1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………4
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………4
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………5
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………5
3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………6
(1)連結財政状態計算書 ………………………………………………………………………………………6
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………8
連結損益計算書 …………………………………………………………………………………………………8
連結包括利益計算書 ……………………………………………………………………………………………9
(3)連結持分変動計算書 ………………………………………………………………………………………10
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………11
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………12
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………12
(会計方針の変更) ………………………………………………………………………………………………12
(セグメント情報) ………………………………………………………………………………………………12
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………13
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………14
4.補足情報 …………………………………………………………………………………………………………15
(1)受注実績 ……………………………………………………………………………………………………15
2025年1月のNovaspaceの発表によると、全世界政府の宇宙関連支出は2024年に前年対比10%成長して1,350億米ドルに達し、そのうち防衛関連は前年比約24%増の720億米ドルと顕著に増加しました。日本では、総額1兆円規模とされている宇宙戦略基金について、2024年7月より複数のテーマについて公募が開始されております。2025年3月には、内閣府より宇宙戦略基金第二期として各技術開発テーマの目標及び内容に関する実施方針が新たに公表されました。総予算3,000億円のうち、新たなサービスの創出として軌道上サービスに465億円程度の予算が割り当てられる予定であり、宇宙技術戦略にも位置付けられているキー技術のうち軌道上サービス分野等での投資を加速することも明記されています。また、2025年4月に発表された米国宇宙軍のSpace Force Doctrine Document 1(宇宙軍の基本方針文書)では、宇宙領域を再定義し、優れた国家宇宙能力の重要性、民間企業との強力なパートナーシップと商業宇宙ソリューションの統合に注力、などが明示され、今後の軌道上サービスの活用の可能性が示されております。上記のような取り組みを受けて、当社ビジネスの更なる拡大が期待されます。
軌道上サービスに必要不可欠なRPO(ランデブ・近傍運用)技術に関しまして、当社グループは、商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」のミッションにおいて、観測対象のデブリから約15mの距離までの近接に民間企業として世界で初めて成功し、2025年2月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)との契約を成功裏に完了いたしました。この成功は、RPO技術の実証という点において、当社グループにとって、大きな進展となりました。この重要な進展以外にも英国宇宙庁(UKSA)が主導する英国デブリ除去ミッションのソリューションであるCOSMIC(Cleaning Outer Space Mission through Innovative Capture)の開発において、2025年2月に現在の契約フェーズ(フェーズ2)の中間レビューを、2025年5月に最終レビューを達成するなど、着実に進展しております。
これらの取り組みの成果として、当社グループは軌道上サービス市場を創出し、着実にその高まる需要を取り込んでおります。2025年4月期における本書提出日現在までの受注又は採択の実績は、19件30,704百万円となりましたが、主要な案件は以下の通りです。
(政府機関案件・民間案件)
・2024年7月、ELSA-M最終フェーズ(フェーズ4)の契約を締結。
・2024年8月、商業デブリ除去実証(CRD2)フェーズⅡの大型契約をJAXAと締結。
・2024年9月、COSMICフェーズ2の契約をUKSAと締結。
・2025年1月、CAT-IODフェーズAの契約を欧州宇宙機関(ESA)と締結。
