1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………5
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………5
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………6
(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ……………………………………………………6
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………6
3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………7
(1)連結財政状態計算書 ………………………………………………………………………………………7
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………9
連結損益計算書 ……………………………………………………………………………………………9
連結包括利益計算書 ………………………………………………………………………………………10
(3)連結持分変動計算書 ………………………………………………………………………………………11
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………13
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………14
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………14
(報告企業) ………………………………………………………………………………………………………14
(作成の基礎) ……………………………………………………………………………………………………14
(重要性がある会計方針) ………………………………………………………………………………………14
(セグメント情報) ………………………………………………………………………………………………15
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………18
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………18
① 当期の経営成績
当連結会計年度の売上収益は1兆759億2千9百万円(前期比105.0%)、営業利益は752億4千6百万円(同110.2%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は490億7千4百万円(同110.6%)となり、過去最高業績を更新しました。
当連結会計年度の我が国経済は、雇用・所得環境の改善が進み、企業の設備投資も堅調に推移する一方で、物価上昇や大幅な為替変動に加え、経済活動における不確実性が世界的に高まるなど、先行き不透明な状況が続きました。
このような中、当社グループは、成長領域と位置付けるデジタル・半導体関連事業やインド、北米等の海外の産業ガス関連事業の強化を図ってまいりました。国内既存事業においては、低採算案件の見直しを含めた価格マネジメント、生産性向上や効率化など、収益力の強化に取り組みました。
成長戦略実現のため、北海道の社会課題解決に関わる新事業の創造、開発、発信拠点「エア・ウォーターの森」を2024年12月に開業。2025年1月には、半導体・電池材料開発の中核拠点となる新研究棟「湘南イノベーションラボ」を開所しました。オープンイノベーションの推進により、地域課題解決に貢献する新事業の創出に取り組むとともに、技術者を集約し育成を強化することでグループ各社が保有している知見・技術のシナジーを最大化し、新製品開発を加速します。また、2024年5月には、カーボンニュートラルの実現へ向け、家畜ふん尿由来のクリーンエネルギー「液化バイオメタン」の商用利用を開始するなど、製品・事業を通じた取り組みを推進しました。
② 当期の連結セグメント別業績
(単位:百万円)
(注)セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない当社本社部門の損益に係るものであります。
<デジタル&インダストリー>
当セグメントの売上収益は3,510億9千4百万円(前期比102.9%)、営業利益は362億6千7百万円(同108.0%)となりました。
鉄鋼・化学などの素材分野をはじめ国内の産業ガス需要が減少基調となる中、デジタル・半導体産業における製造拠点の増強に対応した大型プラント投資や新規取引先の開拓によってガス需要を獲得するとともに、特殊ケミカルやガス精製装置、関連工事といった半導体製造を支えるグループ商材・サービスを総合的に展開しました。
売上収益は、機能材料分野で無水フタル酸等の有機酸製品やシール材の需要低迷による影響を受けた一方、半導体工場向けガス供給の他、特殊ケミカルおよび同供給装置や半導体製造装置向け熱制御機器などデジタル・半導体関連事業が好調に推移したことで前期を上回りました。営業利益は、機能材料分野やヘリウム調達コストの影響を受けましたが、デジタル・半導体関連事業が好調に推移したことに加え、産業ガスの価格マネジメント効果やプラント稼働における生産性の向上も寄与し、順調に推移しました。
<エネルギーソリューション>
当セグメントの売上収益は709億1千8百万円(前期比106.5%)、営業利益は45億1千万円(同111.6%)となりました。
低・脱炭素需要が高まる中、顧客に対して重油から液化天然ガス(LNG)への燃料転換を積極的に進めた他、社会のカーボンニュートラル化に寄与する共同実証などに取り組みました。北海道を中心とした家庭向けLPガス供給事業は、販売店の商権取得等による直販体制拡大、IoT技術を活用した配送の効率化など、収益力の強化に取り組みました。
LPガス、灯油、LNG等製品全般が市況価格に連動し、年間を通して販売価格が高水準で推移したこと、LNG関連機器の拡販が寄与したことにより売上収益は、前期から大きく伸長しました。営業利益は、LPガス販売における低採算取引の見直しなども加わり、増益となりました。
<ヘルス&セーフティー>
当セグメントの売上収益は2,460億8千3百万円(前期比106.6%)、営業利益は150億9千9百万円(同100.1%)となりました。
医療用ガスの供給基盤を活かして医療機関のニーズを把握し、医療機器の開発、病院業務のアウトソーシング受託に注力しました。手術室の改修案件など病院設備工事の直接受注による収益力強化に取り組みました。
コンシューマーヘルス分野では、事業拡大に向け、グループリソース最大化、サプライチェーン拡充など体制強化を進めました。
