1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………3
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………3
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………4
(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ……………………………………………………5
(6)事業等のリスク ……………………………………………………………………………………………5
2.企業集団の状況 …………………………………………………………………………………………………5
3.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 …………………………………………………………………6
(1)会社の経営の基本方針 ……………………………………………………………………………………6
(2)中長期的な経営戦略と目標とする経営指標 ……………………………………………………………6
(3)会社の経営環境と対処すべき課題 ………………………………………………………………………6
4.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………7
5.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………8
(1)連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………………8
(2)連結損益及び包括利益計算書 ……………………………………………………………………………10
(3)連結株主資本等変動計算書 ………………………………………………………………………………11
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………13
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………14
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) ……………………………………………………14
(未適用の会計基準等) ………………………………………………………………………………………14
(会計方針の変更に関する注記) ……………………………………………………………………………15
(追加情報) ……………………………………………………………………………………………………15
(開示の省略) …………………………………………………………………………………………………15
(セグメント情報等の注記) …………………………………………………………………………………16
(継続企業の前提に関する注記) ……………………………………………………………………………18
(1株当たり情報の注記) ……………………………………………………………………………………19
(重要な後発事象の注記) ……………………………………………………………………………………20
6.個別財務諸表 ……………………………………………………………………………………………………21
(1)貸借対照表 …………………………………………………………………………………………………21
(2)損益計算書 …………………………………………………………………………………………………23
(3)株主資本等変動計算書 ……………………………………………………………………………………24
当連結会計年度における世界経済は、北米では実質賃金の上昇が個人消費を促進し、比較的堅調に推移しました。欧州では、エネルギー価格の安定が個人消費を支える一方で、全体的な経済状況は安定しているもののドイツやイタリア等での自動車産業を中心とした製造業の不振もあり、地域ごとにばらつきがある状況です。中国では、輸出の増加が経済を支えていますが、不動産市場の低迷と個人消費の低下が課題で、景気回復には足踏みも見られます。日本では、国内消費の回復とインバウンド需要、輸出の増加が成長を支えていますが、物価上昇による実質賃金の低下もあり、景気は緩やかな回復基調にあります。
当連結会計年度における事業環境は、円安による売上高及び営業利益への押し上げ効果に加え、車載市場では、新車販売がグローバルで増加基調にある中、パワートレイン構成の変化や中国資本の自動車メーカーの拡大により新規顧客の開拓や採用製品の増加によるTier2ビジネスが増加しています。一方で、当社主要顧客である日本・北米・欧州の自動車メーカー向けのTier1ビジネスは低迷が続いています。モバイル市場では、大手スマートフォンメーカー向けが堅調です。民生市場では、ゲーム機器向けやその他電子部品の需要が拡大しています。
