1. 経営成績等の概況 …………………………………………………………………………………… 2
(1) 当期の経営成績の概況 ………………………………………………………………………… 2
(2) 当期の財政状態の概況 ………………………………………………………………………… 2
(3) 当期のキャッシュ・フローの概況 …………………………………………………………… 3
(4) 今後の見通し …………………………………………………………………………………… 3
(5) 利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ………………………………………… 4
2. 会計基準の選択に関する基本的な考え方 ………………………………………………………… 4
3. 連結財務諸表及び主な注記 ………………………………………………………………………… 5
(1) 連結貸借対照表 ………………………………………………………………………………… 5
(2) 連結損益計算書及び連結包括利益計算書 …………………………………………………… 7
(3) 連結株主資本等変動計算書 …………………………………………………………………… 9
(4) 連結キャッシュ・フロー計算書 ……………………………………………………………… 11
(5) 連結財務諸表に関する注記事項 ……………………………………………………………… 12
(継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………… 12
(セグメント情報等) ………………………………………………………………………… 12
(1株当たり情報) …………………………………………………………………………… 15
(重要な後発事象) …………………………………………………………………………… 16
当連結会計年度におけるわが国の経済は、賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現を目指すなか、企業収益の改善や設備投資の持ち直しの動きがみられるなど、緩やかな景気回復が続きました。
当業界におきましては、製造拠点の国内回帰を背景とした産業空調や、大型再開発案件に伴うビル空調などへの投資が続いたほか、AIやクラウドサービスの拡大を見据えたデータセンターへの投資が広がりました。建設業界では、当期首より働き方改革が始まるなか、管工事設備工事会社において工事単価の引き上げ等が進んだことにより、その受注高は引き続き高水準で推移いたしました。
こうした状況下、当社グループは、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画「move.2027」を当期からスタートさせました。本中期経営計画では、資本コスト経営を事業運営の軸としていくことを明示し、目標とする経営指標も従来の連結営業利益からROE等に切り替え、資本コストと株価を意識した指標としております。こうしたなか、DXやAIを活用した生産計画の見える化・効率化への取り組みのほか、5つの重点ターゲットであるデータセンター、個別空調(ヒートポンプ空調機)、空調工事を含む更新案件、大型ビル、産業空調などの販売施策についても強化を進めてまいりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
<日 本>
期首より取り組んできた生産平準化が通期で功を奏したほか、ターゲット市場であるデータセンターや空調設備工事の需要取り込みに努めた結果、売上高は49,768百万円(前連結会計年度比12.0%増)となりました。利益面におきましては、生産平準化による工場運営の効率化や、前期・当期に行った価格改定の効果が現れたほか、データセンターや空調設備工事などのターゲット市場において付加価値向上に尽力した結果、セグメント利益(営業利益)は10,228百万円(前連結会計年度比21.1%増)となりました。
<アジア>
中国では、景況感の悪化や不動産市場の停滞に伴う影響を受けるなか、事業環境の厳しさと不透明感が増しております。こうした状況下、当連結会計年度におきましては、納期ズレにより膨らんだ前期からの反動減により、売上高は7,298百万円(前連結会計年度比3.2%減)となりました。利益面におきましては、製販両面での利益率向上の施策を進めたものの厳しい価格競争が続き、セグメント損失(営業損失)は283百万円(前連結会計年度はセグメント利益135百万円)となりました。
この結果、当社グループの売上高は57,005百万円(前連結会計年度比9.7%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は9,986百万円(前連結会計年度比15.8%増)、経常利益は10,615百万円(前連結会計年度比16.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,829百万円(前連結会計年度比19.0%増)となりました。
また当社グループは、中期経営計画「move.2027」における資本コスト経営の指標として、ROE(自己資本利益率)を10%以上、PBR(株価純資産倍率)を1倍以上とする目標を当期より採用しております。当連結会計年度で、合計4,715百万円の自己株式の取得を行ったほか、2024年12月には、投資単位当たりの金額を引き下げ当社株式の流動性を高めるとともに、投資家層の拡大を図ることを目的として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を実施いたしました。加えて2025年3月には、自己株式の取得資金の調達手段として新株予約権付社債の発行を決議するなど、負債活用による大胆な資本構成の見直しを実行し、資本政策面でもROE向上に取り組んでまいりました。
以上のとおり、ターゲット市場における付加価値向上と株価対策・資本政策を進めた結果、当社グループの当連結会計年度におけるROEは12.8%(前連結会計年度比1.5ポイント増)となりました。また、2025年3月末におけるPBRは1.4倍となりました。
当連結会計年度末の総資産は84,997百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,040百万円減少となりました。これは主に、現金及び預金の減少2,066百万円、有価証券の減少2,000百万円、建物及び構築物の増加1,499百万円等によるものであります。
