1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………3
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………3
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………3
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………6
3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………7
(1)連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………………7
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………9
連結損益計算書 …………………………………………………………………………………………………9
連結包括利益計算書 ……………………………………………………………………………………………10
(3)連結株主資本等変動計算書 ………………………………………………………………………………11
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………13
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………15
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………15
(セグメント情報等) ……………………………………………………………………………………………15
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………15
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………15
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や堅調な企業収益を背景に、景気は緩やかな回復基調となりました。
一方で、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の長期化に伴う地政学的リスクの高まりに加え、資源・原材料価格の高騰、物価上昇、為替・金利の変動、米国の関税引き上げなどの影響も見られ、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループが属する宝飾業界においては、富裕層を中心に高額品の販売が引き続き堅調に推移した一方で、消費の二極化や物価上昇に伴う節約志向の高まりに加え、原材料費や人件費の上昇といったコスト増も重なり、全体としては厳しい事業環境となりました。
このような環境のもと、当社グループ(以下、当社)は持続的な成長に向けた基盤構築を目指し、「強みの進化」と「ビジネスモデルの変革」を成長戦略の基軸に掲げ、新たな顧客価値の創造に取り組んでまいりました。
これらの取り組みの結果、当連結会計年度の売上高は、国内事業において、下期(2025年3月)以降にインバウンド売上が大きく減少したものの、店舗人材の採用・育成強化による戦力化の進展に加え、CRM戦略の推進により、一人当たり売上高は前期比4.7%増と伸長しました。
ブライダル販売では、ブライダルDX施策として3Dデジタルカスタマイズシステムの全店導入を推進した結果、成約率が向上し、売上を下支えしました。
また、ECビジネスでは、販売スタッフが自らジュエリーを着用し、自社オンラインサイトに投稿する「スタッフDX」ツールの導入が奏功し、EC売上は前期比30.8%増と大きく拡大しました。
売上総利益については、当連結会計年度において金価格が前期比35.2%上昇するなど、原材料価格の高騰が売上原価の増加要因となり、売上総利益率は前期比0.7ポイント低下しました。一方、売上高の増加により、売上総利益額は前期並みの水準を維持しました。
費用面については、CRM戦略と連動した販促施策の拡充により販売費が増加したものの、人件費の削減に加え、物流費や外注費などの見直しを進めた結果、販売費及び一般管理費は減少しました。
海外事業については、海外小売事業部門の台湾子会社である台灣貞松股份有限公司(日本名:台湾貞松株式会社)が、当社の強みを活かしたビジネス展開を継続し、増収増益を達成しました。また、コロナ過により休止していた海外出店を再開し、2025年3月には、台北市初のららぽーと「三井ショッピングパーク ららぽーと台北南港」内に、台湾9店舗目となる「festaria TOKYO(フェスタリア トーキョー)LaLaport南港店」をオープンしました。
生産拠点であるベトナム子会社 D&Q JEWELLRY Co., Ltd(日本名:ディーアンドキュー ジュエリー)では、製造体制の強化を通じた品質向上に加え、3Dデジタルカスタマイズシステムを活用したオーダーメイド商品の製造リードタイム短縮など、SCM(サプライチェーン・マネジメント)の最適化を推進し、製造コストの低減を図りました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高9,403百万円(前期比1.0%増)、営業利益289百万円(前期比7.0%増)、経常利益284百万円(前期比25.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益176百万円(前期比26.9%増)となりました。
