○添付資料の目次

 

1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2

(1)当四半期の経営成績の概況 ………………………………………………………………………………2

(2)当四半期の財政状態の概況 ………………………………………………………………………………4

(3)業績予想などの将来予測情報に関する説明 ……………………………………………………………4

2.四半期財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………………5

(1)四半期貸借対照表 …………………………………………………………………………………………5

(2)四半期損益計算書 …………………………………………………………………………………………6

    第3四半期累計期間 ………………………………………………………………………………………6

(3)四半期財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………………7

(継続企業の前提に関する注記) ……………………………………………………………………………7

(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) ……………………………………………………7

(キャッシュ・フロー計算書に関する注記) ………………………………………………………………7

(セグメント情報等の注記) …………………………………………………………………………………7

(重要な後発事象の注記) ……………………………………………………………………………………7

 

 

1.経営成績等の概況

当第3四半期累計期間における当社の財政状態及び経営成績 (以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当第3四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

(1)当四半期の経営成績の概況

当社は、独自のペプチド模倣技術を駆使してタンパク質/タンパク質間相互作用(Protein-Protein Interaction, PPI)を阻害する低分子を用いて新薬を開発することを目指し、10年以上にわたる研究開発の結果、臨床開発化合物を見出し、数多くのシード化合物を生み出しています。この独自の創薬基盤をPepMetics®技術として発展させ、これまで創薬が困難とされてきた標的に対して有望な化合物を見出す技術を確立してきました。PepMetics技術によって、細胞内のシグナル伝達を制御することで、ガンなどの難病を根治するための治療薬の創出を目指しており、当社が創薬標的を選択して開発化合物を見出す自社開発事業と、製薬会社の持つ創薬標的に対してヒット化合物、リード化合物、又は臨床候補化合物を見出して導出する共同開発事業を行っています。

 

当第3四半期会計期間におきましては、導出した2つのプログラムがそれぞれ第Ⅱ相臨床試験を実施しており、自社開発事業では2つのプログラムの開発を進めつつ、共同開発事業では引き続き7社の提携先との創薬プログラムを進めています。

現段階においては、早期の製品の上市を目指し、研究開発及び臨床試験の進捗状況、並びに研究開発資金と費用のバランス等を注視しながら、事業を推進しております。当社では、事業の進捗を測る指標として研究開発の各段階でのプログラムの数を管理しています。

研究開発では下記の4段階で進捗します。

標的探索

疾病に影響する可能性のある生体分子や生理的機序(メカニズム)を研究し、制御すべきタンパク質等の分子の候補を選び、疾患と標的の関係、評価系の構築難易度、結合様式とPepMeticsの適格性などを評価して創薬標的を選びます。

ヒット化合物探索

創薬標的に対して作用していることを測定する評価系を構築し、候補化合物をスクリーニングして活性のある初期ヒット化合物を見出します。初期ヒット化合物の周辺化合物を合成し、活性を高めると同時に標的に結合しているかを複数の評価系で確認し、ヒット化合物を特定します。

リード化合物探索

ヒット化合物をもとに、薬理活性を高め、動物モデルにおいて一定の治療効果が認められるリード化合物を特定します。

リード最適化

リード化合物をもとに、更に活性を高めると共に薬に適した物性及び安全性を得られるように最適化を進め、医薬品の原料となる臨床候補化合物を見出します。

 

これらのプログラムは全てが上位に進階する訳ではなく、一定の確率で目的の化合物が得られず中止となります。プログラムを進めるためには研究者及び資金等の多くの資源を必要とするため、一時期に並行して進められるプログラムの数には限界があります。当社では成功及び導出の可能性が高いプログラムに資源を優先的に配分することを重視しており、プログラムを始める際に明確な目標と期限を定め、進める中で想定外の状況が発生した場合にはプログラムを中止することがあります。その資源を新たなプログラムに配分することで、常時適切な数の有望なプログラムを揃える最適なパイプラインの状態を維持しています。

 

① 自社開発事業

ⅰ) CBP/β-カテニン相互作用阻害剤(E7386、PRI-724)

