1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………4
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………4
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………4
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………5
3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………6
(1)連結財政状態計算書 ………………………………………………………………………………………6
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………8
(3)連結持分変動計算書 ………………………………………………………………………………………10
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………12
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………13
(継続企業の前提に関する注記) ……………………………………………………………………………13
(会計方針の変更) ……………………………………………………………………………………………13
(表示方法の変更) ……………………………………………………………………………………………13
(セグメント情報) ……………………………………………………………………………………………13
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………17
(重要な後発事象) ……………………………………………………………………………………………17
当連結会計年度の世界経済には底堅い成長が認められましたが、当社の事業領域においては、日本での自動車生産台数の伸び悩みや、欧州や中国の景気停滞継続等、次第に不透明感が強まってまいりました。外部環境の厳しさが増すなかではありましたが、2030年までに目指す姿として掲げた「JTEKT Group 2030 Vision」を指針として、「ソリューションプロバイダーへの変革」を実現するための体制づくりに注力いたしました。2030年に向け、既存製品の高付加価値化により成長への原資を生み出し、その原資をもとに新領域へチャレンジするという両輪で、ソリューションプロバイダーへの飛躍を目指します。
当社は、第二期中期経営計画(2024〜2026年度)に基づき、当期はその初年度として、本計画に沿った戦略を着実に実行してまいりました。特に、重点施策として位置づけた「ソリューションの創出力強化」、「競争力の強化」、「グローバル体制の再構築」により、成長への足場固めを図りました。加えて、経営基盤を強化するために、「人と現場中心の経営」、「カーボンニュートラルの推進」、「キャッシュアロケーション・株主還元」にも注力いたしました。
「ソリューションの創出力強化」につきましては、2025年1月にソリューション共創センター(以下「ソリセン」)を開設いたしました。全社を挙げてジェイテクトグループの持つ技術や知見(コアコンピタンス)をプラットフォーム化し、ソリセンは、それらをつなぎながら、社内外から寄せられた課題をともに解決へと導く役割を担います。ソリセンには、すでに100を超える相談が集まり、中にはお客様満足度向上につながったソリューション創出事例も出始め、着実に成果が現れております。ソリセンの仕組みを活用し、社会や社内の課題解決策の創出を積み重ねることにより、会社全体でソリューションプロバイダーへの変革を実現してまいります。
「競争力の強化」の取組みとして、「自動車事業」においては、お客様のニーズに応えるために「軽量・コンパクト」をコンセプトにしたC-EPSの開発、「良質廉価」なモノづくりをコンセプトにした第2世代のRP-EPSの開発を実施してまいりました。また、将来のビジネスを見据えて、我々のコア技術をベースとしたステアバイワイヤの開発に注力しているほか、Pairdriver®も自動運転に向けて進化させるために、製品の高付加価値化に努めております。
「産機・軸受事業」では、デジタルを活用した開発リードタイムの短縮等、競争優位性の確立に努めてまいりました。軸受設計プロセスにおいては、設計データの管理一元化や、設計者による反復計算を自動化するシステムの開発・導入により、設計検討時間を従来比1/4に短縮することを実現いたしました。
「工作機械・システム事業」では、幅広い顧客ニーズにお応えするための研削盤大型モデル、BEV用電池の進化を支える設備の開発を進めました。また、労働力不足や環境対応等の課題解決に貢献するために、自動化・工程集約のご提案や保全業務を効率化するデジタルサービスも強化しております。
「アフターマーケット事業」では、海外新興市場の開拓やお客様の新たなニーズにお応えする商品の開発に注力いたしました。気候変動等により多発する水害の未然防止に貢献するために、耐環境性に優れ、海水域や寒冷地等の悪環境下でも長寿命を実現した水位計「STD series」を発表しております。
また、当社はこれら事業を支えるデジタル基盤強化のため、全社を挙げてITリテラシーの向上や、生産現場でのAI導入・自動化による生産性改善等、デジタルモノづくり改革を推進しております。「デジタル祭り」と銘打った全社活動では、ITデジタルツールを整備するとともに、デジタル活用事例を共有できるサイトの公開やイベントを実施しました。これらの活動を通じ、各人が業務内で自発的にデジタル化を進める機運が高まりました。また、生産現場においても、検査工程等においてプログラミング不要で容易に使用できるAI活用プラットフォームを内製する等、着実にデジタルモノづくり改革を進めております。