当連結会計年度末の資産の部は、159百万円(2.2%)減少して、7,189百万円となりました。これは主に、無形固定資産が103百万円増加したものの、現金及び預金が49百万円、売掛金が73百万円、商品及び製品が60万円、有形固定資産合計が27百万円、繰延税金資産が55百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債の部は、287百万円(4.9%)減少して、5,525百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が73百万円、借入金が66百万円、未払法人税等が52百万円、賞与引当金が71百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産の部は、前期末に比べて127百万円(8.3%)増加して1,664百万円となりました。これは主に、その他の包括利益累計額合計が31百万円減少したものの、利益剰余金が152百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は22.6%となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは399百万円の収入となりました。これは主に、利息の支払額が96百万円、賞与引当金の減少が72百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が266百万円、減価償却費が181百万円、売上債権の減少が75百万円、棚卸資産の減少が35百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは291百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が107百万円、無形固定資産の取得による支出が141百万円、差入保証金の差入による支出が31百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは137百万円の支出となりました。これは主に、長期借入れによる収入が250百万円あったものの、短期借入金の減少が80百万円、長期借入の返済による支出が236百万円、リース債務の返済による支出が28百万円、社債の償還による支出が20百万円、配当金の支払額が23百万円があったことによるものであります。
その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は1,143百万円(前連結会計年度末は1,192百万円)となりました。
宝飾業界においては、資源価格の高騰、物価上昇、労働力不足、環境対応の高度化など、複数の構造的課題に直面しております。一方で、富裕層市場やインバウンド需要の回復、さらには技術革新を活用したデジタル化の進展により、一定の成長が期待されます。
消費者意識の面では、「高級志向」「パーソナライズ」「エシカル消費」「デジタル化」といった成長トレンドが重なり合い、持続可能な素材開発やサプライチェーンの透明性確保など、倫理的・社会的側面を重視した商品・サービスが求められる時代へと移行しています。
また、パーソナライズとデジタル化の掛け合わせにより、消費者一人ひとりの嗜好に合わせたオーダーメイドジュエリーの需要拡大も見込まれています。これに対して、消費の二極化や物価上昇を背景とした節約志向の高まり、加えて原材料費・人件費の上昇によるコスト負担増など、懸念材料もあり、事業環境は依然として厳しい状況が続いております。
当社は、「ビジュ ド ファミーユ(家族の宝石)」という企業理念のもと、ジュエリーを通じて人と人の絆を深め、世代を超えて受け継がれる価値を届けることを使命としております。
企業理念の実現に向け、「精神価値No.1のSPA企業」から「想いを未来につなぐコミュニティ企業」への変革を見据えた中期経営計画「festaria2030年ビジョン」の策定を進めております。次期は、その初年度として、持続的な成長を確かなものとするための施策を着実に実行する、重要な一年と位置づけております。「戦略的人材育成による組織力向上」「強みを活かしたCRMの深化・実践」「コミュニティ基盤を支えるDXの推進」を重点方針に設定し、グループ全体で着実に推進してまいります。
また、当社が持続的に成長していくためには、経営資源の将来価値を見極めたうえで、成長が見込める事業領域への資源配分を機動的に行うことが重要です。そのため、当社では、事業のキャッシュ創出力や投資回収力をより的確に把握するための指標として、EBITDA(営業利益+減価償却費)を採用いたします。EBITDAを基準とすることで、減価償却費などの非現金項目の影響を除外し、実質的な事業の収益力や投資効果を客観的に評価することが可能となります。
今後は、事業ごとにEBITDAをモニタリングし、成長投資による収益性向上を検証しながら、経営資源の最適配分を図ることで、企業価値の持続的な向上を目指してまいります。
