1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 …………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 …………………………………………………………………………4
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ……………………………………………………………4
(4)今後の見通し ……………………………………………………………………………………5
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………5
3.連結財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………6
(1)連結貸借対照表 …………………………………………………………………………………6
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ……………………………………………………8
(3)連結株主資本等変動計算書 ……………………………………………………………………10
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………11
(5)連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………12
(継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………12
(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) …………………………………………12
(企業結合等関係) …………………………………………………………………………………12
(セグメント情報等) ………………………………………………………………………………13
(1株当たり情報) …………………………………………………………………………………17
4.その他 …………………………………………………………………………………………………18
(役員の異動) ………………………………………………………………………………………18
国内医薬品事業におきましては、高齢化社会の進行等によって国の医療財政が逼迫する中、薬価制度の抜本改革をはじめとする様々な医療費抑制策が進められており、長期収載品の選定療養制度が導入されるなど、当連結会計年度においても引き続き厳しい事業環境にあります。
このような環境の中、当社グループは、2022年を起点とする10か年の経営計画において、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社グループの長期的課題を分析し、2031年ビジョンとして「画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業」「皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業」を掲げました。また、当社グループは、ビジョン実現のための戦略として「研究開発」「海外展開」「経営基盤」の3つのTransformationを策定し、研究開発への積極的な戦略投資、高い有効性と安全性を有し世界に通用する医薬品を効率良く創出・販売できる体制の構築、挑戦と変革を追求し続ける人材の育成等を進めております。
農業薬品事業におきましては、主力品である微生物由来の天然物質農薬「ポリオキシン」の成長戦略を柱とした価値の最大化をはかっております。以上の戦略を通じて経営計画達成に向けて取り組んでおります。
なお、経営環境の変化や計画の進捗等を踏まえ、2025年4月8日に「長期経営計画2031」の一部見直しを発表いたしました。主な変更内容は、①画期的・革新的新薬の継続的な上市のための戦略投資金額の増額、②財務規律の維持、③株主還元の強化であります。詳細につきましては当社グループのウェブサイトをご参照ください。
https://www.kaken.co.jp/invest/policy/long_term.html
当社グループの当連結会計年度の業績は、減収減益となりました。売上高は76,871百万円(対前年同期比18.3%減)、営業損失は899百万円(前年同期は営業利益21,034百万円)、経常損失は206百万円(前年同期は経常利益21,279百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,144百万円(対前年同期比84.6%減)となりました。なお、研究開発費につきましては、20,585百万円(対前年同期比9.9%増)となりました。
当連結会計年度における事業の主な進捗は以下のとおりであります。
〔研究開発〕
・当社グループが、難治性脈管奇形を対象疾患として開発を進めている「KP-001」の国内第Ⅲ相検証的試験において、主要評価項目を達成いたしました。また、安全性に関しても開発上の問題となる副作用は認められませんでした。今後は、現在実施中の国内第Ⅲ相長期投与試験の結果を踏まえ、2026年度上期中の製造販売承認申請を予定しております。
・当社グループは、ニューマブ社と「NM81」の戦略的なライセンス及び共同開発契約を締結いたしました。本契約締結により、当社グループが2024年11月に締結した共同研究契約に附随するオプション権に基づくアジアの特定の地域における「NM81」の販売権を取得するとともに、両社で「NM81」の共同開発を推進いたします。また、ニューマブ社が製品の事業化に成功した場合、当社グループはニューマブ社から一定額までの対価を受け取ります。
・当社グループが、既存治療で効果不十分なアタマジラミ症を対象疾患として開発を進めている「KAR」の国内第Ⅲ相試験において、主要評価項目を達成いたしました。また、安全性に関しても開発上の問題となる副作用や重篤な副作用は認められなかったため、2026年度上期中の製造販売承認申請を予定しております。
〔導入関連〕
・2024年10月に、当社グループが三洋化成工業㈱(以下、「三洋化成」という。)と日本における独占的販売権に関するライセンス契約を締結しておりました日本初の遺伝子組み換え技術を用いた新規の創傷治癒材「シルクエラスチン創傷用シート」に関し、三洋化成が製造販売承認を取得いたしました。
・㈱ツーセルが創製し、再生医療等製品としての承認をめざしている「gMSC1」に関するライセンス契約を締結いたしました。本契約締結により、当社グループは日本国内の整形外科領域における共同開発権、独占的販売権を取得いたしました。
