズマブを併用した医師主導治験を進めています。当社とMSD社は、胃がんの2次治療患者を対象としたPhase2医師主導治験の研究開発費を折半して、本臨床試験を進めています。

また、米国のがん研究組織NRGオンコロジーグループにより進められた放射線化学療法併用食道がんPhase1医師主導治験は、2025年1月のASCO- GI(米国臨床腫瘍学会 消化器がんシンポジウム)で中間結果が発表され、同試験の中間結果が海外医学誌に掲載されました。

 

国内ビジネス面では、製造販売承認に伴い、販売提携先の富士フイルム富山化学から2026年7月にマイルストーン収入と前受金を受け取りました。また、製造元のヘノジェン社から国内でテロメライシン注の保管・包装などの物流を担う三井倉庫ホールディングス株式会社(以下、「三井倉庫HD」)を経て、販売提携先の富士フイルム富山化学を通じて医療機関に至るサプライチェーンを整備しました。2026年10月には、テロメライシン注の有効期間を24か月まで延長させ、在庫管理の柔軟性をさらに高めました。

海外でのビジネス展開に関しては、2024年12月には台湾のMedigen社と台湾での販売権に関するライセンス契約を締結しました。Medigen 社により台湾で上市された後には、当社は Medigen 社へ OBP-301 の最終製品を有償で供給し、併せて Medigen 社から販売額に応じたロイヤリティ収入を得ることになります。さらに、2026年内に新たな海外アライアンス契約を締結するために、海外製薬会社と契約条件の折衝を進めるなどビジネス活動を推進しています。

 

知的財産面では、日本で既に成立していた腫瘍溶解アデノウイルスの内視鏡投与に関する特許に関して、2026年5月に保護範囲を拡大しました。また、2026年10月には欧州でも腫瘍溶解アデノウイルスの内視鏡投与に関する特許が登録されました。これらの特許は、OBP-301に限らずOBP-702や他社の腫瘍溶解アデノウイルスも対象であり、2040年5月まで特許が存続します。

 

OBP-301は、投与開始前の臨床試験も含めて、以下の4つの臨床試験が国内外で進んでいます。

 

i) 抗PD-1抗体併用2次治療胃がん・胃食道接合部がんPhase2医師主導治験

「抗PD-1抗体併用2次治療胃がん・胃食道接合部がんPhase2医師主導治験」は、米国コーネル大学が当社の事前合意を得た上で、MSD社へ新たな治験の実施や治験費用の負担を提案し、2023年12月に当社とコーネル大学の契約、コーネル大学とMSD社の契約が締結され、共同開発体制を構築しました。

本治験は、抗PD-1/PD-L1抗体を含む1次治療に抵抗性のある胃がん・胃食道接合部がん患者を対象に、2次治療としてOBP-301と抗PD-1抗体ペムブロリズマブを併用します。現在、当社とMSD社で費用を折半して組入れが進んでいます。2026年4月にアイスランドで開催された国際腫瘍溶解ウイルス学会で、本治験に先立って組入れが完了したペムブロリズマブ併用の3次治療胃がんPhase2試験の長期生存率に関する結果が、報告されました。

 

ii) 放射線化学療法併用食道がんPhase1医師主導治験

「放射線化学療法併用食道がんPhase1医師主導治験」は、米国国立がん研究所が支援する世界最大級の権威ある臨床試験グループであるNRG Oncologyにより、OBP-301と放射線化学療法を併用した際の安全性と有効性の検討を目的として2021年12月から開始され、15例の患者を登録しました。本試験の中間結果は、International Journal of Radiation Oncology・Biology・Physicsに掲載されました。

OBP-301は米国において食道がんのオーファンドラッグ指定を受けており、同指定の下、本治験は実施されました。そのため、補助金の支給や臨床研究費用の税額控除の優遇を受けることができ、さらに、米国においてOBP-301承認後の先発権保護が与えられ、その期間中は市場独占権が得られることになっています。

