○添付資料の目次

 

1.当中間決算に関する定性的情報 ………………………………………………………………………………………

2

(1)経営成績に関する説明 ……………………………………………………………………………………………

2

(2)財政状態に関する説明 ……………………………………………………………………………………………

7

(3)業績予想などの将来予測情報に関する説明 ……………………………………………………………………

7

2.中間財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………………

9

(1)中間貸借対照表 ……………………………………………………………………………………………………

9

(2)中間損益計算書 ……………………………………………………………………………………………………

10

(3)中間キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………………

11

(4)中間財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………………

12

(継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………………………

12

(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) …………………………………………………………

12

 

1.当中間決算に関する定性的情報

(1)経営成績に関する説明

 国内医薬品業界においては、医療費抑制策が継続的に推し進められる中、毎年薬価改定が実施されるなど、経営環境は一層厳しさを増しており、各企業には一層のコスト競争力の強化と戦略的な事業展開が求められています。

 このような事業環境の中、当社は前期より『中期経営計画2027』をスタートし、経営基盤の強化に取り組むとともに、アンメット・メディカル・ニーズを満たす薬剤の提供に向けて、将来のBNCT※1の業容拡大を見据え、短期的な視点のみならず中長期的な視点での取り組みを推進しております。

 

 国内では関連学会に関する学術講演会やセミナーを積極的に開催し、医療関係者の方々との関係構築とBNCTの認知度向上による症例数の増加に向けた取り組みを継続しております。

 

 開発パイプラインの進捗としては、次の通りであります。

 切除不能な皮膚血管肉腫※2の患者様を対象に、株式会社CICS(以下「CICS」という。)の中性子照射装置(以下「CICS-1」という。)と当社のホウ素薬剤(以下「SPM-011」という。)を用いたBNCTの有効性と安全性を評価することを主たる目的として、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院において症例数10例での単群試験※3として実施された国内第Ⅱ相試験において、2025年7月に主要評価項目を達成したことが確認されました。具体的には、主要評価項目としてBNCT施行日から90日以内の画像中央判定※4による奏効率※5を設定し、結果としてBNCTを受けた10例中、部分奏効が3例、完全奏効が2例、奏効率50.0%(90%信頼区間※6:22.2%~77.8%)を示し、90%信頼区間の下限値が臨床試験の計画時に設定した達成基準を満たすという本試験の主要評価項目を達成いたしました。安全性についても重大な副作用等は認められず、新たな懸念等もなかったことから、本試験の結果を関係当局と共有し、再発高悪性度髄膜腫と合わせて2026年3月期での承認申請に向けた協議を進めてまいります。

 

 また、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」という。)の次世代がん医療加速化研究事業(P-PROMOTE)の支援を受け、国立大学法人東京大学(以下「東京大学」という。)との共同研究により、「液体のり」に使用されるポリビニルアルコール(以下「PVA」という。)を用いた新規BNCT用製剤の開発に関連する研究成果が得られました。これまでに、BNCTに使用されるSPM-011や類似化合物にPVAを加えることで、腫瘍への集積性や滞留性、抗腫瘍効果が大幅に向上することを確認しており、PVA製剤の実用化に向けて、京都大学複合原子力科学研究所の鈴木実教授との共同研究により改良を重ねてまいりました。その結果、悪性胸膜中皮腫※7を模倣したマウスにおいて、副作用を抑えながら胸部悪性腫瘍※8の治療に成功し、生存率の大幅な向上に成功しております。これらの研究成果は、東京大学大学院総合文化研究科の小成田翔大学院特別研究学生、野本貴大准教授らによる論文「Poly(vinyl alcohol) enhancing therapeutic effects of 4-L-boronophenylalanine on thoracic tumors in neutron capture therapy」としてまとめられ、国際学術誌『International Journal of Pharmaceutics』に掲載されております。今後、加速器型中性子線源との組み合わせにより、悪性胸膜中皮腫をはじめとした難治性深部腫瘍の効果的な治療につながることが期待されます。日本の技術を世界に通用する医療技術として発展させるべく、当社は東京大学、京都大学と共同研究開発を推進してまいります。

 

 以上の結果、当中間会計期間における経営成績としては、売上高はこれまでの情報提供活動の成果もあり、前年同期比18.2%増の200,193千円、営業損失は298,904千円(前年同期間の営業損失は269,080千円)となりました。

