1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況 ………………………………………………………………………… P. 2
(2)当期の財政状態の概況 ………………………………………………………………………… P. 6
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 …………………………………………………………… P. 6
(4)今後の見通し …………………………………………………………………………………… P. 7
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ………………………………………………………… P. 7
3.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 …………………………………………………… P. 8
(2)連結財政状態計算書 …………………………………………………………………………… P.10
(3)連結持分変動計算書 …………………………………………………………………………… P.12
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 ……………………………………………………………… P.14
(5)連結財務諸表に関する注記事項 ……………………………………………………………… P.16
(適用される財務報告の枠組み) …………………………………………………………… P.16
(継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………… P.16
(セグメント情報) …………………………………………………………………………… P.17
(1株当り情報) ……………………………………………………………………………… P.21
(企業結合) …………………………………………………………………………………… P.22
(追加情報) …………………………………………………………………………………… P.23
(重要な後発事象) …………………………………………………………………………… P.25
(補足資料)経営指標推移
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日:以下同じ)における世界経済は、米国においては良好な雇用環境が個人消費を下支えしたことにより底堅い成長が続き、欧州においてはインフレの鎮静化や金融政策を背景に持ち直しの動きがみられ、日本においては設備投資の増加やインバウンド需要の拡大に伴い緩やかに回復した一方で、中国においては不動産市場の低迷等による成長の鈍化がみられる等、地域や業種により濃淡のある状況が継続しました。
このような状況下、当社グループの売上収益は、前連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日:以下同じ)に比べ202億円増(+0.5%)の4兆4,074億円となりました。利益面では、コア営業利益は同903億円増(+43.4%)の2,984億円、営業利益は同651億円減(△24.9%)の1,967億円、税引前利益は同898億円減(△37.4%)の1,507億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同746億円減(△62.4%)の450億円となりました。
当連結会計年度のセグメント別の業績の概要は次のとおりです。なお、当社グループは当連結会計年度の期首より報告セグメントを見直しております。また、第3四半期連結会計期間より報告セグメントの記載順序を変更しております。詳細は「3.(5)連結財務諸表に関する注記事項(セグメント情報)」をご覧ください。
また、セグメント損益は、営業利益(又は損失)から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出したコア営業利益で表示しております。
【スペシャリティマテリアルズセグメント】
売上収益は前連結会計年度に比べ375億円増加し1兆813億円となり、コア営業利益は同177億円増加し251億円となりました。
アドバンストフィルムズ&ポリマーズサブセグメントにおいては、事業譲渡及び撤退に伴う影響等があったものの、為替影響に加え、ディスプレイ用途やバリア包材用途等の需要が緩やかに回復したことによる販売数量の増加や、各種製品の販売価格の維持・向上等により、売上収益は増加しました。
アドバンストソリューションズサブセグメントにおいては、為替影響に加え、半導体やディスプレイ用途等の需要が増加したことによる販売数量の増加があったものの、EV用途の欧米における販売数量の減少や、一部事業における販売価格の低下等により、売上収益は減少しました。
アドバンストコンポジット&シェイプスサブセグメントにおいては、C.P.C. S.r.l.の完全子会社化の影響及び高機能エンジニアリングプラスチックの需要が回復したことによる販売数量の増加や為替影響により、売上収益は増加しました。
当セグメントのコア営業利益は、ジェレスト社の生産設備・無形資産を減損したことによる影響があったものの、ディスプレイ、半導体、バリア包材用途等の需要が回復したことによる販売数量の増加や各種製品の販売価格の維持・向上等による売買差の改善等により、増加しました。
