○添付資料の目次

 

1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………………

2

(1)経営成績に関する分析 ……………………………………………………………………………………………

2

(2)財政状態およびキャッシュ・フローの状況に関する分析 ……………………………………………………

7

(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ……………………………………………………………

8

(4)事業等のリスク ……………………………………………………………………………………………………

9

2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………………

16

3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………………

17

(1)連結財政状態計算書 ………………………………………………………………………………………………

17

(2)連結損益計算書 ……………………………………………………………………………………………………

19

(3)連結包括利益計算書 ………………………………………………………………………………………………

20

(4)連結持分変動計算書 ………………………………………………………………………………………………

21

(5)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………………

23

(6)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………………

25

1.継続企業の前提に関する注記 …………………………………………………………………………………

25

2.報告企業 …………………………………………………………………………………………………………

25

3.作成の基礎 ………………………………………………………………………………………………………

25

4.重要性がある会計方針 …………………………………………………………………………………………

25

5.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断 ………………………………………………………………

26

6.事業セグメント …………………………………………………………………………………………………

26

7.営業債権及びその他の債権 ……………………………………………………………………………………

28

8.売却目的で保有する資産及び直接関連する負債 ……………………………………………………………

29

9.非金融資産の減損 ………………………………………………………………………………………………

29

10.社債及び借入金 …………………………………………………………………………………………………

30

11.引当金 ……………………………………………………………………………………………………………

30

12.資本金及びその他の資本項目 …………………………………………………………………………………

30

13.配当金 ……………………………………………………………………………………………………………

32

14.売上高 ……………………………………………………………………………………………………………

32

15.その他の収益及びその他の費用 ………………………………………………………………………………

33

16.1株当たり情報 …………………………………………………………………………………………………

34

17.キャッシュ・フロー情報 ………………………………………………………………………………………

36

18.金融商品 …………………………………………………………………………………………………………

40

19.非継続事業 ………………………………………………………………………………………………………

43

20.企業結合 …………………………………………………………………………………………………………

45

21.後発事象 …………………………………………………………………………………………………………

47

 

1.経営成績等の概況

(1) 経営成績に関する分析

(当期の経営成績)

 当連結会計年度において、当社は、PTCJ-6Oホールディングス株式会社及びPTCJ-6Fホールディングス株式会社(ポラリス・キャピタル・グループ株式会社が設立した特別目的会社。以下「ポラリス・キャピタル・グループ」と総称します)に対して、オリンパステルモバイオマテリアル株式会社およびFH Ortho SAS社から構成される整形外科事業を譲渡することについて、ポラリス・キャピタル・グループとの間でプット・オプション契約を締結し、当該契約に基づき、2024年7月12日に譲渡を完了しました。これに伴い、整形外科事業に関わる損益を非継続事業に分類しており、前連結会計年度についても同様の形で表示しています。なお、売上高、営業利益、調整後営業利益、税引前利益、継続事業からの当期利益については、非継続事業を除いた継続事業の金額を、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益については、継続事業及び非継続事業を合算した数値を表示しています。

 また、当社グループは、従来「内視鏡事業」「治療機器事業」及び「その他事業」の3区分を報告セグメントとしていましたが、整形外科事業が非継続事業に分類されたことにより、継続事業に含まれる、整形外科事業以外の「その他事業」について当期見込まれる財務情報の金額的な重要性が低下するため、「報告セグメント」より除外しています。そのため、第1四半期連結会計期間より報告セグメントを「内視鏡事業」及び「治療機器事業」の2区分に変更しており、前連結会計年度についても同様の形で表示しています。

 なお、当社は、2025年4月1日付で、より効率的で、患者さんとお客様中心の展開とするため、事業部門の再編成を含む組織改編を実施いたしました。当社グループは、従来「内視鏡事業」「治療機器事業」の2区分を報告セグメントとしていましたが、2026年3月期より「消化器内視鏡ソリューション事業」「サージカルインターベンション事業」の2区分を報告セグメントとすることに変更いたします。

 

業績全般に関する動向

 当連結会計年度における世界経済は、持ち直しの動きが継続しましたが、アメリカの通商政策による下振れリスクに加え、金融資本市場の変動の高まりの影響にも注視する必要があります。わが国経済においても、景気は緩やかに持ち直している一方で、世界経済の先行きを注視する必要があります。

 こうした環境下にあるものの、当社グループは、2023年5月に公表した経営戦略に沿って、「患者さんの安全と持続可能性」「成長のためのイノベーション」「生産性の向上」という3つの優先事項のもと、グローバル・メドテックカンパニーへの変革に向けて引き続き取り組んでいます。

 

 

業績の状況

以下(1)から(10)は継続事業の業績を、(11)は継続事業と非継続事業の合計の業績をそれぞれ示しています。

(単位:百万円)

 

2024年3月期

2025年3月期

増減額

増減率(%)

(1)売上高

925,752

997,332

71,580

7.7%

(2)売上原価

307,320

313,635

6,315

2.1%

(3)販売費及び一般管理費

466,758

495,654

28,896

6.2%

(4)持分法による投資損益/
その他の収益/その他の費用

△100,287

△25,581

74,706

(5)営業利益

51,387

162,462

111,075

216.2%

(6)調整後営業利益

151,316

188,509

37,193

24.6%

(7)金融損益

△7,776

△3,392

4,384

(8)税引前利益

43,611

159,070

115,459

264.7%

(9)法人所得税費用

8,546

41,270

32,724

382.9%

(10)継続事業からの当期利益

35,065

117,800

82,735

235.9%

(11)親会社の所有者に帰属する当期利益

242,566

117,855

△124,711

△51.4%

為替レート(円/米ドル)

144.62

152.58

7.96

為替レート(円/ユーロ)

156.80

163.75

6.95

為替レート(円/人民元)

20.14

21.10

0.96

 

(1)売上高

 内視鏡事業、治療機器事業ともに増収となり、前期比715億80百万円増収の9,973億32百万円となりました。詳細は以下の「セグメント別の動向に関する分析」に記載しています。

(2)売上原価

 前期比63億15百万円増加の3,136億35百万円となりました。売上原価率は、前期に内視鏡事業で引当計上していた高速気腹装置の市場是正処置に係る費用約52億円や、小腸内視鏡システムなどの自主回収に伴う費用約50億円がなくなったことにより、31.4%と前期比1.7ポイント良化しました。

(3)販売費及び一般管理費

 前期比288億96百万円増加の4,956億54百万円となりました。販売費及び一般管理費の対売上高比率は、研究開発費が増加したものの、増収により、49.7%と前期比0.7ポイント良化しました。

(4)持分法による投資損益/その他の収益/その他の費用

 持分法による投資損益、その他の収益およびその他の費用の合算で255億81百万円の費用となり、前期比で損益は、747億7百万円改善しました。その他の収益に関して、当期は当社の連結子会社であるOlympus (Shenzhen) Industrial Ltd.が中国・深圳市に保有する土地使用権及び建物を深圳市政府へ返還したことに伴う補償金約12億円や、Olympus (Shenzhen) Industrial Ltd.と深圳市安平泰投资发展有限公司との間で和解が成立したことに伴い、訴訟等に係る損失に備えるため過去に見積もり計上した引当金の戻入額約9億円を計上しており、前期比で18億14百万円増加しました。その他の費用に関しては、前期に計上していたVeran Medical Technologies, Inc.の電磁ナビゲーションシステム等の製造・販売終了に関する損失約519億円や、Taewoong Medical Co., Ltd.の株式取得契約の締結及び解除に関連する費用約20億円がなくなったことに加え、内視鏡事業および治療機器事業における開発資産の減損損失がそれぞれ約39億円、約19億円、内視鏡事業における仕掛中の研究開発の減損損失約45億円、品質保証・法規制対応の変革プロジェクトElevateに係る一時的な費用が約37億円、社外転進支援制度の実施に伴う特別支援金等の費用が約30億円減少したことにより、前期比で720億68百万円減少しました。

 

 

(5)営業利益

 上記の要因により、前期比1,110億75百万円増益の1,624億62百万円となりました。

(6)調整後営業利益

 営業利益からその他の収益およびその他の費用を除外した調整後営業利益は、上記の要因により、前期比371億93百万円増益の1,885億9百万円となりました。

(7)金融損益

 金融収益と金融費用を合わせた金融損益は33億92百万円の損失となり、前期比で損益は43億84百万円改善しました。損益の改善は、主として為替差損が減少したことによるものです。

(8)税引前利益

 上記の要因により、前期比で1,154億59百万円増加となる1,590億70百万円となりました。

(9)法人所得税費用

 税引前利益が増加したことにより、前期比で327億24百万円増加し、412億70百万円となりました。

(10)継続事業からの当期利益

 上記の要因により、前期比で827億35百万円増加となる1,178億円となりました。

(11)親会社の所有者に帰属する当期利益

 前連結会計年度に非継続事業において科学事業の譲渡益約3,490億円を計上したことにより、前期比で1,247億11百万円減益となる1,178億55百万円となりました。

 

(研究開発費および設備投資)

 当期においては、非継続事業を除いた継続事業で1,038億90百万円の研究開発費を投じるとともに、849億59百万円の設備投資を実施しました。

 

(為替影響)

 為替相場は前期に対して、対米ドル、ユーロ及び人民元は円安で推移しました。期中の平均為替レートは、1米ドル=152.58円(前期は144.62円)、1ユーロ=163.75円(前期は156.80円)、1人民元=21.10円(前期は20.14円)となり、売上高では前期比で399億7百万円の増収要因、営業利益では前期比で207億75百万円の増益要因、調整後営業利益では前期比で213億90百万円の増益要因となりました。なお、為替の影響を除くと、連結売上高は前期比3.4%の増収、連結営業利益は前期比175.7%の増益となります。

 

セグメント別の動向に関する分析

 

(単位:百万円)

 

売上高

営業利益(△損失)

 

前期

当期

増減率(%)

前期

当期

増減率(%)

内 視 鏡

586,617

636,144

8.4

104,684

141,398

35.1

治療機器

337,331

360,658

6.9

△8,466

61,453

小    計

923,948

996,802

7.9

96,218

202,851

110.8

そ の 他

1,804

530

△70.6

△287

△473

消去又は全社

△44,544

△39,916

連 結 計

925,752

997,332

7.7

51,387

162,462

216.2

(注)製品系列を基礎として設定された事業に、販売市場の類似性を加味してセグメント区分を行っています。

[内視鏡事業]

(単位:百万円)

 

前期累計

当期累計

増減額

前期比

売上高

586,617

636,144

49,527

8.4%

営業損益

104,684

141,398

36,714

35.1%

 

 内視鏡事業の連結売上高は、6,361億44百万円(前期比8.4%増)、営業利益は1,413億98百万円(前期比35.1%増)となりました。

 消化器内視鏡分野では、国産優遇策などの影響もあり競争環境が激化する中国で売上が減少した一方、消化器内視鏡システム「EVIS X1」の販売が好調な北米で売上が増加し、前期比プラス成長となりました。

 外科内視鏡分野では、中国で減収となった一方、北米やアジア・オセアニアで増収となりました。主に北米で、手術システムインテグレーションに係る新製品が好調に推移した結果、前期比プラス成長となりました。

 医療サービス分野では、保守サービスを含む既存のサービス契約の安定的な売上に加えて、新規契約の増加もあり、欧州や北米を中心に、全ての地域で前期比プラス成長となりました。

 内視鏡事業の営業損益は、次世代内視鏡システムなどに関わる研究開発費が増加したものの、増収による売上利益の増加に加え、前期に引当計上していた高速気腹装置の市場是正処置に係る費用約52億円や、小腸内視鏡システムなどの自主回収に伴う費用約50億円がなくなったことや、その他の費用として計上している、開発資産及び仕掛中の研究開発の減損損失がそれぞれ約39億円と約45億円、品質保証・法規制対応の変革プロジェクトElevateに係る一時的な費用が約23億円減少したことにより、増益となりました。

