【添付資料】

添付資料の目次

 

1.経営成績等の概況

 

(ページ)

1) 当期の経営成績・財政状態の概況

 

 

(1) 経営成績の概況

………………

2

(2) 財政状態の概況

………………

4

(3) 研究開発などの状況

………………

4

2) 今後の見通し

………………

8

3) 利益配分に関する考え方および当期・次期の配当

………………

9

2.経営方針

 

 

1) 企業理念

2) エーザイの未来創造戦略

………………

………………

10

10

3) 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

4) 各国の関税政策への対応

………………

………………

10

13

5) 資本政策の基本的な方針

………………

13

6) ESGをはじめとする非財務価値向上と情報開示

………………

13

7) コンプライアンス・リスク管理

………………

14

3.会計基準の選択に関する基本的な考え方

………………

15

4.連結財務諸表及び主な注記

 

 

1) 連結損益計算書

………………

16

2) 連結包括利益計算書

………………

17

3) 連結財政状態計算書

………………

18

4) 連結持分変動計算書

………………

20

5) 連結キャッシュ・フロー計算書

………………

22

6) 連結財務諸表に関する注記事項

 

 

(継続企業の前提に関する注記)

………………

23

(連結財務諸表作成の基礎)

………………

23

(セグメント情報)

………………

24

(連結損益計算書)

………………

27

(1株当たり当期利益)

………………

27

(重要な後発事象)

………………

28

 

1.経営成績等の概況

1)当期の経営成績・財政状態の概況

1)経営成績の概況

[売上収益、利益の状況]

○ 当期(2024年4月1日~2025年3月31日)の連結業績は、次のとおりです。

(単位:億円、%)

 

 

2023年度

2024年度

前期比

売上収益

7,418

7,894

106.4

売上原価

1,553

1,688

108.7

売上総利益

5,864

6,206

105.8

販売費及び一般管理費

3,744

4,080

109.0

研究開発費

1,690

1,716

101.5

その他の収益

120

172

143.0

営業利益

534

544

101.8

税引前当期利益

618

611

98.8

当期利益

438

481

109.8

親会社の所有者に帰属する当期利益

424

464

109.5

当期包括利益

1,228

432

35.2

基本的1株当たり当期利益

147円86銭

163円76銭

110.8

 

○ 売上収益は、アルツハイマー病(AD)治療剤「レケンビ」、抗がん剤「レンビマ」、および不眠症治療剤「デエビゴ」が引き続き伸長したことにより、戦略的オプション等による一時金が減少したものの、増収となりました。医薬品事業の売上収益は7,490億円(前期比108.3%)となりました。

○ 主要品目の売上収益は、「レンビマ」が3,285億円(前期比110.4%)、「デエビゴ」が538億円(同128.6%)、「レケンビ」が443億円(前期は43億円)、抗てんかん剤「フィコンパ」が298億円(前期比115.3%)となりました。

○ 販売費及び一般管理費は、「レケンビ」に係る販売費の増加や「レンビマ」の売上拡大に伴うMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(以下 米メルク社)への折半利益の支払いが増加したことに加え、円安の進行の影響により、増加となりました。

○ 研究開発費は、パートナーシップモデルの活用により効率性を高めた一方で、「レケンビ」や抗MTBRタウ抗体「E2814」などの重要プロジェクトへの積極的な資源投入および円安の進行の影響などにより、増加となりました。

○ その他の収益は、抗体薬物複合体farletuzumab ecteribulinに関するBristol Myers Squibb(米国、以下 BMS社)との戦略的提携契約の終結に伴い、提携契約締結時にBMS社から受領した預り金の取崩益59億円を計上したことにより、増加となりました。

○ 以上の結果、営業利益は増益となり、医薬品事業のセグメント利益は3,505億円(前期比108.1%)となりました。

 

[セグメントの状況]

(各セグメントの売上収益は外部顧客に対するものです)

当社グループは、セグメントを医薬品事業とその他事業に区分しており、医薬品事業を構成する日本、アメリカス(北米)、中国、EMEA(欧州、中東、アフリカ、ロシア、オセアニア)、イーストアジア・グローバルサウス(韓国、台湾、インド、アセアン、中南米、南アフリカ等)の5つの事業セグメントを報告セグメントとしています。

なお、アジア・ラテンアメリカ医薬品事業の管轄エリアがアジア(日本、中国を除く)、中南米、南アフリカであった状況に鑑み、2024年10月1日より、イーストアジア・グローバルサウス医薬品事業に名称変更しました。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。

また、当連結会計年度より、経営の実態をより適切に表示するため、従来、研究開発費に含めていた各報告セグメントにおけるメディカル活動に伴う費用を各セグメントの利益に反映しています。前連結会計年度のセグメント情報は、当該変更を反映しています。

 

<日本医薬品事業>

○ 売上収益は2,163億円(前期比99.7%)、セグメント利益は717億円(同101.0%)となりました。売上収益の主な内訳は、医療用医薬品が1,938億円(同99.8%)、一般用医薬品等が225億円(同99.1%)でした。

○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「デエビゴ」が445億円(前期比125.2%)、「フィコンパ」は77億円(同111.4%)と大幅に伸長しました。2023年12月に新発売した「レケンビ」は127億円(前期は4億円)となりました。オンコロジー領域では、「レンビマ」は139億円(前期比89.4%)、抗がん剤「ハラヴェン」は69億円(同87.3%)となりました。ヤヌスキナーゼ阻害剤「ジセレカ」は148億円(同117.3%)、慢性便秘症治療剤「グーフィス」は78億円(同112.3%)と大幅に伸長しました。なお、2023年6月に、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」の共同販促契約が満了しました。一般用医薬品等では、チョコラBBグループの売上収益が152億円(同101.7%)と伸長しました。

○ 2024年4月、「フィコンパ」について、注射剤を新発売しました。

○ 2024年11月、抗がん剤「タスフィゴ」を新発売しました。

○ 2024年11月、筋萎縮性側索硬化症用剤「ロゼバラミン」を新発売しました。

○ 2025年3月、「チョコラBB ナイトウェル」を新発売しました。

 

<アメリカス医薬品事業>

○ 売上収益は2,783億円(前期比119.7%)、セグメント利益は1,583億円(同114.5%)となりました。

○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「レケンビ」が261億円(前期は38億円)、「デエビゴ」が68億円(前期比132.7%)と大幅に伸長しました。オンコロジー領域では、「レンビマ」が2,323億円(同113.8%)と大幅に伸長し、「ハラヴェン」は75億円(同60.5%)となりました。

 

<中国医薬品事業>

○ 売上収益は1,155億円(前期比103.2%)、セグメント利益は572億円(同101.1%)となりました。

○ 品目別売上収益については、「レンビマ」が248億円(前期比92.1%)となりました。めまい・平衡障害治療剤「メリスロン」は142億円(同107.2%)と伸長しました。末梢性神経障害治療剤「メチコバール」は115億円(同91.4%)となりました。「レケンビ」は47億円(前期は0.3億円)となりました。

○ 2024年6月に中国、同年8月に香港、2025年2月にマカオにおいて、「レケンビ」を新発売しました。

 

<EMEA医薬品事業>

○ 売上収益は794億円(前期比104.5%)、セグメント利益は359億円(同100.9%)となりました。

○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「フィコンパ」が157億円(前期比122.2%)と大幅に伸長しました。オンコロジー領域では、「レンビマ/Kisplyx」が419億円(同109.8%)と伸長し、「ハラヴェン」は87億円(同74.2%)となりました。

○ 2024年7月にイスラエル、同年9月にアラブ首長国連邦、同年10月に英国において、「レケンビ」を新発売しました。

 

<イーストアジア・グローバルサウス医薬品事業>

○ 売上収益は596億円(前期比109.8%)、セグメント利益は274億円(同120.2%)となりました。

○ 品目別売上収益については、「レンビマ」が156億円(前期比120.6%)と大幅に伸長しました。アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」は142億円(同105.4%)と伸長しました。