また当社は、2025年3月期が最終年度となる第2次中期経営計画を中止して、2025年3月期を経営構造改革期間と位置づけ、抜本的な改革に全力を挙げてきました。その結果、経営構造改革のうちコスト構造改革として計画した施策の効果も相まって前期比で増益とすることができました。
当連結会計年度における経営成績の概況については以下のとおりです。なお、下記に示す売上高は外部顧客に対する売上高であり、報告セグメント間売上高は内部取引売上高として消去しています。
セグメントの状況
<コンポーネント事業>
売上高は、円安による押し上げ効果のほか、民生市場向け製品やモバイル市場向け製品の需要及び車載市場向け製品の拡販により増加しました。営業利益は、円安や売上高の増加が寄与し増加しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるコンポーネント事業の売上高は3,480億円(前期比14.0%増)、営業利益は303億円(前期比48.5%増)となりました。
<センサー・コミュニケーション事業>
売上高は、車載市場向け製品が従来モデルのキーレスエントリーシステム製品からデジタルキー製品への置き換えによる端境期にあり減少する一方で、円安による押し上げ効果やモバイル市場向け製品の需要が増加し事業全体ではほぼ前年度と同じとなりました。営業利益は、開発費が増加し前期比で減少しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるセンサー・コミュニケーション事業の売上高は841億円(前期比0.1%増)、営業損失は33億円(前期における営業損失は14億円)となりました。
<モジュール・システム事業>
売上高は、円安による押し上げ効果があったものの、システム製品の欧州向けモデル終息や中国市場における当社主要顧客である日本・北米・欧州自動車メーカーの低迷により減少しました。営業利益は、売上高の減少や賃金の上昇があったものの、変動費の改善や顧客からの開発費回収増、前連結会計年度の減損損失により減価償却費が軽減されたことにより増加しました。なお、当事業は、売上高の外貨取引額が原価の外貨取引額でほぼ相殺されるため、為替影響を受けにくい利益構成となっています。
以上の結果、当連結会計年度におけるモジュール・システム事業の売上高は5,372億円(前期比3.1%減)、営業利益は56億円(前期における営業損失は11億円)となりました。
特別利益の計上について
2025年3月期において、経営構造改革の施策として(株)アルプス物流株式の売却益270億円、及びパワーインダクターの事業譲渡益64億円を特別利益に計上しました。
以上により、上記の3事業セグメントにその他を加えた当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高9,904億円(前期比2.7%増)、営業利益341億円(前期比73.0%増)、経常利益305億円(前期比23.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益378億円(前期における親会社株主に帰属する当期純損失は298億円)となりました。
資産、負債及び資本の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ132億円減少の7,407億円、自己資本は228億円増加の4,139億円となり、自己資本比率は55.9%となりました。
流動資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金の増加と、商品及び製品の減少等により、前連結会計年度末と比べ34億円増加の4,949億円となりました。
固定資産は、投資有価証券、無形固定資産の減少等により、前連結会計年度末と比べ167億円減少の2,457億円となりました。
流動負債は、その他流動負債、短期借入金の減少等により、前連結会計年度末と比べ208億円減少の2,268億円となりました。
固定負債は、長期借入金の減少と、繰延税金負債の増加等により、前連結会計年度末と比べ151億円減少の983億円となりました。
現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ251億円増加し、当連結会計年度末の残高は、1,474億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における営業活動による資金の増加は、658億円(前期は891億円の増加)となりました。
この増加は、主に税金等調整前当期純利益578億円、減価償却費351億円及び棚卸資産の減少額237億円による資金の増加と、関係会社株式売却益270億円、法人税等の支払額114億円及び売上債権の増加額114億円による資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における投資活動による資金の減少は、16億円(前期は550億円の減少)となりました。