 なお、為替の影響を除くと、売上高は前期比4.1%の増収、営業利益は前期比19.8%の増益となっています。

 

[治療機器事業]

(単位:百万円)

 

前期累計

当期累計

増減額

前期比

売上高

337,331

360,658

23,327

6.9%

営業損益

△8,466

61,453

69,919

 

 治療機器事業の連結売上高は、3,606億58百万円(前期比6.9%増)、営業利益は614億53百万円(前期は84億66百万円の営業損失)となりました。

 治療機器事業では、注力三領域である、消化器科(処置具)分野、泌尿器科分野、呼吸器科分野のすべての分野で、北米や欧州を中心にプラス成長となりました。

 消化器科処置具分野では、膵管や胆管などの内視鏡診断・治療に使用するERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影術)用の製品群などで売上が増加しました。

 泌尿器科分野では、BPH(前立腺肥大症)用の切除用電極や、尿路結石用破砕装置「SOLTIVE SuperPulsed Laser System」の売上が増加しました。

 呼吸器科分野では、EBUS-TBNA(超音波気管支鏡ガイド下針生検)で主に使われる処置具や超音波気管支鏡が好調に推移しました。

 その他の治療領域では、主に他社製品の取り扱い終了の影響を受けた日本で、減収となりました。

 治療機器事業の営業損益は、研究開発費が増加したものの、増収による売上利益の増加に加え、その他の費用として、前期に計上していたVeran Medical Technologies, Inc.の電磁ナビゲーションシステム等の製造・販売終了に関する損失約519億円、Taewoong Medical Co., Ltd.の株式取得契約の締結及び解除に関連する費用約20億円がなくなったことや、開発資産の減損損失が約19億円、品質保証・法規制対応の変革プロジェクトElevateに係る一時的な費用が約13億円減少したことにより、増益となりました。

 なお、為替の影響を除くと、売上高は前期比2.6%の増収、営業損益は前期比644億34百万円の増益となっています。

 

(次期の見通し)

 次期の業績につきましては、以下の通り予測しています。

 なお、前提となる為替相場は、1米ドル=145円、1ユーロ=161円、1人民元=20円です。また、米国関税政策については、不確実性が高い状況であるため、米国関税政策の影響を織り込まずに見通しを開示しています。引き続き状況を注視しながら、影響の低減に向けた対応策を進めています。

 

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

調整後

営業利益

(百万円)

税引前利益

(百万円)

親会社の所有者に帰属する当期利益

(百万円)

基本的1株当たり当期利益

2026年3月期

999,000

150,000

175,000

145,000

105,000

94.44

 

 前述の通り、当社は次期より「消化器内視鏡ソリューション事業」「サージカルインターベンション事業」の2区分を報告セグメントとすることに変更いたします。

 売上高は前期並みの水準を見込んでいますが、為替影響除きでは、堅調な成長を想定しています。為替の影響を除いた場合、消化器内視鏡ソリューション事業では、北米での消化器内視鏡システム「EVIS X1」の拡販や、欧州、アジア・オセアニアでの事業環境の回復等による売上成長を、サージカルインターベンション事業では、注力している泌尿器科、呼吸器科を中心とした売上成長を、それぞれ見込んでいます。

 営業利益、調整後営業利益、税引前利益ならびに親会社の所有者に帰属する当期利益は、将来の成長に向けた研究開発費用等の長期的な戦略投資が増加することを見込んでおり、それぞれ減益となる見込みです。

 

 

(2) 財政状態およびキャッシュ・フローの状況に関する分析

(資産、負債、資本の状況に関する分析)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増  減

増減率(%)

資産合計

1,534,216

1,432,826

△101,390

△6.6

資本合計

757,186

751,733

△5,453

△0.7

親会社所有者帰属

持分比率

49.4%

52.5%

3.1%

 

 

[資産]

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末から1,013億90百万円減少し、1兆4,328億26百万円となりました。自己株式の取得により1,000億2百万円を支出したことを主因に現金及び現金同等物が884億1百万円減少し、さらに、法人所得税の還付を主因に未収法人所得税が323億4百万円減少しました。

 

[負債]

 負債合計は、前連結会計年度末から959億37百万円減少し、6,810億93百万円となりました。社債の償還および借入金の返済により社債および借入金が705億14百万円減少し、また、製品保証引当金や十二指腸内視鏡の市場対応に係る引当金の減少により、引当金が155億84百万円減少となりました。さらに、未払費用の減少等により、その他流動負債が135億23百万円減少しました。

 

[資本]

 資本合計は、前連結会計年度末から54億53百万円減少し、7,517億33百万円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益1,178億55百万円を計上した一方で、自己株式の取得1,000億2百万円、剰余金の配当209億81百万円を行ったことが主な要因です。

 また、当社は2023年11月9日開催の取締役会決議に基づき、2024年4月30日に自己株式771億61百万円の消却を行っています。さらに、2024年5月10日開催の取締役会決議に基づき、自己株式の取得1,000億2百万円と2025年1月31日に自己株式の消却953億38百万円を行いました。結果として自己株式は740億94百万円減少(資本におけるマイナス表示額の縮小)しています。

 

 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前期末の49.4%から52.5%となりました。

(キャッシュ・フローの状況に関する分析)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増  減

営業活動によるキャッシュ・フロー

42,365

190,463

148,098

投資活動によるキャッシュ・フロー

359,992

△65,469

△425,461

財務活動によるキャッシュ・フロー

△276,010

△211,542

64,468

現金及び現金同等物期末残高

340,933

252,532

△88,401

 

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、1,904億63百万円の増加(前連結会計年度は423億65百万円の増加)となりました。税引前当期利益1,590億70百万円や減価償却費及び償却費の調整664億56百万円により増加した一方、営業債権及びその他債権の増加により277億25百万円減少しました。

 

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、654億69百万円の減少(前連結会計年度は3,599億92百万円の増加)となりました。有形固定資産の取得による支出460億1百万円、無形資産の取得による支出192億8百万円が主な要因です。

 

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、2,115億42百万円の減少(前連結会計年度は2,760億10百万円の減少)となりました。自己株式の取得による支出1,000億2百万円、社債の償還及び長期借入金の返済による支出700億35百万円、配当金の支払209億81百万円、リース負債の返済による支出193億2百万円が主な要因です。

 

 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比較して884億1百万円減少し、2,525億32百万円となりました。なお、関連指標については、営業活動によるキャッシュ・フローが1,904億63百万円と前連結会計年度と比較して1,480億98百万円増加したことにより、キャッシュ・フロー対有利子負債比率が前期末の7.1年から1.2年となりました。また、インタレスト・カバレッジ・レシオは前期末の8.8倍から45.4倍になりました。

 

(関連指標の推移)

 

 

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

親会社所有者帰属持分比率(%)

37.6

42.4

49.4

52.5

時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%)

219.3

192.7

168.1

153.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

2.3

3.5

7.1

1.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

39.6

18.3

8.8

45.4

親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。

(注4)有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。

(3) 利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当

 当社は、当社グループの持続的な成長を実現させるため、手元資金を成長ドライバーへの投資に優先的に配分していく方針であり、収益性の高い既存事業への投資や成長機会への戦略的な投資を実施していきます。配当については、安定的かつ段階的に増配し、当社株式の取得については、投資機会と資金状況に応じて機動的に実施する方針です。

 上記の方針に基づき、2025年3月期の連結業績実績、財務状況ならびに今後の事業への投資などを総合的に勘案し、当期の期末配当金は、1株あたり20円(年間配当金は、同20円)としました。

 次期の年間配当金は、1株あたり30円(期末配当金は、同30円)を予定しています。

 

(4) 事業等のリスク

 「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(平成31年1月31日内閣府令第3号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(31)の規程を適用しています。

 当社グループの業績は、今後起こりうる様々なリスク(不確実性)によって大きな影響を受ける可能性があります。当社グループは、経営理念や基本的な指針を含む事業目標を達成するために、グローバルなエンタープライズ・リスクマネジメントの枠組みを構築しています。この体制は、「リスクマネジメント及び危機対応方針」に基づいて運用されています。また、当社グループは、「機会」と「脅威」の両面からエンタープライズ・リスクマネジメントに取り組んでいます。機会は、当社グループの持続的な成長と価値創造につながる積極的かつ適切なリスクテイクを通じて捉えられる一方、脅威は、事業目標の確実な達成とコンプライアンス違反の防止のために特定され、優先順位をつけて対処されます。

 グローバル組織体制では、リスク&コントロール、コンプライアンス、プライバシー、情報セキュリティーの4つの機能が統合されています。この体制は、4つの機能に加えて、製品セキュリティー、サイバーセキュリティーを含む関連管理システムおよび当社グループにおけるリスク全体像を把握しビジネスプロセスに組み込む、いわゆるアラインド・アシュアランスを推進することを目的としています。2025年3月期において、これらの領域はグローバル法務機能と統合され、グローバルジェネラルカウンセルの管轄下にあるリーガル・リスク・コンプライアンス機能(以下、LRC)として再編されました。グローバル・チーフ・コンプライアンス・オフィサー(GCCO)は、引き続きグループ経営執行会議に出席するとともに、CEO、取締役会、監査委員会へ定期的な報告を行います。

 エンタープライズ・リスクマネジメントにおいて特に注力する活動は以下の通りです。

- LRC機能におけるグローバルなリスクコントロール機能の構築

- グローバルなエンタープライズ・リスクマネジメント手法とアプローチの強化

- グローバルに一貫性のあるエンタープライズ・リスクマネジメントの構築

 これらの活動に注力することで、合理的なエンタープライズ・リスクマネジメントが実行され、事業計画及び財務計画にリスクを反映することを企図しています。また、十分な情報に基づいた経営の意思決定をサポートすることで、当社の事業目標と経営戦略の達成の確度を高めることを目指しています。当社は2024年3月期に構築した統合的なグローバルリスクマネジメントポートフォリオを更に発展させ構築、2025年3月期には、全ての関連部門のリスク評価を実施し、地域別およびグローバルなリスクポートフォリオを検証、更新しました。

 

エンタープライズ・リスクマネジメントの組織体制

 当社グループは、グローバルおよび地域レベルの委員会組織として、グローバル及び地域リスクアシュアランス・コンプライアンス委員会(以下、G-RACC、R-RACC、総称してRACCs)を設立しました。RACCsは、リスクに対処し、適用される方針、法律、規制を遵守するための枠組みを確立、実施、管理することを目的としています。また、勧告、指導、重要リスクについては、グループ経営執行会議(以下、GEC)、取締役会、 監査委員会に定期的に報告され、継続的なモニタリングが行われます。

 また、リスクオーナーとして、グローバル事業・機能責任者、地域事業・機能責任者を任命し、更に各事業・機能でリスク管理を担うリスクコーディネーターを任命しています。リスクオーナーは、自身が管轄する領域において対策(例:組織体制、プロセス準備、重点対策など)を講じる責任を負います。

 

<エンタープライズ・リスクマネジメント体制>

 

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エンタープライズ・リスクマネジメントの手法とアプローチ

 

 当社グループでは、5つのリスクカテゴリー(1.戦略(外部環境変化を含む)、2.オペレーション&製品、3.ファイナンス、4.ガバナンス、5.IT&デジタル)、及びそれらを具体化したサブカテゴリーによるエンタープライズ・リスクマネジメント手法とアプローチを用いています。

 

<エンタープライズ・リスクマネジメント リスクカテゴリー>

 

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 また、当社グループでは、事業目標の達成や経営戦略に影響を及ぼす可能性があると合理的に判断されるリスクを評価し、明示するために、3つのリスク評価基準(1.エクスポージャー、2. 脆弱性、3.速度)を用いています。