○ 2024年5月、マレーシアにおいて、パーキンソン病治療剤「エクフィナ」を新発売しました。

○ 2024年7月、南アフリカにおいて、「デエビゴ」を新発売しました。

○ 2024年11月、韓国において、「レケンビ」を新発売しました。

○ 2024年11月、シンガポールにおいて、「ジセレカ」を新発売しました。

 

(2)財政状態の概況

[資産、負債および資本の状況]

○ 資産合計は、1兆3,865億円(前期末より73億円減)となりました。「レケンビ」等の生産を進めたことにより棚卸資産が増加した一方で、為替の影響により海外連結子会社の資産が減少したことに加え、現金及び現金同等物が減少しました。

○ 負債合計は、5,206億円(前期末より258億円増)となりました。預り金の減少に伴いその他の金融負債が減少した一方で、短期借入金が増加しました。

○ 資本合計は、8,660億円(前期末より330億円減)となりました。為替の影響により在外営業活動体の換算差額が減少したことに加え、配当金の支払いおよび取得した自己株式の消却に伴い利益剰余金が減少しました。

○ 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は60.7%(前期末より2.1ポイント減)となりました。

 

[キャッシュ・フローの状況]

○ 営業活動によるキャッシュ・フローは、301億円の収入(前期より259億円の収入減)となりました。運転資本は、「レケンビ」等の棚卸資産が増加したことに加え、預り金の減少などにより増加となりました。

○ 投資活動によるキャッシュ・フローは、101億円の支出(前期より152億円の支出減)となりました。販売権を譲渡したことによる一時金を受領した一方で、製造設備の増強を進めたことに加え、無形資産の取得による支出が発生しました。

○ 財務活動によるキャッシュ・フローは、578億円の支出(前期より351億円の支出増)となりました。主に自己株式の取得および配当金の支払いによるものです。

○ 以上の結果、現金及び現金同等物の残高は2,656億円(前期末より391億円減)、営業活動によるキャッシュ・フローから資本的支出等を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは199億円の収入となりました。

 

(3)研究開発などの状況

[開発品の状況]

○ 抗がん剤「レンビマ」(一般名:レンバチニブ、米メルク社との共同開発)

・ 単剤療法として、甲状腺がんに係る適応および肝細胞がん(ファーストライン)に係る適応で、日本、米国、欧州、中国、アジア等において承認を取得しています。

・ 単剤療法として、切除不能な胸腺がんに係る適応で、日本において承認を取得しています。

・ エベロリムスとの併用療法として、腎細胞がん(セカンドライン)に係る適応で、米国、欧州、アジア等において承認を取得しています。

・ 米メルク社の抗PD-1抗体ペムブロリズマブとの併用療法として、腎細胞がん(ファーストライン)に係る適応、および子宮内膜がん(全身療法後)に係る適応で、日本、米国、欧州、アジア等において承認を取得しています。

・ ペムブロリズマブとの併用療法について、肝細胞がん(肝動脈化学塞栓療法との併用)、食道がん(ファーストライン、化学療法併用)を対象としたフェーズⅢ試験が日本、米国、欧州、中国において進行中です。米国、欧州で実施していた頭頸部がん(セカンドライン)を対象としたフェーズⅡ試験は、独立データモニタリング委員会の推奨に従い、中止を決定しました。日本、米国、欧州、中国で実施していた胃がん(ファーストライン、化学療法併用)を対象としたフェーズⅢ試験は、主要評価項目のうち、無増悪生存期間は達成しましたが、全生存期間は未達となりました。

 

○ AD治療剤「レケンビ」(一般名:レカネマブ、Biogen Inc.(米国)との共同開発)

・ 早期ADに係る適応で、日本、米国、中国での承認に加え、2024年5月に韓国、同年7月に香港およびイスラエル、同年8月にアラブ首長国連邦および英国、同年11月にメキシコ、同年12月にマカオ、2025年2月にオマーンおよび台湾、同年4月に欧州(EU)およびカタール、同年5月にシンガポールにおいて承認を取得しました。これらにより、承認取得は、44の国と地域に拡大しました。12カ国で申請中です。

・ 2025年1月、米国において、静注維持投与(4週に1回投与)に関する生物製剤承認一部変更申請が承認されました。

・ 2024年12月、米国において、皮下注射(SC)製剤について、Fast Track指定の下でSCオートインジェクターによる週1回維持投与に関する生物製剤承認申請が受理され、PDUFA(Prescription Drugs User Fee Act)アクションデート(審査終了目標日)は2025年8月31日に設定されました。

・ 2024年10月、オーストラリア医療製品管理局(TGA)が早期ADの治療法として推奨しないとの初期の審査結果を公表し、当社は、同年12月に再審議の申請を行いました。2025年3月、TGAはレカネマブを早期AD治療薬として承認しないとした初期の審査結果を確認しました。

・ Alzheimer's Clinical Trials Consortium(ACTC)によって本剤が評価対象薬剤として選択されているプレクリニカル(無症状期)ADを対象とするAHEAD 3-45(フェーズⅢ試験)が日本、米国、欧州等において進行中です。

 

○ 不眠症治療剤「デエビゴ」(一般名:レンボレキサント)

・ 不眠症に係る適応で、日本、米国、アジア等において承認を取得しています。

・ 不眠症に係る適応で、中国において承認申請中です。

 

○ 抗てんかん剤「フィコンパ」(一般名:ペランパネル)

・ 部分てんかん併用療法に係る適応で、日本、欧州、中国、アジア等において承認を取得しています。日本、中国においては、単剤療法の承認も取得しています。

・ 全般てんかんの強直間代発作に対する併用療法に係る適応で、日本、欧州、アジア等において承認を取得しています。2024年4月、中国において、「12歳以上のてんかんの強直間代発作に対する併用療法」の適応拡大に関する承認を取得しました。

 

○ 2024年9月、抗がん剤「タスフィゴ」(一般名:タスルグラチニブ)について、日本においてFGFR2融合遺伝子を有する胆道がんに係る適応で承認を取得しました。

○ 2024年9月、「ロゼバラミン」(一般名:メコバラミン)について、日本において筋萎縮性側索硬化症用剤として承認を取得しました。

○ 痛風・高尿酸血症治療剤「URECE」(一般名:ドチヌラド)について、痛風に係る適応で、2024年9月にタイ、同年12月に中国、2025年2月にフィリピンにおいて承認を取得しました。

○ 2025年3月、プロトンポンプ阻害薬「パリエットS」(一般名:ラベプラゾール)について、日本において、胃痛、胸やけ、もたれに係る適応でスイッチOTC医薬品として承認を取得しました。

○ 抗MTBRタウ抗体「E2814」について、日本、米国においてレカネマブとの併用による孤発性早期ADを対象としたフェーズⅡ試験を開始しました。

○ 抗がん剤「E7386」について、日本、米国、欧州において、レンバチニブとの併用による固形がんを対象としたフェーズⅠb/Ⅱ試験のフェーズⅡパートを開始しました。

○ セロトニン2C受容体作動剤lorcaserin(一般名)について、米国で実施していたドラベ症候群を対象としたフェーズⅢ試験を中止しました。

 

[主な提携]

○ 2024年6月、当社の連結子会社EAファーマ株式会社(東京都、以下 EAファーマ)は、新規炎症性腸疾患治療薬(開発品コード「EA1080」)およびその周辺化合物について、Ensho Therapeutics, Inc.(米国)に対して、日本および中国、香港、マカオ、韓国、台湾、ASEANを除く全世界における独占的な開発・製造および販売権を付与するライセンス契約を締結しました。

○ 2024年6月、抗体薬物複合体farletuzumab ecteribulinに関して、BMS社とのグローバルな共同開発・共同販促契約を終結し、当社単独でのグローバル開発・商業化に移行しました。

○ 2024年7月、抗真菌剤ホスラブコナゾールについて、真菌性疾患(マイセトーマおよびその関連疾患は除く)に対するASEAN10カ国、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、台湾における開発および商業化に関するライセンス契約を佐藤製薬株式会社(東京都)と締結しました。