 

iii) 放射線化学療法併用下部直腸・肛門がんPhase1b/2a臨床試験

「放射線化学療法併用下部直腸・肛門がんPhase1b/2a 臨床試験」は、2026年6月にPMDAへ治験届を提出しました。本試験は、術前化学放射線療法にテロメライシンを併用投与し、有効性と安全性を評価するパイロット試験です。当社は、本試験の第1例目の投与を2026年10月から開始しました。

 

iv) 放射線療法併用喉頭・咽頭がんPhase2臨床試験

「放射線療法併用喉頭・咽頭がんPhase2臨床試験」は、2026年内の治験届提出を計画しています。本試験は、放射線療法にテロメライシンを併用投与し、有効性と安全性を評価するパイロット試験です。当社は、本試験の第1例目の投与を2027年に開始する計画です。

 

②LINE-1阻害剤OBP-601(censavudine)に関する活動

OBP-601は、2010年から2014年にかけてBristol-Myers Squibb Co.(以下「BMS社」)へライセンスし、抗HIV薬としてBMS社によりPhase2b臨床試験が実施され、OBP-601の既存薬との非劣性が示されました。また、BMS社によって、OBP-601の長期毒性試験、がん原性試験や多くの臨床データが得られましたが、BMS社が戦略変更によりHIV領域から撤退したため、ライセンス契約は終了しました。その後、ブラウン大学(米国)の研究成果から、HIVの核酸系逆転写酵素阻害剤(以下「NRTI」)がレトロトランスポゾンの異所性発現を抑制することが示唆されました。その後の研究により、同作用を持つOBP-601が他のNRTIと比べて脳内移行性が高く、またLINE-1という逆転写酵素を強力に阻害してレトロトランスポゾンの産生を強力に抑制するという特長が確認されました。

このメカニズムに着目してOBP-601を神経難病治療薬へ応用しようと計画していたTransposon社との間で、当社は2020年6月に全世界を対象とした総額3億ドル超のライセンス契約を締結し、同年11月にTransposon社は第1回マイルストーンを達成しています。

Transposon社は、「進行性核上性麻痺(PSP: Progressive Supranuclear Palsy)」とC9 ORFという酵素の異常発現を伴った「筋萎縮性側索硬化症(ALS: Amyotrophic Lateral Sclerosis)及び前頭側頭型認知症(FTD: Frontotemporal Degeneration)」を対象としたプラセボを用いた二重盲検法による2つのPhase2臨床試験を完了し、次相の臨床試験の準備を進めています。また、Transposon社は、OBP-601が炎症性神経損傷を抑制したバイオマーカーの結果などから、アルツハイマー病を対象とした新たな臨床試験を開始する準備を進めています。さらに、米国の医療先端研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:以下「ARPA-H」)のPROSPR(Proactive Solutions for Prolonging Resilience)プログラムの下で、OBP-601を用いた抗加齢を目的とする研究開発に対し、最大22百万ドルの研究開発支援(以下「アワード」)を受けることが公表されました。本アワードに基づく資金は、研究の進捗及び費用発生に応じて、Transposon社並びに参画する研究機関へARPA-Hから支払われる予定です。なお、アイカルディ・ゴーティエ症候群(AGS: Aicardi-Goutieres Syndrome)を対象にした欧州での単群のPhase2臨床試験の優先順位を引き下げました。

これらのOBP-601に関する臨床試験は、ライセンス契約に基づき全額Transposon社の費用負担で進められています。また、同ライセンス契約に基づき、Transposon社はビジネス活動を行い、第三者である製薬会社などにOBP-601のライセンスを再許諾(サブライセンス)することが可能となっています。サブライセンスが成功した場合には、Transposon社がサブライセンス先から得た収入の一定割合が当社へ支払われます。

