1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………6
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………7
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………7
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………7
3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………8
(1)連結財政状態計算書 ………………………………………………………………………………………8
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………10
連結損益計算書 …………………………………………………………………………………………………10
連結包括利益計算書 ……………………………………………………………………………………………11
(3)連結持分変動計算書 ………………………………………………………………………………………12
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………13
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………14
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………14
(セグメント情報) ………………………………………………………………………………………………14
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………16
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………16
(初度適用) ………………………………………………………………………………………………………18
当社グループは当連結会計年度より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSベースに組み替えて比較分析を行っております。
当連結会計年度における世界経済は、米国をはじめとする主要国の金融政策転換や通商政策の変動に加え、中東情勢の緊迫化に伴うホルムズ海峡での緊張高まりを背景としたエネルギー価格のボラティリティ(変動)など、地政学リスクによる不透明感が継続いたしました。こうしたコスト増への懸念が残る一方で、デジタルトランスフォーメーション(DX)投資への意欲は底堅く推移いたしました。わが国経済におきましては、原材料費やエネルギーコストの高騰も相まって、企業においては省人化・自動化が喫緊の課題となっております。これらを解決する手段として、AI(人工知能)技術への期待はかつてない高まりを見せております。
当該期間におけるAI業界の動向といたしましては、生成AI(Generative AI)の活用が「実験的導入(PoC)」のフェーズを脱し、具体的な投資対効果(ROI)を追求する「社会実装」のフェーズへと本格的に移行いたしました。特筆すべきは、AIが単なる対話ツールから、自律的にタスクを計画・実行する「AIエージェント(Agentic AI)」へと進化したことです。これにより、サイバー空間のみならず、製造・物流・交通といった物理空間におけるAI活用、すなわち「フィジカルAI」の領域においても市場が急拡大しております。
このような経営環境の下、当社グループは「テクノロジーに想像力を載せる」という経営理念のもと、ビジョン達成に向けた事業基盤の強化に取り組んでまいりました。特に、AIプラットフォームとシステムインテグレーションの融合による「AIの実装」、およびグループシナジーを活かした自動車・GPUインフラ領域での高付加価値サービスの提供に注力いたしました。また、社内においては「テクノロジー・ファースト」の文化を深化させ、全社員がAI開発ツールを駆使する「AIネイティブ化」を推進することで、開発プロセスの生産性向上と品質の高度化を図っております。
<当社グループの優位性>
当社グループが持続的な成長を実現し得る最大の要因は、AIの研究開発からシステム実装、さらにはその稼働基盤となるインフラ(GPU)構築までを一気通貫で完遂できる『社会実装力』にあります。
多くのAI開発プロジェクトが実証実験(PoC)の段階で停滞する『PoCの壁』に直面する中、当社は基礎論文の調査からモデル開発、そして顧客の既存システムへの組み込みまでをワンストップで提供できる稀有な体制を構築しております。特に、世界大会優勝の実績を持つ囲碁AI開発で培った『実践学習』のアプローチは、統計的手法と機械学習をタスクに応じて最適に使い分けることを可能にし、データ解析や特徴量抽出において他社と一線を画す精度の高さを実現しております。加えて、画像認識プラットフォーム『AIZE』は、顧客ニーズを起点とした『マーケットイン』の発想により自社開発されており、柔軟なカスタマイズ性と導入の容易さが、現場レベルでのDX定着を加速させています。