○ 2024年7月、エコナビスタ株式会社(東京都)と、認知症エコシステムの構築をめざして、業務提携契約を締結しました。本提携のもと、高齢者施設の入居者に対する認知機能の変化に対する気づきに向けた実証実験などを行います。

○ 2024年12月、富士レビオ・ホールディングス株式会社(東京都)と、神経変性疾患領域における新規血液バイオマーカーの共同研究およびその社会実装に関する覚書を締結しました。

○ 2024年12月、EAファーマは、Newron Pharmaceuticals S.p.A.(イタリア)と新規統合失調症治療薬evenamideの日本およびその他のアジア地域におけるライセンス契約を締結しました。

○ 2024年12月、抗がん剤「Targretin」について、欧州における権利をH.A.C. Pharma(フランス)に譲渡する契約を締結しました。

○ Bliss Biopharmaceutical Co., Ltd.(以下 BlissBio社)と共同開発している抗体薬物複合体「BB-1701」について、今後のグローバル開発、販促をBlissBio社が単独で実施することに合意し、戦略的提携に向けたオプション権を行使しないことを決定しました。なお、当社は、エリブリン ペイロードのライセンサーとして、BlissBio社との協業を継続します。

○ 2025年2月、タスルグラチニブについて、中国・香港・マカオ・台湾における開発、販売に関する独占的権利をSciClone Pharmaceuticals (Holdings) Limited(中国)に供与するライセンス契約を締結しました。

○ 2025年2月、国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(愛知県)の監修のもと、認知機能低下リスクの低減と栄養に関するガイダンス、および宅配食/ミールキット開発の手引きを作成し、食品関連企業への提供を開始しました。

○ 2025年3月、佐藤製薬株式会社が販売する経口抗真菌剤「ネイリン」(一般名:ホスラブコナゾール)について、日本におけるコ・プロモーション契約に基づくコ・プロモーションを2025年3月31日をもって終了しました。佐藤製薬株式会社と締結した新たな契約に基づき、2025年4月1日から2026年3月31日までを移行期間として、当社は本剤のプロモーション活動を継続します。

○ 2025年3月、エコナビスタ株式会社の普通株式及び新株予約権を金融商品取引法に基づく公開買付けにより取得することを決定し、3月17日より本公開買付けを実施し、5月7日をもって終了しました。その結果、同社は、5月14日付けで当社の連結子会社となりました。

○ 2025年3月、経口抗凝固剤「ワーファリン」(一般名:ワルファリン)について、日本における権利を沢井製薬株式会社(大阪府)に譲渡する契約を締結しました。

○ 2025年3月、プロトンポンプ阻害剤「パリエット」(一般名:ラベプラゾール)について、中国における権利をCBC Group の Beijing Peak Biology Pharmaceuticals Co., Ltd.(中国)に譲渡したことを発表しました。

 

[その他]

○ 2024年4月、当社の完全子会社である株式会社カン研究所(兵庫県)を当社へ吸収合併し、名称を神戸研究所に変更しました。

○ 2024年4月、サウジアラビアにおける医薬品販売会社 Eisai Pharmaceuticals Single Person Limited Liability Companyを英国子会社 Eisai Europe Ltd.の完全子会社として設立し、同年10月より事業活動を開始しました。

○ 2024年5月、今後の業績見通しと株主還元のバランス等を総合的に勘案し、中長期的なROEマネジメントを見据えて、6,500,000株(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合2.3%)、300億円を上限とする自己株式の取得および取得株式の消却を取締役会にて決議しました。同年10月、取得株式総数が4,917,800株(29,999,561,921円)に達し、自己株式の取得を終了しました。同年11月29日に、今回取得した自己株式全株の消却を完了しました。

○ 2024年11月、当社のコーポレートベンチャーキャピタル子会社であるEisai Innovation, Inc.(米国)が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が実施する「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」において、認定ベンチャーキャピタルに採択されました。

○ 2025年2月、非営利団体であるCDP(英国)より、「気候変動」および「水セキュリティ」の両分野において、最高評価のAリストに選定されました。

 

2今後の見通し(2025年4月1日~2026年3月31日)

[通期連結業績予想]

(%表示は、対前期増減率)

 

売上収益

営業利益

税引前

当期利益

当期利益

親会社の所有者

に帰属する

当期利益

基本的

1株当たり

当期利益

 

百万円   %

百万円   %

百万円   %

百万円   %

百万円   %

通期

790,000  0.1

54,500   0.2

59,000  △3.4

43,500  △9.5

41,500   △10.6

147.20

*前提為替レート:1米ドル148.0円、1ユーロ157.0円、1英ポンド188.0円、1人民元20.8円

 

<売上収益>

〇 「レケンビ」は、昨年度に引き続き、疾病の診断から治療に至るまでのパスウェイの改善や、米国での維持療法が適用される患者様の増大などにより、米国・日本・中国での拡大を見込んでいることに加え、その他世界各国での承認取得および新発売を控えており、大幅な成長を果たす見込みです(765億円、前期比72.8%増)。「デエビゴ」は、日本の不眠症治療剤市場におけるナンバーワンブランドとしての更なる成長に加え、新規国での上市による売上拡大を見込んでいます(580億円、同7.9%増)。一方、「レンビマ」は、ジェネリック品や競合製品の台頭に加え、各国での価格抑制策や為替による影響も受けることから、減収を見込んでいます(3,120億円、同5.0%減)。その他、前期に計上した製品の権利譲渡による収益の反動もあり、連結売上収益は前期から0.1%増の7,900億円を予想しています。

 

<利益>

〇 費用については、効率性を追求し、中長期的な成長への最適な資源配分を徹底します。研究開発費については、「レケンビ」の利便性を向上する皮下注射製剤や、プレクリニカル(無症状期)ADを対象とする臨床試験といった、当社グループの今後の成長を支える認知症領域およびがん領域における重要プロジェクトへの積極的な資源投入を継続する一方、開発テーマの見直しや費用の効率化により、前期から3.0%減の1,665億円を予想しています。

〇 販売費及び一般管理費については、「レケンビ」の欧州やアジアでの上市関連費用の増加を見込んでおり、米国や日本といった主要マーケットにおいても費用を継続して投下します。一方、「レンビマ」の売上収益の減少に伴う米メルク社への折半利益の減少や、グローバルでの費用効率化により、前期から2.9%減の3,960億円を予想しています。

〇 製品構成の変化にともなう売上原価の増加を加味し、営業利益は545億円(同0.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、金融損益等の変動を受け、415億円(同10.6%減)を予想しています。ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は5.0%を見込んでいます。

 

[将来予想に関する事項と事業等のリスク]

本発表において提供される資料ならびに情報は、現在における予想、目標、評価、見通し、リスクを伴う想定などの不確実性に基づくものを含んでいます。従って、さまざまな要因の変化により、将来予想などが実際の結果と大きく乖離する可能性があります。リスクや不確実性には、一般的な業界ならびに市場の状況、各国の関税政策変更、金利、通貨為替変動といった日本および国際的な経済状況が含まれています。

当社グループの業績を大幅に変動させる、あるいは投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクや不確実性の詳細に関しては、当社の前期有価証券報告書および当期半期報告書の「事業等のリスク」をご参照ください。ただし、当該記載は当社グループに係るすべてのリスクや不確実性を網羅したものではなく、現時点において予見できない、あるいは重要とみなされていない他の要因の影響を将来的に受ける可能性があります。また、当該記載は本発表日現在において判断したものであり、文中の将来に関する事項はその発生あるいは達成を保証するものではありません。

 

3)利益配分に関する考え方および当期・次期の配当

当社は、剰余金の配当等に関しては取締役会決議とすることを定款に定めています。2025年3月期の期末配当金は、従来の予想どおり1株当たり80円とさせていただきます。1株当たり中間配当金80円と合わせ、年間配当金は1株当たり160円(前期と同額)、DOE(親会社所有者帰属持分配当率)は5.3%となります。次期の配当については、1株当たり年間配当金160円(当期と同額)とし、中間配当金80円、期末配当金80円を見込んでいます。