当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。
・半導体デバイスの微細化に伴うArF用及びEUV用フォトレジストの需要拡大に対応するとともにサプライチェーンの強靭化を図るため、九州事業所 福岡地区において、フォトレジスト用感光性ポリマー「リソマックス™」の生産能力を増強することを決定しました。ArFフォトレジスト用「リソマックス™」の生産能力を2倍以上に増強するとともに、EUVフォトレジスト用「リソマックス™」の量産を新たに開始します。稼働時期は、ArFフォトレジスト用「リソマックス™」は2025年10月、EUVフォトレジスト用「リソマックス™」は2025年9月を予定しています。
・事業ポートフォリオ改革の一環として、トリアセテート繊維事業を株式会社GSIクレオス(本社:東京都港区)へ譲渡することで同社と合意し、株式譲渡契約を2024年9月に締結し、2025年3月に譲渡を完了しました。
・半導体市場の拡大に伴い、半導体の製造工程に使用される超純水製造用のイオン交換樹脂について、九州事業所 福岡地区の生産能力を増強することを2024年10月に決定しました。2026年4月の稼働を予定しています。
・液晶ディスプレイの画面サイズの大型化に伴う需要増加と高品質要求に対応するため、偏光板向け光学用ポリビニルアルコール(PVOH)フィルム「OPLフィルム™」の生産設備を、中日本事業所 大垣(神田)地区で増設(生産能力:2,700万㎡/年)することを決定しました。2027年度下期の稼働を予定しており、増設後の合計生産能力は15,400万㎡/年となります。
・半導体市場の拡大に伴い、半導体精密洗浄事業において、福島工場を新設し、岩手工場を増強することを決定しました。いずれも2026年10月の稼働を予定しています。
・半導体市場の拡大に伴い、半導体の製造工程に使用される合成石英粉について、九州事業所 福岡地区の生産能力を+35%増強することを決定しました。2028年9月の稼働を予定しています。
・車載用途リチウムイオン電池向け負極材のサプライチェーンの強化及びカーボンニュートラルに向けた取り組み強化のため、リチウムイオン電池向け負極材について、人造黒鉛系グレードの性能を上回る天然黒鉛系グレードを開発し、香川事業所で生産能力を増強(生産能力:11,000トン/年)することを2024年12月に決定しました。2026年10月の稼働を予定しています。
・事業ポートフォリオ改革の一環として、食品添加物である増粘多糖類の事業から撤退することを決定しました。製造終了は2025年9月末、販売終了は2026年3月末を予定しています。
・SNF Group(本社:フランス)と、機能性高分子材料の原料であるN-ビニルフォルムアミドの製造技術についてライセンス契約を締結しました。当社グループが保有する知的財産を含む無形資産を活用することで、製紙業界や水処理業界をはじめとしたさまざまな業界における環境負荷の低減に貢献していきます。
【MMA&デリバティブズセグメント】
売上収益は前連結会計年度に比べ541億円増加し4,021億円となり、コア営業利益は同298億円増加し353億円となりました。
MMAサブセグメントにおいては、MMAモノマー等の需要の減少があったものの、MMAモノマー等の市況の上昇に加え、為替影響により売上収益は増加しました。
コーティング&アディティブスサブセグメントにおいては、塗料・接着剤・インキ・添加剤用途等の需要が緩やかに回復したことによる販売数量の増加に加え、販売価格の維持・向上により、売上収益は増加しました。
当セグメントのコア営業利益は、MMAモノマー等の市況の上昇による売買差の改善等により、増加しました。
当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。
・米国ルイジアナ州ガイスマーにおいて、当社グループの独自技術である「新エチレン法(アルファ法)」によるMMAモノマープラントの新設を検討しておりましたが、米国テネシー州やその他地域における既存のMMAモノマー製造設備により当面の需要に対応できる見通しであることや、インフレ等により増大した設備投資額に基づく取引先との交渉の結果、本投資計画実行後の長期的な取引に対するコミットメントが得られなかったことなどから、本投資計画の検討中止を2025年1月に決定しました。
・事業ポートフォリオ改革の一環として、三菱ケミカル株式会社小名浜工場及び株式会社新菱いわき工場において、アンモニア及びその誘導品、メタノール等の製品の生産を順次終了することを2025年3月に決定しました。当該工場の製品について、2026年3月以降、2027年3月末までに順次生産終了を予定しています。
【ベーシックマテリアルズ&ポリマーズセグメント】
売上収益は前連結会計年度に比べ1,341億円減少し9,724億円となり、コア営業利益は同98億円増加し156億円の損失となりました。
マテリアルズ&ポリマーズサブセグメントにおいては、為替影響や原料価格の上昇に伴い販売価格が上昇したものの、高純度テレフタル酸事業における特定子会社の株式譲渡の影響や各種製品の需要が減退したことによる販売数量の減少等により、売上収益は減少しました。
炭素サブセグメントにおいては、コークス事業における特定子会社の株式譲渡の影響や需要低迷に伴う販売数量の減少、原料価格の下落等に伴うコークスの販売価格の下落により、売上収益は減少しました。