国内における病院向けの新規工事案件やエアゾールの受託製造が前期に比べて減少したものの、医療機器や医療消耗品の販売拡大や衛生材料の価格改定効果がありました。また、一酸化窒素吸入療法の症例数が増加した他、介護用シャワー入浴装置の販売が好調に推移しました。防災分野は、海外での病院向け工事案件、国内でのデータセンター向け工事案件が堅調に進展しました。これらの結果、売上収益、営業利益は前期を上回りました。
<アグリ&フーズ>
当セグメントの売上収益は1,744億8千万円(前期比107.3%)、営業利益は62億1千9百万円(同89.9%)となりました。
持続可能な農業と食料安定供給システムの実現を目指し、スマート農業・鮮度保持関連の技術開発の強化や農産品の取扱量拡大に取り組みました。協業強化に取り組み、当社の物流基盤を活かし、原料野菜の調達や青果流通・加工におけるサプライチェーンプラットフォームの構築も進めました。
野菜・果実系飲料等の受託製造が増加したことに加え、北米市場での冷凍ブロッコリーや北海道産馬鈴薯や人参等の販売が拡大、青果仲卸事業を展開する丸進青果㈱を前期に新規連結したことが寄与しました。これらの結果、売上収益は前期を上回りました。一方、営業利益は、ハム・デリカにおける豚肉の原料高やスイーツにおけるコンビニエンスストア向けの採用が減少した影響、一過性費用を計上したことから前期を下回りました。
<その他の事業>
当セグメントの売上収益は2,333億5千3百万円(前期比104.5%)、営業利益は125億8千6百万円(同115.8%)となりました。
物流事業 一般貨物及び食品輸送が堅調に推移する中、受託料金適正化の取り組みやデジタル技術活用による業務効率化を進めました。加えて、協業による青果物等の荷扱量、産業廃棄物の取扱量が増加したことから前期を大きく上回りました。
㈱日本海水 電力事業における燃料ガス価格上昇の影響がありましたが、塩事業における融雪塩や食品事業における海苔・ふりかけの販売が好調に推移したことで前期を上回りました。
電力事業 小名浜バイオマス発電所は、大規模点検により例年に比べ稼働日が減少した影響がありましたが、発電燃料であるPKS(パーム椰子殻)の市況低下やコスト低減の取り組みが寄与したことから営業利益は前期を上回りました。
グローバル&エンジニアリング事業 インド市場は、鉄鋼向けオンサイト供給が堅調に推移した他、新規顧客に対してローリー・シリンダー供給による産業ガスの拡販が順調に推移しました。北米市場は、建設中の自社ガスプラント稼働に向け、新規取引先獲得に努めました。また、前期に新規連結した産業ガス関連2社が収益に貢献しました。高出力UPS(無停電電源装置)分野はデータセンター及び半導体メーカーの設備投資の増加を背景に、引き続き好調に推移しました。
これらの結果、その他の事業セグメントは売上収益・営業利益ともに前期を上回りました。
当連結会計期間末の総資産は、有形固定資産及び棚卸資産の増加などにより前連結会計年度末に比べて274億5千2百万円増加し、1兆2,501億4千9百万円となりました。負債は、社債及び借入金の減少などにより前連結会計年度末に比べて9億1千9百万円減少し、7,132億9千万円となりました。資本は、親会社の所有者に帰属する当期利益の積み上げなどにより前連結会計年度末に比べて283億7千2百万円増加し、5,368億5千8百万円となりました。
なお、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度の2,140.68円から2,256.72円に増加し、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の40.0%から41.4%となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益及び減価償却費などから法人所得税の支払などを差し引いた結果、前連結会計年度に比べ136億1千1百万円収入が増加し、932億3千6百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が増加したものの、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が減少したこと及び有形固定資産の売却による収入が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ358億円支出額が減少し、621億6千6百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べて420億5千9百万円減少し、273億3千5百万円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度に比べ56億3千4百万円増加し、706億9百万円となりました。
次期の業績につきましては、売上収益1兆1,500億円、営業利益840億円、税引前利益810億円、親会社の所有者に帰属する当期利益530億円とし、すべてのセグメントで増収増益を計画しております。
当社は2030年度に目指す姿「terrAWell30」の達成に向けて、当社グループの経営資源である「多様な事業・人材・技術」のシナジーによって生み出される価値の最大化を実現するという考えのもと、「地球環境」と「ウェルネス」という2つの成長分野を設定しており、成長領域の拡大、収益力強化、新規事業創出に取り組んでいます。
具体的には、成長領域である海外、デジタル・半導体向け産業ガス事業の拡大に向けたエンジニアリング強化のため、2025年4月に大阪府堺市で「グローバルエンジニアリングセンター」が稼働開始しました。
グローバルな成長戦略の実現と海外グループガバナンス強化に向け、グローバル戦略推進本部を新設しました。
新規事業創出に向け、研究所の新設や統合を行い、研究開発活動を強化、そして、グループシナジー最大化を目指し、事業ユニットの新設・再編等、組織改革を行いました。
これら経営基盤の強化、整備に加え、「人を活かす経営」を推進し、グローバル成長戦略を担う次世代の人材育成など人的資本投資を強化し、中長期的な成長を実現してまいります。
なお、現時点では、米国の関税政策による当社グループ業績への影響は軽微と認識しております。主力の産業ガス事業は地産地消のビジネスモデルであり、各国の関税政策の直接的な影響を受けることはありませんが、主要ユーザーの製造業への関税影響は不確実な状況のため、今後も注視してまいります。
当社は、持続的な企業価値の向上を図るべく成長戦略の実行と経営基盤の強化を進めていくと同時に、株主への利益還元を経営の最重要課題の一つとして位置づけております。このため剰余金の配当につきましては、中長期的な成長のための戦略的投資等に必要な内部留保の充実に留意しつつ、業績に見合った安定的な配当を行うこととし、配当性向の基準は従来の30%から35%へ引き上げ、累進配当を基本方針といたします。