この減少は、主に有形及び無形固定資産の取得による支出506億円による資金の減少と、関係会社株式の売却による収入370億円及び事業譲渡による収入85億円による資金の増加によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における財務活動による資金の減少は、372億円(前期は18億円の減少)となりました。
この減少は、主に短期借入金減少額197億円、長期借入金の返済による支出96億円及び配当金の支払額82億円による資金の減少によるものです。
なお、当企業集団の財政状態に関する指標のトレンドは以下のとおりです。
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
債務償還年数(年) :有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しています。
※営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、社債、転換社債、新株予約権付社債、借入金を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
2026年3月期の世界経済は、米国発動の追加関税による貿易コストの上昇、地政学リスク、世界各地で発生する災害による影響等、先行き不透明な状況にあります。地域別では、米国は堅調な内需により成長を維持する見通しですが、現政権下での政策の不確実性や地政学的リスクが経済成長率に影響を与える可能性があります。欧州は緩やかな回復傾向が続く見通しですが、ロシア・ウクライナ情勢や対米関係の悪化等の外部リスクが成長を抑制する可能性があります。中国は、長引く不動産市場の低迷等、構造的な課題が成長を抑制する中、内需拡大や政策支援により一定の成長を維持する見通しですが、米国との貿易摩擦等が悪影響を及ぼす可能性があります。日本は、回復基調にあるものの、物価上昇に伴う実質賃金の低下や外部環境の影響が懸念されます。
2026年3月期の事業環境は、車載市場では、当社主要顧客である日本・北米・欧州の自動車メーカー向けは、特に中国市場での販売苦戦が継続する見通しです。更に追加関税等による変化として、業績予想のベースとなる北米・中国における自動車生産台数をより厳しい前提としています。モバイル市場では、大手スマートフォンメーカー向けが引き続き堅調ですが、一部機種のシェアが低下する見込みです。民生市場では、ゲーム機器向けやその他電子部品の需要が堅調に推移する見通しです。なお、関税による下振れ影響について、民生・モバイル市場については業績予想に未反映としています。
各市場における影響度合いは不確実な状況が大前提となるため、今後の状況変化による業績変動については、適時反映し公表します。
① コンポーネント事業
2026年3月期は、民生機器向け製品(ゲーム用)の増加や車載市場向け製品が堅調に推移する見通しの一方で、競争環境の激化や一部機種のシェア低下によるモバイル市場向け製品の売上高及び営業利益の減少を見込んでいます。
当事業の売上高は3,065億円、営業利益は200億円を予想しています。
② センサー・コミュニケーション事業
2026年3月期は、車載向けデバイス製品は堅調に推移する見通しですが、従来モデルの車載向けキーレスエントリーシステム製品が減少する一方で、デジタルキー製品が本格的に販売されるまでの端境期にあることから売上高及び営業利益の減少を見込んでいます。
当事業の売上高は785億円、営業損失は50億円を予想しています。
③ モビリティ事業
2026年3月期より従来の「モジュール・システム事業」を「モビリティ事業」へ名称を変更しました。
2026年3月期は、当社主要顧客である日本・北米・欧州の自動車メーカー向けについて、特に中国市場での販売苦戦が継続する見通しで、更に追加関税による下振れ影響として、北米・中国における自動車生産台数は、当社顧客動向により市場予想比に対し減少する見込みであり、売上高及び営業利益の減少を見込んでいます。
当事業の売上高は5,020億円、営業利益は10億円を予想しています。
<連結業績予想>
売上高 9,100億円(前期比 8.1%減) うち、中間期 4,580億円
営業利益 170億円(前期比50.2%減) うち、中間期 40億円
経常利益 180億円(前期比41.0%減) うち、中間期 45億円
親会社株主に帰属する当期純利益 45億円(前期比88.1%減) うち、中間期 10億円
業績予想の前提となる見積り為替レートについては、以下のとおりです。
1米ドル=140.00円、1ユーロ=160.00円、1人民元=19.50円
当社は、資本政策として、成長投資・健全な財務・株主還元の3つのバランスを取る方針としています。