当セグメントのコア営業利益は、炭素事業を中心に在庫評価損益が悪化したものの、ポリオレフィン等において原料と製品の価格差が拡大したこと等により、改善しました。
当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。
・2024年5月に公表した「西日本におけるエチレン製造設備のカーボンニュートラル実現に向けた3社連携の検討開始」について、これまでの議論の初期的評価を踏まえ、地区を跨ぐ連携においても意義があることを確認できたため、共同事業体の設立を前提に、西日本におけるエチレン製造設備のグリーン化ならびに将来の能力削減も含めた生産体制最適化をさらに深く検討していくことを旭化成株式会社(本社:東京都千代田区)及び三井化学株式会社(本社:東京都中央区)と合意しました。
・香川事業所で有するコークス炉250門を150門に縮小することを2024年8月に決定し、対象となる100門での生産を終了しました。加えて、国内外の販売ポートフォリオの見直しや追加の合理化策等を実施し、市況変動に左右されない事業構造へ転換します。本構造改革に伴い、炭素事業は2026年3月期からの黒字化をめざします。なお、当社グループ全体の事業ポートフォリオにおける同事業の中長期的な位置づけに関しては、本構造改革を着実に推進し引き続き検討してまいります。
・事業ポートフォリオ改革の一環として、コークス及び副産物の製造並びに販売を行う関西熱化学株式会社(本社:兵庫県尼崎市)の当社グループが保有する全株式を、株式会社神戸製鋼所(本社:兵庫県神戸市)に譲渡することを2024年9月に決定し、同年10月に譲渡を完了しました。
【ファーマセグメント】
売上収益は前連結会計年度に比べ231億円増加し4,603億円となり、コア営業利益は同91億円増加し654億円となりました。
国内医療用医薬品で薬価改定の影響や、選定療養制度も含む後発品の浸食拡大等の影響を受けたものの、米国で発売した筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「RADICAVA ORS®」の大幅な伸長、持続性GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ」、沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオヘモフィルスb型混合ワクチン「ゴービック水性懸濁注シリンジ」の順調な立ち上がりにより、売上収益、コア営業利益ともに増加しました。
当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。
・米国食品医薬品局より、米国製品「RADICAVA ORS®」(一般名:エダラボン)のALS(筋萎縮性側索硬化症)治療用途に関して、2022年5月12日の「RADICAVA ORS®」承認から7年間の希少疾病用医薬品排他的承認を2024年3月に受けました。
・田辺三菱製薬株式会社は、グローバル市場で成長する企業をめざし、「成長戦略実行に必要なケイパビリティを持つ人員」の配置、「専門性の高い人材、多様な人材が活躍できる組織」の実現に向けた人材ポートフォリオの見直しを加速させるため、希望退職制度の実施を2024年7月に公表しました。
・パーキンソン病治療薬候補品であるND0612について、米国食品医薬品局(FDA)より審査完了報告通知(Complete Response Letter、以下「CRL」)を受領しておりましたが、CRLで指摘されたND0612の成分の一つであるカルビドパの安全性に関する追加情報の提供や、製品の品質、デバイスおよび製造所の査察に関する追加情報についてFDAと協議し、再申請に向けた対応が確認できたことを受け、米国における開発計画を変更しました。2025年中頃の再申請をめざします。また、欧州医薬品庁(EMA)より販売承認申請を受理した旨の通知を2025年2月に受領しました。
・持続性GIP/GLP-1受容体作動薬「ゼップバウンド®」について、日本イーライリリー株式会社が、肥満症*を効能・効果として、日本における製造販売承認を2024年12月に取得し、2025年4月に販売開始しました。なお、日本における「ゼップバウンド®」の提供については、両社が2型糖尿病治療薬として販売中で同分子の「マンジャロ®」同様、田辺三菱製薬株式会社が流通・販売を行い、日本イーライリリー株式会社と田辺三菱製薬株式会社が共同で情報提供活動を行います。
*ただし、高血圧、脂質異常症又は 2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
・BMIが27 kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・BMIが35 kg/m2以上
・選択的DPP-4阻害剤/SGLT2阻害剤 配合剤「カナリア®配合OD錠」について、口腔内崩壊錠(OD錠)の剤形追加承認を日本において2025年2月に取得しました。
【産業ガスセグメント】
売上収益は前連結会計年度に比べ542億円増加し1兆3,011億円となり、コア営業利益は同231億円増加し1,861億円となりました。
国内の事業再編による影響や米国におけるガス需要軟調に伴う、エアセパレートガス以外の製品における販売数量の減少はあったものの、各地域で推進する価格マネジメントや為替影響等により、売上収益は増加しました。コア営業利益は、売上収益の増加に加え、コスト削減の影響等により増加しました。