なお、利益配分に関する考え方については、13頁の「2.経営方針 5)資本政策の基本的な方針 (2)持続的・安定的な株主還元」をご参照ください。

 

2.経営方針

1)企業理念

当社グループは、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献することを企業理念としています。この理念のもとですべての役員および従業員が一丸となり、世界のヘルスケアの多様なニーズを充足し、いかなる医療システム下においても存在意義のあるヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業となることをめざしています。当社グループの使命は、患者様と生活者の皆様の満足の増大であり、他産業との連携によるhhcエコシステムを通じて、日常と医療の領域で生活する人々の「生ききるを支える」ことです。その結果として売上や利益がもたらされ、この使命と結果の順序を重要と考えています。

当社グループは、このhhc理念の実現に向けて、主要なステークホルダーズである患者様と生活者の皆様、株主の皆様および社員との信頼関係の構築に努めるとともに、コンプライアンス(法令と倫理の遵守)を日々実践し、企業価値の向上に取り組んでいます。本企業理念は、定款に定め、株主の皆様と共有化をはかっています。

当社グループは、hhc理念に基づき、人々の「健康憂慮の解消」と「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現し、社会的インパクトを創出することで、長期的な企業価値の増大をめざします。

 

2)エーザイの未来創造戦略

2025年3月、当社グループは、hhc理念に基づき、すべての人が自分らしく生ききる世界をつくるための「エーザイの未来創造戦略」を策定しました。本戦略を経営の根幹に据え、当社グループの医薬品事業等を通じた患者様や生活者の皆様への貢献と、これを支える基盤としてコーポレートガバナンス強化および地球環境保全や社会課題の解決に中長期的に取り組み、企業としての継続的成長と社会の持続的発展への寄与をめざします。当社グループは、本戦略の中長期的な実現に向けて、優先的に取り組む重要な課題とその目標を中期経営計画に定め、取り組みを推進します。

 

3)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

(1) 中期経営計画「EWAY Future & Beyond」

当社グループは、中期経営計画「EWAY Future & Beyond」を2021年4月よりスタートしました。「EWAY Future & Beyond」では、2021年度からの5年間を「EWAY Future」、2026年度以降を「EWAY Beyond」とし、当社グループが貢献すべき主役を「患者様とそのご家族」から「患者様と生活者の皆様」に拡大しました。患者様と生活者の皆様の「生ききるを支える」という想いとともに、アンメット・メディカルニーズが極めて高く、当社グループが最も強みを持つ認知症を中心とする神経領域とがん領域に立脚したサイエンスとデータに基づくソリューションを創出し、他産業やグループとの連携によるエコシステムの構築を通じて、hhceco(hhc理念+エコシステム)企業へと進化することをめざしています。

2023年にhhcエコシステムを通じて社会善を効率的に実現するための新たなマテリアリティを策定しました。認知症領域、がん領域、グローバルヘルス領域における社会善の実現に加え、人財価値の最大化、および財務戦略を重要マテリアリティとして特定し、2030年度に向けた長期目標とKPIおよびリスクを設定・特定しました。これらのマテリアリティを羅針盤とし、社会善の効率的な実現に取り組んでいきます。

 

(2) 中期経営計画「EWAY Future & Beyond」の主な進捗と取り組み

疾患を連続体(Disease Continuum)として捉え、複数のバイオマーカーなどのプロファイリングにより疾患病態生理学的に理解することによって社内に蓄積されるヒューマンバイオロジーエビデンスを最大限活用し創薬研究を実践するDeep Human Biology Learning(DHBL)研究開発体制のもと、当社グループが当該領域のヒューマンバイオロジーに最も早く深くアクセスすることが可能なアルツハイマー病(AD)に代表される認知症を中心とした神経領域、難治性がんを中心としたがん領域にフォーカスし、創薬仮説の構築・検証から承認取得までの創薬活動を推進しています。グローバルヘルス領域においても継続的な貢献を果たしていくことをめざしています。

また、人々の日常領域から医療領域までのすべてのライフステージを支えるエコシステムを、アカデミア、企業、自治体などのパートナーと連携して構築することで、価値創造をめざします。加えて、これらの価値創造を下支えするべく、効率性の追求と収益性の向上に向けた構造改革も推進しています。グローバル全体のオペレーションを最適化し、単なる費用削減ではなく、組織・プロセスを抜本から見直すことで、全社収益構造の変革をはかります。

 

① 認知症を中心とする神経領域

レカネマブ(ブランド名:「レケンビ」)について、早期ADを対象に、米国、日本、中国、欧州、アジア等において44の国と地域で承認を取得し、12カ国で申請中です。ADは、早期の診断と治療が必要な進行性かつ致死性の疾患であり、既に上市を果たしている米国、日本、中国などでは、AD領域におけるパイオニアとして、認知機能検査、APOE4検査、アミロイドβ(Aβ)検査(PET:陽電子放出断層撮影、CSF:脳脊髄液検査)、投薬、ARIA(アミロイド関連画像異常)モニタリングと続く、一連の診断・治療パスウェイを構築するとともに、その改良・軽量化に取り組んでいます。具体的には、2週に1回の初期投与完了後に4週に1回の投与を可能とする点滴静注維持投与、および在宅・在所での投与が可能となる皮下注オートインジェクター製剤(SC-AI)について、先行している米国だけでなく、日本をはじめとする他の国においても申請を進めていきます。また、血液バイオマーカーを用いたAβ蓄積のプレスクリーニングテストの拡大と確定診断の実装に向けた動きも着実に進んでおり、引き続き、複数のパートナー企業との協働により推進をはかります。

ADのDisease Continuumに基づく他のプロジェクトの開発も進行中です。レカネマブについては、プレクリニカル(無症状期)ADを対象とするAHEAD 3-45試験(フェーズⅢ試験)が被験者登録を完了し、2028年度中のトップライン取得に向け順調に進行しています。また、抗MTBR(Microtubule binding region: 微小管結合領域)タウ抗体「E2814」については、優性遺伝アルツハイマーネットワーク試験ユニット(DIAN-TU)が優性遺伝ADを対象としたTau NexGen試験(フェーズⅡ/Ⅲ試験)をレカネマブとの併用で実施中です。2024年には孤発性ADを対象としたフェーズⅡ試験も開始しました。さらに、ダメージを受けたコリン作動性神経の機能を回復し、コリン作動性神経の変性を予防することが期待される選択的Tropomyosin receptor kinase A(TrkA)結合シナプス再生剤「E2511」、およびアストロサイト経路を標的としてシナプス機能低下抑制が期待される抗Erythropoietin-producing hepatocellular receptor A4(EphA4)抗体「E2025」については、それぞれフェーズⅠ試験が米国において進行中です。日本においては、慶應義塾大学と共同で設立した産医連携拠点「エーザイ・慶應義塾大学 認知症イノベーションラボ(EKID)」における、脳が本来備えている防御機構、堅牢性の維持・強化に関わる創薬ターゲットの探索研究や創薬研究も進めています。自社創製の脳移行型バイスペシフィック抗体技術である「Evolpath」についても複数のプロジェクトで開発が進行しています。

臨床試験データやリアルワールドデータから、病態メカニズムに関わるバイオマーカーを独自に同定・開発することでブレインヘルスパネルを構築し、バイオマーカーとデーターサイエンスに基づく疾患の再定義を進めています。このブレインヘルスパネルは、次世代創薬やプレシジョンメディスンの開発に活用していきます。

 

② 認知症エコシステム

認知症エコシステムを通じて、認知症発症前の日常領域における健康状態の維持、疾患啓発、予防から、発症後の医療領域における正確な診断、治療(薬物・非薬物)効果の確認、QOL(Quality of Life)の向上に寄与するソリューションの提供をめざしています。日常領域段階では、子会社であるArteryex株式会社が健康管理サービス(パシャっとカルテ)を提供しています。また、デジタル事業会社Theoria technologies株式会社が、認知症関連情報のポータルサイト「テヲトル」を運営し、高リスクから、発症・治療、予後段階までのステージで役立つ情報を提供するとともに、当事者様・医師・介護者間のコミュニケーション円滑化を支援するアプリ「ササエル」の開発・提供なども行っています。TOBが成立し完全子会社化する予定のエコナビスタ株式会社においても、SaaS型(クラウド型)の高齢者向け見守りシステム「ライフリズムナビ」により、MCIや認知症の早期検知や介護事業者の業務効率化への貢献をめざします。