負債は20,716百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,413百万円減少となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加1,294百万円、電子記録債務の減少4,580百万円等によるものであります。
純資産は64,280百万円となり、前連結会計年度末に比べ373百万円増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上7,829百万円、剰余金の配当3,071百万円、自己株式の取得4,715百万円等によるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,097百万円減少し、当連結会計年度末には15,638百万円(前連結会計年度比11.8%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は5,740百万円(前連結会計年度比3,171百万円収入の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益11,481百万円、仕入債務の減少3,761百万円、法人税等の支払3,127百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の増加は261百万円(前連結会計年度は2,228百万円の支出)となりました。これは主に、有価証券の償還による収入2,000百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入1,573百万円、有形固定資産の取得による支出3,046百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は8,151百万円(前連結会計年度比4,798百万円支出の増加)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出4,767百万円、配当金の支払い3,068百万円等によるものであります。
国土交通省が公表している建築着工予定金額や、管工事設備工事業に係る受注高は高水準を示し、大型再開発を含むビル空調や国内製造拠点における産業空調、データセンター投資などの需要は堅調に推移するものとみられます。一方、建設業・物流業における働き方改革や建設費の高騰、さらには国際的な通商政策の不透明感により、国内の建設市場では工事案件の長工期化や投資計画見直しなど一定の影響が生じることが予想され、今後の市場動向は慎重な見極めが必要と考えております。
このような情勢のなか、中期経営計画「move.2027」2年目となる2026年3月期は、足元で順調に進捗しているターゲット市場攻略にいっそう注力するとともに、グループ全体での収益性改善やグループシナジーの強化に取り組んでまいります。
日本セグメントにおいては、データセンターや個別空調、空調設備工事が順調に推移しております。データセンター市場では、当期に本格稼働を開始した総合実験棟「SINKO AIR DEVELOPMENT LAB」などを活用し、お客様への訴求力を強化することでさらなる成長を目指してまいります。個別空調市場では、産業向けの販売が売上伸長をけん引し、同ターゲットの売上目標を前倒しで達成いたしました。製品販売にとどまらずエンジニアリングへのニーズに対応するため、当期より専門事業部を立ち上げるなど、営業体制の刷新にも取り組んでおります。同市場では今後、お客様の用途やニーズに応える提案営業に取り組み、業績拡大を加速させてまいります。
また、製造や研究開発のプロセスにおいても、中長期的な目線で投資と挑戦を進めてまいります。SIMAプロジェクトは製造プロセスを革新する第2フェーズに入り、製造リードタイム短縮と品質向上を目指す新しい生産システムの構築作業を進めております。これにより、信頼性の高い製品をスピーディに供給できる体制を整え、お客様への価値向上を目指します。加えて当社神奈川工場の最適化計画においては、工場全体での工程配置の組み換えに順次着手し、生産能力増強を着実に実行してまいります。研究開発の面では、新製品の企画と基幹部品の改良を一つの組織に統合することで技術革新の基盤をつくるとともに、市場ニーズの予測とモデルチェンジサイクルの設定により製品の競争力を高めてまいります。
グループ戦略としては、空調機器の販売と設備工事・サービスを組み合わせ、建設現場で厳しい品質が求められているお客様に対し、品質に対する高い信頼性を価値として提供してまいります。データセンター・プラント向けの大型冷却塔の販売においては、当社神奈川工場内に、実際に稼働する冷却塔を実機展示し、お客様向けのショールームと協力会社様向けの研修施設を兼ね備えた施設「BAC BASE」を2025年2月にオープンいたしました。総合実験棟「SINKO AIR DEVELOPMENT LAB」とともに、データセンター事業者様を含む多くの関係者の方々にご見学いただいております。このように、当社グループ内にあるリソースを互いに活用することで、グループ収益の最大化を目指してまいります。
アジアセグメントにおいては、依然として厳しい事業環境が続くものと見込まれますが、製品やサービス面で他社との差別化を目指す販売戦略、および品質や製造面の見直しによる原価低減と利益確保に取り組み、収益性の改善を進めてまいります。
以上を踏まえ、2026年3月期の業績見通しは以下のとおりです。
売上高 58,000百万円(前連結会計年度比1.7%増)
営業利益 10,100百万円(前連結会計年度比1.1%増)
経常利益 10,700百万円(前連結会計年度比0.8%増)
親会社株主に帰属する当期純利益 7,400百万円(前連結会計年度比5.5%減)
なお、当社グループの事業は日本およびアジア地域がほぼすべてを占めており、米国向けの輸出・販売等の事業はありません。そのため、現時点では、米国政府より発表された関税措置による直接の影響はないものと想定しております。一方で、当該措置を含む国際的な通商政策により、世界経済は先行き不透明な状態が続くことが懸念されます。当社グループは、引き続き市場動向を注視し、適切な対応を行ってまいります。
