1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当四半期連結累計期間の経営成績の概況 ………………………………………………………………2
(2)当四半期連結会計期間の財政状態の概況 ………………………………………………………………4
(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明 ………………………………………………………4
(4)継続企業の前提に関する重要事象等 ……………………………………………………………………4
2.四半期連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………5
(1)四半期連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………5
(2)四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書 ………………………………………………7
(四半期連結損益計算書) ……………………………………………………………………………………7
(第1四半期連結累計期間) ………………………………………………………………………………7
(四半期連結包括利益計算書) ………………………………………………………………………………8
(第1四半期連結累計期間) ………………………………………………………………………………8
(3)四半期連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………9
(セグメント情報等の注記) …………………………………………………………………………………9
(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) ……………………………………………………9
(継続企業の前提に関する注記) ……………………………………………………………………………9
(キャッシュ・フロー計算書に関する注記) ………………………………………………………………9
(重要な後発事象) ……………………………………………………………………………………………10
1.経営成績等の概況
当第1四半期連結累計期間における当社事業の進捗状況は以下のとおりです。
トレアキシン®点滴静注液100mg/4mL[RTD (Ready-To-Dilute)製剤]については、当第1四半期は、特約店の在庫棚卸、薬価改定に伴う各施設の在庫調整の影響で特約店への販売および各施設への納入は低調でした。更に、特約店在庫の消化が先行したことも重なり、特約店への販売は低調に推移しました。今後も、後発医薬品への切り替えは徐々に進み、売上高は減少していくと見込んでおります。また、新規治療薬の導入が売上高の減少に影響しておりますが、限定的であり、想定内です。一方、ベンダムスチン治療中または治療後のコロナ感染の持続・重症化するリスクを懸念し、ベンダムスチンの処方が控えられている状況は徐々に改善していくとみております。これらのことから、売上高は264,022千円(前年同期比55.8%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、研究開発費として819,369千円(前年同期比18.5%増)を計上し、その他の販売費及び一般管理費との合計では1,371,582千円(前年同期比7.3%増)となりました。
これらの結果、営業損失は1,169,171千円(前年同期は806,702千円)、経常損失は1,288,197千円(前年同期は727,265千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,321,481千円(前年同期は777,397千円)となりました。
2022年2月に当社製品トレアキシン®RTD製剤を先発医薬品とする後発医薬品の製造販売承認を4社が取得し、内2社が同年に後発医薬品の販売を開始しました。ファイザー株式会社及び東和薬品株式会社が、当社製品であるトレアキシン®点滴静注液100mg/4mL(トレアキシン®)の後発医薬品につき、製造販売承認を得て販売を開始したことを受け、当社は、2022年12月に、トレアキシン®に係る特許権のライセンス元であるイーグル社と共同で、両社に対してそれぞれ特許権侵害に基づく後発医薬品の製造販売の差止請求及び損害賠償請求訴訟を提起しておりましたが、両社に対する裁判はいずれも終了しております。2025年4月時点において、3社が後発医薬品を販売しております。
なお、当社グループの事業は医薬品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
② 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間においては、各開発パイプラインにおいて、以下のとおり研究開発を推進しました。