また、当社グループの競争優位性の源泉は、ハードウェアとソフトウェアの双方に精通したハイブリッドなエンジニア組織にもあります。AI・DX領域においては、囲碁AIの研究開発ネットワークを通じて採用・育成された最先端のエンジニア約190名が、顧客のビジネス変革を強力に支援しております。一方、自動車設計領域においては、大手自動車メーカーの設計開発に40年以上にわたり携わり、関与特許実績140件超を有する約160名の熟練エンジニアが在籍しております。この『最先端AI』と『伝統的エンジニアリング』の融合こそが、昨今のトレンドである『フィジカルAI(実世界で機能するAI)』の開発に繋がるものと考えております。
さらに、AI開発に不可欠な計算資源においても、当社グループは高性能GPUサーバーの導入から保守・運用、データセンター構築までを自社で完結できる体制を有しております。半導体不足やクラウドコストの高騰が課題となる中、インフラ層からアプリケーション層までを垂直統合で提供できる当社の強みは、セキュリティとコストパフォーマンスを重視するエンタープライズ顧客からの信頼獲得に直結しております。
<当社グループ戦略>
当社グループはこの強固な事業基盤をテコに、AIの社会実装を加速させるべく『3つの成長エンジン』を主軸とした成長戦略を推進しております。
第1の戦略は、顔認証・生体認証システムによる『公正・安全』な社会インフラの構築です。当社の顔認証技術は、単なる利便性の提供を超え、スマートフォンの普及だけでは解決できない『本人確認の厳格化』が求められる領域へと展開しております。具体的には、エンターテインメント分野におけるチケット不正転売防止、Web試験での替え玉受験防止、さらには小売業界における特定の顧客層へのサービス提供など、公平性と安全性が価値となる市場において、高単価かつ不可欠なインフラとしての導入を加速させております。
第2の戦略は、製造・印刷業をはじめとするレガシー産業へのAI実装の深化です。クラウド完結型のAIベンダーが多い中、当社は現場のオペレーションに深く入り込む『エッジAI』と『フィジカルAI』を組み合わせることで、顧客固有の課題に合致した実効性の高いソリューションを提供しております。特に、日本の産業基盤である自動車やIP(知的財産)関連産業においては、単なる概念実証(PoC)にとどまらず、工数削減や歩留まり改善といった明確な投資対効果(ROI)を創出する『実益直結型』の提案を行い、顧客企業の収益構造改革に貢献してまいります。
第3の戦略は、産学連携を通じた技術シーズの事業化と人材エコシステムの拡大です。当社は産官学連携のハブとして、大学の先端研究シーズをシステム化し、自治体や公共機関へ展開するモデルを構築しております。この取り組みは、新たな収益機会の創出にとどまらず、共同研究を通じて優秀な学生エンジニアとの接点を強化するリクルーティング・エコシステムとしても機能しており、持続的な技術革新を支える原動力となっております。
また、これらの事業戦略を支える基盤として、当社は全社員がAIスキルを高め、業務プロセスそのものを変革する『AIネイティブな組織』への進化を遂げています。『テクノロジーで社会課題を解決するSIパートナー』として、既存事業の有機的な成長に加え、M&Aや資本業務提携による非連続な成長も視野に入れ、成長を加速してまいります。
これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上収益は5,722,227千円(前年同期比1.0%増)、営業利益は170,316千円(前年同期は営業損失522,449千円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は100,607千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期損失467,109千円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(AIソリューション事業)
当セグメントは、AI/システム開発を行うAIインテグレーション、AI搭載の自社プロダクトサービスを行うAIプロダクト、自動車設計を行うエンジニアリングの3つのサブセグメントにより構成されています。
・AIインテグレーションにおきましては、商流の見直しが奏功し、社員1人当たり月平均売上高は前第4四半期の1,478千円から当第4四半期は1,641千円へと増加いたしました。また、ビジネスパートナー粗利率も同15.3%から18.5%へと引き続き改善しております。需要面では、生成AI関連の開発ニーズの拡大を背景にAI開発契約が安定的に拡大しており、AIラボ・コンサルティングの売上高は4四半期連続で増収となり、前第4四半期の39百万円から当第4四半期は86百万円となり、前期比で2倍以上に成長いたしました。AIラボを起点にPoC(実証実験)から本開発、次フェーズへと連続受注する再現性の高いモデルが定着しております。また、エージェント型AIを活用した開発(Vibe-Coding)の案件適用を進め、共通フレームワークの構築に着手したほか、大手上場企業へのプリセールスが奏功し、受注・継続案件が拡大いたしました。さらに、検品AI・配送ルート最適化AI、競馬関連AIの研究など新領域にも取り組んでおります。
・AIプロダクトにおきましては、顔認証勤怠アプリ「アルろく for LINE WORKS」がWEB広告の奏功により問い合わせが増加し、契約ID数の増加が加速しております。また、大手製薬会社・カーディーラーなど大型顧客の受注が実現したほか、マネーフォワード社及び勤次郎社とのAPI連携経由の受注も拡大しております。さらに、大手自動車メーカーの工場に入退場システムを設置するなど、AI社会実装が進行しております。