日本においては、保険、金融、自動車、食品などの他産業や自治体と共に、脳の健康度のデジタルツール「のうKNOW」(非医療機器)の活用を中心に、認知症エコシステム拡大に向けた様々な連携を進めています。また中国においては、日常生活から医療までのワンストップオンライン健康プラットフォームである銀髪通(Yin Fa Tong)を通じてオンライン診療を提供し、デジタル技術を活用した医療較差の是正に取り組んでいます。アジア地域では、他産業や非営利団体とのエコシステム構築を拡大し、認知症の疾患認知率向上、早期発見、早期診断に向けた取り組みを進めています。

 

③ がん領域

抗がん剤「レンビマ」(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAと共同開発)については、単剤療法としての甲状腺がん、肝細胞がん、胸腺がん(日本)やペムブロリズマブとの併用療法による腎細胞がん、子宮内膜がん等の既存適応症における価値最大化に引き続き取り組みます。さらに、ペムブロリズマブとの併用療法については、肝動脈化学塞栓療法併用肝細胞がん、食道がんを対象としたLEAP試験に加え、腎細胞がんを対象とした新規併用療法の適応追加に向けた臨床試験が進行中です。

次世代オンコロジー製品の開発では、「レンビマ」や「ハラヴェン」で得られたバイオマーカーデータを活用し、薬剤耐性メカニズムの解明を進めています。当社グループが有する先端精密合成技術を基盤として、抗体では作用できない細胞内のUndruggableな治療標的をDruggableへと変え、新たなバックボーン治療薬創出をめざしています。

エリブリンをペイロードとした抗体薬物複合体である「MORAb-202」、レンビマ薬剤耐性解除を期待するファーストインクラスの中分子治療薬「E7386」や、当社グループが強みを持つケミストリー力を具現化する創薬プラットフォームからは、スプライシングモジュレーター、標的タンパク質分解誘導剤の創薬を進めています。

 

④ グローバルヘルス領域

グローバルな医薬品アクセスの課題解決への取り組みを、理念が導く当社グループのビジネスであるとともに、将来への長期的な投資であると考え、政府や国際機関、非営利民間団体等との官民パートナーシップのもと、積極的に推進しています。開発途上国および新興国に蔓延する顧みられない熱帯病(NTDs)の一つであるリンパ系フィラリア症を制圧するため、その治療薬である「DEC(一般名:ジエチルカルバマジン)錠」を当社グループのインド・バイザッグ工場で製造し、本剤を必要とするすべての蔓延国において制圧が達成されるまで、世界保健機関(WHO)に「プライス・ゼロ」で提供することにコミットしています。2025年3月末までに32カ国に25.2億錠を供給し、そのうち8カ国でLF制圧が達成されました。さらに、日本発のグローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)、NTDsに対する新薬開発の経験豊富な非営利団体/非政府組織、アカデミアとのパートナーシップのもと、マイセトーマ(菌腫)をはじめとするNTDs、結核、マラリアに対する新薬開発を推進しているほか、疾患啓発活動にも取り組んでいます。マイセトーマについては、スーダンにて、抗真菌剤「E1224」(一般名:ホスラブコナゾール)によるフェーズⅡb/Ⅲ試験がDNDiおよびスーダンのハルツーム大学菌腫研究センターにより実施されました。現在、スーダンにおける承認申請に向けた準備を進めています。マラリアについては、米国のブロード研究所と共同で創出した新規薬剤候補「E1018」のフェーズⅠ試験を当社が開始しました。

 

⑤ 人財価値の最大化

当社は、定款において社員を主要なステークホルダーの一つと定め、「安定的な雇用の確保」に加え、「人権および多様性の尊重」、「自己実現を支える成長機会の充実」、「働きやすい環境の整備」に努めることを明記しました。また、「統合人事戦略」を策定し、「社員の健康を含めたウェルビーイング」、「多様な働き方」、「社員の成長」、「組織、事業の成長」を柱とした、個と組織が共に成長するための人事施策を実行しています。様々な異なる意見や価値観を尊重して、課題解決に取り組んでいくことは、当社のイノベーション創出の源泉であるとともに、企業理念の実現に向けた重要なアプローチであり、グローバルにおいて多様な価値観を持つ人財が活躍できる風土づくりを継続して進めています。さらにグローバルエンゲージメントサーベイを実施し、人事戦略の検証・強化に活用するなど、中長期的な人財価値の最大化を推進しています。2023年度からは「Human Capital Report」を発行し、人事戦略と連動する人的資本に関する取り組みやKPIを開示しています。開示によって得られる社内外からの様々なフィードバックも踏まえ、企業価値を高める本質的資産への当社人財の転換に向けて人的資本経営に継続的に取り組んでいます。

 

4) 各国の関税政策への対応

米国の関税措置は関係する国々の関税政策にも影響を与える可能性があり、地政学的ならびに経済的な不確実性の高まりが懸念されます。かかる中、当社は米国および関係諸国の関税政策の動向を常に注視し、当社事業への影響を精査していきます。また、原材料の複数購買体制および複数工場での製品の製造体制を構築するなど、地政学的なリスクを考慮した柔軟なサプライチェーン体制の整備に取り組んでいます。

 

5) 資本政策の基本的な方針

当社グループの資本政策は、財務の健全性を担保した上で、株主価値向上に資する「中長期的なROE*1マネジメント」、「持続的・安定的な株主還元」、「成長のための投資採択基準」を軸に展開しています。

(1) 中長期的なROEマネジメント

当社グループは、ROEを持続的な株主価値の創造に関わる重要な指標と捉えています。「中長期的なROEマネジメント」では、売上収益利益率(マージン)、財務レバレッジ、総資産回転率(ターンオーバー)を常に改善し、中長期的に正のエクイティ・スプレッド*2を創出すべく、資本コストを上回るROEをめざしていきます。

 

(2) 持続的・安定的な株主還元

当社グループは、健全なバランスシートのもと、連結業績、DOE*3およびフリー・キャッシュ・フローを総合的に勘案し、シグナリング効果も考慮して、株主の皆様への還元を継続的・安定的に実施します。DOEは、連結純資産に対する配当の比率を示すことから、バランスシートマネジメント、ひいては資本政策を反映する指標の一つとして位置づけています。自己株式の取得については、市場環境、資本効率等に鑑み適宜実施する可能性があります。なお、健全なバランスシートの尺度として、親会社所有者帰属持分比率、負債比率(Net DER)を指標に採用しています。

 

(3) 成長のための投資採択基準

当社グループは、成長投資による価値創造を担保するために、戦略投資に対する投資採択基準を採用し、リスク調整後ハードルレートを用いた正味現在価値と内部収益率スプレッドにハードルを設定し、投資を厳選しています。

 

*1 ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)

= 親会社の所有者に帰属する当期利益÷親会社の所有者に帰属する持分

*2 エクイティ・スプレッド=ROE-株主資本コスト

*3 DOE(親会社所有者帰属持分配当率)

= 配当金総額÷親会社の所有者に帰属する持分

 

6) ESGをはじめとする非財務価値向上と情報開示

当社グループは、革新的な新薬創出等により、人々の「健康憂慮の解消」と「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現し、社会にポジティブなインパクトをもたらすことで長期的な企業価値の向上をめざしています。当社グループは、米国における「レケンビ」およびDEC錠無償提供がもたらす社会的インパクトのほか、従業員に対する賃金が社会にもたらす価値を可視化した従業員インパクトを算出し、売上や利益には表れない本源的な企業価値を示すことに努めています。また、革新的な新薬の創出には長い期間と膨大な研究費を必要とするため、中長期的な視点での企業価値評価が重要であると考え、知的資本や人的資本などの非財務資本の充実の重要性を訴求しています。