当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。
・オーストラリアにおいて、Wesfarmers Chemicals, Energy and Fertilisers社(本社:オーストラリア)のLPG事業を担うWesfarmers Kleenheat Gas Pty Ltd(本社:オーストラリア、以下「Kleenheat社」)のウェスタンオーストラリア州とノーザンテリトリー州のLPG販売事業を取得することについて、Kleenheat社と売買契約書を2024年5月に締結しました。
・エンジニアリング能力を追求・強化するため、プロセス及び分離技術ソリューションにおいて高い専門知識を持つプラントエンジニアリング会社Polaris(本社:イタリア)への投資を2024年10月に合意しました。
・Wesfarmers Limited社(本社:オーストラリア、以下「Wesfarmers」)の傘下であり、オーストラリア及びニュージーランドにて産業ガス事業を展開する、Coregas Pty Ltd(本社:オーストラリア)、Blacksmith Jacks Pty Ltd(本社:オーストラリア)及びCoregas NZ Limited(本社:ニュージーランド)(以下、総称して「Coregas Group」)を買収することにつきWesfarmersと合意に至り、Coregas Groupの全株式の取得に関する契約書を2024年12月に締結しました。2025年半ばの買収完了を予定しています。
・スペインにおける在宅医療・呼吸器事業の強化のため、Corporación Químico-Farmacéutica Esteve(本社:スペイン、以下「CQFE」)及びTeijin Holdings Europe BV(本社:オランダ、以下「Teijin」)と、Esteve Teijin Healthcare(本社:スペイン、以下「ETH」)を買収することにつきCQFE及びTeijinと合意に至り、ETHの全株式の取得に関する契約書を2024年12月に締結いたしました。スペインの国家市場競争委員会による承認を取得し次第、株式取得を完了する予定です。
【その他】
売上収益は前連結会計年度に比べ146億円減少し1,902億円となり、コア営業利益は同2億円減少し134億円となりました。
当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。
・昨今の企業内保険代理店を取り巻く経営環境の変化に鑑み、保険代理店事業を、エーオンジャパン株式会社(本社:東京都千代田区)に譲渡することを2024年11月に決定し、2025年3月に譲渡を完了しました。
・保有資産の適正化を図る観点から、不動産賃貸・管理事業の一部と当該事業に関連する保有不動産を、株式会社日本エスコン(本社:東京都港区)に譲渡することを2024年12月に決定し、2025年4月に譲渡を完了しました。
【グループ全般】
・2035年のありたい姿を描いた経営ビジョン「KAITEKI Vision 35」、及び2025年度から2029年度の5年間を対象とする「新中期経営計画 2029」を策定し、2024年11月に公表しました。
・2024年11月13日に公表した「KAITEKI Vision 35」及び「新中期経営計画 2029」に基づき、ファーマ事業については、同事業の将来成長の実現を可能とするベストパートナーの探索を検討してまいりました。その結果、今後の田辺三菱製薬株式会社の再成長にむけた経営方針が合致したことなど総合的な見地から、同社を、Bain Capital Private Equity, LP(本社:アメリカ)が投資助言を行う投資ファンドが間接的に株式を保有する特別目的会社である株式会社BCJ-94(本社:東京都千代田区)の傘下に異動することを2025年2月に決議しました。定時株主総会での決議や国内外の競争法その他の法令等に基づき必要なクリアランス・許認可等の取得が完了することを前提条件として、2026年3月期第2四半期に異動が完了することを想定しています。
当連結会計年度末の資産合計は、関西熱化学株式会社等の連結子会社の売却もあり、前連結会計年度末に比べ2,099億円減少し、5兆8,946億円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、社債及び借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べ2,190億円減少し、3兆6,100億円となりました。
なお、当連結会計年度末のリース負債を含む有利子負債は、前連結会計年度末に比べ1,597億円減少し、2兆1,785億円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、配当による減少や、在外営業活動体の換算差額の減少等もありましたが、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上や、非支配持分の当期利益の計上もあり、前連結会計年度末に比べ91億円増加し、2兆2,846億円となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べて0.6ポイント増加し、29.5%となりました。なお、ネットD/Eレシオは、前連結会計年度末と比べて0.10減少し、1.06となりました。