 また、営業外費用として支払手数料4,758千円、支払利息2,801千円等を計上した結果、経常損失は306,463千円(前年同期間の経常損失は267,279千円)、中間純損失は307,915千円(前年同期間の中間純損失は268,720千円) となりました。

 

<開発パイプラインの状況>

1.SPM-011 〔対象疾患:再発悪性神経膠腫※9

 再発悪性神経膠腫については、2017年4月には厚生労働省の「先駆け審査指定制度※10」の対象品目に指定され、2020年7月に第Ⅱ相試験の治験終了届を提出しました。当該治験の主要評価項目は、BNCT施術の1年後における生存割合とし、安全性及び有効性の評価をしております。その結果、再発膠芽腫※1124例の1年生存率が79.2%となり、試験開始前の設定期待値60%を超える結果となりました。当該試験結果をもって、先駆け審査指定制度の枠組みにおいて独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)と一部変更申請に向けた協議を行っておりましたが、学校法人大阪医科薬科大学が提案する再発膠芽腫患者を対象としたBNCTの無作為化非盲検比較試験※12に関する研究開発課題がAMEDが公募していた『令和7年度「革新的がん医療実用化研究事業」』に2025年3月に採択されたことを受け、当該第Ⅲ相医師主導治験※13に協力することで、その治験を踏まえて承認申請を目指す開発方針に変更することとしました。

 なお、2024年9月に再発悪性神経膠腫を対象として、厚生労働省より希少疾病用医薬品※14の指定を受けております。

 

2.SPM-011 〔対象疾患:再発高悪性度髄膜腫※15

 大阪医科薬科大学病院において、医師主導治験としていた第Ⅱ相臨床試験は2024年2月に全例の主要評価に関する観察が終了しました。当該試験は、AMEDの支援を受けて実施されたものであり、加速器を用いた BNCTとしては世界初のランダム化比較試験※16になります。当該試験の主要評価項目である第三者組織の判定に基づく無増悪生存期間において試験治療群が14.4カ月(95%信頼区間:7.93-26.8)であったのに対して、比較対照群は1.4カ月(95%信頼区間:0.93-9.13)となり、統計学的に有意な差(p=0.0157、Log-rank検定)が認められました。また副次的評価項目として設定された奏効率については、試験治療群では奏効が27.3%確認された一方、比較対照群では奏効が確認されませんでした。なお、試験治療群の生存率について、1年生存率は100%、2年生存率は90.9%でした。当該試験の結果を関係当局と共有し、2026年3月期において承認申請に向けた協議を進めてまいります。

 当該試験に関する主要解析結果の詳細については、米国イリノイ州シカゴにて開催された米国臨床腫瘍学会 (American Society of Clinical Oncology : ASCO) 2025年次総会において、2025年5月31日(現地時間)のポスターセッションで発表されました。ちなみに、ASCOは年に1回開催されるがん治療に関する世界最高峰の学会であります。

 なお、2024年9月に再発髄膜腫を対象として、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けております。

 

3.SPM-011 〔対象疾患:悪性黒色腫※17及び血管肉腫〕

 2022年11月に血管肉腫を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験を開始し、当該試験は切除不能な皮膚血管肉腫を対象にして、CICS-1とSPM-011を用いたBNCTの奏効率を評価することを主たる目的とし、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院において症例数10例での単群試験で実施されました。

 本試験では、主要評価項目としてBNCT施行日から90日以内の画像中央判定による奏効率を設定しており、結果としてBNCTを受けた10例中、部分奏効が3例、完全奏効が2例、奏効率50.0%(90%信頼区間:22.2%~77.8%)を示し、90%信頼区間の下限値が臨床試験の計画時に設定した達成基準を満たし、本試験の主要評価項目を達成いたしました。また、安全性についても重大な副作用等は認められず、新たな懸念等もありませんでした。

 あわせて、無増悪生存期間※18をBNCT施行日から病勢の進行、または死亡が最初に確認されるまでの期間と定義していましたが、12.4ヶ月の追跡期間において、無増悪生存期間中央値は6.3ヶ月(95%信頼区間:0.6~推定不能)となりました。これらの結果から、CICS-1とSPM-011を用いたBNCTの安全性と有効性を示すことができ、切除不能な皮膚血管肉腫の患者様に対して、BNCTが新たな治療法として有望である可能性が示唆されました。当社は、本試験の結果を関係当局と共有し、2026年3月期での承認申請に向けた協議を進めてまいります。