Wntシグナル伝達経路は、ガン、線維化などを制御するタンパク質のネットワークであり、創薬標的として広く研究されています。Wntシグナルは、細胞が「ガン化」「線維化」する際のみならず、細胞が「分化」して正常に機能する際にも重要な機能を果たすため、Wntシグナルを止めることは副作用にもつながります。従来の技術で開発されてきたWnt阻害剤は、Wntシグナルを上流から全て止めてしまうため、強い毒性を示して開発が中止されてきました。

E7386及びPRI-724は、そのような毒性を示すことなく、治療薬として必要な安全性を可能とするコンセプトのもとで創出された化合物です。Wntシグナルは、細胞核内でβ-カテニンがCBPという転写因子タンパク質に結合することでスイッチが入りますが、PepMetics化合物は、このCBPに結合し、CBPとβ-カテニンの結合を阻害します。一方で、PepMetics化合物はCBPと似た別のタンパク質であるP300とは結合しないため、β-カテニンとP300によるWntシグナル経路は機能します。その結果、PepMetics化合物はWntシグナル全体の機能を止めることなく、「ガン化」「線維化」を止めることが可能となります。

 

(a) E7386

エーザイ株式会社(以下、「エーザイ」という。)と共同創出した経口投与可能なCBP/β-カテニン相互作用阻害剤であるE7386は、ガン細胞の悪性化に関与するCBP/β-カテニンシグナルをターゲットとし、2021年11月にはPOC(Proof of Concept)を達成しています。

エーザイ創製の経口チロシンキナーゼ阻害剤「レンビマ®」との併用による固形ガンを対象とした後期第Ⅰ相/第Ⅱ相臨床試験では、2024年9月の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)に続き、本年5月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表された後期第Ⅰ相パートの中間解析結果で、子宮内膜ガンの患者で高い客観的奏効率と有望な予備的抗腫瘍活性を示しました(データカットオフ:2024年12月16日)。計画されていた30名の患者の組み入れが完了し、全奏効率(腫瘍の大きさが30%以上縮小)が33.3%(10名)の患者で確認されました。さらには、「レンビマ®」投与歴が無い患者における全奏効率は50.0%を示しました。エーザイは、患者の用量最適化パート(第Ⅱ相)への組み入れを開始しており、「レンビマ®」との併用による子宮内膜ガンに係る適応に関して、2031年3月までの承認取得をめざすと発表しています。

また、「レンビマ®」との併用による臨床試験と並行して、抗PD-1抗体「キイトルーダ®」との併用による固形ガンを対象とした後期第Ⅰ相/第Ⅱ相臨床試験が進行中です。

 

(b)PRI-724

当社が2008年に見出したCBP/β-カテニン相互作用阻害剤であるPRI-724(一般名:ホスセンビビント)は、2018年5月に大原薬品工業株式会社(以下、「大原薬品」という。)に導出し、2022年2月に終了した前期第Ⅱ相臨床試験において効果が確認され、POCを達成しました。

HCV・HBV又はMASHに起因する非代償性肝硬変患者を対象として2023年4月に開始した第Ⅱ相臨床試験を国内で実施しており、MASHを対象とするコホートでは患者の登録を完了しています。

また、血友病合併HIVとHCVの重複感染に起因する肝硬変患者を対象に東京都立駒込病院を中心に実施されている第Ⅱ相臨床試験において、2024年12月に症例の登録が終了し2025年12月に臨床試験終了を予定しています。

 

ⅱ) FEP

ガンで活性化されているシグナル経路が強く依存する“CAP依存的翻訳”に働くeIF4E/eIF4GのPPI阻害を目的とした4EBP1模倣化合物のプログラムで、「リード最適化」ステージにて創薬研究が実施されております。eIF4E/eIF4GのPPIは、現在の治療では予後の悪いトリプルネガティブ乳ガンなどのガン細胞において、関連遺伝子の変異や過剰発現により活性化されていることが知られています。本プログラムから創出される新薬は、有効な治療薬が存在しない患者に貢献できる新たな治療の選択肢となるものと考えています。

 

ⅲ) その他の自社開発事業

当社では、上記のFEP以外に1つの自社開発プログラムを、「リード化合物探索」のステージにて実施しております。一方で、これまで実施していた1つの「ヒット化合物探索」ステージのプログラムは、計画していた進捗に至らず第3四半期に中止し、新たな創薬標的に対するプログラムを開始すべく現在準備を進めております。