(注)上記のネットD/Eレシオは、次の数式により算定しております。
ネットD/Eレシオ=ネット有利子負債÷親会社の所有者に帰属する持分合計
ネット有利子負債=有利子負債-(現金及び現金同等物+手元資金運用額)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益や減価償却費等に加え、運転資本の減少等により、5,528億円の収入(前連結会計年度比877億円の収入の増加)となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や子会社の売却による収入があったものの、有形固定資産及び無形資産の取得3,250億円等により、2,754億円の支出(同293億円の支出の増加)となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フロー)は、2,774億円の収入(同583億円の収入の増加)となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の返済による支出1,829億円や配当金の支払い633億円等により、2,467億円の支出(同50億円の支出の増加)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末と比べて312億円増加し、3,261億円となりました。
当社グループを取り巻く世界経済は、各国の経済対策による下支えがあるものの、米国における通商政策の動向や、中国における不動産不況の長期化、地政学リスクの高まり、金融資本市場の変動の影響など、先行きに対する不透明感が一段と強まる中、下振れリスクに十分留意する必要があります。
このような状況下、翌連結会計年度の連結業績予想につきましては、当社事業のMMAで市況悪化に伴う減益を見込む一方で、各事業での値上げ活動推進等による増益に加え、ベーシックマテリアルズ&ポリマーズの炭素事業においては構造改革等の効果による黒字化を見込むことにより、売上収益は3兆7,400億円、コア営業利益は2,650億円、営業利益は2,020億円、税引前利益は1,650億円、当期利益は2,130億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,450億円を見込みます。
上記の見通しにおける主要指標の想定値は以下のとおりです。
(単位:億円)
(注1)2025年3月期について、ファーマ事業を非継続事業に組替えて表示しております。
(注2)それぞれ、2024年4月~2025年3月、2025年4月~2026年3月の平均
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、資本市場における財務諸表の国際的な比較可能性の向上、及びグループ内での会計処理の統一を目的として、2017年3月期よりIFRSを任意適用しております。
(3)連結持分変動計算書
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
本決算短信で開示している当社グループの連結財務諸表(連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結財政状態計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び注記)は、IFRSで求められる開示項目及び注記の一部を省略しております。
該当事項はありません。
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、最高経営意思決定者が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。なお、報告にあたって事業セグメントの集約は行っておりません。
当社グループは、事業間の連携を更に強化し成長を加速させるための組織改正を2024年4月1日付けで行いました。この組織再編と整合する形で、当連結会計年度の期首より報告セグメント内の事業を組み替え、従来の「スペシャリティマテリアルズ」、「産業ガス」、「ヘルスケア」、「MMA」及び「ベーシックマテリアルズ」の5区分から、「スペシャリティマテリアルズ」、「産業ガス」、「ファーマ」、「MMA&デリバティブズ」及び「ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ」の5区分に変更しました。
また、2024年11月に公表した「新中期経営計画 2029」と整合させ、報告セグメントの記載順序を第3四半期連結会計期間より変更しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法及び記載順序により作成しております。
各報告セグメントの事業内容は、以下のとおりです。
報告セグメントの会計方針は、連結財務諸表に適用している当社グループの会計方針と同一です。なお、セグメント間の取引は、主に市場実勢価格に基づいております。
(2) セグメント収益及び業績
当社グループの報告セグメントによる収益及び業績は、以下のとおりです。当社グループはセグメント損益に基づき、セグメントの業績を評価しております。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、その主なものはエンジニアリング、運送及び倉庫業です。