株主還元方針は、中長期に安定的かつ継続的に還元するためにDOE(自己資本配当率)を採用のうえ、3%を目安としています。本方針は2024年度から開始し、原則として4年間運用し、2028年度から始まる中期経営計画2030のタイミングで必要な見直しを行います。なお、当該期間中においても大きな経済危機等想定外の事態が発生した場合は見直すことがあります。また、自己株式の取得について、他の投資案件との比較、資本効率や財務状況を勘案しながら総合的に判断する方針とします。
今回の2025年3月末日を基準日とする剰余金の配当は、上記方針のもと、業績の動向、財務体質等を総合的に勘案し、期末配当を1株当たり30円の配当とする案を第92回定時株主総会に付議する予定です。また、2026年3月までに200億円の自己株式取得を行う予定です。
次期の配当については、変更後の方針及び業績見通しを鑑み、第2四半期末配当(中間配当)は1株当たり30円、期末配当は1株当たり30円とする予定です。
(補足)資本政策の考え方
成長投資
ROIC経営による事業ポートフォリオに合わせた投資の選定や資本効率を意識しながら、新事業・新製品の立ち上げのための投資、増産に対応するための生産能力拡大投資、人手不足に対応する自動化設備の投資、生産性を高めるためのDX投資、非連続的な成長を獲得するためのM&Aなどへの成長投資等を行い、企業価値の最大化を実現していきます。
健全な財務
当社は車載、民生、産機の各市場の顧客へ長期に安定した製品供給責任があり、ビジネス獲得・継続のために顧客から健全な財務基盤が求められています。また、数十年に一度と言われる急激な経済危機や、大規模な自然災害等の不測の事態が生じた場合であっても対応可能な健全な財務基盤が必要です。当社での健全な財務の状態の目安は、国内格付A格、自己資本比率50%、ネットキャッシュプラスとしています。
株主還元
上記記載に準じます。
2024年6月26日に提出しました有価証券報告書において記載した地政学・経済安全保障リスク及び公的規制リスクについて、関税引き上げを伴う保護主義経済政策の本格化が予想され、当社車載製品を中心に原価率が悪化する可能性があり、この場合、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼします。
対応策として、資材調達から顧客への製品納入に至るサプライチェーンの見直し及び適正な売価設定を図っていきます。
(注意事項)
当資料中にある、当社グループに関する見通しや計画、方針、戦略等、確定した事実でない記載については、発表日現在において入手可能な情報や合理的であると判断する一定の前提に基づいて当社が予測したものです。
したがって、実際の業績は様々なリスク要因や不確定な要素等により、異なる可能性があります。
直近の有価証券報告書(2024年6月26日提出)における「事業の内容」及び「関係会社の状況」から重要な変更がないため開示を省略しています。
当社グループは、企業理念「アルプスアルパインは人と地球に喜ばれる新たな価値を創造します」、及び現在のESG、SDGsにも通ずる創業期制定の社訓をベースとした「価値の追究」「地球との調和」「社会への貢献」「個の尊重」「公正な経営」の5つの経営姿勢をグループ共通の価値観として、各社が連携して経営計画を推進し、企業価値の最大化を図っていきます。
当社は、今回、新たに10年先の未来を見据えた長期企業ビジョンとして「人の感性に寄り添うテクノロジーで未来をつくる」を掲げ「感動・安全・環境」の実現により、全ての人々、社会に対して当社が約束する独自の価値を追究していきます。
当社は、2025年4月より中期経営計画2027をスタートさせました。
10年先の未来を見据えた長期企業ビジョンとして「人の感性に寄り添うテクノロジーで未来をつくる」を掲げ、当社のコア技術を活かしたユーザー中心の製品開発、環境に配慮した持続可能な技術の導入、多様性の推進、持続可能なサプライチェーンの管理、そして革新的な技術の開発を通じて人々の生活を向上させ、持続可能な未来の構築を実現させるため、2028年3月までの中期経営計画2027を計画しました。
<中期経営計画2027 基本方針>
1. 高付加価値の追求
従来の売上成長主義から脱却し資本コストを意識したROIC経営を開始しました。各事業の収益力を強化する施策とともに、会社全体の収益力を最大化する最適ポートフォリオを構築します。
高付加価値製品であるデジタルキャビンへのシフト、不採算製品の縮小、製品ラインアップの絞り込みを図ります。
2. 次の事業の仕込み
第2次中期経営計画期間まで収益を牽引していたスマートフォン関連の製品を継承する次世代電子部品・デバイスの有望市場として、コア技術に立脚した新製品や、センサー領域を核とした次の事業の柱となる市場・製品を開拓します。
3. 経営基盤の強化
今後の人手不足を補いコスト競争力を維持・拡大するための生産拠点再編・国内強靭化、SDV時代を担うソフトウェア開発の強化、人的投資、バランスシートマネジメントの実践等を通じて、会社全体の収益を支える経営基盤の強化を図ります。
<中期経営計画2027 事業ポートフォリオ>