- エクスポージャーは、発生可能性と発生時の影響によって決定します。可能性とは、リスクが顕在化する確率を示し、影響度とは、リスクが顕在化した場合の結果の重大性を示します。可能性と影響度のレベルは、定量的(財務的数値に基づく)または定性的基準として評価します。

- 脆弱性(Vulnerability)とは、リスクが発生した場合に、組織がそのリスクを管理する準備がどの程度できているかを示します。

- 速度 (Velocity)とは、リスク発生後、当社がどの程度の速さでリスクの影響を受けるかを示します。

 

 

<エンタープライズ・リスクマネジメント評価手法>

 

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 これらの基準に基づき、当社グループはリスクを積極的に特定、軽減し、監視しており、対応策を定期的に見直し、その有効性を検証しています。また、リスクを可視化して管理するため、エクスポージャー、脆弱性、速度を組み合わせてリスク評価結果を4つの象限に分け、当該リスクにどのように対処するべきかについて示す「3Dリスクマトリックス」と呼ばれる手法を用いています。さらに、最新のITツールを用いたデータベース及びダッシュボードを導入しています。2025年3月期においては、リスクポートフォリオを最適化し、同時にリスク記述を構造化、分類、標準化してより明瞭で分かりやすい記載を実現するため、社内で設計された人工知能ツールを用いてITツールをアップグレードしています。

 

エンタープライズ・リスクマネジメント・プロセス

 

 当社グループのエンタープライズ・リスクマネジメント・プロセスの主な構成要素は以下の通りです。

- リスクアセスメント(リスクの特定、分析、評価)

- 対応策(リスクの低減、リスクマネジメント活動の実行及び調整)

- リスクモニタリング(リスクモニタリングプロセスの設計、実施、リスクトリートメント活動の有効性の評価)

- リスク報告(リスク及びその対応策を集約・評価し、関連するステークホルダーに定期的に報告する。リスク報告は、リスクマネジメントの年次計画の一部として立案・社内へ展開される)

 

 エンタープライズ・リスクマネジメント・プロセスでは、いわゆる3つのラインモデルの考え方に沿って、リスクコントロール機能と各事業・機能が緊密に連携を行っています。また、リスクコントロール機能は、エンタープライズ・リスクマネジメント手法及び運用ガイダンスを提供、維持、開発する責任を負っています。

 

<エンタープライズ・リスクマネジメント・プロセス>

 

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マクロ経済ビジネス環境

 

 2024年4月以降の世界経済においては、サプライチェーンの混乱、エネルギー価格の上昇等により、多くの国で予想を上回ってインフレが進展しました。

 地政学的緊張は引き続き世界のマクロ経済環境にリスクをもたらしています。ウクライナにおける戦争や中東情勢、米国と中国を含む主要経済国間の貿易摩擦等による不確実性に加え、足元では米国における追加関税に関する動向にも不透明感がみられ、グローバルな貿易とサプライチェーンにも大きな影響を与えています。

 技術面では、デジタル技術、人工知能、自動化の急速な浸透が、生産性の向上を促進し、新たな経済機会を生み出している一方、データプライバシーとサイバーセキュリティーに関する懸念など、課題ももたらしています。

 気候変動と持続可能性は、世界的に重要視されており、持続可能性の重視、二酸化炭素排出量の削減が求められていますが、一方で、大規模な設備投資の必要性や従来の産業への混乱が生じる可能性など、課題も抱えています。

 

医療機器セクターのリスク環境

 

 メドテック企業各社は、上記のマクロ経済ビジネス環境に加えて、業界に特有の要因にも大きく影響を受けています。

 この業界では、医療費の抑制や医療サービスの安全性・有効性の向上による患者のQOL(Quality of Life:生活の質)の向上を目指し、国内外で医療制度改革が継続的に実施されています。また、米国食品医薬品局(以下、FDA)や欧州医療機器規制(以下、EU-MDR)をはじめ、各国の医療機器申請・登録・市販後調査に対する法規制要件は年々厳格になっており、感染予防や再処理(洗浄・消毒・滅菌)に関する要件も複雑化しています。

 各国の医療政策の変化、医療費の削減、医療関連法規の強化、感染予防や再処理に対する要求のさらなる高まりなどにより、技術開発のハードルや複雑さは増しています。それに伴い、新技術や代替技術だけでなく、IT技術大手をはじめとする異業種からの医療業界への参入もあり、事業環境は大きく変化しています。

 さらに、先進国を中心に社会の高齢化が進むにつれ、医療に対するニーズは確実に高まっています。当社グループが関わる事業領域には多くの競合他社が存在しており、技術革新も進む中で、競争は一層激化しています。新興国市場においては、経済成長とともに医療ニーズが高まっており、さらなる成長が期待出来ると考えています。

 また、当社グループが事業を展開する業界では、 グローバルで人材獲得競争が激化しており、労働市場の変化で退職率の高まりもみられ、人材の採用・育成・確保がますます重要になっています。

 

当社グループのリスク状況(2025年3月期)

 2025年3月期に実施したグローバルリスクアセスメントに基づき、リスクを特定・評価しました。

 3Dリスクマトリックスにおいて'Improve'の領域に特定されたリスクについては、対応策の優先順位を高く設定しています。'Test'の領域に特定されたリスクについては、既にコントロールが実施されていますが、同時に、定期的なモニタリングにより、既存のコントロールが適切にかつ効果的に機能しているか、確認しています。'Monitor'の領域に特定されたリスクは、エクスポージャーが許容可能なレベルであることを継続的に確認し、必要に応じて追加の対応策を設定します。

 当社グループでは、リスクカテゴリーごとに、以下のトップリスクを報告しています。

 

 

リスクカテゴリー:戦略(外部環境変化を含む)

リスクタイプ:機会と脅威

リスク傾向:上昇

リスクシナリオ

 このリスクカテゴリーには、「計画・資源配分」、「事業開発・投資」、「コミュニケーション・ステークホルダーマネジメント」、「マーケットダイナミクス」、及び「不可抗力」が含まれます。最も高いリスクとして評価された中には、地政学上の脅威、不安定な市場における事業展開、サプライチェーンの混乱、が含まれています。

 

・地政学的緊張は、軍事紛争や貿易戦争によるサプライチェーンへの脅威、コスト増、急速に変化する制裁措置によるコンプライアンスリスクの発生などにより、トップリスクとして認識されています。

・主要な市場において、国内産業の保護措置の実施等により、市場環境が大きく変化しています。関税の引き上げや国内サプライヤーへの優遇措置等により収益性が低下する可能性があります。

・また、競争環境が激化する中で、価格・技術・品質等様々な面において競争力を有する製品を適時に投入する必要があります。

・M&A活動には機会と脅威の両方が存在し、厳格なデューデリジェンスと体系的な統合プロセスが必要です。リスク軽減策が不十分な場合、のれんの減損や関連費用により、事業遂行、業績、財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

対応策

 当社グループでは、上記のリスクに対応するために以下の対応策を実施しています。

 

・サプライチェーンの混乱に対する脆弱性を軽減するために、サプライチェーンの可視性を高め、サプライヤーを多様化させています。

・競争環境をモニタリングし、代替技術や市場動向を特定することで、新技術の迅速な開発を可能とする体制の構築を推進しています。また、各主要市場の動向に応じて対応策を実施しています。中国においては現地製造に向けた準備を進展させているほか、米国においては追加関税の動向を注視しつつ、患者さんの安全と健康を最優先に、業界団体と緊密に連携しています。

・潜在的な混乱を回避して顧客と患者さんへの継続的な供給を確保するための、グローバルな事業継続管理体制を強化しています。

・自社開発とM&Aや戦略的提携を通じた外部技術獲得の両方を通じたイノベーションへのバランスの取れたアプローチ、およびインテリジェント内視鏡医療エコシステムをはじめとした高付加価値製品の開発を推進しています。

・ターゲット選定、デューデリジェンス、買収後の統合効果を向上させるため、M&Aプロセスと体制を継続的に改善しています。

経営戦略・方針との関連:患者さんの安全と持続可能性、成長のためのイノベーション、生産性の向上

 

 

 

リスクカテゴリー:オペレーション&製品

リスクタイプ:機会と脅威

リスク傾向:変化なし

リスクシナリオ

 このリスクカテゴリーには、「研究開発」、「製造・修理」、「エンド・ツー・エンド・サプライチェーン」、「販売・マーケティング・サービス」、「品質」、「資産」、及び「人的資源」が含まれます。最も重大なリスクは、主に製品品質、エンド・ツー・エンドのサプライチェーン、マーケティング&セールスに関連しており、製品の安定的な供給とライフサイクル管理に影響を与えます。

主な課題は以下の通りです。

 

・製造、品質、サプライチェーンマネジメント、研究開発機能にまたがり、大規模な資源配分を行いつつ、FDAから受領した警告書に係る是正活動を継続しています。

・地政学的緊張の高まりと気候変動にともなう自然災害が増加する中、サプライチェーンの回復力は依然として持続的な課題と認識しています。

対応策

 当社グループは、患者さんの安全を重視した高品質のサービスを提供するために、エンド・ツー・エンド・サプライチェーンの安定と品質プロセスの改善に優先的に取り組んでいます。主な活動は以下の通りです。

 

・グローバルな事業継続管理体制に継続的に取り組んでいます。

・サプライチェーンの可視化向上プロジェクト推進とサプライヤーの多様化により、特定サプライヤーへの依存度を軽減させています。

・品質マネジメントシステムとプロセスを強化し一貫性を持たせるために、グローバルな複数年にわたる品質プログラムを実施しています。

経営戦略・方針との関連:患者さんの安全と持続可能性、生産性の向上

 

リスクカテゴリー:ファイナンス

リスクタイプ:機会と脅威

リスク傾向:変化なし

リスクシナリオ

 このリスクカテゴリーには、「資本構造」、「会計・報告」、「流動性・信用」、「収益サイクル」、及び「税務」が含まれています。

 

・外国為替レートの変動は、大きなリスクをもたらします。外貨建て取引に対するヘッジを行っていますが、円高は業績に悪影響を及ぼし、円安は業績に好影響をもたらす可能性があります。

• 資金調達リスクは、資本及び借入等へのアクセスに影響を与える金融市場の変動や、借入コストに影響を与える企業業績から生じます。業績の悪化や金融市場の環境変化は、資金調達オプションを制限する可能性があります。

• グローバルな管轄当局における適用税法や解釈の変更により、税負担が増大する可能性があります。また、事業環境の変化や組織再編により、繰延税金資産の評価の見直しが必要になる可能性もあります。

・顧客やサプライヤーの信用リスクが当社の財務の安定性に影響を与える可能性があります。

対応策

 当社グループでは、次のような方法でファイナンスリスクの軽減を図っています。

・為替変動を管理するために、為替予約や通貨スワップなどのデリバティブ取引を導入しています。この対応は外貨エクスポージャー低減のためのグローバルなキャッシュプーリングによって補完されています。

・調達コストを最適化するための公募社債発行等による資金調達方法の多様化と、金利変動を最小化するための長期債務に対する固定金利採用を組み合わせて対応しています。

・繰延税金資産を最適化するために管轄当局間の税法改正を積極的に監視し、グループ内取引ルールの適切な調整と徹底した収益性管理を行っています。

・与信先の財務状況を体系的にモニタリングし、適切な対応を実施しています。

経営戦略・方針との関連性:生産性の向上

 

 

 

リスクカテゴリー:ガバナンス

リスクタイプ:機会と脅威

リスク傾向:変化なし

リスクシナリオ

 このリスクカテゴリーには、「カルチャー」、「規制」、「法務」、「コンプライアンス」、「データプライバシー」、及び「コーポレートガバナンス」が含まれます。

 