(ⅰ)抗ウイルス薬SyB V-1901(一般名:brincidofovir<ブリンシドフォビル>「BCV」)
移植後感染症領域
グローバル展開を見据えキメリックス・インク社(Chimerix Inc.、本社:米国ノースカロライナ州、以下「キメリックス社」)から導入したBCVの注射剤(SyB V-1901、以下各々「IV BCV」)の事業展開については、二本鎖DNAウイルス(dsDNAウイルス)に対し広範な活性を有することから、国内及び海外の専門領域の有力な研究施設と共同研究を進めており、研究成果である科学的知見を基にグローバルの臨床試験を検討、実施してまいります。
IV BCVについては、造血幹細胞移植後や臓器移植後などの免疫不全状態にある患者のアデノウイルス(AdV)感染及び感染症の治療を対象に、IV BCVのグローバル開発を優先的に進めることを決定し、2021年3月に、主に小児対象(成人も含む)のアデノウイルス感染及び感染症を対象とする第Ⅱa相臨床試験を開始するため、米国食品医薬品局(FDA)に治験許可申請(Investigational New Drug(IND)Application)を行いました。本開発プログラムについては、2021年4月に、FDAからファストトラック指定を受けています。2023年5月、本試験において、IV BCVの抗アデノウイルス活性を認め、ヒトPOC(Proof of Concept)を確立し、2024年上半期に、第Ⅱa相臨床試験は完了しました。現在関係各国の規制当局との間で国際第Ⅲ相臨床試験の開始に向けて協議中で、同時に、国際共同治験実施のための当社体制の構築を進めてまいります。
造血幹細胞移植後のサイトメガロウイルス感染症患者を対象とした米国における第Ⅱa相臨床試験は、2024年5月に開始し、同年6月に第1例目の登録が行われ、2025年4月末現在、症例登録数(累計)は、19症例となっています。
腎移植後のBKウイルス(BKV)感染症に対する開発は、現在プロトコルの修正の検討を行っております。
ポリオーマウイルス、特にJCウイルス(JCV)は、dsDNAウイルスの中でも、その感染によって脳に重篤な疾患を引き起こすことが知られており、既存の抗ウイルス薬ではほとんど効果が見られないため、有効な治療薬の開発が待ち望まれています。2022年11月に米国ペンシルベニア州立大学医学部との間で試料提供契約(MTA:Material Transfer Agreement)を締結し、ポリオーマウイルス感染マウスモデルにおけるBCVの抗ウイルス活性を検証する非臨床試験を実施しています。また、2024年7月には、その研究成果の第一報として、新たな知見がmBio誌に公表されました。
血液腫瘍領域
BCVは高い抗ウイルス作用に加え、抗腫瘍効果も確認されており、各国の研究機関との共同研究等を通じて、血液がん・固形がん領域における新規適応症の探索も行っています。現在、EBウイルス陽性リンパ腫に対するBCVの抗腫瘍効果とその機序の探索に関して、シンガポール国立がんセンターとの共同研究を実施しており、NK/T細胞リンパ腫・B細胞リンパ腫・末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)等に対するBCVの抗腫瘍効果や、BCVの抗腫瘍効果を予測するバイオマーカーに関する共同研究成果は、2022年~2024年の間に、計5回、欧米の国際学会で発表されました。
2024年8月には、がん領域におけるIV BCVのFIH(First in Human)試験として、悪性リンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅰb相臨床試験を日本で開始し、現在はシンガポール、香港でも本試験が進行中です。本試験はBCVのがん領域におけるヒトPOCを確立することを目的としています。
脳神経変性疾患領域
EBウイルス(EBV)の関連疾患であることが近年証明された難病の多発性硬化症(MS:Multiple Sclerosis)について、2022年8月に、米国国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)に所属する国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS:National Institute of Neurological Disorders and Stroke)との間で、共同研究試料提供契約(Collaboration Agreement for The Transfer of Human Materials)を締結しました。2023年3月には、多発性硬化症の治療におけるBCVのEBウイルスに対する効果を検証し、今後の臨床試験の実施に向けて必要とされる情報を得ることを目的として共同研究開発契約(CRADA:Cooperative Research and Development Agreement)を締結し、2023年10月にはその研究成果が、第9回 ECTRIMS-ACTRIMS 合同学会(The 9th Joint ECTRIMS-ACTRIMS Meeting)において発表されました。現在、本共同研究ではマーモセット(非ヒト霊長類)を用いた試験を実施しております。また、米国国立衛生研究所に所属する国立アレルギー・感染症研究所(NIAID:National Institute of Allergy and Infectious Diseases)との間で、EBウイルス関連リンパ増殖性疾患に対するBCVの有効性を評価する共同研究開発契約(CRADA)を2023年4月に締結しました。