事業セグメントの位置づけは、事業セグメントを収益基盤の維持・拡大を目指す「コンポーネント事業」、今後の成長領域と位置づけて伸ばす「センサー・コミュニケーション事業」、改善により収益体質の良質化を図る「モビリティ事業」と定義し、よりバランスの取れた成長に向けた取り組みを進めていきます。なお、2026年3月期より従来の「モジュール・システム事業」は、製品の融合が進み、今後デジタルキャビンへの移行とその実現のための内部の組織体制の一本化を進めることから「モビリティ事業」へ名称を変更しました。
これらの取り組みを通じて、2027年3月期でPBR1倍以上、2028年3月期にROE10%の達成を目指します。
当社は日本をはじめ北米、欧州、中国、その他アジアを中心に23の国と地域に186拠点を持ち、約40,000種類の製品・サービスを車載市場、モバイル市場、民生市場向けに販売しています。車載市場は、主に日本・北米・欧州の大手自動車メーカー向けに直接販売するTier1ビジネスを中心に、世界中の自動車部品メーカー向けに販売するTier2ビジネスも行っています。モバイル市場は、大手スマートフォンメーカーをはじめ、その他モバイル関連製品を扱う顧客にも販売を行っています。また、民生市場は、自動車やモバイル製品以外のパソコン、家電、ゲーム機器や一部産業機器等のメーカーに販売しています。
当社グループを取り巻く経営環境は、グローバル市場での競争が激化しており、世界市場での競争力を維持するために、経済的な変動に対応する必要があります。特に足許では、米国発動の追加関税などの地政学リスクにより不確実性が高い状況にあり、短期での関税対応と中長期を見据えたサプライチェーンの見直しが重要課題になっています。
また、車載市場における当社の事業領域では、車の自動運転や電動化とともに車室内の電子化による技術進化が急速に進んでいます。特にインフォテインメントシステムやデジタルキャビンの開発が進み、車内の快適性と利便性が向上しています。近年では中国資本の企業がこの分野で躍進し、これに対抗して、従来の当社顧客の多くを占める日本や欧米の企業も技術開発と市場拡大に注力しており、企業間競争が激化しています。モバイル市場においては、技術のコモディティ化による競合企業の参入が進み、より一層のコスト対応力が求められるとともに当社のコア技術が活きる新製品の開発が求められています。また、これらの既存市場だけでなく、新規市場開拓としてロボティクス、ライフサイエンス、住宅設備、産業機器、農業、介護、環境、リサイクル市場への参入で当社製品の強みを活かすことを目指します。
中期経営計画2027では中期の重要課題として、①モビリティ事業の収益性、②成長ドライバーの不在、③収益予想のボラティリティ低減、④資本効率の改善による収益力の強化の4点を掲げ、課題解決に取り組みます。
加えて当社グループは、中長期的に企業価値を向上させるためにESG(環境・社会・ガバナンス)領域からも重要な経営課題を特定し、中長期と短期の視点を均衡させた実効性の高い戦略を策定し実行していきます。具体的には、環境価値の高い製品の創出やインターナルカーボンプライシング制度の導入等を通じた事業の持続的な良質化を目指しつつ、GHG(温室効果ガス)排出量の削減、省エネ推進、廃棄物削減等により環境負荷を低減させながらコスト競争力の向上も図ります。また、再生材の利用や廃棄物削減・再資源化による資源循環の促進を本格化させます。これら活動の推進力を、人財のリスキリング(再教育)とリーダー育成により増強していきます。更に、経営関連会議の実効性改善策等を通じてコーポレートガバナンスを強化し、前述の活動を後押ししながら、当社グループは持続的な成長を目指していきます。
4.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社及び当社グループでは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、当面は、日本基準で連結財務諸表を作成する方針です。なお、IFRSの適用については、国内外の情勢を考慮しつつ、システム環境整備を実施しながら適切に対応していく方針です。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1.連結の範囲に関する事項
(1)連結子会社の数 53社
ALPINE ELECTRONICS OF U.K., LTD.は会社清算したため、連結の範囲から除外しています。
ALPINE DO BRASIL LTDA.をはじめとする2社です。いずれも総資産額、売上高、当期純損益(持分相当額)及び利益剰余金(持分相当額)の観点からみて小規模であり、全体としても連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないため、連結の範囲から除外しています。
2.持分法の適用に関する事項
(1)持分法を適用した関連会社の数 31社
(関連会社の名称)
LDEC(株)及びその子会社(株)アルプス物流他26社
(株)アサヒ
NEUSOFT REACH AUTOMOTIVE TECHNOLOGY (SHANGHAI) CO., LTD.