 なお、本試験結果の詳細については、ドイツ・ベルリンで開催された「欧州臨床腫瘍学会2025(European Society for Medical Oncology: ESMO Congress 2025)」において、2025年10月20日(現地時間)のポスターセッションで発表されました。現在のところ、切除不能な皮膚血管肉腫においては化学放射線療法や従来の放射線治療が困難な場合、局所制御に有効な治療法は確立されておらず、局所制御率の高い新規の治療法が求められています。このような現状において、2023年12月に切除不能な皮膚血管肉腫を対象として、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けております。

 悪性黒色腫の開発については、第Ⅰ相臨床試験が完了し、局所に限定した疾患から適応を広げることも含めて開発計画を検討していく予定をおります。

 

 

4.SPM-011 〔対象疾患:初発膠芽腫〕

 筑波大学において、医師主導治験として初発膠芽腫を対象とした国内第Ⅰ相試験が2024年1月に開始されました。当該試験の主目的は、初発膠芽腫を対象にしたBNCTの安全性及び忍容性を評価することで、最大18症例を目標に非盲検・非対照試験で行われております。

 対象は、WHO2016分類におけるIDH-wild type膠芽腫で、組織学的診断がつき、術後になお画像評価病変を有する初発膠芽腫の患者様です。これまでSPM-011を用いたBNCTの臨床試験は、放射線治療歴のある患者様が中心でしたが、当該試験では、初めて全ての患者様で放射線治療歴がない患者様を対象とした試験となります。さらに当該試験では、BNCT施行後に膠芽腫の標準治療であるⅩ線とテモゾロミドを組み合わせた治療を受ける試験デザインとなり、SPM-011を用いたBNCTの臨床試験では、初めて他治療との組み合わせを前提とした試験デザインとなります。

 なお、当該試験は筑波大学が開発した加速器中性子捕捉療法装置「iBNCT」を用いて、実施しております。

 

5.SPM-011 〔対象疾患:胸部悪性腫瘍〕

 SPM-011の胸部悪性腫瘍への適応拡大のため、第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験の第1例目の被験者の治験を2025年4月に開始しました。当該治験を進めるにあたり、国立研究開発法人国立がん研究センター、住友重機械工業株式会社ならびにCICSと胸部固形悪性腫瘍患者に対する第Ⅰ/Ⅱ相バスケット試験※19に係る契約を締結しております。

当該治験は、BNCTとして世界初となる胸部に発生する複数の癌を対象にした治験であり、中性子が照射される正常組織を共通化することで複数の癌をグループ化できたことから、個別の癌に対する治験をそれぞれ実施する場合と比較して開発期間が短縮されることを期待しております。胸部悪性腫瘍は初回治療で標準治療が施行された場合、再発時には薬物療法のみが選択され、選択可能な局所治療が無い状況となっております。そうした状況の中、BNCTがアンメット・メディカル・ニーズを満たすことが出来るよう、開発を進めてまいります。なお、当該治験実施期間は、2028年10月までを予定しております。

 あわせて、当該治験ではBNCTの施行前に[18F]FBPA-PET検査※20によるBNCTの適否判定を組み込むことで、将来において患者様にあわせた最適な治療を検討することが可能になるものと期待しております。

 

<語句説明>

※1BNCT

  BNCT(Boron Neutron Capture Therapy:ホウ素中性子捕捉療法)とは放射線治療の一種であり、新しいがん

 の治療法です。ホウ素の安定同位体であるB-10(天然ホウ素に約20%含まれる)の原子核はエネルギーの低い

 低速の中性子(熱中性子)をよく吸収し、直ちにヘリウム原子核(He核(α粒子))とリチウム原子核

 (Li核)に分裂します。これら原子核は細胞を破壊する能力が非常に大きい一方で、影響を及ぼす範囲が4

 ~9ミクロン(μm)と極めて短いことが特徴です。また、熱中性子自体の細胞破壊能力は小さいため、B-10

 を含む物質ががん細胞に選択的に集積し、そこに熱中性子が照射されると、そのがん細胞は選択的に破壊され

 ます。この原理に基づいて考案された医療技術です。

 

※2 血管肉腫

  血管肉腫とは、血管の内皮細胞から発生するがんのことです。体のいたるところにできる可能性があり、皮

 膚に生じることが多いがんです。

 