dsDNAウイルスの中には単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)をはじめ水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)など、脳神経組織への指向性を有するものがあり、アルツハイマー型認知症を含めた様々な脳神経領域の重篤性疾患に、それらが潜伏しているウイルスの再活性化が関与している可能性についての研究がこの数年進み、知見が増えています。2022年12月に米国タフツ大学により確立されたヒト神経幹細胞を培養した脳組織を3次元に模倣したHSV感染・再活性化モデルを用いて、単純ヘルペスウイルス(HSV)感染に対するBCVの効果を検証するための委託研究契約(Sponsored Research Agreement)を締結し、共同研究を実施しています。
2022年9月、キメリックス社はエマージェント・バイオソリューションズ社(本社:米国メリーランド州)へのBCVに関する権利の譲渡手続きの完了を発表しましたが、当社の取得したBCVに関する、天然痘・エムポックスを含むオルソポックスウイルスの疾患を除いたすべての適応症を対象とした、全世界での独占的開発・製造・販売権に対する影響はありません。
2024年3月には、当社の子会社であるシンバイオ ファーマ アイルランド(SymBio Pharma Ireland Limited、アイルランド ダブリン)の設立に伴い、エマージェント・バイオソリューションズ社から、EU(欧州連合)における免疫不全患者におけるアデノウイルス感染症とサイトメガロウイルス感染症予防に対するオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定が移管されました。
(ⅱ) 抗がん剤 SyB L-1701(RTD製剤)/ SyB L-1702(RI投与)(一般名:ベンダムスチン塩酸塩水和物、製品名:トレアキシン®)
東京大学や京都大学との共同研究等に積極的に取り組んできましたが、研究リソースの一部はBCV研究に比重を移しております。
(ⅲ)抗がん剤SyB L-1101(注射剤) / SyB C-1101(経口剤)(一般名:リゴセルチブナトリウム)
米国ペンシルベニア州に本社を置くオンコノバ・セラピューティクス社(現トラウスファーマ社、以下「オンコノバ社」)から導入したリゴセルチブについては、2025年4月でライセンス契約を終了しました。
③ 海外事業
引き続き、シンバイオファーマUSAをIV BCVのグローバル事業の戦略的拠点とし、欧米日英においての開発を加速し、商業化を実現するために活動を発展させてまいります。2025年1月1日付で、シンバイオファーマUSAの取締役CEO兼社長として、当社執行役員兼社長補佐であった田口賢(2025年4月1日付で当社副社長執行役員兼COOに就任)が選任されました。さらに、グローバルでの臨床開発および薬事戦略の推進のため、2030年に向けた当社のBCV事業の牽引を目指します。
④ 新規開発候補品の導入
当社グループは2019年に導入したBCVのグローバル開発を推進するとともに、従来からの取り組みである複数のライセンス案件の検討を進め、新規開発候補品の探索評価の実施を通じて、収益性と成長性を兼ね備えたバイオ製薬企業として中長期的な事業価値の創造を目指してまいります。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は4,667,281千円となりました。流動資産は4,628,063千円となり、主な内訳は、現金及び預金が3,614,766千円、売掛金が211,660千円、商品及び製品が143,384千円、半製品が63,608千円であります。固定資産は39,217千円となり、主な内訳は、敷金及び保証金37,349千円であります。
負債の部については、総額1,269,154千円となりました。流動負債は564,561千円となり、主な内訳は、未払金が452,804千円、未払法人税等が62,151千円であります。固定負債は704,593千円となり、主な内訳は、転換社債型新株予約権付社債が700,000千円であります。
純資産の部については、総額3,398,127千円となりました。主な内訳は、資本金が18,588,044千円、資本剰余金が18,562,916千円、新株予約権が343,631千円であります。
この結果、自己資本比率は65.4%となりました。