当社グループは、地球環境の負荷低減(環境)、医薬品アクセス向上、人権の尊重、社員の人財育成(社会)、経営の公平性と透明性の確保(ガバナンス)等、ESGへの取り組みを強化してきました。これらの取り組みは、国連サミットで採択された国際的な目標であるSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)と一貫したものであり、非財務価値として当社グループの企業価値向上にもつながっていると考えています。

環境については、「エーザイネットワーク(ENW)環境方針」に基づき、気候変動対応、環境汚染の防止、持続可能な水利用、生物多様性保全、資源の循環利用に対する中長期目標を定めて取り組んでいます。特に気候変動対応については、パリ協定が求める水準と整合した温室効果ガス排出削減目標であるSBT(Science Based Targets)1.5℃目標や再生可能エネルギー電力使用100%(RE100)の達成に向けて取り組みを進めています。さらに2022年度には、気候変動が企業に与える影響についてリスクと機会を分析し、情報開示を求める国際的なフレームワークTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosure)に沿った再評価を行い、気候戦略の強靭性を高めるべく検討を重ねています。

人権については、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に則った人権方針に基づき、人権尊重への取り組みをさらに強化しています。2024年度は、人権デューデリジェンスにおける負の影響の特定評価を行ったほか、2024年11月にはグリーバンスメカニズム(日本語)を開設しました。また当社は、サプライチェーン全体で、人権、労働・安全、環境、倫理などのサステナビリティを重視した調達活動(サステナブル調達)を推進するため、製薬・ヘルスケアセクターの国際非営利団体であるPSCI(Pharmaceutical Supply Chain Initiative)に加盟しています。

当社グループのESGをはじめとする非財務価値に関する情報は、IIRC(国際統合報告評議会)のフレームワークに基づいた価値創造レポート(旧統合報告書)や、Human Capital Reportを含め当社ホームページに掲載しています。

(https://www.eisai.co.jp/ir/library/annual/index.html)

(https://www.eisai.co.jp/sustainability/index.html)

当社は、常に最良のコーポレートガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組んでいます。当社は、経営の監督機能と業務執行機能を明確に分離することにより、経営の公正性・透明性を確保するとともに、経営の活力を増大させることがコーポレートガバナンスの要諦であると考え、コーポレートガバナンスの充実に向け、経営の監督をはじめとする社外取締役の機能を最大限に活用していきます。当社におけるコーポレートガバナンスの基本的な考え方および行動指針を「コーポレートガバナンスプリンシプル」に定め、その実践により、コーポレートガバナンスの充実をはかっています。

当社のコーポレートガバナンスに関する取り組みは、「コーポレートガバナンス報告書」をはじめとして、当社のホームページに掲載しています。

(https://www.eisai.co.jp/company/governance/index.html)

 

7) コンプライアンス・リスク管理

当社グループは、コンプライアンスを「法令と倫理の遵守」と定義し、経営の根幹に据えています。また、内部統制を「企業活動を適正かつ効率的に遂行するために、社内に構築され運用されている体制およびプロセス」と定義し、「ENW内部統制ポリシー」をグループの役員および全従業員で共有しています。あわせてチーフコンプライアンスオフィサーおよび内部統制担当執行役を任命し、コンプライアンスとリスク管理を推進しています。また、第三者で構成されるコンプライアンス委員会より客観的な評価を受け、継続的な向上をめざしています。

3.会計基準の選択に関する基本的な考え方

財務情報の国際的な比較可能性の向上や開示の拡充により、国内外の株主・投資家などの様々なステークホルダーズの皆様の利便性を高めることを目的として、2014年3月期連結会計年度から国際会計基準(IFRS)を適用し、2015年3月期第1四半期の連結財務諸表よりIFRSにて開示しています。

4.連結財務諸表及び主な注記

1) 連結損益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

 当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

 前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

売上収益

789,400

741,751

売上原価

△168,807

△155,333

売上総利益

620,593

586,417

 

 

 

販売費及び一般管理費

△407,983

△374,421

研究開発費

△171,633

△169,021

その他の収益

17,157

11,998

その他の費用

△3,757

△1,566

営業利益

54,378

53,408

 

 

 

金融収益

10,207

10,804

金融費用

△3,519

△2,388

税引前当期利益

61,065

61,823

 

 

 

法人所得税

△13,007

△18,040

当期利益

48,059

43,784

 

 

 

当期利益の帰属

 

 

親会社所有者

46,432

42,406

非支配持分

1,626

1,377

 

 

 

1株当たり当期利益

 

 

基本的1株当たり当期利益(円)

163.76

147.86

希薄化後1株当たり当期利益(円)

 

2) 連結包括利益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

 当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

 前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当期利益

48,059

43,784

 

 

 

その他の包括利益

 

 

損益に振り替えられることのない項目

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で

測定する金融資産

1,112

1,707

確定給付制度に係る再測定

924

5,353

小計

2,035

7,059

 

 

 

損益にその後に振り替えられる可能性の

ある項目

 

 

在外営業活動体の換算差額

△7,074

71,924

キャッシュ・フロー・ヘッジ

138

△5

小計

△6,937

71,919

その他の包括利益合計

△4,901

78,978

当期包括利益

43,157

122,762

 

 

 

当期包括利益の帰属

 

 

親会社所有者

41,527

121,493

非支配持分

1,631

1,269

 

3) 連結財政状態計算書

 

 

(単位:百万円)

 

当連結会計年度末

(2025年3月31日)

前連結会計年度末

(2024年3月31日)

資産

 

 

非流動資産

 

 

有形固定資産

158,088

164,894

のれん

233,441

236,366

無形資産

75,263

85,493

その他の金融資産

64,740

57,674

その他

26,045

25,564

繰延税金資産

101,311

100,826

非流動資産合計

658,888

670,816

 

 

 

流動資産

 

 

棚卸資産

215,905

174,651

営業債権及びその他の債権

220,022

217,208

その他の金融資産

488

445

その他

25,682

26,001

現金及び現金同等物

265,561

304,678

流動資産合計

727,659

722,983

資産合計

1,386,547

1,393,799

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

当連結会計年度末

(2025年3月31日)

前連結会計年度末

(2024年3月31日)

資本

 

 

親会社の所有者に帰属する持分

 

 

資本金

44,986

44,986

資本剰余金

74,843

78,863

自己株式

△42,294

△33,612

利益剰余金

511,917

526,490

その他の資本の構成要素

251,965

258,886

親会社の所有者に帰属する持分合計

841,417

875,614

非支配持分

24,551

23,361

資本合計

865,968

898,975

 

 

 

負債

 

 

非流動負債

 

 

借入金

99,832

134,773

その他の金融負債

34,429

38,548

引当金

1,424

1,413

その他

11,866

14,915

繰延税金負債

732

704

非流動負債合計

148,284

190,352

 

 

 

流動負債

 

 

借入金

87,691

24,632

営業債務及びその他の債務

91,571

72,249

その他の金融負債

15,385

34,250

未払法人所得税

4,260

8,718

引当金

35,644

31,195

その他

137,744

133,428

流動負債合計

372,294

304,472

負債合計

520,578

494,825

資本及び負債合計

1,386,547

1,393,799

 

4) 連結持分変動計算書

当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

親会社の所有者に帰属する持分

 

資本金

資本剰余金

自己株式

利益剰余金

その他の資本の構成要素

 

その他の包括利益を通じて公正価値で

測定する

金融資産

確定給付

制度に係る

再測定

期首残高

(2024年4月1日)

44,986

78,863

△33,612

526,490

当期利益

46,432

その他の包括利益合計

1,112

904

当期包括利益

46,432

1,112

904

 

 

 

 

 

 

 