また、化合物の最適化にAIを活用するため、本年4月に株式会社Elixとの業務提携契約 を締結しました。当社のPepMetics技術はAIとの相性が良い性質を持っていることから、創薬にAIを活用することにより、研究開発の時間短縮と開発成功確率の向上を目指してコラボレーションを進めています。

AIの活用に加えて、自社内でライブラリー化合物の評価を行うハイスループットスクリーニング(HTS)を本格稼働させるとともに、X線結晶構造解析による化合物とタンパク質の結合様式の測定による生物物理学・計算化学の手法の導入など、創薬開発の効率と成功確率を高めるための新規創薬基盤の整備を進めています。

 

 

② 共同開発事業

当第3四半期会計期間末において、Eli Lilly and Company(以下、「Lilly」という。)及び小野薬品工業株式会社(以下、「小野薬品」という。)との契約を含め、現在国内外製薬企業7社と契約を締結しています。当第3四半期会計期間におきましては、Boehringer Ingelheim International GmbHとの研究及び導出契約を1年間延長し、契約期間を2026年5月17日までと設定することで合意しました。共同開発事業のうち3つのプログラムでは、当社とパートナー企業が一体となってプロジェクトチームを編成して創薬研究を進めており、1つは「リード化合物探索」ステージ、残りの2つは「ヒット化合物探索」ステージにて研究が実施されております。これら共同研究を拡大するため、引き続き他の国内外製薬企業との共同研究契約等の交渉を進めております。

 

以上の結果、当第3四半期累計期間における売上高は309,733千円(前年同期比44.0%増)となりました。

費用につきましては、販売費及び一般管理費については765,535千円(前年同期比14.0%増)となりました。その内訳は、研究開発費が446,531千円(前年同期比13.3%増)、その他販売費及び一般管理費が319,004千円(前年同期比15.1%増)であります。

この結果、営業損失は753,501千円(前年同四半期累計期間は543,128千円の営業損失)、経常損失は738,940千円(前年同四半期累計期間は496,427千円の経常損失)、四半期純損失は803,938千円(前年同四半期累計期間は569,546千円の四半期純損失)となりました。

なお、当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績の記載を省略しております。

 

(2)当四半期の財政状態の概況

(資産)

当第3四半期会計期間末における資産合計は3,478,459千円となり、前事業年度末と比較して1,050,107千円減少しました。これは主として、現金及び預金が1,088,442千円減少したこと等によるものであります。

 

(負債)

当第3四半期会計期間末における負債合計は746,884千円となり、前事業年度末と比較して278,780千円減少しました。これは主として、Lilly及び小野薬品とのライセンス契約等に基づく契約負債が270,548千円減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当第3四半期会計期間末における純資産合計は2,731,575千円となり、前事業年度末に比べ771,326千円減少しました。これは主として、ストックオプションの権利行使に伴い資本金及び資本準備金がそれぞれ14,596千円増加した一方、四半期純損失の計上により利益剰余金が803,938千円減少したこと等によるものであります。

 

 

(3)業績予想などの将来予測情報に関する説明

当社における事業収益は、自社開発事業においては導出先からのマイルストン及びロイヤリティと新規プログラムの導出による一時金、マイルストン、ロイヤリティが見込まれます。これらの収入は、導出先の開発戦略、開発スケジュールや、新たな提携先の判断に依存するため、収入を受領する時期を予測することは困難であり、事業年度ごとに大きく変動する可能性があります。

また、共同開発事業においては、現在進めているプログラムから既に受領している一時金、共同開発費については経過期間に応じた収益が見込まれています。加えて既存のパートナーからのマイルストンや新たなプログラムの開始、新たなパートナーとの契約による一時金、共同研究費なども見込まれますが、これらの収入はパートナーの判断に依存するため受領の時期や金額を予測することは困難です。

したがって、当事業年度の収益は前事業年度の収益を上回ることが期待されるものの、合理的な予想の算定が困難であることから記載しておりません。

 