2025年12月期の連結業績予想につきましては、2025年2月6日の「2024年12月期 決算短信」で公表の連結業績予想から変更はありません。
当社グループは、グローバル市場で事業展開をするスペシャリティ・ファーマへの転換を目指す製薬ベンチャー企業として、抗ウイルス薬ブリンシドフォビル(BCV)による造血幹細胞移植後のアデノウイルス及びサイトメガロウイルス感染症の臨床試験を実施しております。BCVは多くのウイルスに活性を示すとともに、優れた抗腫瘍活性を持つことが判明しており、がん領域における悪性リンパ腫患者を対象とした臨床試験を開始する等、研究開発に多額の投資を行っております。当社製品トレアキシン®の販売は、後発品の浸食により売上高が著しく減少し、一方で先行投資としての研究開発費の増加により、継続的な営業キャッシュ・フローのマイナス、営業損失、経常損失又は当期純損失の計上などの継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象が存在することを認識しております。
このような状況に対し、当第1四半期連結会計期間末では現金及び預金残高3,614百万円を有しており、4月11日には転換社債型新株予約権付社債発行による資金調達により、600百万円の払い込みが完了しております。当該資金は先行投資としての研究開発に充当します。さらに、新たな資金調達や、必要に応じたライセンス契約締結による導出一時金の獲得のため、積極的にパートナリングの交渉を継続しております。これらの状況に応じて、実施可能な複数のコスト削減策も計画しております。
当該資金計画やコスト削減策により、当第1四半期連結会計期間末から1年を超える期間についての資金繰りに重要な懸念はないと判断し、継続企業の前提に関する重要な不確実性はないと認識しております。
2.四半期連結財務諸表及び主な注記
(1)四半期連結貸借対照表
(2)四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書
(四半期連結損益計算書)
(第1四半期連結累計期間)
(四半期連結包括利益計算書)
(第1四半期連結累計期間)
(3)四半期連結財務諸表に関する注記事項
【セグメント情報】
前第1四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年3月31日)
当社グループの事業は、医薬品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
当第1四半期連結累計期間(自 2025年1月1日 至 2025年3月31日)
当社グループの事業は、医薬品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
当社は、当第1四半期連結累計期間において、第49回及び第55回新株予約権の一部について、権利行使による新株の発行により、資本金が1,203千円増加、資本剰余金が1,203千円増加し、自己株式の取得により自己株式が4千円増加しております。
また、2025年1月1日から2025年3月31日までの間に、Cantor Fitzgerald Europeから新株予約権の権利行使による払込みを受け、資本金が250,000千円、資本剰余金が250,000千円増加しております。
この結果、当第1四半期連結会計期間末において資本金が18,588,044千円、資本剰余金が18,562,916千円、自己株式が89,867千円となっております。
(継続企業の前提に関する注記)
該当事項はありません。
(キャッシュ・フロー計算書に関する注記)
当第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません。なお、第1四半期連結累計期間に係る減価償却費(のれんを除く無形固定資産に係る償却費を含む。)はありません。
(重要な後発事象)
1.第63回新株予約権(ストックオプション)の発行について
当社は、2025年3月25日開催の取締役会決議に基づき、当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)7名に対して下記のとおりストックオプションとしての新株予約権を発行し、2025年4月18日に割り当てられました。
2.第64回新株予約権(ストックオプション)の発行について
当社は、2025年3月25日開催の取締役会決議に基づき、当社の従業員90名に対して下記のとおりストックオプションとしての新株予約権を発行し、2025年4月18日に割り当てられました。
3.新株予約権付社債発行プログラムの締結及び第三者割当による無担保転換社債型新株予約権付社債の発行)
2024年12月25日開催の取締役会決議により、Cantor Fitzgerald Europeとの間で、新株予約権付社債発行プログラムの設定契約を締結致しました。以下の内容の第7回の第三者割当による新株予約権付社債に関する払い込みが2025年4月11日に完了いたしました。