※3 単群試験

  単群試験とは、臨床試験において被験者を複数の群に分けて比較する試験とは異なり、対象群を設けずにす

 べての被験者を同一の条件とし、その効果を検証する試験です。

 

※4 画像中央判定

  画像中央判定とは、医薬品の臨床試験において画像評価の客観性や均一性を確保するため、独立した検査機

 関(中央検査機関)で有効性や安全性を評価する方法です。

 

※5 奏効率

  奏効率とは、治療の効果を評価する際に用いられる指標で、臨床試験で治療を受けた症例のうち、部分奏効

 (治療開始時より腫瘍の長径が全体の30%以上縮小した状態)、または完全奏効(腫瘍が完全に消失し、検査で

 腫瘍が確認できない状態)となった症例の割合を表します。

 

※6 信頼区間

  一般的に臨床試験などの結果は誤差やバイアスを含むため、正確な結果(真の値)を推定するために統計学的

 な解析を行いますが、当該試験では真の値がどの範囲に含まれるかを推定する解析方法を用いました。信頼区

 間とは、統計学で母集団の真の値が含まれることがかなり確信できる範囲のことであり、「90%信頼区間

 :22.2%~77.8%」とは、被験者を変えて当該試験を繰り返し行った際に、90%の割合で試験結果である奏効

 率の真の値が22.2%~77.8%の区間に含まれることを表しています。

 

※7 悪性胸膜中皮腫

  悪性胸膜中皮腫とは、肺の表面などを覆う胸膜という薄い膜から発生する悪性の腫瘍です。比較的まれな病

 気ですが、そのほとんどがアスベスト(石綿)への曝露が原因とされています。治療が非常に難しい悪性腫瘍

 の一つです。

 

※8 胸部悪性腫瘍

  胸部悪性腫瘍とは、甲状腺より下、横隔膜より上に存在する悪性腫瘍であり、乳癌・非小細胞性肺癌・食道

 癌・悪性胸膜中皮腫・胸部に発生する悪性軟部肉腫などを指します。

 

※9 神経膠腫

  神経膠腫とは、脳に発生する悪性腫瘍で原発性脳腫瘍の約30%を占めます。神経膠腫は、その悪性度によっ

 て4段階(グレードⅠ~Ⅳ)に分類され、中でもグレードⅢ~Ⅳに分類される悪性度が高い神経膠腫を悪性神

 経膠腫と呼びます。

 

※10 先駆け審査指定制度

  先駆け審査指定制度とは、一定の要件を満たす新薬等について開発の比較的早期の段階から、厚生労働省が

 薬事承認に係る相談・審査等において優先的な取扱いを行う制度です。具体的には、①治療薬の画期性、②対

 象疾患の重篤性、③対象疾患にかかる極めて高い有効性、④世界に先駆けて日本で早期開発・申請する意思

 の4つの要件を満たす画期的な新薬等を開発段階で対象品目に指定し、新たに整備された相談の枠組みを優先

 的に適用し、かつ優先審査を適用することにより、審査期間を6ヶ月(通常は12ヶ月)まで短縮することを目

 指すものとされています。

  なお、先駆け審査指定制度においては対象品目の指定時に予定される効能、または効果も指定されることか

 ら、製造販売承認取得後に適応疾患を拡大する際には同制度の対象外となります。当社は、再発悪性神経膠腫

 と切除不能な局所再発頭頸部癌並びに局所進行頭頸部癌(非扁平上皮癌)について、対象品目の指定を受けて

 います。

 

※11 膠芽腫

  神経膠腫のうち、悪性度が高い神経膠腫を悪性神経膠腫と呼び、特にグレードⅣの神経膠腫を膠芽腫と呼び

 ます。膠芽腫を含む悪性神経膠腫は、現在なお治療が困難な疾患とされています。

 

※12 無作為化非盲検比較試験

  無作為化非盲検比較試験とは、対象者を無作為に2つ以上の群に分け、一方には従来の治療法を、もう一方

 には新規の治療法を行い、事後の健康状態を観察し、比較することで治療法などの効果を検証するものである

 が、被験者がどの治療群に割付けられたかについては、試験に関わっている医師等の医療関係者、被験者、解

 析者等に知られている試験です。

 

※13 医師主導治験

  医師主導治験とは、医師が自ら医薬品の製造販売承認のための臨床試験を企画・立案し、治験計画届を提出

 して実施する臨床試験です。得られた臨床データは、被験薬を提供した製薬会社が引き継ぎ、当該医薬品の薬

 事承認申請に活用されます。

 