 

i) PSP Phase3臨床試験

PSPを対象としたPhase2臨床試験は2021年11月に1例目への投与が開始され、2022年8月に目標症例数の組入れが完了しました。

現在Transposon社は、第三者へのライセンスなどのビジネス活動と並行してPSPのPhase3臨床試験の開始に向けたEnd of Phase2 meetingを実施するなど、米国食品医薬品局(FDA)とPSPを対象にしたPhase3臨床試験の準備を具体的に進めています。Transposon社は、資金調達完了後に、PSPを対象としたPhase3臨床試験を2026年に開始する計画です。なお、FDAはPSPに対して、2024年5月にOBP-601を迅速承認審査制度であるファストトラック品目に指定しています。

 

ii) ALS Phase2/3臨床試験

C9ALS/FTDを対象としたPhase2臨床試験は2022年1月に投与が開始されました。2023年3月に目標症例数の組入れが完了し、本試験を終了しました。Transposon社は、2025年1月にFDAとALSに関するEnd of Phase2 meetingを実施しました。また、OBP-601はヒーリーALSプラットフォームに採択されました。Transposon社は、ヒーリーALSプラットフォームを活用して、ALSを対象としたPhase2/3臨床試験を2026年に開始する計画です。

 

iii) アルツハイマー病Phase2臨床試験

現在Transposon社は、PSPとALSのPhase2臨床試験の結果に基づいた以下の理由により、OBP-601をアルツハイマー病で展開するためにPhase2臨床試験の準備を進めています。OBP-601は、Alzheimer's Drug Discovery Foundation(アルツハイマー病創薬財団、以下「ADDF」)によりアルツハイマー病治療に対して有望であると判断され、Transposon社はADDFから約5百万ドルの投資を受けることになりました。Transposon社は、同資金を活用してアルツハイマー病に対するPhase2試験を2026年に開始する計画です。

 

iv) AGS Phase2臨床試験

Transposon社は、AGSという小頭症や高度な精神発達遅滞等を呈する遺伝性疾患を対象に、2023年7月にPhase2臨床試験の投与を欧州で開始しました。現在までに、本試験の中止を要するような安全性上の問題は報告されていませんが、Transposon社はOBP-601の開発戦略を見直し、PSPやALSの許可取り試験やアルツハイマー病のPhase2試験の開始を優先するため、AGSの優先順位を引き下げています。

 

v) 抗加齢

加齢に伴う炎症の増加とLINE-1活性化との関連性が注目され、OBP-601はARPA-Hのアワードに採択されました。健康寿命の延伸を目的に、OBP-601で健やかな加齢を実現できる可能性を活かした研究開発に関して、Transposon社と参画する研究機関へ最大22百万ドルのアワードが支払われます。Transposon社及び研究機関は、今後研究を進めて、将来の臨床応用を目指します。

 

③次世代腫瘍溶解ウイルスOBP-702に関する活動

OBP-702は、強力な生体内がん抑制遺伝子p53をベクター内に搭載する新規腫瘍溶解ウイルスで、「がん遺伝子治療」と、OBP-301の持つ「腫瘍溶解作用」を組み合わせた2つの抗腫瘍効果を持つ第二世代のウイルス療法です。2025年3月に採択された国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の助成金事業を活用して、岡山大学消化器腫瘍外科学の研究グループにより、すい臓がんを対象とした医師主導治験の準備を進めています。既に、ゲムシタビン耐性すい臓癌細胞株のマウスモデルを用いた実験においては、PD-L1抗体を併用することでより強い抗腫瘍効果が確認されています。また、がん治療で問題となっているがん組織の間質系細胞(CAF : Cancer Associated Fibroblast)に対しても殺傷効果を示すことが示されており、今後、間質系細胞によって治療が困難と考えられているすい臓がんなどの難治性がんに対する新しい治療法として開発していくことが期待されます。

OBP-702は、すい臓がんを対象とした医師主導治験が開始される計画です。2026年に国内承認を得たテロメライシン注の食道がん領域での開発経緯と同様に、OBP-702の臨床における安全性や有効性を検討した後に、当社が臨床開発を引き継ぎ、テロメライシンとの棲み分けを考慮しながら開発を進めていく方針です。