2 セグメント損益の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社費用△12,392百万円及びセグメント間消去取引△13百万円が含まれております。全社費用は、報告セグメントに帰属しない基礎的試験研究費等です。
また、セグメント資産の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社資産102,138百万円及びセグメント間消去取引等△500,850百万円が含まれております。全社資産は、報告セグメントに帰属しない金融資産等です。
3 セグメント損益は、営業利益(又は損失)から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出したコア営業利益で表示しております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、その主なものはエンジニアリング、運送及び倉庫業です。
2 セグメント損益の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社費用△11,552百万円及びセグメント間消去取引195百万円が含まれております。全社費用は、報告セグメントに帰属しない基礎的試験研究費等です。
また、セグメント資産の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社資産149,448百万円及びセグメント間消去取引等△508,095百万円が含まれております。全社資産は、報告セグメントに帰属しない金融資産等です。
3 セグメント損益は、営業利益(又は損失)から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出したコア営業利益で表示しております。
4 第3四半期連結会計期間より、一部の事業の所管セグメントを見直しております。なお、前連結会計年度のセグメント情報についても、変更後の区分方法により作成しております。
セグメント損益から、税引前利益への調整は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 1 当連結会計年度において、PT Mitsubishi Chemical Indonesiaの株式譲渡に関連して、売却完了時に実現した為替換算調整勘定等による関係会社株式売却益5,578百万円を計上しております。なお、前連結会計年度において、同社の株式譲渡の決定に関連して、減損損失△10,652百万円、事業整理損失引当金繰入額△1,330百万円、特別退職金△323百万円及びその他の関連損失△28百万円を計上しております。
2 当連結会計年度において、Matheson Tri-Gas, Inc.が建設を進めていた水素生産設備について建設計画の中止を決定したことに伴い、減損損失△25,843百万円を計上しております。
3 当連結会計年度において、Mitsubishi Chemical America Inc.におけるMMA モノマープラント新設計画の検討中止を決定したことに伴い、減損損失△12,612百万円、解約違約金△3,323百万円、特別退職金△209百万円及びその他の関連損失△367百万円を計上しております。
4 当連結会計年度において、田辺三菱製薬株式会社の希望退職制度の実施決定に関連して、特別退職金△16,632百万円及びその他の関連損失△304百万円を計上しております。
基本的及び希薄化後1株当り当期利益の算定上の基礎は、以下のとおりです。
(注) 基本的及び希薄化後1株当り当期利益の算定上、役員報酬BIP信託が保有する当社株式を、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
当社グループは、2024年1月10日付で子会社のMitsubishi Chemical Europe GmbHを通じて、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の自動車部材製造販売会社であるC.P.C. S.r.l.の株式を追加取得しました。
前連結会計年度においては、取得資産及び引受負債の公正価値は暫定的な金額となっておりましたが、第1四半期連結会計期間に企業結合当初の会計処理が完了し、下記のとおり確定しております。当該確定に伴う修正額に重要性はありません。
(注) 1 有形固定資産の内訳
有形固定資産の主な内容は、建物及び構築物13,376百万円です。
2 無形資産の内訳
無形資産の主な内容は、顧客に係る無形資産19,554百万円です。
3 のれん
のれんの主な内容は、個別に認識要件を満たさない、取得から生じることが期待される既存事業とのシナジー効果と超過収益力です。また、のれんは、全額税務上損金算入不能なものです。
(追加情報)
(関西熱化学株式会社の株式譲渡)
当社グループは、事業ポートフォリオ改革の一環として、コークス及び副産物の製造並びに販売を行う関西熱化学株式会社の当社グループが保有する全株式を、株式会社神戸製鋼所に譲渡することを2024年9月に決定し、同年10月に譲渡を完了しました。
本譲渡による受取対価と売却による収支の関係、その子会社の支配喪失時の資産及び負債の主な内訳、及び本譲渡に関連する損益は以下のとおりです。
(1) 子会社の売却による収入