※14 希少疾病用医薬品

  希少疾病用医薬品とは、厚生労働大臣から指定を受け、優先的に審査される医薬品です。指定には、当該医

 薬品の用途に係る対象者数が本邦において5万人未満であること、重篤な疾病を対象とするとともに、代替す

 る適切な医薬品または治療法がない、または、既存の医薬品と比較して著しく高い有効性または安全性が期待

 されるなど医療上の必要性が高いこと、対象疾病に対して当該医薬品を使用する理論的根拠があること、その

 開発に係る計画が妥当であると認められることが必要とされています。希少疾病用医薬品の指定を受けると、

 製造販売承認審査手続きにおける優先審査や国からの研究開発費の助成が受けられるなどの優遇措置が付与さ

 れます。

 

※15 高悪性度髄膜腫

  髄膜とは、脳と脊髄を保護している薄い組織層で、髄膜腫とはその内側の層の一つにできるがんのことで

 す。髄膜腫は良性であることが多く、高悪性度髄膜腫は希少疾患である一方で、再発や転移を起こしやすい、

 治りにくい腫瘍の一つです。

 

※16 ランダム化比較試験

  ランダム化比較試験とは、対象者を無作為(ランダム)に2つ以上の群に分け、一方には従来の治療法を、も

 う一方には新規の治療法を行い、事後の健康状態を観察し、比較することで治療法などの効果を検証する試験

 です。

 

※17 悪性黒色腫

  悪性黒色腫とは皮膚がんの一つで、単に黒色腫、またはメラノーマと呼ばれることもあります。皮膚の色と

 関係するメラニン色素を産生する皮膚の細胞で、表皮の基底層に分布しているメラノサイト、または母斑細胞

 が悪性化した腫瘍と考えられています。

 

※18 無増悪生存期間

  無増悪生存期間とは、がん治療の効果を測る指標の一つで、治療開始からがんの進行や再発が確認されるま

 での期間、または患者が亡くなるまでの期間のことです。

 

※19 バスケット試験

  バスケット試験とは、単一の治療法を用いた複数の疾患を対象とした試験であり、通常特定の遺伝子異常等

 を有するがんの患者集団で、複数の癌腫を横断的に薬剤の臨床評価を実施する試験です。現在計画しているバ

 スケット試験では、SPM-011の取り込みの期待ができる複数の癌腫を横断的に評価する計画です。

 

※20 [18F]FBPA-PET検査

  [18F]FBPA-PET検査とは、BNCTに使用するホウ素薬剤ボロファラン(10B)の標的腫瘍内への選択的ホウ素集積

 量を測定する[18F]FBPA(2-フルオロ-4-ボロノフェニルアラニン)を用いたPET検査です。この検査では、

 BNCTにおいてがん細胞を狙い撃ちするために必要なボロファラン(10B)が、がん細胞にどれだけ集積するかを

 画像診断により事前に確認する事を目的としています。

 

 

(2)財政状態に関する説明

①資産、負債及び純資産の状況

(資産)

 当中間会計期間末における流動資産は4,774,039千円となり、前事業年度末に比べ469,439千円減少いたしました。これは、現金及び預金が409,091千円、売掛金が91,118千円減少した一方で、原材料及び貯蔵品が30,458千円増加したことが主な要因であります。

 固定資産は150,015千円となり、前事業年度末に比べ23,609千円減少いたしました。これは、有形固定資産が10,661千円、無形固定資産が3,657千円、投資その他の資産が9,290千円減少したことが要因であります。

 この結果、総資産は4,924,055千円となり、前事業年度末に比べ493,049千円減少いたしました。

(負債)

 当中間会計期間末における流動負債は287,199千円となり、前事業年度末に比べ103,244千円減少いたしました。これは、買掛金が37,621千円、未払費用が10,465千円増加した一方で、未払金が150,282千円減少したことが主な要因であります。

 固定負債は1,737,285千円となり、前事業年度末に比べ81,889千円減少いたしました。これは、長期借入金が79,320千円減少したことが主な要因であります。

 この結果、負債合計は、2,024,484千円となり、前事業年度末に比べ185,134千円減少いたしました。

(純資産)