・エンジニアリングにおきましては、組織風土改善活動に取り組む中で前期に見られた人員減が収束し、案件増により請負工数が増加するなど、期を通じて順調に業績が進捗いたしました。人員面では、2026年9月に中途採用の5名が入社したほか、2027年4月には新卒16名が入社する予定です。また、自動車設計AI業務効率化ソフトの開発が徐々に形になり始めており、AIプロダクトの開発もスピードアップしております。加えて、トリプルアイズのメンバーがBEX社へ出向・常駐することによる東海地区での営業体制強化が進行しており、同地区において製造業向けAI開発案件を受注いたしました。
以上の結果、当連結会計年度において、売上収益は4,822,656千円(前年同期比4.2%増)、セグメント利益は159,341千円(前年同期比190.0%増)となりました。
(GPUサーバー事業)
当セグメントにおきましては、AI市場の拡大に伴う計算資源への需要変化を的確に捉え、事業構造の転換を推進してまいりました。
当連結会計年度においては、特定代理店との協業拡大により、AI開発用途向けGPUサーバーの販売が進捗いたしました。AI開発用途向けGPUサーバーを主力とする事業構造への転換が完了し、マイニングマシンサーバー運用事業も収束に近づいたことに加え、広告費等の調整により販管費が減少したことで、損益が改善いたしました。当第4四半期連結会計期間においては営業利益39百万円を計上して通期でも営業利益10百万円と黒字に転換いたしました。また、ゼロフィールドが保有する棚卸資産について、収益性の低下に基づく簿価切下げ(棚卸資産評価損29百万円)を計上しており、当該棚卸資産評価損計上前の通期営業利益は40百万円となっております。第4四半期には、代理店経由の販売が増加したことに加え、なお、2026年9月7日に、同社の代表取締役の異動が決議され、佐藤仁が新たに代表取締役に就任いたしました。当社が公表しております同社の株式譲渡方針に変更はありません。
以上の結果、当連結会計年度において、売上収益は912,062千円(前年同期比13.3%減)、セグメント利益は10,975千円(前年同期はセグメント損失577,402千円)となりました。
当連結会計年度末における資産合計は、4,641,231千円となり、前連結会計年度末と比較して661,866千円減少しております。
流動資産は2,467,979千円(前期末比453,547千円減)となり、主な要因としては、営業債権及びその他の債権が96,373千円、その他の流動資産が12,216千円増加した一方で、現金及び現金同等物が439,557千円、棚卸資産が106,617千円、その他の金融資産が15,962千円それぞれ減少したことであります。
非流動資産は2,173,251千円(前期末比208,318千円減)となり、主な要因としては、その他の長期金融資産が67,768千円増加した一方で、無形資産が118,032千円、使用権資産が100,987千円、繰延税金資産が32,114千円、有形固定資産が22,631千円それぞれ減少したことであります。
当連結会計年度末における負債合計は、3,179,136千円となり、前連結会計年度末と比較して789,229千円減少しております。
流動負債は1,727,666千円(前期末比333,912千円減)となり、主な要因としては、営業債務及びその他の債務が45,272千円増加した一方で、契約負債が319,727千円、未払法人所得税が43,820千円、社債及び借入金が14,302千円それぞれ減少したことであります。
非流動負債は1,451,470千円(前期末比455,317千円減)となり、主な要因としては、社債及び借入金が270,856千円、リース負債が92,765千円、退職給付に係る負債が80,411千円それぞれ減少したことであります。
当連結会計年度末における資本合計は、1,462,094千円となり、前連結会計年度末と比較して127,363千円増加しております。親会社所有者帰属持分比率は25.2%(前連結会計年度末)から31.5%(当連結会計年度末)となり、財務状況は改善しております。主な要因としては、親会社の所有者に帰属する当期利益100,607千円の計上により利益剰余金が増加したことであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末と比較して279,516千円減少し、1,474,622千円(前連結会計年度末1,754,139千円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果支出した資金は64,543千円(前期は32,139千円の獲得)となりました。その主な要因は、税引前当期利益97,830千円、減価償却費及び償却費225,672千円、棚卸資産の減少額77,229千円等があったものの、営業債権及びその他の債権の増加額134,968千円、契約負債の減少額318,448千円、法人所得税の支払額80,483千円等が生じたことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は215,926千円(前期は78,229千円の支出)となりました。この主な要因は、無形資産の売却による収入109,658千円、定期預金の解約による収入160,041千円等が生じたことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は430,899千円(前期は346,312千円の獲得)となりました。その主な要因は、長期借入れによる収入100,000千円があったものの、長期借入金の返済による支出375,684千円及びリース負債の返済による支出145,276千円等が生じたことによるものです。