・断片化された契約管理プロセスとデータベースは透明性の欠如を生み出し、契約違反、クレームあるいは法的責任を招く可能性があります。

・複雑な医療機器および貿易規制への対応には包括的な文書化が要求されますが、その不備により製品供給に直結するコンプライアンス違反を引き起こす可能性があります。

・2023年3月期にFDAから受領した警告書で指摘された事項に対して実施中の是正活動は、規制を遵守するために完全に実行する必要がありますが、今後の経過によっては、FDAによりさらなる規制措置が取られる可能性があります。

・不十分な事業継続管理体制は、自然災害やその他の緊急事態の際のオペレーションに混乱をきたす可能性があります。

対応策

 当社グループでは、以下の対応でガバナンス改善を図っています。

 

・プロセス改善とデータベースの更新を伴う契約管理強化プロジェクトに取り組んでいます。

・グローバルな品質保証・法規制対応の変革プロジェクト「Elevate」を推進しています。

・2023年3月期にFDAから受領した警告書に関する是正措置に関して、引き続き全社で対応を推進しています。

・既存の事業継続対策を標準化するために、一貫性があり、かつ的をしぼった事業継続管理体制を策定、実行します。

・また、2025年3月期にCEOが辞任した件を踏まえて、当社はグローバル行動規範および関連する研修を改定し、私たちは当社の行動規範、ポリシー、および適用されるすべての法律・規制を遵守しなければならないことを明確化します。2026年3月期には、改定されたグローバル行動規範に関する年次研修を、全従業員を対象に実施するとともに、役員のメンタルケアの強化のサポート等に取り組んでいます。

経営戦略や方針との関連:患者さんの安全と持続可能性

 

リスクカテゴリー:IT&デジタル

リスクタイプ:機会と脅威

リスク傾向:変化なし

リスクシナリオ

 このリスクカテゴリーには、「ITセキュリティー・サイバー」、「ITアプリケーション」、「ITガバナンス」、「ITインフラ・サービス」及び「デジタル」が含まれます。

 

・デジタルシステムへの高い依存により、IT障害によるオペレーション混乱に関する脆弱性が生じる可能性があります。

・サイバーセキュリティー侵害は、継続的なモニタリングと対応が必要な優先度の高いリスクと認識しています。

・老朽化したITアプリケーションが耐用年数を迎えることにより、システム障害やオペレーション混乱を引き起こす重大なリスクとなる可能性があります。

・当社製品におけるデジタル技術の統合が進むにつれ、バリューチェーン全体で包括的なサイバーセキュリティー対策が必要となります。

対応策

 当社では、IT&デジタルリスクに対して以下の対応を図っています。

 

・複数年にわたる包括的なITセキュリティー・プログラムを計画通りに推進しています。

・ITインフラの大規模な刷新、アップグレード、移管を計画通りに進めています。

・サードパーティのプロバイダーに対するセキュリティーおよび協業要件を強化しています。

・セキュリティー・インシデント発生時の顧客への影響を最小化するため、グローバルな事業継続管理体制構築プロジェクトにおいて、事業継続計画および災害復旧計画をアップグレードします。

・最新のサイバーセキュリティー要件に沿った技術とプロセスにより、当社製品とデジタルサービスを保護します。

・サイバーセキュリティーの脅威および日常業務における予防策に関する定期的な社員教育を実施します。

経営戦略・方針との関連:患者さんの安全と持続可能性、生産性の向上

 

2.会計基準の選択に関する基本的な考え方

 当社グループでは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上および、グループ内で会計ルールを統一することによる経営管理の精度向上とガバナンスの強化などを目的とし、2018年3月期第1四半期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用しています。

 

3.連結財務諸表及び主な注記

(1)連結財政状態計算書

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

資産

 

 

 

流動資産

 

 

 

現金及び現金同等物

18

340,933

252,532

営業債権及びその他の債権

7,18

197,599

204,183

その他の金融資産

18

9,862

2,301

棚卸資産

 

190,030

187,145

未収法人所得税

 

36,686

4,382

その他の流動資産

 

25,175

28,451

小計

 

800,285

678,994

売却目的で保有する資産

8

55

449

流動資産合計

 

800,340

679,443

非流動資産

 

 

 

有形固定資産

9

259,968

263,410

のれん

9

180,331

180,191

無形資産

9

91,961

93,971

退職給付に係る資産

 

36,815

40,510

持分法で会計処理されている投資

 

479

482

営業債権及びその他の債権

18

55,764

64,200

その他の金融資産

18

34,146

43,440

繰延税金資産

 

72,324

65,400

その他の非流動資産

 

2,088

1,779

非流動資産合計

 

733,876

753,383

資産合計

 

1,534,216

1,432,826

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

負債及び資本

 

 

 

負債

 

 

 

流動負債

 

 

 

営業債務及びその他の債務

18

61,855

61,415

社債及び借入金

10,18

69,988

94,985

その他の金融負債

 

27,673

21,829

未払法人所得税

 

38,658

42,451

引当金

11

31,318

16,001

その他の流動負債

 

202,203

188,680

小計

 

431,695

425,361

流動負債合計

 

431,695

425,361

非流動負債

 

 

 

社債及び借入金

10,18

229,628

134,117

その他の金融負債

18

62,238

62,802

退職給付に係る負債

 

20,586

19,800

未払法人所得税

 

4,743

引当金

 

2,362

2,095

繰延税金負債

 

11,989

13,632

その他の非流動負債

 

18,532

18,543

非流動負債合計

 

345,335

255,732

負債合計

 

777,030

681,093

資本

 

 

資本金

 

124,643

124,643

資本剰余金

12

92,032

92,433

自己株式

12

△102,017

△27,923

その他の資本の構成要素

 

149,127

141,613

利益剰余金

 

493,401

420,967

親会社の所有者に帰属する持分合計

 

757,186

751,733

資本合計

 

757,186

751,733

負債及び資本合計

 

1,534,216

1,432,826

 

(2)連結損益計算書

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

継続事業

 

 

 

売上高

6,14

925,752

997,332

売上原価

11

307,320

313,635

売上総利益

 

618,432

683,697

販売費及び一般管理費

 

 

466,758

495,654

持分法による投資損益

 

△358

466

その他の収益

15,17

3,432

5,246

その他の費用

9,15

103,361

31,293

営業利益

6

51,387

162,462

金融収益

 

2,520

3,449

金融費用

 

10,296

6,841

税引前利益

 

43,611

159,070

法人所得税費用

 

8,546

41,270

継続事業からの当期利益

 

35,065

117,800

非継続事業

 

 

 

非継続事業からの当期利益

19

207,864

55

当期利益

 

242,929

117,855

 

 

 

 

当期利益の帰属

 

 

 

親会社の所有者

 

242,566

117,855

非支配持分

 

363

当期利益

 

242,929

117,855

 

 

 

 

1株当たり当期利益

 

 

 

基本的1株当たり当期利益(円)

 

 

 

継続事業

16

28.60

102.94

非継続事業

16

171.31

0.05

基本的1株当たり当期利益

16

199.91

102.99

希薄化後1株当たり当期利益(円)

 

 

 

継続事業

16

28.53

102.75

非継続事業

16

170.91

0.05

希薄化後1株当たり当期利益

16

199.44

102.80

 

(3)連結包括利益計算書

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

当期利益

 

242,929

117,855

その他の包括利益

 

 

 

純損益に振り替えられることのない項目

 

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

△20

△78

確定給付制度の再測定

 

4,682

3,123

純損益に振り替えられることのない項目合計

 

4,662

3,045

純損益に振り替えられる可能性のある項目

 

 

 

在外営業活動体の換算差額

 

69,011

△9,630

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

△177

2,194

純損益に振り替えられる可能性のある項目合計

 

68,834

△7,436

その他の包括利益合計

 

73,496

△4,391

当期包括利益

 

316,425

113,464

 

 

 

 

当期包括利益の帰属

 

 

 

親会社の所有者

 

316,062

113,464

非支配持分

 

363

当期包括利益

 

316,425

113,464

 

(4)連結持分変動計算書

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

親会社の所有者に帰属する持分

非支配

持分

資本合計

 

資本金

資本

剰余金

自己株式

その他の

資本の

構成要素

売却目的で保有する処分グループに関連するその他の資本の構成要素

利益

剰余金

合計

2023年4月1日 残高

 

124,643

92,150

△28,086

77,280

3,034

371,064

640,085

1,149

641,234

当期利益

 

 

 

 

 

 

242,566

242,566

363

242,929

その他の包括利益

 

 

 

 

76,530

△3,034

 

73,496

 

73,496

当期包括利益

 

76,530

△3,034

242,566

316,062

363

316,425

自己株式の取得

12

 

 

△180,002

 

 

 

△180,002

 

△180,002

自己株式の処分

12

 

△43

43

 

 

 

0

 

0

自己株式の消却

12

 

△104,795

104,795

 

 

 

 

剰余金の配当

13

 

 

 

 

 

△20,057

△20,057

△183

△20,240

利益剰余金から資本剰余金への振替額

12

 

104,855

 

 

 

△104,855

 

その他の資本の構成要素から利益剰余金への振替額

 

 

 

 

△4,683

 

4,683

 

株式報酬取引

12

 

1,457

1,233

 

 

 

2,690

 

2,690

非支配持分との資本取引

12

 

△1,592

 

 

 

 

△1,592

△1,329

△2,921

所有者との取引額等合計

 

△118

△73,931

△4,683

△120,229

△198,961

△1,512

△200,473

2024年3月31日 残高

 

124,643

92,032

△102,017

149,127

493,401

757,186

757,186

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

親会社の所有者に帰属する持分

資本合計

 

資本金

資本

剰余金

自己株式

その他の

資本の

構成要素

利益

剰余金

合計

2024年4月1日 残高

 

124,643

92,032

△102,017

149,127

493,401

757,186

757,186

当期利益

 

 

 

 

 

117,855

117,855

117,855

その他の包括利益

 

 

 

 

△4,391

 

△4,391

△4,391

当期包括利益

 

△4,391

117,855

113,464

113,464

自己株式の取得

12

 

 

△100,002

 

 

△100,002

△100,002

自己株式の処分

12

 

△172

172

 

 

0

0

自己株式の消却

12

 

△172,499

172,499

 

 

剰余金の配当

13

 

 

 

 

△20,981

△20,981

△20,981

利益剰余金から資本剰余金への振替額

12

 

172,431

 

 

△172,431

その他の資本の構成要素から利益剰余金への振替額

 

 

 

 

△3,123

3,123

株式報酬取引

12

 

641

1,425

 

 

2,066

2,066

所有者との取引額等合計

 

401

74,094

△3,123

△190,289

△118,917

△118,917

2025年3月31日 残高

 

124,643

92,433

△27,923

141,613

420,967

751,733

751,733

 

(注)資本金、資本剰余金、利益剰余金、自己株式及びその他の資本の構成要素の内容等につきましては、注記「12.資

   本金及びその他の資本項目」において記載しています。

 

(5)連結キャッシュ・フロー計算書

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

 

 

税引前利益

 

43,611

159,070

非継続事業からの税引前利益

19

340,519

61

減価償却費及び償却費

 

65,940

66,456

減損損失

9,15

64,568

3,636

受取利息及び受取配当金

 

△2,376

△3,308

支払利息

 

5,409

4,628

持分法による投資損益(△は益)

 

358

△466

科学事業の譲渡益

17,19

△349,037

営業債権及びその他の債権の増減額(△は増加)

7

△11,851

△27,725

棚卸資産の増減額(△は増加)

 

△19,072

△3,410

営業債務及びその他の債務の増減額(△は減少)

 

△5,935

△1,926

退職給付に係る負債の増減額(△は減少)

 

1,013

1,408

退職給付に係る資産の増減額(△は増加)