Lumax Alps Alpine India Private Limited.
持分法適用会社のうち、決算日が連結決算日と異なる会社については、各社の事業年度に係る財務諸表を使用し、連結決算日との間に生じた重要な取引については、連結上必要な調整を行っています。
なお、当連結会計年度において、持分法適用会社である(株)アルプス物流の株式の全てを売却していますが、先んじて(株)アルプス物流の議決権を100%保有することとなったLDEC(株)の株式(議決権比率20%)を取得しているため、LDEC(株)を通じて、(株)アルプス物流他26社を持分法適用の範囲に含めています。また、(株)デバイス&システム・プラットフォーム開発センターは会社清算したため、持分法の適用から除外しています。
持分法を適用していない非連結子会社はALPINE DO BRASIL LTDA.をはじめとする2社、関連会社は5社であり、いずれも当期純損益(持分相当額)及び利益剰余金(持分相当額)の観点からみて小規模であり、全体としても連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないため、持分法の適用から除外しています。
(リースに関する会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日 企業会計基準委員会)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日 企業会計基準委員会)等
(1)概要
企業会計基準委員会において、日本基準を国際的に整合性のあるものとする取組みの一環として、借手の全てのリースについて資産及び負債を認識するリースに関する会計基準の開発に向けて、国際的な会計基準を踏まえた検討が行われ、基本的な方針として、IFRS第16号の単一の会計処理モデルを基礎とするものの、IFRS第16号の全ての定めを採り入れるのではなく、主要な定めのみを採り入れることにより、簡素で利便性が高く、かつ、IFRS第16号の定めを個別財務諸表に用いても、基本的に修正が不要となることを目指したリース会計基準等が公表されました。
借手の会計処理として、借手のリースの費用配分の方法については、IFRS第16号と同様に、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず、全てのリースについて使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上する単一の会計処理モデルが適用されます。
(2)適用予定日
2028年3月期の期首から適用します。
(3)当該会計基準等の適用による影響
「リースに関する会計基準」等の適用による連結財務諸表に与える影響額については、現時点で評価中です。
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下「2022年改正会計基準という。)等を当連結会計年度の期首から適用しています。
法人税等の計上区分(その他の包括利益に対する課税)に関する改正については、2022年改正会計基準第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱い及び「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日。以下「2022年改正適用指針」という。)第65-2項(2)ただし書きに定める経過的な取扱いに従っています。なお、これによる連結財務諸表に与える影響はありません。
また、連結会社間における子会社株式等の売却に伴い生じた売却損益を税務上繰り延べる場合の連結財務諸表における取扱いの見直しに関連する改正については、2022年改正適用指針を当連結会計年度の期首から適用しています。当該会計方針の変更は、遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっています。なお、これによる前連結会計年度の連結財務諸表に与える影響はありません。
(追加情報)
(連結子会社の工場閉鎖による特別損失の発生)
当連結会計年度において、当社の連結子会社であるALPS ELECTRIC(MALAYSIA)SDN. BHD.のジェンカ工場の閉鎖を決定しました。これに伴い従業員に対する割増退職金の支払額を特別退職金として特別損失に計上しています。
(持分法適用会社であるアルプス物流に対する持分の一部売却による特別利益の発生)
当連結会計年度において、当社の持分法適用会社である(株)アルプス物流の持分の一部を売却しました。これに伴い発生した売却益を関係会社株式売却益として特別利益に計上しています。
(パワーインダクター事業の譲渡(承継)による特別利益の発生)
当連結会計年度において、当社はパワーインダクター事業をDELTA ELECTRONICS INC.グループ(本社:台湾 台北市、会長兼CEO:鄭平)に譲渡しました。これに伴い発生した譲渡益を事業譲渡益として特別利益に計上しています。
(開示の省略)
表示方法の変更、連結貸借対照表、連結損益及び包括利益計算書、連結株主等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、リース取引、金融商品、有価証券、デリバティブ取引、退職給付、ストック・オプション等、税効果会計、収益認識関係、資産除去債務、賃貸等不動産、関連当事者情報に関する注記事項については、決算短信における開示の必要性が大きくないと考えられるため開示を省略します。