2027年8月期の連結業績予想につきましては、開示を行わないことといたしました。連結子会社である株式会社ゼロフィールドの全株式譲渡に向けた売却活動が進捗中であり、譲渡の完了時期及び譲渡価額が確定しておりません。このため、ゼロフィールドを含めた連結業績予想、ゼロフィールドを含まない連結業績予想のいずれを正式な予想として開示した場合でも、投資家の皆様の判断を誤らせるおそれがあります。今後、株式譲渡の条件が確定し、合理的な業績予想の算定が可能となった時点で、速やかにお知らせいたします。
なお、参考情報として、ゼロフィールドが運営するGPUサーバー事業をIFRS第5号に基づく非継続事業に分類することが確定した場合の、継続事業(AIソリューション事業)ベースの参考数値を決算説明資料に記載しております。当該数値は参考として示すものであり、正式な業績予想として開示するものではありません。
AIソリューション事業のAIインテグレーションサブセグメントについては、契約単価の引き上げ及びプライム案件の受注拡大に取り組むとともに、AI案件への人員シフトを進めてまいります。AIプロダクトサブセグメントについては、パートナー戦略の再構築を進め、エッジ・セキュリティ領域への拡大を通じて、ARRの拡大を目指してまいります。エンジニアリングサブセグメントについては、新卒・中途採用の強化やボトムアップの施策により、人員数の増加を目指してまいります。これらにより、足元の業績は更なる伸長を見込んでおります。
中期的には、AIプロダクトを除く事業は労働集約型であり、人員数が成長の制約となりやすいことから、人員数の影響を受けないAIプロダクトの拡大が重要であると認識しております。当社グループは、BEXと共同で自動車設計領域における新規AIプロダクト及びAIソリューションの開発を進めており、サブスクリプションモデルによる事業拡大を目指して、2028年8月期以降の事業化を目標としております。また、生成AIの浸透が進んでいない自動車領域において、BEXへの出向・常駐とオンプレミス環境での画像認識技術を強みに、先行して事業を展開してまいります。
なお、今後の見通しにつきましては、発表日現在において入手可能な情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社グループとして約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は今後様々な要因によって見通しと異なる場合があります。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を目的として、2026年8月期より国際財務報告基準(IFRS)を適用しております。
前連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)
当連結会計年度(自 2025年9月1日 至 2026年8月31日)
該当事項はありません。
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、事業内容の関連性及び事業規模に基づき事業セグメントを集約し、「AIソリューション事業」及び「GPUサーバー事業」の2つを報告セグメントとしております。
「AIソリューション事業」は主に、AI技術を用いたシステム開発を含むシステムインテグレーションビジネス、自動車に関するエンジニアリングビジネス、ストック型AIプラットフォームビジネスを行っております。
「GPUサーバー事業」は主に、高性能パソコンの開発・販売・運用及びデータセンターのインフラ構築から施工、システム開発、保守・運用まで提供しております。
報告されている事業セグメントの会計方針は、当社グループの連結財務諸表における会計方針と同一であります。
当社グループの報告セグメントごとの情報は以下のとおりであります。なお、報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の取引は市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)
(注)セグメント間の売上収益及びセグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去によるものです。
当連結会計年度(自 2025年9月1日 至 2026年8月31日)
(注)セグメント間の売上収益及びセグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去によるものです。
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
本邦の外部顧客からの売上収益が当社グループの売上収益の大部分を占めるため、記載を省略しております。
本邦以外に所在している非流動資産がないため、該当事項はありません。
連結売上収益の10%以上を占める顧客の売上収益は、以下のとおりです。
基本的1株当たり当期利益及びその算定上の基礎は、以下のとおりです。