 当中間会計期間末における純資産は2,899,570千円となり、前事業年度末に比べ307,915千円減少いたしました。これは、中間純損失307,915千円を計上したことが要因であります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,752,380千円(前事業年度末は3,161,471千円)となり、前事業年度末に比べて409,091千円減少いたしました。当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間会計期間における営業活動の結果、使用した資金は320,766千円となりました(前年同期は545,793千円の収入)。これは主に、売上債権が91,118千円、未収消費税等が32,569千円、未払金が146,695千円減少した一方で、減価償却費の計上14,319千円、税引前中間純損失を306,463千円計上したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間会計期間における投資活動の結果、使用した資金は9,004千円となりました(前年同期は88,185千円の収入)。これは、有形固定資産の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間会計期間における財務活動の結果、使用した資金は79,320千円となりました(前年同期は865,559千円の収入)。これは、長期借入金の返済によるものであります。

 

(3)業績予想などの将来予測情報に関する説明

2026年3月期通期の業績予想につきましては、今般、最新の状況等を踏まえて、売上高および各利益の見通しを修正し、2025年10月14日に公表いたしました。

国内売上高につきましては、国内におけるBNCTの症例数が堅調に推移していることから、当初予想のまま据え置いております。

一方、海外売上高につきまして、中華人民共和国の鵬博(海南)硼中子医療科技有限公司に対するBNCT用ホウ素医薬品「ステボロニン®」(以下「当社製品」という。)の販売を2026年3月期の下半期に予定しておりました。しかし、2024年10月に発生した自然災害に起因して同社の治療施設の稼働が想定より遅れており、さらに2026年にずれ込む可能性が高まっております。同社が2025年3月に出荷した当社製品の全量をいまだ保有している状況となっていることに加えて、同社は復旧工事等に対する資金需要の拡大に対応するため資金計画面での調整を行っている状況にあり、2025年3月の初回出荷分に係る当社の売掛金について現時点において一部の回収に留まっていること、また当社においては製造委託先の製造停止が生じたことによる安定供給体制の再構築が必要であることから、2026年3月期における同社に対する当社製品の販売を見送ることとなりました。同時に、同社に対する売掛金は、同社との長期的な契約を背景とした互いの個別事情も勘案しつつ、段階的に返済を受ける方向で協議を継続しております。

なお、同社に対する売掛金については、契約に基づき予め本売掛金未回収分の金額以上の保証金(1,000百万円)を受領しているため、現時点において売掛金未回収による損失は発生しておらず、財務上の影響も限定的と判断しております。結果として、2025年5月9日に公表いたしました2026年3月期の通期業績予想より、売上高は629百万円減少する見込みとなりました。

 

また、すでに公表しましたとおり、製造委託先の製造停止が生じたことによる安定供給体制の再構築が必要であることから、新たな製造委託先と長期的な安定供給を目的とした製造体制の構築に向けて開発委受託契約を締結し、安定供給体制の構築を最優先課題として取り組んでおります。これにより、規制当局からの承認取得に必要となる試作品製造やデータ取得に係る委託費等として約80百万円の研究開発費を計上する見込みとなりました。全社体制で経費削減に努めてまいりましたが減収等による減益をカバーできず、結果として、2025年5月9日に公表いたしました2026年3月期の通期業績予想より、営業損失は574百万円、経常損失は563百万円、当期純損失は563百万円、いずれも増加する見込みとなりました。

 

2.中間財務諸表及び主な注記

(1)中間貸借対照表

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(2025年3月31日)

当中間会計期間

(2025年9月30日)

資産の部

 

 

流動資産

 

 

現金及び預金

3,206,471

2,797,380

売掛金

714,666

623,548

製品

119,271

84,989

仕掛品

1,108,524

1,132,653

原材料及び貯蔵品

2,933

33,391

前払費用

49,076

76,947

その他

42,534

25,128

流動資産合計

5,243,479

4,774,039

固定資産

 

 

有形固定資産

 

 

建物(純額)

4,831

4,394

機械及び装置(純額)

49,776

41,956

工具、器具及び備品(純額)

11,912

9,508

有形固定資産合計

66,520

55,859

無形固定資産

 

 

特許権

42,219

39,438

商標権

354

287

ソフトウエア

6,687

5,876

無形固定資産合計

49,261

45,603

投資その他の資産

 

 

長期前払費用

39,883

30,527

その他

17,959

18,025

投資その他の資産合計

57,843

48,553

固定資産合計

173,625

150,015

資産合計

5,417,104

4,924,055

負債の部

 

 

流動負債

 

 