 

△3,269

△1,197

引当金の増減額(△は減少)

11

9,083

△15,225

その他

 

43,221

6,338

小計

 

182,182

188,340

利息の受取額

 

2,365

3,296

配当金の受取額

 

11

12

利息の支払額

 

△4,803

△4,194

法人所得税の支払額又は還付額(△は支払)

 

△137,390

3,009

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

42,365

190,463

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

 

 

有形固定資産の取得による支出

 

△46,425

△46,001

無形資産の取得による支出

 

△18,199

△19,208

投資有価証券の取得による支出

 

△28

△8,588

科学事業の譲渡による収入

17,19

379,091

コラーゲン事業及び歯科用商品販売事業の譲渡による収入

17

1,656

整形外科事業の譲渡による収入

17,19

3,730

子会社の取得による支出

20

△3,881

子会社の売却による収入

17

4,472

貸付金の回収による収入

 

53,373

4,283

条件付対価の決済による支出

 

△2,966

△4,793

株式取得契約に基づく支出

 

△43,647

株式取得契約の解除に伴う回収額

 

31,110

7,603

その他

 

1,555

1,386

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

359,992

△65,469

 

 

 

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

 

 

リースに係る負債の返済による支出

 

△19,518

△19,302

長期借入金の返済による支出

 

△40,000

△50,035

配当金の支払額

13

△20,057

△20,981

非支配持分への配当金の支払額

 

△183

自己株式の取得による支出

12

△180,002

△100,002

社債の償還による支出

10

△10,000

△20,000

非支配持分からの子会社持分取得による支出

12

△2,921

その他

 

△3,329

△1,222

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

△276,010

△211,542

 

 

 

 

現金及び現金同等物に係る換算差額

 

9,074

△1,853

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

 

135,421

△88,401

現金及び現金同等物の期首残高

 

205,512

340,933

現金及び現金同等物の期末残高

 

340,933

252,532

 

(6)連結財務諸表に関する注記事項

1.継続企業の前提に関する注記

 該当事項はありません。

 

2.報告企業

 オリンパス株式会社(以下、「当社」)は日本に所在する株式会社であり、その登記されている本社の住所は東京都八王子市です。当社の連結財務諸表は、当社及びその子会社(以下、「当社グループ」)、並びに当社の関連会社に対する持分により構成されています。

 当社グループは、主に内視鏡、治療機器製品の製造・販売を行っています。第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しています。詳細は注記「6.事業セグメント」に記載のとおりです。

 

3.作成の基礎

(1)連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載

 当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しています。当社は連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たしていることから、同第93条の規定を適用しています。

 

(2)機能通貨及び表示通貨

 連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を四捨五入して表示しています。

 

(3)表示方法の変更

(連結キャッシュ・フロー計算書)

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 前連結会計年度において、独立掲記していました「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「固定資産除売却損益」は、重要性が低下したため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替を行っています。

 この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた42,765百万円は、「固定資産除売却損益」456百万円を「その他」へ組み替えたことにより、43,221百万円へ組み替えています。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 前連結会計年度において、独立掲記していました「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「有形固定資産の売却による収入」は、重要性が低下したため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替を行っています。

 この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた84百万円は、「有形固定資産の売却による収入」1,471百万円を「その他」へ組み替えたことにより、1,555百万円へ組み替えています。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 前連結会計年度において、独立掲記していました「財務活動によるキャッシュ・フロー」の「短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの純増減額」は、重要性が低下したため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替を行っています。

 この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた△3,326百万円は、「短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの純増減額」△3百万円を「その他」へ組み替えたことにより、△3,329百万円へ組み替えています。

 

4.重要性がある会計方針

 当社グループの連結財務諸表において適用する重要性がある会計方針は、前連結会計年度において適用した会計方針と同一です。

 

5.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断

 IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定を行うことが要求されています。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されており、その影響は、その見積りを見直した期間及びそれ以降の期間において認識しています。

 連結財務諸表における重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断は、前連結会計年度に係る連結財務諸表と同様です。

 

6.事業セグメント

(1)報告セグメントの概要

 当社グループの事業セグメントは、分離された財務情報が入手可能であり、経営資源の配分の決定及び業績の評価を行うために、定期的に検討を行う単位となっているものです。

 当社グループは、従来「内視鏡事業」「治療機器事業」及び「その他事業」の3区分を報告セグメントとし

ていましたが、第1四半期連結会計期間より「内視鏡事業」及び「治療機器事業」の2区分を報告セグメント

とすることに変更しており、前連結会計年度についても同様の形で表示しています。

 当社は、PTCJ-6Oホールディングス株式会社及びPTCJ-6Fホールディングス株式会社(ポラリス・キャピタル・グループ株式会社が設立した特別目的会社で以下、「ポラリス・キャピタル・グループ」と総称します)に対して、オリンパステルモバイオマテリアル株式会社およびFH Ortho SAS社(以下、「FHOグループ」)から構成される整形外科事業を譲渡することについて、ポラリス・キャピタル・グループとの間でプット・オプション契約を締結し、当該契約に基づき、2024年7月12日に譲渡を完了しました。

 この譲渡の結果、従来の「その他事業」に関して財務情報として金額的な重要性が低下するため、上記の通りセグメント区分の変更を行っています。

 なお、第1四半期連結会計期間より、当社グループ内の会社組織変更および業績管理区分の見直しに伴い、従来「その他」に計上していたセグメント間の売上高を「内視鏡」および「治療機器」の区分に配分のうえ計上しています。前連結会計年度についても、変更後の区分に組み替えて表示しています。

 

 なお、報告セグメントに属する主要な製品及びサービスは以下のとおりです。

報告セグメント

 

主要な製品及びサービス

内視鏡事業

 

 消化器内視鏡、外科内視鏡、医療サービス

治療機器事業

 

消化器科処置具、泌尿器科製品、呼吸器科製品、エネルギー・デバイス、耳鼻咽喉科製品、婦人科製品

 

(2)報告セグメントの収益、業績及びその他の項目

 報告セグメントによる収益、業績及びその他の項目は、以下のとおりです。なお、報告セグメントの会計処理の方法は、注記「4.重要性がある会計方針」における記載と同一です。

 

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注2)

調整額

(注3,4,5,6)

連結

財務諸表

計上額

 

内視鏡

治療機器

売上高

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

586,617

337,331

923,948

1,804

925,752

セグメント間の売上高(注1)

35

7

42

△42

586,652

337,338

923,990

1,804

△42

925,752

営業利益又は損失

104,684

△8,466

96,218

△287

△44,544

51,387

金融収益

 

 

 

 

 

2,520

金融費用

 

 

 

 

 

10,296

税引前利益

 

 

 

 

 

43,611

その他の項目

 

 

 

 

 

 

持分法による投資損益

△332

△26

△358

△358

減価償却費及び償却費

41,501

18,184

59,685

193

5,315

65,193

減損損失(注7)

10,890

44,315

55,205

775

55,980

セグメント資産

637,036

469,186

1,106,222

3,905

424,089

1,534,216

持分法で会計処理されている投資

479

479

479

資本的支出

50,674

19,295

69,969

50

9,324

79,343

(注1) セグメント間の売上高は、市場実勢価格に基づいています。

(注2) その他の金額は、新規事業に関する研究開発や探索活動などの報告セグメントに含まれない事業セグメントの金額です。

(注3) 営業利益(又は損失)の調整額は、セグメント間取引消去並びに報告セグメントに帰属しない一般管理費及び基礎的研究費等からなる全社費用です。

(注4) セグメント資産の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産および非継続事業の資産です。

(注5) 減価償却費及び償却費の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産にかかる減価償却費及び償却費です。

(注6) 資本的支出の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産にかかる固定資産の増加額です。

(注7) 治療機器セグメントの営業損失には、Veran Medical Technologies, Inc.製品の製造・販売終了に伴い発生した損失51,886百万円が含まれていますが、詳細については、注記「15.その他の収益及びその他の費用」をご覧ください。また、当該損失のうち、減損損失は41,704百万円になります。詳細については、注記「9.非金融資産の減損」に記載のとおりです。

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注2)

調整額

(注3,4,5,6)

連結

財務諸表

計上額

 

内視鏡

治療機器

売上高

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

636,144

360,658

996,802

530

997,332

セグメント間の売上高(注1)

157

29

186

△186

636,301

360,687

996,988

530

△186

997,332

営業利益又は損失

141,398

61,453

202,851

△473

△39,916

162,462

金融収益

 

 

 

 

 

3,449

金融費用

 

 

 

 

 

6,841

税引前利益

 

 

 

 

 

159,070

その他の項目

 

 

 

 

 

 

持分法による投資損益

493

△27

466

466

減価償却費及び償却費

43,466

18,546

62,012

141

4,197

66,350

減損損失

2,599

542

3,141

495

3,636

セグメント資産

672,499

474,492

1,146,991

5,401

280,434

1,432,826

持分法で会計処理されている投資

148

334

482

482

資本的支出

56,486

21,588

78,074

5

6,880

84,959

(注1) セグメント間の売上高は、市場実勢価格に基づいています。

(注2) その他の金額は、新規事業に関する研究開発や探索活動などの報告セグメントに含まれない事業セグメントの金額です。

(注3) 営業利益(又は損失)の調整額は、セグメント間取引消去並びに報告セグメントに帰属しない一般管理費及び基礎的研究費等からなる全社費用です。

(注4) セグメント資産の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産です。

(注5) 減価償却費及び償却費の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産にかかる減価償却費及び償却費です。

(注6) 資本的支出の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産にかかる固定資産の増加額です。

 

 

7.営業債権及びその他の債権

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 当社は、2024年3月7日付で、韓国の医療機器メーカーTaewoong Medical Co., Ltd.の元株主との合意に基づき、2023年2月24日に締結した株式取得契約を解除しました。連結財政状態計算書における「営業債権及びその他の債権」には、株式取得契約の解除に伴う未収入金が、流動資産に6,056百万円、非流動資産に6,697百万円それぞれ含まれています。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 重要な取引はありません。

 

8.売却目的で保有する資産及び直接関連する負債

 売却目的で保有する資産及び直接関連する負債の内訳は、以下の通りです。

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

資産

 

 

土地

41

299

建物及び構築物

14

150

合計

55

449

 

 前連結会計年度末に売却目的保有に分類した資産は、経営資源最適化の観点から内視鏡セグメント及び治療機 器セグメントに帰属する資産であり、当連結会計年度に売却しています。

 

 当連結会計年度に売却目的保有に分類した資産は、経営資源最適化の観点から全社資産であり、期末日から1年以内に売却することを予定しています。

 

9.非金融資産の減損

 当社グループでは、資産の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に減損損失を認識しています。非金融資産に関する減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に計上しています。

 事業資産においては、主として事業セグメントの区分ごと、処分予定資産においては、廃棄・売却等により処分が予定されている資産ごと、遊休資産については、個別資産ごとにグルーピングしています。

 

 前連結会計年度に認識した主な減損損失は以下のとおりです。

 

(Veran Medical Technologies,Inc. 製品の製造・販売終了に関する損失)

 Veran Medical Technologies, Inc.(以下、VMT社) の電磁ナビゲーションシステムの製造・販売終了に伴い、関連する固定資産を回収可能額まで減額し、減損損失41,704百万円(のれん20,227百万円、技術関連資産16,077百万円、商標権250百万円、仕掛中の研究開発3,601百万円、ライセンス利用権1,157百万円等)を計上しています。治療機器セグメントに含まれるVMT社製品の製造・販売に関連する固定資産については、買収完了以降、治療機器事業セグメント内の他の資産とのシナジー等を考慮し、当事業セグメントを資金生成単位とした減損テストを実施していましたが、前連結会計年度において買収時に想定していた既存の呼吸器製品との組み合わせによる呼吸器疾患の早期診断・低侵襲治療の実現という当初の目的を達成することが困難であることが判明したこと、さらに社内で求められる品質基準を満たさないことが判明したことを受けて同社製品の開発・販売を終了することを決定したことから、事業セグメント単位ではなく、同社の買収に関して発生した固定資産に対して個別に減損テストを実施しています。回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値であり、当該資産は売却が困難であるため、処分費用控除後の公正価値を零としています。なお、公正価値の測定レベルは、レベル3です。公正価値の測定レベルについては、注記「18.金融商品」に記載しています。