【戦略的人材育成による組織力向上】
当社は、「人」こそが価値創造の源泉であるという考えのもと、これまでも「人」を大切にする経営を実践してまいりました。
人材不足が社会課題となる中、当社の持続的成長には、人的資本経営の観点から人材への積極的投資を行うことが最優先の課題であると認識しております。
当社の主要事業は、百貨店やショッピングセンターなどの商業施設内での店舗販売事業であり、CRMを中核に据えた顧客理解の深化と営業力強化の観点からは、顧客LTVを支える人材の確保・育成が不可欠です。その実現に向け、店頭・催事においてお客様の潜在的ニーズを的確に把握し、提案できる「接客のプロ」の育成を進めます。
さらに、職位や役割に応じたマネジメント力の強化に加え、DX推進に伴うリスキリングや本社部門における専門性の向上を通じて、チームや部門の成果を最大化し、組織全体での生産性向上を図ります。
また、グローバル化の進展を見据え、海外拠点や多様な人材との協働を担えるグローバル人材の採用・育成を強化するとともに、優秀な海外人材の獲得を積極的に進め、国際的な人材ポートフォリオの拡充を図ります。
加えて、従業員一人ひとりが誇りとやりがいを持ち、長く働ける環境整備として、福利厚生の充実とともに、当社の目指す将来像を共有し、前向きで活力ある職場風土を醸成することで、従業員エンゲージメントの向上にも取り組んでまいります。
【強みを活かしたCRMの深化・実践】
当社は、OMO戦略を支援する会員制度「festaria Members Club」を導入し、会員登録の促進と幅広い顧客情報の獲得を進めています。改めてハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの運用ルールの整備も進めながら、従来の顧客管理に加え、テックタッチを活用した再来店促進や、ポイント制度等のサービス向上により顧客満足度を高めLTVの最大化を目指します。
さらに、販売スタッフに最適なアフターフォローが提示されるようCRMシステムの機能開発を進めるほか、当社独自の顧客育成プロセスである「集客→育成→熟成」に基づいた催事戦略の展開に加え、パーソナライズ施策を通じて顧客体験の向上に努めます。
また、CRM戦略の高度化に向け、360度のタッチポイントを通じて「個客」一人ひとりに最適化したアプローチを継続的に推進し、顧客満足度と顧客体験によるブランド価値の向上と持続的な売上拡大の実現を目指します。
【コミュニティ基盤を支えるDXの推進】
当社は、これまで進めてきたDX推進プロジェクトによりデジタル基盤の整備が概ね完了したことから、2026年春には新基幹システムを本格稼働させる予定です。これにより、ステークホルダーと共に価値を創造する「コミュニティ企業」への進化を加速させます。
具体的には、新基幹システムを中核に、共感型プラットフォーム「festaria ONE」の実装を進めてまいります。「festaria ONE」は、「festaria2030ビジョン」における中核として、顧客・取引先・株主・社員がつながり、共に価値を創出する独自のコミュニティ基盤を実現するものです。
本プラットフォームでは、クラウド環境やAPIファースト設計、統合データ基盤、リアルタイム在庫管理などの技術的基盤を整備し、共感型ファンコミュニティの拡大、新しい購買体験の提供、取引先との協業強化、社員エンゲージメント向上を推進します。
これにより、単なる製造・販売にとどまらず、共感者がつながるコミュニティ企業として進化し、企業価値および株主価値の最大化につなげてまいります。
事業のセグメント別の取り組みは、次のとおりであります。
【店舗ビジネス】
店舗ビジネスにおきましては、店舗人材の確保・育成を一層強化するとともに、VMDの向上やプロモーション施策の充実を通じて店舗競争力の向上を図ってまいります。
商品面では、USP商品「Wish upon a star®」を中心に、デザインや価格帯の多様化を進め、相場動向や消費ニーズの変化に的確に対応してまいります。
また、気候変動対策や環境保護への関心の高まりを踏まえ、素材リサイクルやリフォームビジネスを基軸とした循環型ビジネスの強化を推進いたします。ベトナム生産工場との連携による新素材商品の開発、エシカルジュエリーの拡充、トレーサビリティの強化を通じ、環境負荷の低減と顧客ロイヤリティの向上を目指します。
さらに、フェスタリアブランド20周年を契機としたキャンペーンや新規イベントの展開により、店舗の魅力向上と売上拡大を図ってまいります。ブライダル分野では、3Dデジタルカスタマイズシステムを活用したマーケティング施策を推進し、来店促進と成約率の向上に努めます。
出退店政策においては、戦略的なスクラップアンドビルドを推進し、店舗数の拡大よりも顧客LTVの最大化を重視しながら、一人当たり生産性の向上による収益基盤の強化を進めてまいります。
加えて、インバウンド需要への対応にも注力し、海外人材を中心としたプロジェクトを発足させ、マーケティングやインバウンド対応商品の開発を強化いたします。併せて、台湾子会社との連携を深め、相互送客の最大化を目指してまいります。
【ECビジネス】
ECビジネスにおきましては、外部スペシャリストの招聘による体制強化を進めるとともに、消費者アンケートや購買データの分析を通じて顧客理解を深化させ、お客様のニーズに沿った商品ラインナップの拡充を図り、ユーザー体験の最適化に取り組んでまいります。