剰余金の配当

△45,545

自己株式の取得

△30,106

自己株式の処分

9

9

自己株式の消却

△21,414

21,414

利益剰余金から資本剰余金への振替

17,475

△17,475

振替

2,016

△1,112

△904

その他

△91

所有者との取引額等合計

△4,020

△8,683

△61,005

△1,112

△904

期末残高

(2025年3月31日)

44,986

74,843

△42,294

511,917

 

 

 

 

 

 

 

 

 

親会社の所有者に帰属する持分

非支配持分

資本合計

 

その他の資本の構成要素

親会社の所有者に帰属する持分合計

 

在外営業

活動体の

換算差額

キャッシュ

・フロー

・ヘッジ

その他の資本の構成要素

合計

期首残高

(2024年4月1日)

258,855

32

258,886

875,614

23,361

898,975

当期利益

46,432

1,626

48,059

その他の包括利益合計

△7,059

138

△4,906

△4,906

4

△4,901

当期包括利益

△7,059

138

△4,906

41,527

1,631

43,157

 

 

 

 

 

 

 

剰余金の配当

△45,545

△531

△46,077

自己株式の取得

△30,106

△30,106

自己株式の処分

18

18

自己株式の消却

利益剰余金から資本剰余金への振替

振替

△2,016

その他

△91

91

所有者との取引額等合計

△2,016

△75,723

△440

△76,164

期末残高

(2025年3月31日)

251,796

169

251,965

841,417

24,551

865,968

 

前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

親会社の所有者に帰属する持分

 

資本金

資本剰余金

自己株式

利益剰余金

その他の資本の構成要素

 

その他の包括利益を通じて公正価値で

測定する

金融資産

確定給付

制度に係る

再測定

期首残高

(2023年4月1日)

44,986

78,813

△33,638

522,774

当期利益

42,406

その他の包括利益合計

1,707

5,518

当期包括利益

42,406

1,707

5,518

 

 

 

 

 

 

 

剰余金の配当

△45,915

自己株式の取得

△21

自己株式の処分

50

48

振替

7,224

△1,707

△5,518

所有者との取引額等合計

50

27

△38,691

△1,707

△5,518

期末残高

(2024年3月31日)

44,986

78,863

△33,612

526,490

 

 

 

 

 

 

 

 

 

親会社の所有者に帰属する持分

非支配持分

資本合計

 

その他の資本の構成要素

親会社の所有者に帰属する持分合計

 

在外営業

活動体の

換算差額

キャッシュ

・フロー

・ヘッジ

その他の資本の構成要素

合計

期首残高

(2023年4月1日)

186,988

37

187,024

799,959

22,612

822,571

当期利益

42,406

1,377

43,784

その他の包括利益合計

71,867

△5

79,086

79,086

△108

78,978

当期包括利益

71,867

△5

79,086

121,493

1,269

122,762

 

 

 

 

 

 

 

剰余金の配当

△45,915

△520

△46,435

自己株式の取得

△21

△21

自己株式の処分

98

98

振替

△7,224

所有者との取引額等合計

△7,224

△45,838

△520

△46,359

期末残高

(2024年3月31日)

258,855

32

258,886

875,614

23,361

898,975

 

5) 連結キャッシュ・フロー計算書

 

 

(単位:百万円)

 

 当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

 前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

 

税引前当期利益

61,065

61,823

減価償却費及び償却費

39,906

39,398

減損損失

4,290

2,398

運転資本の増減額(△は増加)

△47,376

△27,249

利息及び配当金の受取額

9,754

9,611

利息の支払額

△2,546

△1,558

法人所得税の支払額

△20,205

△12,732

法人所得税の還付額

2,370

3,527

その他

△17,142

△19,225

営業活動によるキャッシュ・フロー

30,117

55,993

 

 

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

 

有形固定資産の取得による支出

△11,933

△14,321

無形資産の取得による支出

△11,036

△10,502

有形固定資産・無形資産の売却による収入

14,608

1,964

共同支配企業に対する投資による支出

△260

金融資産の取得による支出

△4,412

△6,492

金融資産の売却・償還による収入

2,806

3,795

3カ月超預金の預入による支出

△3

3カ月超預金の払戻による収入

0

90

その他

129

148

投資活動によるキャッシュ・フロー

△10,097

△25,321

 

 

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

 

短期借入金の増減額(△は減少)

28,295

△6,569

長期借入れによる収入

49,825

長期借入金の返済による支出

△9

△10,000

リース負債の返済による支出

△10,172

△9,584

自己株式の取得による支出

△30,106

△21

配当金の支払額

△45,545

△45,915

その他

△273

△456

財務活動によるキャッシュ・フロー

△57,809

△22,720

 

 

 

現金及び現金同等物に係る換算差額

△1,327

29,375

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△39,117

37,328

現金及び現金同等物の期首残高

304,678

267,350

現金及び現金同等物の期末残高

265,561

304,678

 

6) 連結財務諸表に関する注記事項

(継続企業の前提に関する注記)

該当事項はありません。

(連結財務諸表作成の基礎)

(1) 準拠の表明

当社は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たしているため、同第312条の規定により、当社グループの連結財務諸表をIFRSに準拠して作成しています。

(2) 測定の基礎

当社グループの連結財務諸表は、公正価値で測定されている金融商品、退職後給付制度に係る資産及び負債等を除き、取得原価を基礎として作成しています。

(3) 表示通貨及び表示単位

当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示し、百万円未満を四捨五入しています。

(4) 会計方針の変更

当社グループが当連結会計年度より適用している主な基準書及び解釈指針は次のとおりです。当社グループが、当該基準書及び解釈指針を適用したことによる、当連結財務諸表への重要な影響はありません。

基準書及び解釈指針

強制適用開始時期

(以降開始年度)

当社グループ

適用開始時期

概要

IAS第1号

財務諸表の表示

2024年1月1日

2025年3月期

負債の流動または非流動の分類を明確化

IFRS第16号

リース

2024年1月1日

2025年3月期

セール・アンド・リースバック取引におけるリース負債の会計処理の明確化

IAS第7号

IFRS第7号

キャッシュ・フロー計算書

金融商品:開示

2024年1月1日

2025年3月期

サプライヤー・ファイナンス契約に係る開示の改訂

 

 

(セグメント情報)

(1) 一般情報

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、トップマネジメントが定期的に検討を行う対象となっているものです。

当社グループは、セグメントを医薬品事業とその他事業に区分しており、医薬品事業を構成する日本、アメリカス(北米)、中国、EMEA(欧州、中東、アフリカ、ロシア、オセアニア)、イーストアジア・グローバルサウス(韓国、台湾、インド、アセアン、中南米、南アフリカ等)の5つの事業セグメントを報告セグメントとしています。

なお、アジア・ラテンアメリカ医薬品事業の管轄エリアがアジア(日本、中国を除く)、中南米、南アフリカであった状況に鑑み、2024年10月1日より、イーストアジア・グローバルサウス医薬品事業に名称変更しました。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。

また、当連結会計年度より、経営の実態をより適切に表示するため、従来、研究開発費に含めていた各報告セグメントにおけるメディカル活動に伴う費用を各セグメントの利益に反映しています。前連結会計年度のセグメント情報は、当該変更を反映しています。

 

(2) 報告セグメントに関する情報

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

 前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

 

売上収益

セグメント利益

売上収益

セグメント利益

医薬品事業

 

 

 

 

日本

216,281

71,724

216,935

71,032

アメリカス

278,259

158,257

232,381

138,182

中国

115,539

57,202

111,928

56,596

EMEA

79,397

35,938

75,989

35,611

イーストアジア・グローバルサウス

59,555

27,381

54,226

22,782

 報告セグメント計

749,031

350,502

691,458

324,204

その他事業(注1)

40,369

29,641

50,293

40,188

 事業計

789,400

380,143

741,751

364,392

研究開発費(注2)

△150,329

△149,628

親会社の本社管理費等(注3)

△175,436

△161,357

連結損益計算書の営業利益

54,378

53,408

(注1) その他事業は、親会社のライセンス収入及び医薬品原料などに係る事業です。前連結会計年度の売上収益及びセグメント利益には、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(以下、「米メルク社」という。)との抗がん剤「レンビマ」に関する戦略的提携のマイルストン18,926百万円を含めています。

(注2) 研究開発費は各報告セグメントに反映したメディカル活動に伴う費用を除いた研究開発費です。

(注3) 親会社の本社管理費等は、当社グループ全体の運営に係る費用等であり、その他の収益及び費用ならびにパートナーとの戦略的提携に伴う利益及び費用の折半金額を含めています。当連結会計年度の親会社の本社管理費等には、当社グループが米メルク社に支払う抗がん剤「レンビマ」の折半利益154,190百万円(前連結会計年度は141,586百万円)を含めています。

 

 

(3) 主要な製品に関する情報

外部顧客への売上収益

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

ニューロロジー

領域製品

オンコロジー

領域製品

その他

合計

 当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

199,889

365,800

223,712

789,400

 前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

145,720

343,174

252,857

741,751

 

 

(4) 主要な顧客に関する情報

  連結損益計算書における売上収益の主な相手先(グループ会社を含む)は、次のとおりです。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称

売上収益

関連するセグメント名

McKesson Corporation

73,532

アメリカス医薬品事業

Cencora,Inc.