希薄化後1株当たり当期利益及びその算定上の基礎は、以下のとおりです。
(当社及び当社取締役に対する訴訟の提起)
当社は、以下のとおり2026年8月7日付で訴訟を提起され、2026年10月8日に訴状を受領しました。
1.訴訟の提起があった裁判所及び年月日
(1) 裁判所:東京地方裁判所
(2) 訴訟提起日:2026年8月7日
(3) 訴状送達日:2026年10月8日
2.訴訟を提起した者の概要
(1) 氏 名:村田敦(個人)
(2) 住 所:東京都目黒区
3.訴訟の内容及び訴訟の目的の価額
(1) 内 容:村田氏は、当社によるゼロフィールドの株式の取得に際してなされた譲渡代金の支払に関する別途の合意が履行されなかったなどと主張して、以下の請求をしています。
(2) 請求の内容:
①主位的請求:当社及び当社取締役2名に対し、不法行為に基づく損害賠償として、連帯して250,806,754円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める
②予備的請求:当社に対し、上記合意に基づく株式譲渡代金の支払及び同合意上の義務の不履行に基づく損害賠償として136,482,402円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める
(3) 訴訟の目的の価額:250,806,754円
4.訴訟の原因及び提起されるに至った経緯
当社は、2023年7月27日付け「株式会社ゼロフィールドの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」及び同年9月1日付け「子会社の異動(株式取得)完了に関するお知らせ(開示事項の経過)」にて公表いたしましたとおり、2023年9月1日付けで、村田氏を含むゼロフィールドの元株主から、ゼロフィールドの発行済株式の全てを取得いたしました。村田氏は、当該株式の取得に関し、上記3.(1)のとおり、当社との間で譲渡代金の支払に関する別途の合意が存在したが、当社がこれを一部履行しなかったことにより支払を受けることができなかった額につき損害を負った旨主張して、本訴訟を提起したものです。
なお、当社は、2026年7月15日付け「当社連結子会社の元筆頭株主に対する損害賠償等請求訴訟の提起に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり(当該適時開示における「本元筆頭株主」が村田氏に当たります。)、村田氏に対し、当該株式の取得に関して当社が被った損害の賠償等を求める訴訟を提起しておりますが、本訴訟は、当該訴訟とは別個の訴訟として提起されたものです。
5.今後の見通し
当社は、村田氏の主張する上記3.(1)の合意は存在せず、仮に存在するとしても錯誤により当該合意は取り消されるべきものであること等から、村田氏の請求には理由がないものと考えており、本訴訟において、当社の主張の正当性を主張・立証してまいります。
本訴訟が当社の連結業績に与える影響は、現時点では未定です。今後、開示すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせいたします。
(初度適用)
当社グループは、当連結会計年度からIFRSに準拠した連結財務諸表を開示しております。我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準(以下「日本基準」という。)に準拠して作成された直近の連結財務諸表は2025年8月31日に終了する連結会計年度に関するものであり、IFRSへの移行日は2024年9月1日です。
IFRSでは、IFRSを初めて適用する会社に対して、原則としてIFRSで要求される基準を遡及して適用することを求めております。ただし、IFRS第1号はIFRSで要求される基準の一部について、任意に免除規定を適用することができるものと、遡及適用を禁止する強制的な例外規定を定めております。これらの規定の適用に基づく影響は、移行日において利益剰余金又はその他の資本の構成要素において調整しております。
当社グループが適用した主な任意の免除規定は以下のとおりです。
IFRS第1号では、移行日前に行われた企業結合についてIFRS第3号「企業結合」(以下「IFRS第3号」という)を遡及適用しないことが選択可能となっております。遡及適用する場合、その後の企業結合はすべてIFRS第3号に基づいて修正されます。
当社グループは、移行日前に行われた企業結合に対してIFRS第3号を遡及適用しないことを選択しております。この結果、移行日前の企業結合から生じたのれんの額については、日本基準に基づいた帳簿価額のまま調整しておりません。なお、当該のれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず移行日時点で減損テストを実施しております。
IFRS第1号では、移行日時点で存在する事実及び状況に基づき、IFRS第9号「金融商品」に従って金融資産の指定を行うことができます。当社グループは保有している金融商品を移行日時点の状況に基づき指定しております。
IFRS第1号では、初度適用企業は、移行日時点で存在する契約にリースが含まれているかどうかを、同日時点で存在する事実及び状況に基づいて判定することが認められております。また、リース負債を、残りのリース料を移行日現在の借手の追加借入利率で割り引いた現在価値で測定し、使用権資産を、リース負債と同額(当該リースに関して移行日直前の財政状態計算書に認識していた前払リース料又は未払リース料の金額で調整後)とすることが認められております。