また、前期より本格展開し、一定の成果を上げている「スタッフDX」ツールの活用をさらに強化し、EC売上の拡大や顧客のファン化を推進してまいります。引き続き、実店舗を持つ強みを生かし、店頭とECの相互送客による顧客接点の創出を通じて、新規顧客の獲得およびリピート率向上による収益の拡大を図ってまいります。
【富裕層ビジネス】
富裕層ビジネスにおきましては、今後の成長領域と位置付け、リレーションシップ・マーケティングの強みを活かした事業展開を推進しております。顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズドな体験や、特別なイベント・サービスの提供を通じて、長期的な信頼関係の構築に取り組んでおります。また、高品質なアフターサービスやカスタマイズ対応による顧客ケアを強化するとともに、サプライヤーとの連携を深め、資産性・希少性の高い商品の確保を進めることで、富裕層顧客およびパートナー企業からの信頼向上を図ってまいります。さらに、百貨店外商やプライベートバンクとの協業強化に加え、富裕層ネットワークを活用した関係構築を推進し、紹介ルートの拡充を通じて加速度的な成長の実現を目指してまいります。
【海外事業】
海外事業におきましては、グループ成長戦略の推進により拡大・多様化する事業領域や役割の重要性に対応すべく、フェスタリアホールディングス㈱によるマネジメント体制を強化し、グループシナジーの最大化を目指してまいります。
台湾子会社である台灣貞松股份有限公司(日本名:台湾貞松㈱)においては、アジアマーケットにおける重要拠点として、ブランド力の向上および店舗収益の拡大を図り、東南アジアを中心とした小売事業の展開拡大につなげてまいります。
ベトナム子会社D&Q JEWELLRY Co., Ltd(日本名:ディーアンドキュー ジュエリー)においては、自社ブランドのみならずOEM生産の拡大を見据え、製造体制の見直しや生産合理化によるコスト競争力の向上を進めております。OEM契約を締結した大手ジュエリーメーカーを含む複数企業からの受注生産は引き続き順調に推移しており、2025年7月には、自社製造基盤の高度化によって、伊勢丹との共同開発コレクション「LUX eternal(ルクス エターナル)」を販売開始するなど、当社ベトナム工場の技術力と品質管理能力が高く評価されております。今後は、製造・営業両面での戦略的投資を視野に入れ、共感型プラットフォーム「festaria ONE」の生産基盤となる製造体制の確立とさらなる品質向上を目指してまいります。
また、越境ECの展開も検討しており、日本国内とアジア市場を結ぶ新たな販路を開拓し、グローバル市場におけるブランド認知と収益拡大を図ってまいります。
なお、次期は新基幹システムへの移行に伴い、旧システムとの並行稼働が一定期間発生することから、一過性のシステム費用が増加する見込みです。これらの投資は、中期経営計画「festaria2030年ビジョン」で掲げる「festaria ONE」構想としてトップラインの成長と業務効率の改善を支える基盤整備の一環であり、今後の持続的成長に資するものと位置づけております。
以上の方針により、次期(2026年8月期)の連結業績の見通しにつきましては、売上高10,100百万円、営業利益330百万円、経常利益260百万円、親会社株主に帰属する当期純利益160百万円を見込んでおります。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、当面は、日本基準で連結財務
諸表を作成する方針であります。
なお、国際会計基準の適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針であります。
前連結会計年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)
当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)
該当事項はありません。
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日)等を当連結会計期間の期首から適用しております。なお、連結財務諸表に与える影響はありません。
(セグメント情報)
当社グループの事業は、宝飾品の製造及び販売の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(注)1.2025年3月1日付で普通株式1株につき3株の株式分割を行っております。「1株当たり純資産額」及び「1株当たり当期純利益金額」並びに「潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額」は、2024年8月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し算定しております。
2.算定上の基礎は下記のとおりであります。
(注)2025年3月1日付で普通株式1株につき3株の株式分割を行っております。「期中平均株式数」及び
「普通株式増加数」は、2024年8月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し算定しております。
該当事項はありません。