当社グループは、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画「move.2027」を当期からスタートさせ、資本コストと株価を意識した経営に取り組んでまいりました。利益配分については、生産能力の増強、お客様へのサービス性向上、研究開発による付加価値向上など成長への投資と挑戦を進める一方で、株主各位に対しては具体的な方針に基づき利益還元を行っていくこととしております。当期より配当性向の目安を50%に引き上げたほか、業績低迷のときも配当の下限としてDOE3.5%を下回らないこととする方針を採用しております。また、中期経営計画「move.2027」においては、5年間で100億円規模の自己株式取得を進め、総還元性向を向上させるなど、株主還元の強化に取り組んでまいります。
当期の期末配当金は、1株につき32円を予定しております。なお当社は、2024年12月1日付けで普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っており、当該株式分割を考慮した場合の2025年3月期の1株当たり年間配当金は、中間18円、期末32円、合計50円となります。また、次期の配当金につきましては、中期経営計画「move.2027」の配当方針に基づき、中間20円、期末30円、合計50円を予定しております。
2. 会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、日本基準を採用しております。なお、今後の国際財務報告基準(IFRS)の導入につきましては、国内外の諸情勢を踏まえつつ、適切な対応を図ってまいります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、主に空調機器等を製造・販売しており、国内においては当社及び連結子会社が、海外においてはアジア(主に中国)の現地法人が、それぞれ担当しております。現地法人はそれぞれ独立した経営単位であり、取り扱う製品について各地域の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社は、製造・販売体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、「日本」及び「アジア」の2つを報告セグメントとしております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表作成において採用している会計処理の方法と概ね同一であります。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 調整額は以下のとおりであります。
(1) セグメント利益の調整額43百万円、減価償却費の調整額△13百万円は、セグメント間取引消去であります。
(2) セグメント資産の調整額12,999百万円には、各報告セグメントに配分していない全社資産13,025百万円が含まれております。全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない当社での長期投資資金(投資有価証券の一部他)等であります。
2 セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 調整額は以下のとおりであります。
(1) セグメント利益又は損失(△)の調整額41百万円、減価償却費の調整額△13百万円は、セグメント間取引消去であります。
(2) セグメント資産の調整額11,291百万円には、各報告セグメントに配分していない全社資産11,306百万円が含まれております。全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない当社での長期投資資金(投資有価証券の一部他)等であります。
2 セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
3 有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、新規連結に伴う増加額を含めておりません。
【関連情報】
1 製品及びサービスごとの情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
2 地域ごとの情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載しておりません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 株式給付ESOP信託が保有する当社株式は、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めており、また、1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
株式付与ESOP信託が保有する当社株式の株式数
期末株式数 前連結会計年度 736千株 当連結会計年度 722千株
期中平均株式数 前連結会計年度 742千株 当連結会計年度 730千株
3 当社は、2024年12月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
4 1株当たり当期純利益の算定上の基礎
2030年満期ユーロ円建取得条項付転換社債型新株予約権付社債の発行
当社は、2025年3月13日付の取締役会において、2030年満期ユーロ円建取得条項付転換社債型新株予約権付社債(以下「本新株予約権付社債」といい、そのうち社債のみを「本社債」、新株予約権のみを「本新株予約権」という。)の発行を決議し、2025年4月3日(ロンドン時間、以下別段の表示のない限り同じ。)に払込みが完了しております。その概要は次のとおりであります。
(7) 本新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数
(9) 本新株予約権の行使に際して払い込むべき金額
① 各本新株予約権の行使に際しては、当該本新株予約権に係る本社債を出資するものとし、当該本社債の価額は、その額面金額と同額とする。
② 転換価額は、1,386円とする。
③ 転換価額は、本新株予約権付社債の発行後、当社が当社普通株式の時価を下回る払込金額で当社普通株式を発行し又は当社の保有する当社普通株式を処分する場合には、下記の算式により調整される。
なお、下記の算式において、「既発行株式数」は当社の発行済普通株式(当社が保有するものを除く。)の総数をいう。
また、転換価額は、当社普通株式の分割又は併合、一定の剰余金の配当、当社普通株式の時価を下回る価額をもって当社普通株式の交付を請求できる新株予約権(新株予約権付社債に付されるものを含む。)の発行が行われる場合その他一定の事由が生じた場合にも適宜調整される。