・2025年1月、経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)における「衛星の寿命延長に資する燃料補給技術」に関する研究開発構想の委託先として採択。
・2025年1月、ISSA-J1に係るフェーズ2の交付決定通知書を受領。
・2025年3月、Airbus Constellations Satellites SASより、100個以上の第2世代ドッキングプレートの大規模契約を初めて受注。
(防衛関連案件)
・2025年1月、BAE Systems plcと契約を締結。
・2025年2月、日本の防衛省と大型契約を締結。
・2025年4月、契約済のAPS-Rについて、打上げ及び軌道上実証も新たに含める延長契約を米国宇宙軍と締結。
当社グループでは、これらの契約を今後軌道上サービスの開発及び商業化に貢献する重要なミッションと位置付けております。このように、当社グループは各国で複数の案件の契約を締結し、受注実績において世界でリードしております。コアRPO技術の実証を2度成功させている当社グループが、軌道上サービスの担い手としての先駆的なポジションを引き続き堅持しております。
このように、世界的に宇宙関連支出や軌道上サービスに関する政府需要及び民間需要に繋がる政策推進等の機運が高まる中、当社グループは軌道上サービスの事業機会の拡大に向けて、積極的に事業提携や技術開発の強化に取り組んでおります。2024年8月には当社の英国連結子会社であるAstroscale Ltdが、Airbus Defence and Space社と軌道上サービスとデブリ除去における協業の可能性に関する覚書を締結し、2025年3月には当社の日本連結子会社である株式会社アストロスケールが、宇宙状況把握(SSA)や軌道上サービス分野において、インド市場及び第三国市場に向けた協業関係を構築すべく、インド現地企業3社(Digantara社、Bellatrix Aerospace社、MEMCO Associates (India) Private Limited社)それぞれとの間で、将来的な提携に向けて覚書を締結しました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績については、売上収益2,456,956千円(前年同期比13.9%減)、営業損失18,755,004千円(前年同期は11,555,724千円の営業損失)、主に為替差損(金融費用)2,180,684千円、支払利息(金融費用)663,964千円の計上により税引前当期損失21,550,288千円(前年同期は9,219,842千円の税引前当期損失)、当期損失21,551,603千円(前年同期は9,181,329千円の当期損失)、親会社の所有者に帰属する当期損失21,551,603千円(前年同期は9,181,329千円の親会社の所有者に帰属する当期損失)となりました。
ご参考までに、当連結会計年度における当社グループのプロジェクト収益(注)は6,088,555千円(前年同期比30.5%増)となりました(うち、政府補助金収入は3,631,599千円)。なお、セグメントごとの経営成績については、当社グループは、「軌道上サービス事業」の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(注)プロジェクト収益は、国際財務報告基準(IFRS)により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社が有用と考える財務指標です。プロジェクト収益は以下により算出しております。
「プロジェクト収益=売上収益+政府補助金収入」
なお、この数値は、当社グループが提供するサービスの対価として取得する政府補助金収入を売上収益に加算して算出しており、分析手段として重要な制限があることから、IFRSに準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおけるこの数値は、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。
当連結会計年度における流動資産は26,224,713千円となり、前連結会計年度末に比べ8,478,596千円増加しました。これは主に、現金及び現金同等物が7,104,637千円増加したことによるものです。非流動資産は7,400,577千円となり、前連結会計年度末に比べ155,884千円増加しました。これは主に、その他の金融資産が308,790千円増加したことによるものです。
この結果、資産合計は33,625,291千円となり、前連結会計年度末に比べ8,634,481千円増加しました。
当連結会計年度における流動負債は20,507,468千円となり、前連結会計年度末に比べ11,643,042千円増加しました。これは主に、引当金が727,430千円減少し、営業債務及びその他の債務が455,497千円減少した一方で、借入金が6,038,000千円増加(うち、5,000,000千円は非流動負債からの振替による増加)し、顧客との契約に基づく前受金の受領により契約負債が5,379,596千円増加し、また、繰延収益が1,320,819千円増加したことによるものです。非流動負債は6,991,467千円となり、前連結会計年度末に比べ3,733,559千円減少しました。これは主に、引当金が1,595,355千円増加した一方で、借入金が5,099,960千円減少(うち、5,000,000千円は非流動負債への振替による減少)したことによるものです。