 

④ウイルス感染症治療薬OBP-2011に関する活動

OBP-2011は、これまでの実験結果によりヌクレオカプシド形成を阻害する新規メカニズムを有する化合物であることが推定されていますが、現段階ではその詳細なメカニズムは解明されていません。OBP-2011はすでに承認されているコロナ治療薬の主なメカニズムであるポリメラーゼ阻害やプロテアーゼ阻害とは異なるメカニズムであることが推察されており、コロナウイルスの様々な変異株に対して効果が左右されないというデータが得られています。しかし、新型コロナ治療薬の承認ハードルが上昇していること、並びに新型コロナ治療薬の複数上市による緊急性の低下などの外部環境の変化や、テロメライシンへ経営リソースを集中させるために、開発方針を見直す必要性が生じました。今後は、鹿児島大学と詳細なメカニズム解明を行った上でコロナウイルス以外のRNAウイルスに対する新規適応を検討していく考えです。

 

⑤がん検査薬OBP-401に関する活動

がん細胞を特異的に蛍光発光させるGFPという遺伝子を搭載した腫瘍溶解ウイルスOBP-401は、血液中に存在する生きているがん細胞の検出目的で開発されてきましたが、今後はテロメライシンのコンパニオン診断などへの応用を検討してゆく計画です。なお、テロメライシンやOBP-702へ経営リソースを集中させるため、優先順位を引き下げています。

 

⑥HDAC阻害剤OBP-801に関する活動

2009年にアステラス製薬株式会社から導入したヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤であるOBP-801は、各種固形がんを対象とした米国でのPhase1臨床試験で用量制限毒性(DLT:Dose Limiting Toxicity)が発生し、推定有効量までの投与量の増量が不可能となったため、がん領域の開発を中断しました。

一方、新規適応領域である眼科領域では、京都府立医科大学眼科学教室の実験において、緑内障手術を行った際に形成される濾過胞の線維化抑制作用が認められ、2023年4月の日本眼科学会やARVO(視覚と眼科学研究協会学会)で研究結果が発表されました。また、2024年に日本国内で成立した眼科領域に対するOBP-801の用途特許について、2025年10月に同特許の保護範囲を拡張する旨の査定を受けました。なお、テロメライシンやOBP-702へ経営リソースを集中させるため、優先順位を引き下げています。

 

 

主なパイプラインの開発状況は、以下のとおりです。

開発品

適応疾患

併用療法

開発地域

開発ステージ

OBP-301

(suratadenoturev)

食道がん

放射線療法

日本

販売中

(通常承認)

放射線化学療法

米国

Phase1

抗PD-1抗体ペムブロリズマブ

日本

Phase1

(終了)

胃がん・

胃食道接合部がん

抗PD-1抗体ペムブロリズマブ

(3次治療)

米国

Phase2

(終了)

抗PD-1抗体ペムブロリズマブ

(2次治療)

米国

Phase2

肝細胞がん

単独投与

韓国・台湾

Phase1

(終了)

下部直腸・肛門がん

放射線化学療法

日本

Phase1b/2a

喉頭・咽頭がん

放射線療法

日本

Phase2

OBP-601

(censavudine)

進行性核上性麻痺(PSP)

単独投与

(二重盲検)

米国

Phase2

(Phase3準備中)

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

単独投与

(二重盲検)

米国・欧州

Phase2

(Phase2/3準備中)

アルツハイマー病

未定

米国

Phase2準備中

アイカルディ・

ゴーティエ症候群(AGS)

単独投与

欧州

Phase2

(組入れ終了)

抗加齢

未定

米国

前臨床

OBP-702

すい臓がん

単独投与

日本

前臨床

(Phase1準備中)

OBP-2011

ウイルス感染症

未定

日本

前臨床

OBP-401

がん細胞検出

-

日本

臨床研究

OBP-801

緑内障手術後の
濾過胞線維化抑制

-

日本

前臨床