 VMT 社については、VMT社が有する電磁ナビゲーションシステムやこれに関連する様々なデバイスと当社の気管支鏡システムを組み合わせることで、呼吸器疾患の早期診断・低侵襲治療を進歩させることを目的として、2020年12月に当社グループがVMT社を買収し、呼吸器科分野の事業成長を図ってきました。しかしながら、自主調査の結果、VMT社の技術及び製品が当社グループの品質基準に適合しないことが判明したため、当社は、2023年2月に当該製品の出荷を停止し、さらなる分析と今後の対応を検討してきました。患者さんの安全を最優先に検討した結果、当該製品が当社の品質基準を満たすためには多大なコストが必要であること、出荷再開までに長い時間がかかること、また顧客の臨床ニーズが急速に変化していることから、2023年9月6日に当該製品の製造・販売の終了を決定しました。当該製品の製造・販売終了に伴う損失の金額は、注記「15.その他の収益及びその他の費用」に記載しています。

 

 当連結会計年度において、重要な減損損失はありません。

 

10.社債及び借入金

 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 前連結会計年度において、第23回無担保社債10,000百万円(利率0.27%、償還期限2024年3月7日)を償還しています。

 

 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 当連結会計年度において、第25回無担保社債20,000百万円(利率0.20%、償還期限2024年12月4日)を償還しています。

 

11.引当金

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(当社製品の自主回収)

 当社が行う自主的な市場調査の結果、当社の品質基準に照らし合わせ、患者さんの安全確保を最優先に考え、対象の小腸内視鏡システムの自主回収を行うことを決定しました。この市場対応にかかる費用として、前連結会計年度において、内視鏡事業の売上原価に4,157百万円を引当金として計上しています。

 

(高速気腹装置の市場是正措置に係る引当金)

 高速気腹装置の市場是正措置に係る費用として、前連結会計年度において、内視鏡事業の売上原価に5,238百万円を引当金として計上しています。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

(連結子会社の訴訟に関連する引当金の戻入)

 当社の連結子会社であるOlympus (Shenzhen) Industrial Ltd.と深圳市安平泰投资发展有限公司との間で控訴審を終結させる旨の裁判上の和解が成立したことに伴い、訴訟等に係る損失に備えるため過去に見積もり計上した引当金を取り崩しています。なお、引当金の戻入額については、注記「15.その他の収益及びその他の費用」に記載しています。

 

12.資本金及びその他の資本項目

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(自己株式の消却)

 当社は、2023年5月12日開催の取締役会決議に基づき、2024年2月29日付で自己株式の消却を行いました。この消却により自己株式は、前連結会計年度において51,032,000株減少しました。

 当該消却の影響として、自己株式が104,795百万円減少し(資本におけるマイナス表示額の縮小)、資本剰余金についても104,795百万円減少しています。

 なお、上記消却の金額は資本剰余金の中のその他資本剰余金から減額していますが、その他資本剰余金を上回る金額については利益剰余金より減額しています。

 

(自己株式の処分)

 当社は、2023年6月14日付及び2023年7月25日付で事後交付型譲渡制限付株式報酬及び業績連動型株式報酬制度に基づく自己株式の処分を行いました。この処分により自己株式は、前連結会計年度において554,030株減少しました。

 当該処分の影響として、自己株式が1,233百万円減少しています。

 

(自己株式の取得)

 当社は、2023年5月12日及び2023年11月9日開催の取締役会において、会社法第459条第1項及び当社定款第32条の規定に基づき、自己株式を取得すること及びその具体的な取得方法について決議し、自己株式の取得を以下のとおり実施しました。

 

(1)2023年5月12日開催の取締役会における決議内容

  1. 取得対象株式の種類    当社普通株式

  2. 取得しうる株式の総数   55,000,000 株(上限)

  3. 株式の取得価額の総額   100,000百万円(上限)

  4. 取得期間         2023年5月15日~2024年1月31日

  5. 取得方法         取引一任契約に基づく東京証券取引所における市場買付

 

(2)上記取締役会決議に基づき取得した自己株式

  1.取得した株式の総数    51,032,000株

  2.株式の取得価額の総額   100,000百万円

  3.取得期間         2023年5月15日~2023年11月8日(受渡ベース)

 

(3)2023年11月9日開催の取締役会における決議内容

  1. 取得対象株式の種類    当社普通株式

  2. 取得しうる株式の総数   53,000,000 株(上限)

  3. 株式の取得価額の総額   80,000 百万円(上限)

  4. 取得期間         2023年11月10日~2024年3月31日

  5. 取得方法         取引一任契約に基づく東京証券取引所における市場買付

 

(4)上記取締役会決議に基づき取得した自己株式

  1.取得した株式の総数    37,446,500株

  2.株式の取得価額の総額   80,000百万円

  3.取得期間         2023年11月10日~2024年3月26日(受渡ベース)

 

(非支配持分との資本取引)

 当社グループは、2023年8月4日付で、オリンパステルモバイオマテリアル株式会社(以下、OTB)の全株式を取得し、当社グループのOTBに対する持分比率が66.6%から100%に上昇したことにより、OTBは当社グループの完全子会社になりました。この結果、前連結会計年度において、非支配持分が1,329百万円、資本剰余金が1,592百万円減少しました。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

(自己株式の消却)

 当社は、2023年11月9日開催の取締役会決議に基づき、2024年4月30日付で自己株式の消却を行いました。この消却により自己株式は、当連結会計年度において37,446,500株減少しました。当該消却の影響として、自己株式が77,161百万円減少し(資本におけるマイナス表示額の縮小)、資本剰余金についても77,161百万円減少しています。

 なお、上記消却の金額は資本剰余金の中のその他資本剰余金から減額していますが、その他資本剰余金を上回る金額については利益剰余金より減額しています。

 

 当社は、2024年5月10日開催の取締役会決議に基づき、2025年1月31日付で自己株式の消却を行いました。この消却により自己株式は、当連結会計年度において38,583,900株減少しました。当該消却の影響として、自己株式が95,338百万円減少し(資本におけるマイナス表示額の縮小)、資本剰余金についても95,338百万円減少しています。

 なお、上記消却の金額は資本剰余金の中のその他資本剰余金から減額していますが、その他資本剰余金を上回る金額については利益剰余金より減額しています。

 

(自己株式の処分)

 当社は、2024年6月10日付及び2024年7月24日付で事後交付型譲渡制限付株式報酬及び業績連動型株式報酬制度に基づく自己株式の処分などを行いました。これらの処分により自己株式は、当連結会計年度において692,833株減少しました。当該処分の影響として、自己株式が1,425百万円減少しています。

 

(自己株式の取得)

 当社は、2024年5月10日開催の取締役会において、会社法第459条第1項及び当社定款第32条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項を決議するとともに、会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却することを決議しました。また当連結会計年度における自己株式の取得を以下のとおり実施しました。

 

(1)2024年5月10日開催の取締役会における決議内容

  1. 取得対象株式の種類    当社普通株式

  2. 取得しうる株式の総数   60,000,000株(上限)

  3. 株式の取得価額の総額   100,000百万円(上限)

  4. 取得期間         2024年5月13日~2024年12月31日

  5. 取得方法         取引一任契約に基づく東京証券取引所における市場買付

 

(2)上記取締役会決議に基づき取得した自己株式

  1.取得した株式の総数    38,583,900株

  2.株式の取得価額の総額   100,000百万円

  3.取得期間         2024年5月13日~2024年11月19日

 

13.配当金

 配当金の支払額は以下の通りです。

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

決議日

株式の種類

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

基準日

効力発生日

2023年5月12日

取締役会

普通株式

20,057

16

2023年3月31日

2023年6月6日

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

決議日

株式の種類

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

基準日

効力発生日

2024年5月10日

取締役会

普通株式

20,981

18

2024年3月31日

2024年6月5日

 

14.売上高

 当社グループは、内視鏡事業、治療機器事業、及びその他事業を基本にして組織が構成されていましたが、第1四半期連結会計期間より、内視鏡事業及び治療機器事業を基本にした組織構成に変更しています。

 当社は、PTCJ-6Oホールディングス株式会社及びPTCJ-6Fホールディングス株式会社(ポラリス・キャピタル・グループ株式会社が設立した特別目的会社で以下、「ポラリス・キャピタル・グループ」と総称します)に対して、オリンパステルモバイオマテリアル株式会社およびFH Ortho SAS社(以下、「FHOグループ」)から構成される整形外科事業を譲渡することについて、ポラリス・キャピタル・グループとの間でプット・オプション契約を締結し、当該契約に基づき、2024年7月12日に譲渡を完了しました。

 この譲渡の結果、従来の「その他事業」に関して財務情報として金額的な重要性が低下するため、上記の通り組織構成の変更を行っています。

 内視鏡事業及び治療機器事業については、事業毎に分離された財務情報が入手可能であり、経営資源の配分の決定及び業績の評価を行うために、定期的に報告を行う単位となっていることから、これらの事業で計上する収益を売上高として表示しています。また、売上高は顧客の所在地に基づき地域別に分解しています。これらの分解した売上高と各報告セグメントの売上高との関連は以下の通りです。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

 

内視鏡

治療機器

その他

日本

71,892

44,495

914

117,301

北米

216,565

134,666

18

351,249

欧州

145,931

90,714

125

236,770

中国

74,950

30,748

637

106,335

アジア・オセアニア

58,979

28,897

110

87,986

その他

18,300

7,811

26,111

合計

586,617

337,331

1,804

925,752

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

(単位:百万円)

 

 

内視鏡

治療機器

その他

日本

70,462

39,650

417

110,529

北米

258,214

155,600

82

413,896

欧州

157,041

97,579

254,620

中国

67,926

27,797

15

95,738

アジア・オセアニア

62,048

31,643

16

93,707

その他

20,453

8,389

28,842

合計

636,144

360,658

530

997,332

 

 内視鏡事業においては、消化器内視鏡、外科内視鏡などの医療機器の販売並びにリース及び修理などの医療サービスを行っており、国内外の医療機関を主な顧客としています。

 治療機器事業においては、消化器科処置具、泌尿器科製品、呼吸器科製品、エネルギーデバイス並びに耳鼻咽喉科製品及び婦人科製品などの医療機器の販売を行っており、国内外の医療機関を主な顧客としています。
 その他には、新規事業に関する研究開発や探索活動などの報告セグメントに含まれない事業セグメントに関連する売上高が含まれています。

 これらの製品の販売等にかかる収益については、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同一の会計方針に従って会計処理を行っています。

 

15.その他の収益及びその他の費用

(1) その他の収益

 その他の収益のうち主なものは、以下の通りです。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 重要な取引はありません。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

(連結子会社の訴訟に関連する引当金の戻入)

 当社の連結子会社であるOlympus (Shenzhen) Industrial Ltd.と深圳市安平泰投资发展有限公司との間で控訴審を終結させる旨の裁判上の和解が成立したことに伴い、訴訟等に係る損失に備えるため過去に見積もり計上した引当金の戻入額874百万円を「その他の収益」に計上しています。

 

(固定資産の返還に対する補償金)

 当社の連結子会社であるOlympus (Shenzhen) Industrial Ltd.が中国・深圳市に保有する土地使用権及び建物を深圳市政府へ返還したことに伴う補償金1,170百万円を「その他の収益」に計上しています。