2.四半期財務諸表及び主な注記

(1)四半期貸借対照表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2024年9月30日)

当第3四半期会計期間

(2025年6月30日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

4,392,022

3,303,579

 

 

その他

91,071

127,549

 

 

流動資産合計

4,483,094

3,431,129

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

20,422

22,795

 

 

 

 

減価償却累計額及び減損損失累計額

△20,422

△22,795

 

 

 

 

建物(純額)

0

0

 

 

 

機械及び装置

22,609

22,609

 

 

 

 

減価償却累計額及び減損損失累計額

△22,609

△22,609

 

 

 

 

機械及び装置(純額)

0

0

 

 

 

工具、器具及び備品

231,510

289,445

 

 

 

 

減価償却累計額及び減損損失累計額

△231,510

△289,445

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

0

0

 

 

 

有形固定資産合計

0

0

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

その他

45,472

47,330

 

 

 

投資その他の資産合計

45,472

47,330

 

 

固定資産合計

45,472

47,330

 

資産合計

4,528,566

3,478,459

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

未払法人税等

48,065

13,499

 

 

契約負債

900,069

629,521

 

 

賞与引当金

-

8,003

 

 

その他

71,734

89,104

 

 

流動負債合計

1,019,869

740,127

 

固定負債

 

 

 

 

資産除去債務

5,795

6,756

 

 

固定負債合計

5,795

6,756

 

負債合計

1,025,665

746,884

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

1,714,446

1,729,043

 

 

資本剰余金

3,330,766

3,345,363

 

 

利益剰余金

△1,542,734

△2,346,673

 

 

株主資本合計

3,502,477

2,727,732

 

新株予約権

423

3,842

 

純資産合計

3,502,901

2,731,575

負債純資産合計

4,528,566

3,478,459

 

 

(2)四半期損益計算書

 

    第3四半期累計期間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前第3四半期累計期間

(自 2023年10月1日

 至 2024年6月30日)

当第3四半期累計期間

(自 2024年10月1日

 至 2025年6月30日)

売上高

215,158

309,733

売上原価

86,891

297,699

売上総利益

128,266

12,033

販売費及び一般管理費

671,395

765,535

営業損失(△)

△543,128

△753,501

営業外収益

 

 

 

受取利息

12

2,792

 

為替差益

60,515

11,855

 

固定資産受贈益

155

 

その他

255

27

 

営業外収益合計

60,939

14,674

営業外費用

 

 

 

株式交付費

6,832

113

 

上場関連費用

7,375

 

その他

30

 

営業外費用合計

14,237

113

経常損失(△)

△496,427

△738,940

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

99

 

特別利益合計

99

特別損失

 

 

 

減損損失

72,312

63,183

 

特別損失合計

72,312

63,183

税引前四半期純損失(△)

△568,639

△802,123

法人税、住民税及び事業税

907

1,815

法人税等合計

907

1,815

四半期純損失(△)

△569,546

△803,938

 

 

(3)四半期財務諸表に関する注記事項

(継続企業の前提に関する注記)

該当事項はありません。

 

 

(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)

該当事項はありません。

 

 

(キャッシュ・フロー計算書に関する注記)

    当第3四半期累計期間に係る四半期キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません。なお、第3四半期累計期間に係る減価償却費(無形固定資産に係る償却費を含む。)は次のとおりであります。

 

 

 

前第3四半期累計期間

(自2023年10月1日

至2024年6月30日)

当第3四半期累計期間

(自2024年10月1日

至2025年6月30日)

減価償却費

 

 

 

(セグメント情報等の注記)

当社の事業セグメントは、創薬事業のみの単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

 

(重要な後発事象の注記)

 (重要な契約の終了)

当社とLillyは、2023年11月17日付の共同研究及び導出契約(以下、「本契約」という。)に基づき、両社で共同研究に注力してまいりましたが、Lillyより、2025年7月24日付の本契約の終了に関する通知を受領したことから、本契約の規定に基づき、2025年9月22日付で本契約を終了することとなりました。本契約の終了により、Lillyとの契約時に一時金として受領し、契約負債として計上されていた338,252千円(2025年6月30日時点)が契約終了時点で全額収益として計上される見込みです。