・バイオクリスト社が開発中の「ナベニバルト」について、日本における開発及び商業化に関するライセンス契約を締結いたしました。本契約締結により、当社グループは日本における「ナベニバルト」の独占的な開発及び販売の権利を取得いたしました。
・当社グループは、KalVista Pharmaceuticals Ltd.(以下、「カルビスタ社」という。)が製造販売承認を取得した、遺伝性血管性浮腫急性発作治療用血漿カリクレイン阻害薬「エクテリー」(一般名:セベトラルスタット)の国内での販売を開始いたしました。
・当社グループが、日本での皮膚科領域の疾患に対する治療剤としての独占的な開発、製造及び販売の権利を取得している「ESK-001」について、Alumis Inc.(以下、「アルミス社」という。)が第Ⅲ相臨床試験の結果を2026年米国皮膚科学会年次総会において発表いたしました。当社グループは、国内での製造販売承認に向けた準備を進めてまいります。
〔海外展開〕
・爪白癬治療剤「Jublia」(日本販売名:クレナフィン)について、欧州の導出先であるAlmirall S.A.が、ドイツの連邦医薬品医療機器研究所より製造販売承認を取得いたしました。今回のドイツでの承認取得は、イタリアに続いて欧州で2か国目になります。
・原発性腋窩多汗症治療剤「エクロック」について、韓国の導出先であるDong-Wha Pharm. Co.,Ltd.が韓国で発売いたしました。
〔その他〕
・当社の株価や業績と従業員の処遇の連動性をより高め、経済的な効果を株主の皆様と共有することにより、株価及び業績向上への従業員の意欲や士気を高めることを目的として、従業員に対して自社の株式を給付するインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」の運用を開始いたしました。
・連結子会社である科研ファルマ㈱が、「クレナフィン」のAGを発売いたしました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
1) 医薬品・医療機器
〔国内売上〕
医薬品・医療機器につきましては、「エクロック」等の売上増加や「エクテリー」の販売開始による売上が増加したものの、「クレナフィン」のAGへの置き換えが進んだこと等により、結果として減収となりました。
〔海外売上〕
前連結会計年度の増収要因であった「NM26」の知的財産譲渡及び販売提携オプション契約及び「STAT6阻害剤」に関するライセンス契約締結に基づく契約一時金収入の反動等により、減収となりました。
2) 農業薬品
農業薬品につきましては、除草剤「メタミホップ」等の売上が増加したことにより、増収となりました。
この結果、売上高は74,328百万円(対前年同期比18.8%減)となりました。なお、海外売上高は12,840百万円(対前年同期比51.7%減)となりました。
② 不動産事業
不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は2,543百万円(対前年同期比2.5%増)となりました。
当連結会計年度末における総資産は178,217百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,159百万円の減少となりました。これは主に、法人税等の支払により現預金が減少したことによるものであります。
負債は30,597百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,144百万円の減少となりました。これは主に、未払法人税等の減少によるものであります。
また、純資産は147,619百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,015百万円の減少となりました。これは主に、利益剰余金の減少によるものであります。
自己資本比率は、82.8%(前連結会計年度末78.9%)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ19,380百万円減少の50,705百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は11,079百万円となりました。これは主に、法人税等の支払によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は315百万円となりました。これは主に、有形固定資産の売却によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は8,841百万円となりました。これは、自己株式の取得による支出、配当金の支払によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
※ 利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※ 2026年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため、記載しておりません。
次期の業績につきましては、マイルストン達成に伴う一時金受領等により増収増益を見込んでおります。売上高は89,900百万円、営業利益は7,900百万円、経常利益は8,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は6,500百万円を見込んでおります。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、日本基準を適用しておりますが、海外展開の更なる進展を見据え、財務情報の国際的な比較可能性の向上や国内外のステークホルダーの皆様の利便性を高めることを目的に、国際財務報告基準(IFRS)への早期移行を検討しております。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
(自己株式の取得)
当社は、当連結会計年度において、2025年2月26日開催の取締役会決議に基づき、自己株式を538,800株、2,340百万円取得いたしました。
(自己株式の消却)
当社は、当連結会計年度において、2025年2月26日開催の取締役会決議に基づき、2025年5月30日付で自己株式を1,800,000株消却いたしました。これにより、自己株式が6,787百万円、資本剰余金が1,529百万円、利益剰余金が5,257百万円それぞれ減少いたしました。
(第三者割当による自己株式の処分)
当社は、当連結会計年度において、2025年5月30日開催の取締役会決議に基づき、2025年6月17日付で自己株式を110,000株処分いたしました。自己株式の処分は株式給付信託(J-ESOP)の運用開始によるもので、これにより、自己株式が414百万円減少し、資本剰余金が4百万円増加いたしました。