 

(2)その他の費用

 その他の費用のうち主なものは、以下の通りです。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(品質関連費用)

 各国当局の医療機器に対する品質法規制を遵守し、品質保証機能を強化する目的で、コンプレイント対応、医療機器報告(MDR)、プロセスおよび設計の検証等の改善活動費用23,041百万円を「その他の費用」に計上しています。

 

(Veran Medical Technologies,Inc. 製品の製造・販売終了に関する損失)

 Veran Medical Technologies,Inc.の電磁ナビゲーションシステムの製造・販売終了に関する損失51,886百万円(棚卸資産評価損2,337百万円、固定資産の減損損失41,704百万円 (注)、製品の自主回収に伴う費用等7,846百万円)を「その他の費用」に計上しています。

(注)固定資産の減損損失の内容については、注記「9.非金融資産の減損」に記載のとおりです。

 

 

(減損損失)

 内視鏡事業における開発資産及び仕掛中の研究開発について、市場環境の変化等の影響により取得時に想定していた収益を見込めなくなったことから回収可能価額まで減額し、減損損失をそれぞれ6,002百万円、4,565百万円認識し、「その他の費用」に計上しています。また、治療機器事業における開発資産について、市場環境の変化等の影響により取得時に想定していた収益を見込めなくなったことから回収可能価額まで減額し、減損損失を2,346百万円認識し、「その他の費用」に計上しています。

 

(社外転進支援制度の実施)

 当社および当社グループ会社が実施した社外転進支援制度による特別支援金の支給や再就職の支援において発生する費用として、5,851百万円を「その他の費用」に計上しています。

 

(株式取得契約の締結と同契約の解除)

 当社は、2024年3月7日付で、韓国の医療機器メーカーTaewoong Medical Co., Ltd.の元株主との合意に基づき、2023年2月24日に締結した株式取得契約を解除しました。株式取得契約の締結及び同契約の解除に関連する費用として、1,966百万円を「その他の費用」に計上しています。

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

(品質関連費用)

 各国当局の医療機器に対する品質法規制を遵守し、品質保証機能を強化する目的で、コンプレイント対応、医療機器報告(MDR)、プロセスおよび設計の検証等の改善活動費用19,350百万円を「その他の費用」に計上しています。

 

(社外転進支援制度の実施)

 当社および当社グループ会社が実施した社外転進支援制度による特別支援金の支給や再就職の支援において発生する費用として、2,865百万円を「その他の費用」に計上しています。

 

(減損損失)

 内視鏡事業及び治療機器事業における開発資産について、市場環境の変化等の影響により取得時に想定していた収益を見込めなくなったことから回収可能価額まで減額し、減損損失をそれぞれ2,110百万円、448百万円認識し、「その他の費用」に計上しています。

 

16.1株当たり情報

(1)基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

基本的1株当たり当期利益(円)

 

 

 継続事業

28.60

102.94

 非継続事業

171.31

0.05

 基本的1株当たり当期利益

199.91

102.99

希薄化後1株当たり当期利益(円)

 

 

 継続事業

28.53

102.75

 非継続事業

170.91

0.05

 希薄化後1株当たり当期利益

199.44

102.80

 

 

(2)基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎

 

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり

当期利益の計算に使用する当期利益

親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)

242,566

117,855

親会社の普通株主に帰属しない当期利益(百万円)

基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円)

242,566

117,855

継続事業

34,702

117,800

非継続事業

207,864

55

当期利益調整額(百万円)

希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円)

242,566

117,855

継続事業

34,702

117,800

非継続事業

207,864

55

 

 

 

基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり

当期利益の計算に使用する普通株式の加重平均株式数

普通株式の加重平均株式数(千株)

1,213,402

1,144,343

普通株式増加数

 

 

ストックオプションによる新株予約権(千株)

291

263

業績連動型株式報酬による普通株式(千株)

1,927

970

事後交付型譲渡制限付株式報酬による普通株式(千株)

621

849

希薄化後の普通株式の期中平均株式数(千株)

1,216,241

1,146,425

 

 

17.キャッシュ・フロー情報

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(科学事業の譲渡)

(ⅰ)取引の概要

 当社は、科学事業を行っている当社の連結子会社である株式会社エビデント(以下、エビデント)の全株式をベインキャピタルが投資助言を行う投資ファンドが間接的に株式を保有する特別目的会社である株式会社BCJ-66へ譲渡する契約を2022年8月29日に締結し、2023年4月3日をもって譲渡手続きを完了しました。この結果、当社は同日付を以てエビデントに対する支配を喪失しました。

 

(ⅱ)支配の喪失を伴う資産及び負債

 

(単位:百万円)

 

金額

流動資産

118,936

非流動資産

50,119

資産合計

169,055

流動負債

30,657

非流動負債

12,497

負債合計

43,154

 

 

(ⅲ)支配の喪失に伴うキャッシュ・フロー

 

(単位:百万円)

 

金額

支配喪失の対価として受け取った現金及び現金同等物

418,166

事業譲渡に関連する費用

△2,892

支配を喪失した子会社における現金及び現金同等物

△36,183

科学事業の譲渡による収入(注)

379,091

(注)科学事業の譲渡による収入は、連結キャッシュ・フロー計算書において投資活動によるキャッシュ・フローに含まれています。

 

(ⅳ)支配の喪失に伴う損益

 エビデントに対する支配の喪失に伴って認識した譲渡益は349,037百万円であり、連結損益計算書上、「非継続事業からの当期利益」に含めています。

 

 

 

(Gyrus Medical Limitedの譲渡)

(ⅰ)取引の概要

 当社は、当社の連結子会社であるGyrus Medical Limited(以下、GML)の全株式をATL TECHNOLOGY UK HOLDINGS LIMITEDへ譲渡する契約を2023年4月21日付で締結しました。

 当株式譲渡契約に基づく株式の譲渡は、同日完了し当社はGMLに対する支配を喪失しました。

 

 

(ⅱ)支配の喪失を伴う資産及び負債

 

(単位:百万円)

 

金額

流動資産

2,226

非流動資産

1,285

資産合計

3,511

流動負債

688

非流動負債

17

負債合計

705

 

 

(ⅲ)支配の喪失に伴うキャッシュ・フロー

 

(単位:百万円)

 

金額

支配喪失の対価として受け取った現金及び現金同等物

4,429

支配を喪失した子会社における現金及び現金同等物

△0

子会社の売却による収入(注)

4,429

(注)子会社の売却による収入は、連結キャッシュ・フロー計算書において投資活動によるキャッシュ・フローに含まれています。

 

(ⅳ)支配の喪失に伴う損益

 GMLに対する支配の喪失に伴って認識した譲渡益は115百万円であり、連結損益計算書上、「その他の収益」に含めています。

 

(コラーゲン事業及び歯科用商品販売事業の譲渡)

(ⅰ)取引の概要

 当社の連結子会社であるオリンパステルモバイオマテリアル株式会社は、2023年3月28日付で株式会社ジーシーとの間で当社グループの「その他事業」に含まれるコラーゲン製品の開発・製造・販売事業及び歯科用商品販売事業の譲渡に関する会社分割契約を締結しています。当該契約に基づき、2023年7月3日に当該事業の譲渡を完了しています。この結果、当社は同日付を以てコラーゲン事業及び歯科用商品販売事業に対する支配を喪失しました。

 

 

(ⅱ)支配の喪失を伴う資産及び負債

 

(単位:百万円)

 

金額

流動資産

158

非流動資産

399

資産合計

557

流動負債

28

非流動負債

-

負債合計

28

 

 

(ⅲ)支配の喪失に伴うキャッシュ・フロー

 

(単位:百万円)

 

金額

支配喪失の対価として受け取った現金及び現金同等物

1,769

事業譲渡に関連する費用

△113

コラーゲン事業及び歯科用商品販売事業の譲渡による収入(注)

1,656

(注)コラーゲン事業及び歯科用商品販売事業の譲渡による収入は、連結キャッシュ・フロー計算書において投資活動によるキャッシュ・フローに含まれています。

 

(ⅳ)支配の喪失に伴う損益

 コラーゲン事業及び歯科用商品販売事業に対する支配の喪失に伴って認識した譲渡益は1,127百万円であり、連結損益計算書上、「非継続事業からの当期利益」に含めています。

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

(整形外科事業の譲渡)

(ⅰ)取引の概要

 当社は、PTCJ-6Oホールディングス株式会社及びPTCJ-6Fホールディングス株式会社(ポラリス・キャピタ

ル・グループ株式会社が設立した特別目的会社で以下、「ポラリス・キャピタル・グループ」と総称します)

に対して、オリンパステルモバイオマテリアル株式会社およびFH Ortho SAS社(以下、「FHOグループ」)か

ら構成される整形外科事業を譲渡することについて、ポラリス・キャピタル・グループとの間でプット・オプ

ション契約を締結しました。当該契約に基づき、2024年7月12日に本事業譲渡を完了しています。この結果、

当社は同日付を以て整形外科事業に対する支配を喪失しました。

 

 

(ⅱ)支配の喪失を伴う資産及び負債

 

(単位:百万円)

 

金額

流動資産

10,122

非流動資産

2,358

資産合計

12,480

流動負債

2,937

非流動負債

1,093

負債合計

4,030

 

 

(ⅲ)支配の喪失に伴うキャッシュ・フロー

 

(単位:百万円)

 

金額

支配喪失の対価として受け取った現金及び現金同等物

5,634

事業譲渡に関連する費用

△350

支配を喪失した子会社における現金及び現金同等物

△1,554

整形外科事業の譲渡による収入(注)

3,730

(注)整形外科事業の譲渡による収入は、連結キャッシュ・フロー計算書において投資活動によるキャッシュ・フローに含まれています。

 

(ⅳ)支配の喪失に伴う損益

 整形外科事業に対する支配の喪失に伴って認識した譲渡益は435百万円であり、連結損益計算書上、「非継続事業からの当期利益」に含めています。

18.金融商品

金融商品の公正価値

 公正価値の測定レベルは、測定に用いた評価技法へのインプットの観察可能性に応じて以下の3つに区分しています。

レベル1:同一の資産又は負債に関する活発な市場における(無調整の)市場価格により測定された公正価値

レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算定された公正価値

レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプットを含む評価技法から算定された公正価値

金融商品のレベル間の振替は、各期末日に発生したものとして認識しています。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル間の振替が行われた重要な金融商品はありません。

 

(1)公正価値で測定される金融商品

 公正価値で測定される主な金融商品の測定方法は以下の通りです。

(その他の金融資産、その他の金融負債)

 上場株式はレベル1に区分し、各期末の市場価格によって測定しています。

 非上場株式等はレベル3に区分し、類似公開会社比較法等の評価技法を用いて測定しています。

 デリバティブ資産・負債はレベル2に区分し、通貨デリバティブは先物為替相場、金利デリバティブは市場金利や信用リスク、満期までの期間等の観察可能なデータに基づいて、それぞれ測定しています。

 企業結合等により生じた条件付対価の公正価値は、レベル3に区分し、将来の支払い可能性を見積り測定しています。

 

公正価値で測定される主な金融商品の、公正価値の測定レベル別の内訳は以下の通りです。

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

金融資産

 

 

 

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

デリバティブ資産

14,358

14,358

株式等

704

704

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

株式等

538

7,014

7,552

金融負債

 

 

 

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

 

 

 

 

デリバティブ負債

2,483

2,483

条件付対価

7,119

7,119

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

(単位:百万円)

 

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

金融資産

 

 

 

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

デリバティブ資産

16,731

16,731

株式等

828

828

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

株式等

424

15,159

15,583

金融負債

 

 

 

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

 

 

 

 

デリバティブ負債

1,007

1,007

条件付対価

1,689

1,689

 