66,970

アメリカス医薬品事業

㈱メディパルホールディングス

54,920

日本医薬品事業

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称

売上収益

関連するセグメント名

McKesson Corporation

58,287

アメリカス医薬品事業

㈱メディパルホールディングス

53,482

日本医薬品事業

Cencora,Inc.

51,209

アメリカス医薬品事業

 

(5) 主要な地域に関する情報

売上収益(注1)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

日本

米州

(注2)

欧州

(注3)

中国

その他

合計

 当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

228,731

286,583

74,287

127,490

72,309

789,400

 前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

226,445

253,756

90,528

109,283

61,739

741,751

(注1) 売上収益を顧客等の所在地により、主要な地域に分類しています。

   日本及び中国以外の区分に属する主な国または地域は、次のとおりです。

   ① 米州:北米、中南米

   ② 欧州:イギリス、フランス、ドイツ、スペイン

   ③ その他:アジア、中東、オセアニア

(注2) 米州のうち、米国における当連結会計年度の売上収益は272,990百万円(前連結会計年度は243,142百万円)です。

(注3) 前連結会計年度の売上収益には、米メルク社との抗がん剤「レンビマ」に関する戦略的提携のマイルストン18,926百万円を含めています。

 

 

非流動資産(注1)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

日本

米州

(注2)

欧州

中国

その他

合計

当連結会計年度末

(2025年3月31日)

157,320

269,954

19,513

14,657

7,995

469,440

前連結会計年度末

(2024年3月31日)

165,661

279,357

19,300

16,121

8,093

488,532

(注1) 非流動資産を資産の所在地により、主要な地域に分類しています。

   日本及び中国以外の区分に属する主な国または地域は、次のとおりです。

   ① 米州:北米、中南米

   ② 欧州:イギリス、フランス、ドイツ、スペイン

   ③ その他:アジア、中東、オセアニア

   なお、非流動資産は、主に有形固定資産、のれん及び無形資産で構成されており、金融資産、繰延税金資産及び退職後給付に係る資産を除いています。

(注2) 米州のうち、米国における当連結会計年度末の非流動資産は269,584百万円(前連結会計年度末は278,965百万円)で

す。

 

(連結損益計算書)

(1) 従業員給付

当連結会計年度において、当社グループは、当社の米国連結子会社であるEisai Inc.のオペレーション最適化の実行に伴い発生した解雇給付3,290百万円を計上しています。解雇給付の表示科目別内訳は、販売費及び一般管理費2,117百万円、研究開発費1,173百万円です。

 

(2) 販売費及び一般管理費

当連結会計年度において、当社グループが米メルク社に支払う抗がん剤「レンビマ」の折半利益154,190百万円(前連結会計年度は141,586百万円)を販売費及び一般管理費に計上しています。

(3) 研究開発費

当社とBliss Biopharmaceutical Co., Ltd.(以下、「BlissBio社」という。)は、両社で共同開発してきた抗体薬物複合体「BB-1701」について、今後のグローバル開発、販促をBlissBio社が単独で実施することに合意し、当社はBlissBio社との共同開発契約に基づく、戦略的提携に向けたオプション権を行使しないことを決定しました。これに伴い、当連結会計年度において、関連するIPR&D資産の公正価値をゼロとし、IPR&D資産に係る減損損失3,740百万円を、また、当社で実施中の臨床試験に係り将来発生すると見込まれる費用1,714百万円を研究開発費に計上しています。

前連結会計年度において、当社の米国連結子会社であるEisai Inc.において賃貸借契約を締結している旧本社の 一部の研究施設の遊休化に伴い、当社グループは当該施設に係る使用権資産の回収可能価額をゼロとし、使用権資 産に係る減損損失2,248百万円を研究開発費に計上しています。

(4) その他の収益

当連結会計年度において、当社は、抗体薬物複合体farletuzumab ecteribulin(開発コード:MORAb-202)に関するBristol Myers Squibb (以下、「BMS社」という。)とのグローバルな独占的戦略的提携契約の終結契約を締結しました。当該終結契約の締結に伴い、当社の将来の研究開発費としてBMS社から受領した預り金の未使用金額のうち、返金額を控除した残額5,937百万円をその他の収益に計上しています。また、販売権の譲渡等による固定資産売却益9,714百万円をその他の収益に計上しています。

前連結会計年度において、当社グループは当社のフランス子会社Eisai S.A.S.における精神疾患治療剤「Loxapac」及びパーキンソン病治療剤「Parkinane LP」のフランス、フランス海外領土及びアルジェリアにおける権利の譲渡に伴い、固定資産売却益8,859百万円をその他の収益に計上しています。

 

(5) その他の費用

当連結会計年度において、為替差損2,408百万円をその他の費用に計上しています。

 

(1株当たり当期利益)

(1) 基本的1株当たり当期利益

各連結会計年度における基本的1株当たり当期利益の算定の基礎は、次のとおりです。

 

 当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

 前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)

46,432

42,406

期中平均普通株式数(千株)(注1)

283,532

286,803

基本的1株当たり当期利益(円)

163.76

147.86

(注1) 上記1株当たり情報の算出において控除する自己株式には、信託として保有する当社株式を含めています。

 

(2) 希薄化後1株当たり当期利益

希薄化後1株当たり当期利益は希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため、記載していません。

(重要な後発事象)

当社は、2025年3月14日に、エコナビスタ株式会社の普通株式及び新株予約権を公開買付け(以下、「本公開買付け」)により取得することを決定し、2025年3月17日に本公開買付けを開始しました。その後、本公開買付けの成立条件を達成したためエコナビスタ株式会社を当社の連結子会社とし、本公開買付け成立後に、スクイーズアウト手続きにより、エコナビスタ株式会社株式の100%を取得する予定です。

 

(1) 被取得企業の名称

エコナビスタ株式会社(以下、「エコナビスタ社」)

 

(2) 株式の取得方法

公開買付けによる株式の取得

 

(3) 企業結合の主な目的

当社は、ヒューマン・ヘルスケア(hhc)理念に基づき、認知症プラットフォームの構築に向けて事業活動を進めています。そしてプラットフォームを通じて、MCI(軽度認知障害)・認知症になる前の健常者・リスクの高い方に対する予防や早期発見を支援すること、また発症後の方が自分らしく生きることを薬剤だけでなくその他のソリューション(コミュニケーションアプリや運動プログラム等)の提供を通じて支援することを目指しています。

エコナビスタ社は、SaaS 型高齢者見守りサービスを展開し、同社が提供する施設入居者の生活リズムを確認できる「ライフリズムナビ」は、当社が構築していく認知症プラットフォームにおけるひとつのコアソリューションになると考えています。両社の強みを活かしたシナジー効果およびメリットを追求し、MCI(軽度認知障害)・認知症の予防や早期受診を実現するなど、日本の超高齢社会において喫緊の課題である認知症領域でのエコシステムの構築を目指します。