この結果、負債合計は27,498,936千円となり、前連結会計年度末に比べ7,909,483千円増加しました。
当連結会計年度における資本合計は6,126,355千円となり、前連結会計年度末に比べ724,997千円増加しました。これは主に、東京証券取引所グロース市場に上場した際の新株の発行によって資本金及び資本剰余金がそれぞれ10,035,054千円増加したこと、当期損失の計上によって利益剰余金が21,551,603千円減少したこと、また、その他の包括利益の計上によってその他の資本の構成要素が1,810,402千円増加したことによるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7,104,637千円増加し、21,300,864千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、12,250,750千円の支出となりました。これは主に、税引前当期損失21,550,288千円の計上に対して、営業債務及びその他の債務の増加額や補助金収入、為替差損益等の調整項目があったことに加え、補助金の受取額5,566,176千円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,043,993千円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出582,015千円や定期預金の預入による支出320,000千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、20,818,761千円の収入となりました。これは主に、短期借入金の純増加額に係る収入4,038,000千円や東京証券取引所グロース市場に上場した際の株式の発行による収入19,854,446千円、長期借入金の返済による支出3,099,960千円によるものです。
当社グループは引き続き、圧倒的な競争優位性であるRPO技術を保持する世界の市場リーダーとして、軌道上サービス市場の創出及び拡大に注力し、当社グループがビジョンとして掲げる「将来の世代の利益のための安全で持続可能な宇宙開発」の実現を目指してまいります。
上記のビジョンの実現に向けた長期の経営方針は下記のとおりです。
既に顕在化している政府需要に加え、2025年4月期に当社想定よりも早期に顕在化した防衛関連需要を確実に取り込むことで、新たな短中期の成長ドライバーとすることを目指します。さらに、より長期的には、民間企業向けの衛星寿命延長サービスの立ち上げを推進してまいります。このように、宇宙経済の拡大を背景に増大が見込まれる政府・防衛機関及び民間からの軌道上サービス分野の需要に対し、幅広いサービス領域で応えていく方針です。
また、可能な限り早期の売上総利益・営業利益及びフリー・キャッシュ・フローの黒字化を目指してまいります。この目標達成に向け、①受注残高の積み上げ及び平均案件期間の短縮による期間プロジェクト収益の増加、②全額拠出案件比率の増加による売上総利益率の改善、③徹底したコスト管理による販売費及び一般管理費(販管費)増加率の抑制を図ることで、収益性の確保を図ってまいります。
なお、長期的な財務目標としては、売上総利益率30%台半ば、営業利益率20%台半ばを掲げております。
上記を踏まえた2026年4月期の連結業績予想は下記の通りです。期初時点においては、契約済み及び選定済みのプロジェクトの進捗状況等の不確実性が高いため、投資家の皆様に対してより有用かつ合理的な情報提供を行う観点から、レンジ方式での開示といたします。なお、予想値は受注済みの案件のみで構成されているため、新規受注があった場合は適宜上方修正を行う予定です。
受注済残高と受注内定済み案件総額の合算値である受注残高は、2025年4月末時点において44,413百万円(前年比+55.6%)となりました。全額拠出案件比率の向上及び平均案件期間の短縮により、売上収益及び政府補助金収入の合算値であるプロジェクト収益は、11,000百万円~13,000百万円(同+80.7%~+113.5%)を目指します。上限値は契約済み及び選定済み案件が遅延なく進展した場合の数値に相当し、下限値は前年度実績を踏まえたプロジェクトスケジュールの遅延やその他外部要因による潜在的影響を踏まえた数値です。現時点で未受注及び未選定の新規案件は、上限値にも含まれておりません。なお、プロジェクト収益の内訳である売上収益は、5,000百万円~6,000百万円(同+103.5%~+144.2%)、政府補助金収入は、6,000百万円~7,000百万円(同+65.2%~+92.8%)の見込みであり、売上総利益は、売上収益の増加及び全額拠出案件比率の改善により通期黒字化を目指します。
研究開発費には、主に未受注案件の先行開発費用と補助金案件の開発費用が含まれます。そのうち、未受注案件の先行開発費用は前年比で大幅減となる見込みです。また、補助金案件の開発費用はプロジェクト進捗に開発費用は増加するものの、その大部分は政府補助金収入で賄われ、営業損益への影響は前年比で横ばいとなる見込みです。
研究開発費以外の販管費は、厳格なコスト管理により前年比横ばいもしくは微減となる見込みです。
以上の結果、営業損失は10,300百万円~9,300百万円(同+8,455百万円~+9,455百万円)、当期損失は10,700百万円~9,700百万円(同+10,851百万円~+11,851百万円)の見込みです。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性及び利便性の向上を図り、グループ経営の品質向上、ガバナンス強化やグローバルでの成長戦略の推進を目的とし、IFRS(国際財務報告基準)を適用しております。