(2) 子会社の資産及び負債
(3) 本譲渡に関連する損益
本譲渡の決定に伴い、売却費用控除後の公正価値と帳簿価額の差額について減損損失(その他の営業費用)1,891百万円を計上しております。また、本譲渡と一連の取引である土地に係る取引の完了により関係会社株式売却損(その他の営業費用)1,822百万円を計上しております。
(1) 概要
当社グループは2025年2月の当社の取締役会において、当社の連結子会社である田辺三菱製薬株式会社(以下「MTPC」といいます。)を、Bain Capital Private Equity, LPが投資助言を行う投資ファンドが間接的に株式を保有する特別目的会社である株式会社BCJ-94の傘下に異動すること(以下「本異動」といいます。)を決議し、本異動に係る契約書を締結しました。本異動は当社の定時株主総会での決議や国内外の競争法その他の法令等に基づき必要なクリアランス・許認可等の取得が完了することを前提条件としておりますが、2026年3月期第2四半期に本異動が完了することを想定しております。
(2) 当連結会計年度における影響
当連結会計年度末において、MTPCに対する投資に係る一時差異について、以下の両方の要件を満たす可能性が高いと判断し、繰延税金資産16,626百万円を認識しております。
(a) 当該一時差異が、予測可能な期間内に解消し、かつ
(b) 当該一時差異を活用できる課税所得が生じる。
なお、当連結会計年度末においては当社株主総会において本異動に係る決議が成立していないため、非継続事業に分類するための要件である、「1年以内に売却の可能性が非常に高く、かつ当該資産(又は処分グループ)が現在の状態で直ちに売却可能である場合」に該当しないと判断し、MTPC及び同社の子会社等の事業を非継続事業に分類しておりません。
(オーストラリア子会社による産業ガス事業の取得(子会社化))
当社グループは、オーストラリア子会社であるNSC (Australia) Pty Ltd を通じて、Wesfarmers Limited (以下、「Wesfarmers」)の傘下であり、オーストラリア及びニュージーランドにて産業ガス事業を展開する、Coregas Pty Ltd 、Blacksmith Jacks Pty Ltd 及びCoregas NZ Limited (以下、総称して「Coregas Group」)を買収することにつきWesfarmersと合意に至り、Coregas Groupの全株式の取得に関する契約書を2024年12月に締結いたしました。
本件取引は、今後、外国投資審査委員会(Foreign Investment Review Board (FIRB))及びオーストラリア競争・消費者委員会(Australian Competition and Consumer Commission(ACCC))による承認を取得し次第、株式取得を完了する予定です。
(欧州子会社による在宅医療サービス事業の取得(子会社化))
当社グループは、欧州子会社であるOximesa S.L.U. を通じて、スペインのCorporación Químico-Farmacéutica Esteve(以下「CQFE」)及びTeijin Holdings Europe BV (以下「Teijin」)の合弁会社であり、同国で在宅医療サービス事業を展開する、Esteve Teijin Healthcare, S.L. (以下「ETH」)を買収することにつき、CQFE及びTeijinと合意に至り、ETHの全株式の取得に関する契約書を2024年12月に締結いたしました。
本件取引は、今後、スペインの国家市場競争委員会(Comisión Nacional de los Mercados y de la Competencia)による承認を取得し次第、株式取得を完了する予定です。
当社は、2025年5月13日開催の取締役会において、会社法第459条第1項及び当社定款第40条の規定に基づき自己株式を取得することを決議するとともに、同日開催の執行役会議において、会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却することを決議しました。
当社は、2025年2月7日付適時開示「田辺三菱製薬株式会社及びその子会社の異動に関するお知らせ」にて、当社の連結子会社である田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役:辻村 明広、上野 裕明)を、Bain Capital Private Equity, LP(そのグループを含み、以下「ベインキャピタル」)が投資助言を行う投資ファンドが間接的に株式を保有する特別目的会社である株式会社BCJ-94の傘下に異動すること(以下「本異動」)を公表しました。本異動に際して、当社はベインキャピタルから約5,100億円相当の金銭を対価として受け取る予定です。今般、本異動により得られる資金を活用し、株主還元の強化及び資本効率の向上を図るため、自己株式取得に係る事項を決議いたしました。また、中長期的な株主価値の向上を図るため、取得した自己株式はその全株の消却を実施いたします。
当社普通株式 100,000千株(上限)
総額:50,000百万円(上限)
2025年5月14日~2026年5月13日
立会内取引市場における市場買付により取得
当社普通株式 上記「(2) 自己株式の取得」により取得した自己株式の全数
2026年6月30日