当事業年度の配当金につきましては、1株当たり中間配当32円、期末配当については、期初計画から11円増配し、43円、年間75円といたします。
また、次期配当予想につきましては、1株当たり中間配当37円50銭とし、期末配当は37円50銭を最低配当額としております。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、財務情報の国際的な比較可能性とグループ連結における経営管理の品質向上を目的として、2020年3月期より国際財務報告基準(IFRS)を適用しております。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
(報告企業)
エア・ウォーター㈱(以下、「当社」という。)は日本に所在する株式会社であります。当社の登記している本社の住所は、大阪市中央区であります。
当社及び子会社(以下、「当社グループ」という。)の連結財務諸表は3月31日を期末日とし、当社グループ並びに当社グループの関連会社及び共同支配の取決めに対する持分により構成されております。
当社グループは、デジタル&インダストリー、エネルギーソリューション、ヘルス&セーフティー、アグリ&フーズ並びにその他の製品・サービスの製造・販売を行っております。各事業の内容については、(セグメント情報等)に記載しております。
(作成の基礎)
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しております。当社は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たしていることから、同312条の規定を適用しております。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、注記(重要性がある会計方針)に記載している退職給付に係る負債(資産)及び公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示しております。日本円で表示しているすべての財務情報は、百万円未満を切り捨て表示しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
当社グループの連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行う必要があります。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りが変更された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
本連結財務諸表における重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断は、2024年3月31日に終了する連結会計年度に係る連結財務諸表と同様であります。
(重要性がある会計方針)
当社グループの連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、2024年3月31日に終了する連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同様であります。
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、製品・サービス別に包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
従って、当社グループは製品・サービス別の事業セグメントから構成されており、報告セグメントを「デジタル&インダストリー」「エネルギーソリューション」「ヘルス&セーフティー」「アグリ&フーズ」「その他の事業」の5区分としております。
「デジタル&インダストリー」は、主に酸素・窒素・アルゴン・炭酸ガス・水素等の産業ガスの製造・販売並びに、電子材料、機能材料等の製造・販売事業を展開しております。
「エネルギーソリューション」は、主にLPガス・灯油の販売及び、LNG関連機器の製造・販売事業を展開しております。
「ヘルス&セーフティー」は、主に酸素等の医療用ガス、歯科材料、衛生材料、注射針、エアゾール製品等の製造・販売並びに、病院設備工事、病院サービス、在宅医療等の事業を展開しております。
「アグリ&フーズ」は、主に青果物の加工・流通及び冷凍食品・食肉加工等の製造・販売並びに清涼飲料水の製造受託等の事業を展開しております。
「その他の事業」は、一般貨物・食品・医療・環境等の物流サービスを展開する物流事業、業務用塩等を製造・販売する㈱日本海水、北米・インドをはじめとした海外における産業ガス事業及び高出力UPS(無停電電源装置)事業、木質バイオマスによる電力事業等から構成しております。
(2) 報告セグメントごとの売上収益及び損益の金額に関する情報
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表作成のために採用している会計処理の方法と同一であります。
報告セグメントの利益は営業利益であります。セグメント間の内部売上収益又は振替高は市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 セグメント間の内部売上収益又は振替高の調整額△51,483百万円はセグメント間取引消去であります。
2 セグメント利益の調整額△2,232百万円は、セグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない当社本社部門の損益に係るものであります。
3 セグメント資産の調整額180,570百万円の内容はセグメント間資産の消去及び各報告セグメントに配分していない全社資産に係るものであります。全社資産の主なものは、報告セグメントに帰属しない現預金、金融資産、全社共有設備等であります。
4 資本的支出の調整額2,357百万円は主に報告セグメントに帰属しない全社資産等であります。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 セグメント間の内部売上収益又は振替高の調整額△51,033百万円はセグメント間取引消去であります。
2 セグメント利益の調整額562百万円は、セグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない当社本社部門の損益に係るものであります。
3 セグメント資産の調整額176,255百万円の内容はセグメント間資産の消去及び各報告セグメントに配分していない全社資産に係るものであります。全社資産の主なものは、報告セグメントに帰属しない現預金、金融資産、全社共有設備等であります。
4 持分法による投資利益の調整額1,762百万円は、各報告セグメントに配分していない全社利益であります。
5 資本的支出の調整額3,439百万円は主に報告セグメントに帰属しない全社資産等であります。
該当事項はありません。