前連結会計年度(自 2023年5月1日 至 2024年4月30日)
当連結会計年度(自 2024年5月1日 至 2025年4月30日)
該当事項はありません。
当社グループは、当連結会計年度より、以下の基準を適用しております。
上記基準書の適用による連結財務諸表への重要な影響はありません。
当社グループは、デブリ除去等の軌道上サービスに関する技術の研究開発及び宇宙空間における実証を行っております。当社グループが開発する軌道上サービスには、対象とするデブリ・衛星の存在する軌道や、それらをターゲットとして開発されるサービスの内容により複数の種類がありますが、基盤となる技術は共通のものであるため、当社グループの最高経営意思決定機関は、経営資源の配分の決定及び業績評価のための経営成績の検討を、軌道上サービス事業の全体を対象として行っております。そのため、当社グループは、事業セグメントが軌道上サービス事業の単一セグメントであると判断しており、報告セグメント別の記載を省略しております。
製品及びサービスごとの外部顧客からの売上収益は、次の通りであります。
(注) 1.受託収益には、当社グループが開発する軌道上サービスに関連する研究開発プロジェクト及び実証プロジェクトにより獲得した収益が含まれております。
2.その他の売上収益には、ロゴマーク掲載等のスポンサーシップによる収益等が含まれております。
基本的1株当たり当期損失及び希薄化後1株当たり当期損失は、次の通りであります。
(注) 1.前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社が発行する新株予約権は逆希薄化効果を有しており、希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため、基本的1株当たり当期損失と希薄化後1株当たり当期損失は同額であります。
2.前連結会計年度において当社が発行する種類株式は、当期利益の分配に関して普通株式と同じ権利を有することから、1株当たり当期利益の計算上、普通株式数に含めております。
当社は、2025年5月8日開催の取締役会において、下記の通り海外募集による新株式の発行を決議し、2025年5月23日に払込が完了いたしました。
4.補足情報
当社グループで行う事業は、軌道上サービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における受注実績(受注総額及び受注残総額)(注1)は、次の通りです。
(注) 1.受注総額は、特定の期間において締結された契約に基づき、当社グループが支払いを受けた又は受けることができる金額の総額をいいます。受注残総額は、特定の期間までの全ての期間における受注総額の合計額のうち、当該特定の期間の末日までに収益計上がなされていない金額をいいます。当社グループの技術開発の進捗その他当該契約において定められた条件が実現に至らない場合、サービス提供に応じて支払われるマイルストーン収入の一部が支払われない可能性があり、そのため、上記の受注残総額の全てにつき、収益認識に至らない可能性があります。
2.上記受注残総額のほか、当連結会計年度末において、契約の締結には至っていないものの、当社が現時点で競合の存在を認識していないことから、当社グループによる受注が期待できると認識する既存ミッションの後続フェーズ(ISSA-J1フェーズ3)に係る想定受注残総額としては、3,808百万円(当連結会計年度末時点)を見込んでおります。また、2025年1月22日付で、株式会社アストロスケールが経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)における「衛星の寿命延長に資する燃料補給技術」に関する研究開発構想の委託先として採択され、その想定契約金額は、総額最大12,000百万円(間接経費、消費税等を含む)です。後続フェーズ及び採択済の案件については、契約の締結に至っていないため、当社グループが受注できず、又は、最終合意に基づく実際の受注金額が当社の想定と異なる可能性があります。
3.参考までに、当連結会計年度末時点における受注残総額に、当連結会計年度末時点における(注)2.の想定受注残総額及び想定契約金額を単純合算した金額は、44,413,300千円(前年同期比:155.6%)となりますが、(注)1.乃至2.記載の理由により、当該金額の全てにつき、収益認識に至らない可能性があります。
4.当連結会計年度において、軌道上サービス事業セグメントの受注総額及び受注残総額に著しい変動がありました。これは主に、以下の受注による増加です。
・ELSA-Mフェーズ4をEutelsat OneWeb社より受注(契約金額:13.95百万ユーロ)
・CRD2フェーズⅡをJAXAより受注(契約金額:12,000百万円)
・ISSA-J1に係るフェーズ2の交付決定通知書を受領(補助金の最大額:6,313百万円)
・BAE Systems plcよりISSAミッションを受注(契約金額:5.15百万英ポンド)
・日本の防衛省と大型契約を締結(契約金額:6,609百万円)。
・契約済のAPS-Rについて、打上げ及び軌道上実証も新たに含める延長契約を米国宇宙軍と締結(増加契約金額:11.73百万米ドル)。