リース期間が移行日から12か月以内に終了するリース及び原資産が少額であるリースについて、費用として認識することが認められております。当社グループは、当該免除規定を適用し、リースの認識・測定を行っております。
IFRS第1号では、移行日前に権利確定した株式報酬に対して、IFRS第2号「株式に基づく報酬」(以下「IFRS第2号」という。)を適用しないことを選択することが認められております。当社グループは、当該免除規定を適用し、移行日前に権利確定した株式報酬に対して、IFRS第2号を遡及適用しないことを選択しております。
IFRS第1号では、移行日以前に生じた有形固定資産の原価に算入される廃棄、原状回復及びそれらに類似する負債の特定の変動に関しては、移行日時点で負債を測定し、負債が最初に発生した時点で原価に算入されていたであろう金額を発生時点まで負債を割り引いて見積り、これを資産の耐用年数の現在見積りを基に企業が採用する減価償却方針を用いて当該金額の減価償却累計額を算定することが認められております。当社グループは、当該免除規定を適用し、負債及び減価償却累計額を算定しております。
IFRS第1号では、「見積り」、「金融資産及び金融負債の認識の中止」及び「金融資産の分類及び測定」等について、IFRSの遡及適用を禁止しております。当社グループはこれらの項目について移行日より将来に向かって適用しております。
IFRS第1号にて求められる調整表は以下のとおりです。なお、調整表の「表示組替」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼさない調整を、「認識及び測定の差異」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼす調整を含めております。
なお、2024年7月1日に行われた株式会社BEXとの企業結合について、2024年8月期の日本基準において暫定的な会計処理を行っておりましたが、その後確定した会計処理を支配獲得日に遡及して反映させております。この暫定的な会計処理の確定に伴い、取得原価の当初配分額に重要な見直しが反映されており、その結果、「顧客関連資産」及び「利益剰余金」がそれぞれ増加し、「のれん」及び「繰延税金資産」が減少しております。
日本基準において区分掲記していた「売掛金」、「契約資産」及び「貸倒引当金(流動)」を、IFRSにおいては「営業債権及びその他の債権」として表示しております。
日本基準において区分掲記していた「商品及び製品」及び「原材料及び貯蔵品」を、IFRSにおいては「棚卸資産」として表示しております。
日本基準において「その他(流動資産)」に含めていた1年以内回収予定長期貸付金及び短期貸付金を、IFRSにおいては「その他の金融資産(流動)」として表示しております。
日本基準において区分掲記していた「建物及び構築物」、「車両運搬具」、「土地」、「建設仮勘定」及び「その他(有形固定資産)」に含めていた工具、器具及び備品等を、IFRSにおいては「有形固定資産」として表示しております。
日本基準において区分掲記していた「ソフトウエア」、「顧客関連資産」及び「その他(流動資産)」に含めていた暗号資産を、IFRSにおいては「無形資産」として表示しております。
日本基準において区分掲記していた「投資有価証券」、「関係会社株式」及び「その他(投資その他の資産)」に含めていた出資金を、IFRSにおいては「その他の投資」として表示しております。
日本基準において区分掲記していた「長期貸付金」、「敷金及び保証金」、「貸倒引当金(固定)」及び「その他(投資その他の資産)」に含めていた保険積立金を、IFRSにおいては「その他の長期金融資産」として表示しております。
日本基準において区分掲記していた「買掛金」、「未払金」及び「その他(流動負債)」に含めていた未払費用等を、IFRSにおいては「営業債務及びその他の債務」として表示しております。
日本基準において区分掲記していた「1年内償還予定の社債」、「短期借入金」及び「1年内返済予定の長期借入金」を、IFRSにおいては「社債及び借入金(流動)」として表示しております。
日本基準において区分掲記していた「受注損失引当金」及びIFRS移行に伴い計上した資産除去債務(流動)を、IFRSにおいては「引当金(流動)」として表示しております。
日本基準において区分掲記していた「賞与引当金」及び「その他(流動負債)」に含めていた未払消費税及び預り金等を、IFRSにおいては「その他の流動負債」として表示しております。
日本基準において区分掲記していた「社債」及び「長期借入金」を、IFRSにおいては「社債及び借入金(非流動)」として表示しております。
日本基準において区分掲記していた「新株式申込証拠金」を、IFRSにおいては「資本剰余金」に含めて表示しております。
日本基準において区分掲記していた「その他有価証券評価差額金」及び「新株予約権」を、IFRSにおいては「その他の資本の構成要素」に含めて表示しております。
日本基準において「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」及び「特別損失」に表示していた項目を、IFRSでは財務関係損益については「金融収益」及び「金融費用」として表示し、それ以外の項目については、「その他の収益」及び「その他の費用」として表示しております。