レベル3に区分された金融資産の増減は以下の通りです。

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

期首残高

7,368

7,718

利得及び損失(注)

 

 

純損益

△18

95

その他の包括利益

△106

53

購入

325

8,587

売却

△405

その他

554

△466

期末残高

7,718

15,987

(注) 純損益に認識した利得又は損失は、主に連結損益計算書上の「金融収益」又は「金融費用」に表示しており、その他の包括利益に認識した利得又は損失は、連結包括利益計算書上の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に表示しています。

 純損益に認識した利得又は損失合計の内、各連結会計年度末において保有する金融商品に係るものは、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ△71百万円及び95百万円です。

 

レベル3に区分された金融負債の増減は以下の通りです。

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

期首残高

8,226

7,119

決済

△3,421

△6,000

公正価値の変動

1,400

564

その他

914

6

期末残高

7,119

1,689

 

 

(2)償却原価で測定される金融商品

 償却原価で測定される主な金融商品の公正価値の測定方法は以下の通りです。なお、これらの金融商品は主としてレベル2に区分しています。

(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務)

 短期間で決済されるものについては、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によって測定しています。

 リース債権は、一定の期間ごとに区分した債権毎に、債権の額を満期までの期間及び信用リスクを加味した利率により割引いた現在価値に基づいて測定しています。

(その他の金融資産、その他の金融負債)

 短期間で決済されるものについては、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によって測定しています。

(社債及び借入金)

 固定金利による社債及び借入金は、将来キャッシュ・フローを同様の社債の発行や新規借入を行った場合に想定される利率で割引いて測定しています。

 変動金利による借入金は、短期間で市場金利を反映し、また、信用状態は実行後大きく異なっていないため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によって測定しています。

 なお、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーは、短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によって測定しています。

 

 償却原価で測定される主な金融商品の帳簿価額と公正価値は以下の通りです。なお、帳簿価額と公正価値がほぼ等しい金融商品は下表に含めていません。

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

帳簿価額

公正価値

帳簿価額

公正価値

金融資産

 

 

 

 

リース債権

86,238

86,085

105,382

105,176

金融負債

 

 

 

 

社債

145,250

139,324

124,484

120,093

借入金

94,372

94,225

94,611

93,145

 

19.非継続事業

(1)科学事業

 当社は、2022年8月29日付で、ベインキャピタルが投資助言を行う投資ファンドが間接的に株式を保有する特別目的会社である株式会社BCJ-66と、当社の科学事業の譲渡に関する株式譲渡契約を締結しました。これに伴い、科学事業に関わる損益を非継続事業に分類しています。なお、科学事業を行っているエビデント株式の譲渡は、2023年4月3日に完了しています。詳細は、注記「17.キャッシュ・フロー情報」に記載のとおりです。

 

①非継続事業の損益

 非継続事業の損益は、以下の通りです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

売上高

-

-

売上原価

-

-

売上総利益

-

-

販売費及び一般管理費

244

-

持分法による投資損益

-

-

その他の収益(注1)

349,151

-

その他の費用(注2)

631

-

営業利益

348,276

-

金融収益

-

-

金融費用

-

-

税引前利益

348,276

-

法人所得税費用(注3)

132,320

-

非継続事業からの当期利益

215,956

-

 

(注1) その他の収益には、科学事業の譲渡益が、前連結会計年度において349,037百万円含まれています。

 

(注2) その他の費用には、科学事業の分社化及びその経営体制の強化に係る費用が、前連結会計年度において161百万円含まれています。

 

(注3) 前連結会計年度の法人所得税費用には、科学事業の譲渡益に関連する税金費用120,313百万円が含まれています。

 

②非継続事業のキャッシュ・フロー

 非継続事業のキャッシュ・フローは、以下の通りです。

(単位:百万円)

非継続事業のキャッシュ・フロー

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー(純額)

△57,569

-

投資活動によるキャッシュ・フロー(純額)

431,091

-

財務活動によるキャッシュ・フロー(純額)

-

-

 

(注) 投資活動によるキャッシュ・フロー(純額)には、前連結会計年度において、科学事業の譲渡による収入379,091百万円及び株式会社エビデントからの貸付金の回収による収入52,000百万円が含まれています。

 

 

(2)整形外科事業

 当社は、PTCJ-6Oホールディングス株式会社及びPTCJ-6Fホールディングス株式会社(ポラリス・キャピタ

ル・グループ株式会社が設立した特別目的会社で以下、「ポラリス・キャピタル・グループ」と総称します)

に対して、オリンパステルモバイオマテリアル株式会社およびFH Ortho SAS社(以下、「FHOグループ」)か

ら構成される整形外科事業を譲渡することについて、ポラリス・キャピタル・グループとの間でプット・オプ

ション契約を締結し、当該契約に基づき、2024年7月12日に譲渡を完了しました。

 これに伴い、第1四半期連結会計期間より、整形外科事業に関わる損益を非継続事業に分類しており、前

連結会計年度についても同様の形で表示しています。

 

①非継続事業の損益

 非継続事業の損益は、以下の通りです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

売上高

10,458

2,929

売上原価

3,767

987

売上総利益

6,691

1,942

販売費及び一般管理費

6,473

1,908

持分法による投資損益

-

-

その他の収益

1,234

436

その他の費用

9,241

428

営業利益(△は損失)

△7,789

42

金融収益

42

22

金融費用

10

3

税引前利益(△は損失)

△7,757

61

法人所得税費用

335

6

非継続事業からの当期利益(△は損失)

△8,092

55

 

 

 

②非継続事業のキャッシュ・フロー

 非継続事業のキャッシュ・フローは、以下の通りです。

(単位:百万円)

非継続事業のキャッシュ・フロー

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー(純額)

△155

△467

投資活動によるキャッシュ・フロー(純額)(注)

427

6,551

財務活動によるキャッシュ・フロー(純額)

△3,268

△43

 

(注) 投資活動によるキャッシュ・フロー(純額)には、当連結会計年度において、整形外科事業の譲渡による収入3,730百万円及びオリンパステルモバイオマテリアル株式会社からの貸付金の回収による収入3,101百万円が含まれています。

 

20.企業結合

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(暫定的な金額の修正)

 2023年3月期において発生した下記の企業結合について、前連結会計年度において暫定的な金額の修正を 行っています。これに伴い、連結財政状態計算書の2023年3月期末の数値の遡及的な修正を行っています。

 

(Odin Medical Ltd.の取得)

 現金を対価とする株式取得により、Odin Medical Ltd.は2022年12月19日付で当社の連結子会社となっています。

 前連結会計年度において、当該企業結合における取得日現在の取得資産及び引受負債の公正価値の測定に関 して、一部の取得資産及び引受負債の公正価値を修正しています。なお、当該企業結合については、前連結会 計年度において取得資産、引受負債及びのれんの当初の測定が完了しています。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2023年3月期末の

暫定的な公正価値

その後の修正

修正後の公正価値

支払対価の公正価値

 

 

 

 現金

3,982

-

3,982

 条件付対価

4,095

-

4,095

合計

8,077

-

8,077

 

 

 

 

取得資産及び引受負債の公正価値

 

 

 

 現金及び現金同等物

148

-

148

 その他の流動資産

1

-

1

 有形固定資産

3

-

3

 無形資産

2,434

1,521

3,955

 営業債務及びその他の債務

△28

-

△28

 その他の流動負債

△99

-

△99

 繰延税金負債

△606

△380

△986

 その他の非流動負債

△74

-

△74

取得資産及び引受負債の公正価値(純額)

1,779

1,141

2,920

のれん

6,298

△1,141

5,157

合計

8,077

-

8,077

 

 この修正に伴い、前連結会計年度の連結財政状態計算書において、無形資産及び繰延税金負債が、それぞれ1,574百万円及び393百万円増加し、のれんが1,181百万円減少しています。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

(Sur Medical SpA社の取得)

(1)企業結合の概要

① 被取得企業の名称及びその事業の内容

被取得企業の名称  Sur Medical SpA社(以下、Surmedical社)

事業の内容     医療機器の販売

② 企業結合を行った主な理由

 Surmedical社は10年以上にわたり、チリでのオリンパスのパートナーとして、当社の消化器分野におけるリーダーシップの確立に貢献しました。また、オリンパスの内視鏡処置具市場におけるプレゼンスや、信頼性のある医療機器の修理サービスを構築してきました。

 Surmedical社のオリンパス製品の販売事業を買収することで、当社は今後チリにおける自社製品の販売と事業戦略を直接展開し、業務効率化とカスタマーサービスを強化していきます。

③ 取得した議決権付資本持分の割合

100%

④ 取得日

2025年1月14日

⑤ 被取得企業の支配を獲得した方法

 現金を対価とする株式取得

 

(2)取得関連費用

 取得関連費用として105百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しています。

 

(3)取得日における支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値

 

(単位:百万円)

 

金額

支払対価の公正価値

 

 現金等

4,541

合計

4,541

 

 

取得資産及び引受負債の公正価値

 

 現金及び現金同等物

16

 営業債権及びその他の債権

701

 棚卸資産

513

 その他の流動資産

319

 有形固定資産

247

 無形資産(のれん除く)

1,732

 営業債務及びその他の債務

△44

 その他の流動負債

△337

 繰延税金負債

△9

取得資産及び引受負債の公正価値(純額)

3,138

のれん

1,403

合計

4,541

 

 支払対価は、取得日における公正価値を基礎として、取得した資産及び引き受けた負債に配分しています。 なお、これらの配分は完了していないため、上記金額は現時点での最善の見積りによる暫定的な公正価値であ り、取得日時点で存在していた事実や状況に関する追加的な情報が得られ評価される場合は、取得日から1年 間は上記金額を修正することがあります。

 

 のれんの内容は、主に、期待される将来の超過収益力の合理的な見積りにより発生したものです。なお、当

該のれんについて税務上、損金算入を見込んでいる金額はありません。

 

(4)当社グループに与える影響

 当該企業結合に係る取得日以降の損益情報及び当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の損益情報は、連結損益計算書に与える影響額に重要性が乏しいため、記載を省略しています。

 

 

21.後発事象

(報告セグメントの変更)

当社グループは、2026年3月期より従来の内視鏡事業、治療機器事業を消化器内視鏡ソリューション事業、サージカルインターベンション事業に再編成しています。

この組織再編に合わせて報告セグメントについても従来の「内視鏡事業」、「治療機器事業」から「消化器内視鏡ソリューション事業」、「サージカルインターベンション事業」に変更するとともに、かねてより進めてきた事業ポートフォリオの選択と集中、医療事業への特化により全社共通機能の役割も変化したことから、共通費用の配賦方法を見直し、当該機能から事業部門に対して基礎研究等の費用を新たに配賦しております。なお、当社が開示する変更後の報告セグメントに係る財務情報については、現時点では確定したものではありません。

 

(自己株式の取得及び消却)

当社は、2025年5月13日開催の取締役会において、会社法第459条第1項及び当社定款第32条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項を決議するとともに、会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却することを決議しました。

 

(1)自己株式の取得及び消却を行う理由

株主還元の強化および資本効率の向上を図るため

 

(2)取得に係る事項の内容

1. 取得対象株式の種類    当社普通株式

2. 取得しうる株式の総数   36,000,000株(上限)

(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 3.19%)

3. 株式の取得価額の総額   50,000百万円(上限)

4. 取得期間         2025年7月28日~2025年10月31日

5. 取得方法         取引一任契約に基づく東京証券取引所における市場買付

 

(3)消却に係る事項の内容

1. 消却対象株式の種類    当社普通株式

2. 消却する株式の総数    上記(2)により取得する自己株式のうち、今後株式報酬等として充当を見込む株数(3,000,000株)を除いた全株式数

3. 消却予定日        2025年11月28日