これらの結果、当連結会計年度末における自己株式は6,271,415株、23,776百万円、資本剰余金は11,406百万円、利益剰余金は125,625百万円となっております。
(企業結合に係る暫定的な会計処理の確定)
2025年3月26日に行われたAadi Bioscience, Inc.との企業結合について、前連結会計年度末において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定しております。
この暫定的な会計処理の確定に伴い、当連結会計年度の連結財務諸表に含まれる比較情報において取得原価の当初配分額に重要な見直しが反映されております。
この結果、前連結会計年度末において暫定的に算定されたのれんの金額13,223百万円は、会計処理の確定により8,575百万円減少し、4,648百万円となっております。のれんの減少は、取得原価の調整による減少16百万円のほか、販売権が10,467百万円、仕掛研究開発が1,046百万円、繰延税金負債が2,954百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、医薬品、医療機器及び農業薬品の製造・販売並びに不動産賃貸の事業を営んでおり、業種別に事業に従事する経営スタイルを採用しております。また、各事業の運営は、事業ごとに主体的に行われ、包括的な事業戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社グループは、事業の運営を基礎とした業種別のセグメントから構成されており、「薬業」及び「不動産事業」の2つを報告セグメントとしております。
「薬業」は、医薬品、医療機器及び農業薬品の製造・販売を主とし、「不動産事業」は、文京グリーンコート関連の不動産賃貸を主としております。
(2) 報告セグメントごとの売上高、利益、資産及びその他の項目の金額の算定方法
報告セグメントの利益は、営業利益であります。
なお、共用資産については、各報告セグメントに配分しておりませんが、関連する費用については、合理的な基準に基づき各報告セグメントに配分しております。
(3) 報告セグメントごとの売上高、利益、資産及びその他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1.セグメント資産の調整額78,916百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であり、主に報告セグメントに帰属しない余資運用資金であります。
2.減価償却費、有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、長期前払費用が含まれております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1.セグメント資産の調整額62,623百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であり、主に報告セグメントに帰属しない余資運用資金であります。
2.減価償却費、有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、長期前払費用が含まれております。
2.関連情報
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(1) 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
(2) 地域ごとの情報
① 売上高
(注)1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
2.欧州のうち、スイスは13,379百万円であります。
② 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
(3) 主要な顧客ごとの情報
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(1) 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
(2) 地域ごとの情報
① 売上高
(注)1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
2.北米のうち、アメリカは9,017百万円であります。
② 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
(3) 主要な顧客ごとの情報
3.報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
4.報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 「薬業」セグメントにおいて、のれんの減損損失が46百万円発生しております。また、連結財務諸表に関する注記事項(企業結合等関係)に記載のとおり、2025年3月26日付でアーディ社株式を取得し、連結の範囲に含めております。当該事象によるのれんの増加額は、当連結会計年度において、4,648百万円であります。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
5.報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報
該当事項はありません。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.当社は、株式給付信託(BBT)及び当連結会計年度より株式給付信託(J-ESOP)を導入しております。株主資本において自己株式として計上している信託が保有する当社株式は、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めており、また、1株当たり当期純利益の算定上、普通株式の期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
1株当たり純資産額の算定上、控除した当該自己株式の期末株式数は、前連結会計年度93,600株、当連結会計年度199,700株であり、1株当たり当期純利益の算定上、控除した当該自己株式の期中平均株式数は、前連結会計年度64,055株、当連結会計年度177,432株であります。
3.1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、次のとおりであります。
4.1株当たり純資産額の算定上の基礎は、次のとおりであります。
該当事項はありません。
社外監査役 榎本 政彦 (現 税理士/榎本政彦税理士事務所)
社外監査役 松本 洋明