買掛金

22,713

60,335

1年内返済予定の長期借入金

158,640

158,640

未払金

183,441

33,159

未払費用

7,121

17,587

未払法人税等

14,202

9,844

預り金

4,069

7,185

賞与引当金

255

446

流動負債合計

390,444

287,199

固定負債

 

 

長期借入金

608,140

528,820

長期未払金

148,473

142,155

預り保証金

1,000,000

1,000,000

株式報酬引当金

3,447

5,370

退職給付引当金

59,115

60,940

固定負債合計

1,819,175

1,737,285

負債合計

2,209,619

2,024,484

純資産の部

 

 

株主資本

 

 

資本金

2,859,218

2,859,218

資本剰余金

489,135

348,323

利益剰余金

△140,811

△307,915

自己株式

△56

△56

株主資本合計

3,207,485

2,899,570

純資産合計

3,207,485

2,899,570

負債純資産合計

5,417,104

4,924,055

 

(2)中間損益計算書

 

 

(単位:千円)

 

 前中間会計期間

(自 2024年4月1日

 至 2024年9月30日)

 当中間会計期間

(自 2025年4月1日

 至 2025年9月30日)

売上高

169,394

200,193

売上原価

22,182

34,282

売上総利益

147,211

165,911

販売費及び一般管理費

416,291

464,815

営業損失(△)

△269,080

△298,904

営業外収益

 

 

受取利息

696

170

為替差益

4

受託研究収入

6,680

1,054

その他

48

338

営業外収益合計

7,429

1,563

営業外費用

 

 

支払利息

1,683

2,801

株式交付費

3,945

支払手数料

4,758

その他

1,562

営業外費用合計

5,628

9,122

経常損失(△)

△267,279

△306,463

税引前中間純損失(△)

△267,279

△306,463

法人税、住民税及び事業税

1,441

1,451

法人税等合計

1,441

1,451

中間純損失(△)

△268,720

△307,915

 

(3)中間キャッシュ・フロー計算書

 

 

(単位:千円)

 

 前中間会計期間

(自 2024年4月1日

 至 2024年9月30日)

 当中間会計期間

(自 2025年4月1日

 至 2025年9月30日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

 

税引前中間純損失(△)

△267,279

△306,463

減価償却費

17,944

14,319

株式報酬費用

1,258

3,255

賞与引当金の増減額(△は減少)

△365

191

株式報酬引当金の増減額(△は減少)

1,602

1,923

退職給付引当金の増減額(△は減少)

2,641

1,825

受取利息及び受取配当金

△105

△170

有価証券利息

△591

支払利息

1,683

2,801

コミットメントフィー

3,760

売上債権の増減額(△は増加)

△42,348

91,118

棚卸資産の増減額(△は増加)

17,034

△20,304

仕入債務の増減額(△は減少)

△75,690

37,621

未収消費税等の増減額(△は増加)

36,045

32,569

未払金の増減額(△は減少)

△164,726

△146,695

預り保証金の増減額(△は減少)

1,000,000

その他の資産の増減額(△は増加)

16,605

△37,898

その他の負債の増減額(△は減少)

4,839

10,690

小計

548,549

△311,457

利息の受取額

1,715

170

利息の支払額

△1,683

△2,801

コミットメントフィーの支払額

△3,801

法人税等の支払額

△2,786

△2,876

営業活動によるキャッシュ・フロー

545,793

△320,766

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

 

有形固定資産の取得による支出

△3,801

△9,004

無形固定資産の取得による支出

△8,013

有価証券の償還による収入

100,000

投資活動によるキャッシュ・フロー

88,185

△9,004

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

 

長期借入金の返済による支出

△80,004

△79,320

株式の発行による収入

946,139

自己株式の取得による支出

△26

引出制限付預金の純増減額(△は増加)

△549

財務活動によるキャッシュ・フロー

865,559

△79,320

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

1,499,538

△409,091

現金及び現金同等物の期首残高

2,012,233

3,161,471

現金及び現金同等物の中間期末残高

3,511,772

2,752,380

 

(4)中間財務諸表に関する注記事項

(継続企業の前提に関する注記)

該当事項はありません。

 

(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)

 当社は、2025年7月1日付で資本剰余金の額の減少並びに利益剰余金の処分を行ったことにより、資本剰余金が140,811千円減少し、利益剰余金が140,811千円増加しております。

 この結果、当中間会計期間末において資本剰余金が348,323千円、利益剰余金が△307,915千円となっております。