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社の事業セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社は、製品・サービス別のグループ会社を持ち、当社及び各グループ会社は、取り扱う製品・サービスについて包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。
当社は、製品の種類及び販売市場の共通性を考慮した製品・サービス別のセグメントから構成され、「コンポーネント事業」、「センサー・コミュニケーション事業」、「モジュール・システム事業」の3つを報告セグメントとしています。
「コンポーネント事業」は、スイッチ類、アクチュエーター、ハプティック等の電子部品を製造、販売しています。「センサー・コミュニケーション事業」は、センサー、通信デバイスの電子部品を製造、販売しています。「モジュール・システム事業」は、車載モジュール、インフォテインメント、ディスプレイ、サウンドの製品を製造、販売しています。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。セグメント間の内部売上高及び振替高は取引高の実績に基づいています。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、システムの開発、オフィスサービス、金融・リース事業等を含んでいます。
2.調整額は、以下のとおりです。
(1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△170百万円は、セグメント間取引消去です。
(2)セグメント資産の調整額250,590百万円は、全社資産279,694百万円、セグメント間取引消去△29,103百万円です。全社資産の主なものは、当社及び一部グループ会社の余資運用資金(現金及び預金並びに有価証券)、長期投資資金(投資有価証券)、土地等です。
3.セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、システムの開発、オフィスサービス、金融・リース事業等を含んでいます。
2.調整額は、以下のとおりです。
(1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△52百万円は、セグメント間取引消去です。
(2)セグメント資産の調整額254,093百万円は、全社資産280,628百万円、セグメント間取引消去△26,534百万円です。全社資産の主なものは、当社及び一部グループ会社の余資運用資金(現金及び預金並びに有価証券)、長期投資資金(投資有価証券)、土地等です。
3.セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っています。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
2.地域ごとの情報
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
3.主要な顧客ごとの情報
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
2.地域ごとの情報
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
3.主要な顧客ごとの情報
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
金額的重要性が低いため、記載を省略しています。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。
該当事項はありません。
なお、前連結会計年度の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため記載していません。
(注)1.1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりです。
2.1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりです。
(自己株式の取得及び消却)
当社は、2025年4月30日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき自己株式取得に係る事項、及び会社法第178条の規定に基づき自己株式消却に係る事項について決議しました。
1.自己株式の取得及び消却を行う理由
株主還元策の一環として1株あたりの価値の向上、及び資本効率の向上を目的として自己株式の取得及び消却を行います。
2.取得に係る事項の内容
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得し得る株式の総数 20,000,000株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合9.73%)
(3)株式の取得価額の総額 200億円(上限)
(4)取得期間 2025年5月1日 ~ 2026年3月31日(予定)
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付の予定
3.消却に係る事項の内容
(1)消却する株式の種類 当社普通株式
(2)消却する株式の総数 上記2.により取得した自己株式の全株式数
(3)消却予定日 2026年4月30日
(ご参考)
2025年3月31日時点の自己株式の保有状況
発行済株式総数(自己株式を除く) 205,652,636株
自己株式数 13,628,814株
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)