また、日本基準において「売上高」に含めていたGPUサーバー事業における暗号資産のマイニングに係る収益は、IFRSにおいては「その他の収益」に含めて表示しております。
日本基準において区分掲記していた「法人税、住民税及び事業税」及び「法人税等調整額」を、IFRSにおいては「法人所得税費用」として表示しております。
日本基準において「その他(流動負債)」に含めていた前受金を、IFRSにおいては「契約負債」に含めて表示しております。
収益性の低下により簿価切り下げを行った棚卸資産について、日本基準においては切放し法を適用しておりましたが、IFRSにおいては正味実現可能価額が増加したと認められるものについて評価減の戻入を行っております。
代理店手数料等の顧客との契約獲得のための増分コストについて、日本基準においては一括費用処理をしておりましたが、IFRSにおいては回収可能であると見込まれる部分について資産として認識しております。
IFRSの適用に伴い、一部の有形固定資産の耐用年数を見直しております。
日本基準においては、合理的に見積もられたのれんの効果が及ぶ期間にわたって定額法によりのれんを償却しておりましたが、IFRSにおいては、企業結合により発生したのれんは償却せずに毎期減損テストを行っております。
一部の広告宣伝及び販売促進活動に関する支出について、日本基準においては資産計上しておりましたが、IFRSにおいては発生時に費用として認識しております。
また、IFRSの適用に伴い、一部の顧客関連資産の耐用年数を見直しております。
日本基準においては、期末日の市場価格に基づく価額をもって貸借対照表価額とし、帳簿価額との差額は純損益として処理しておりましたが、IFRSにおいては、無形資産として認識し、当初認識時点において取得原価で測定するとともに、毎期減損テストを行っております。
日本基準においては、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っておりました。IFRSにおいては、借手のリースについてファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類せず、使用権資産及びリース負債を認識しております。
一部の資産除去債務について、日本基準においては対応する敷金を償却する簡便法にて処理しておりましたが、IFRSにおいては負債計上するとともに、対応する固定資産の取得価額に同額を加算した上で減価償却を行っております。また、IFRSにおいては資産除去債務の計上額について、移行日及び各報告期間の末日現在で再検討を行い、割引率の見直しを含む新たな最善の見積りを反映するように修正しております。
保険積立金及びゴルフ会員権について、日本基準においては償却原価で計上しておりましたが、IFRSにおいては純損益を通じて公正価値で測定しております。
また、資本性金融商品について、日本基準においては減損を純損益として認識しておりましたが、IFRSにおいては公正価値の変動額をその他の包括利益として認識しております。
各四半期における税金費用について、日本基準においては原則として年度決算と同様の方法により計算しておりましたが、IFRSにおいては年間の見積利益総額に適用される税率、すなわち、期中報告期間の税引前利益に適用される見積平均年次実効税率を用いて計上しております。
また、日本基準からIFRSへの調整に伴い一時差異が発生したこと及び繰延税金資産の回収可能性を再検討したことにより、繰延税金資産及び負債の金額を調整しております。
当初認識後に償却原価で測定する社債及び借入金の発行に直接起因する取引コストについて、日本基準においては発生時に費用処理していましたが、IFRSにおいては社債及び借入金の当初測定額から減算しております。
資産の取得に対する補助金について、日本基準においては補助金を受領した時点で一括して収益を認識しておりましたが、IFRSにおいては関連する資産の見積耐用年数にわたり、規則的に純損益に認識しております。
日本基準においては会計処理していなかった未消化の有給休暇に対して負債を計上しており、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」を調整しております。
また、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算について、日本基準においては簡便法(退職給付にかかる期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法)により計算しておりましたが、IFRSにおいては、予測単位積増方式により計算しております。数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益として認識し、過去勤務費用は発生時に純損益として認識しております。
日本基準においては純損益として認識しておりましたが、IFRSにおいては資本剰余金の控除項目として処理しております。
上記調整による利益剰余金への影響は以下のとおりです。
日本基準においてはオペレーティング・リースの支払額は営業活動によるキャッシュ・フローに区分しておりましたが、IFRSにおいては使用権資産に対応するリース負債の返済による支出として財務活動によるキャッシュ・フローに区分しております。