「グローバル体制の再構築」としては主要地域ごとに戦略を明確化し、グローバルでの企業価値最大化に向けた取組みを実行してまいりました。成長市場と位置付けているインドにつきましては、2024年10月に新工場の設立を決定いたしました。一方、市場低迷が続き収益体質改善が急務である欧州では、構造改革を加速させました。拠点ごとに生産体制の在り方を精査し、油圧ポンプ製造拠点及びニードルローラーベアリング事業の売却を実行しております。欧州では、今後もう一段の構造改革を実行し、適切な経営資源の投下により早期黒字化を目指してまいります。
人的資本戦略としては「人と現場中心の経営」を掲げ、「チャレンジが人を育て、人が新たなソリューションを生み出す」という考えのもとチャレンジできる風土の醸成を進めてまいりました。また、従業員エンゲージメントの向上をソリューションプロバイダーへの変革の重要ファクターと位置付け、「おもいやりコミュニケーション研修」や「おたがいを尊重しよう月間」等の新たな試みを実施いたしました。
環境に配慮した取組みとしては、「カーボンニュートラルの推進」の一環として刈谷工場内にCNラボを開設いたしました。CNラボは、太陽光発電により水素を生成し、貯めることができるモデルプラントであります。当社では、2035年にグローバルでカーボンニュートラル達成を目指しており、その実現に向けた当社グループの2030年度の温室効果ガス排出削減目標(2021年度比)は、SBT※認定を取得しております。このような気候変動への取組みは、国際環境非営利団体CDPによる最新の気候変動分野の評価で最上位のAを獲得する等、外部からも高く評価されております。また、サーキュラーエコノミーの実現にも一層注力し、資源の再利用や廃棄物の削減等の取組みを進めてまいります。
「キャッシュアロケーション・株主還元」につきましては、第二期中期経営計画期間中に1,000億円の株主還元を計画し、着実に施策を実行してまいりました。配当につきましては、安定的な配当を継続する姿勢を明確にするべく還元方針をDOE2-3%目安に改定し、増配いたしました。加えて、当社としては初の自己株式取得として280億円超の買付けを実施いたしました。今後も企業価値を高めるとともに株主のみなさまへの還元の充実を図ってまいります。
また、政策保有株式につきましてもゼロ化に向けて縮減を着実に進めております。それにより創出された資金は、持続的な成長実現のため人財や研究開発等に積極投資するとともに資本効率の最適化に努めてまいります。
これらの施策に加えて当社は、ソリューションプロバイダーへの飛躍の礎として、ジェイテクトのMission Vision Value(MVV)をあらためて整理しております。会社の存在意義であるMissionは、JTEKTという社名に込められた「Joint technology」や「JOY」といった思いから想起したものであります。VisionはMissionを実現するために会社が目指す姿を示しており、「JTEKT Group 2030 Vision」が該当します。Valueは共通の価値観であり、ジェイテクトの基本理念をより明解に表現し、全員が常に同じ思いを持って進むことができるよう定めました。これからも当社はMVVを共通の判断軸とし、全員参加でグループの総力を結集して最適なソリューションを共創していくことで社会に貢献してまいります。
※SBT:パリ協定が求める水準と整合した、企業が設定する温室効果ガス排出削減目標
当社の連結業績につきましては、前連結会計年度に比べ、売上収益は71億7百万円(0.4%)減収の1兆8,843億97百万円、事業利益は79億60百万円(10.9%)減益の649億38百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は265億44百万円(65.9%)減益の137億13百万円となりました。
セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。
「自動車」におきましては、為替影響はあるものの、欧州や中国での減収が大きく、売上収益は前連結会計年度に比べ112億87百万円(0.8%)減収の1兆3,331億50百万円となりました。事業利益は、為替影響や原価改善の効果はあるものの、減収や北米における生産性悪化の影響等により、66億95百万円(14.9%)減益の383億44百万円となりました。
「産機・軸受」におきましては、為替影響はあるものの、日本や欧州での減収が大きく、売上収益は前連結会計年度に比べ58億8百万円(1.6%)減収の3,522億68百万円となりました。事業利益は、為替影響や原価改善の効果はあるものの、減収の影響が大きく、40億36百万円(31.8%)減益の86億49百万円となりました。
「工作機械」におきましては、為替影響もあり北米や中国を中心に増収となり、前連結会計年度に比べ売上収益は99億89百万円(5.3%)増収の1,989億78百万円となりました。事業利益は、為替影響や原価改善の効果等により、26億74百万円(18.1%)増益の174億10百万円となりました。
当連結会計年度末における資産は、現金及び現金同等物や棚卸資産の減少等により、1兆5,653億91百万円と前連結会計年度末に比べ631億22百万円の減少となりました。
負債につきましては、繰延税金負債や退職給付に係る負債の減少等により、7,879億22百万円と前連結会計年度末に比べ178億21百万円の減少となりました。
また、資本につきましては、配当や自己株式の消却による利益剰余金の減少等により、7,774億69百万円と前連結会計年度末に比べ453億1百万円の減少となりました。
連結キャッシュ・フローにつきましては、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益の計上等により、当連結会計年度は802億38百万円の資金の増加となりました。(前連結会計年度は1,544億61百万円の資金の増加)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入があったものの、有形固定資産の取得による支出等により、当連結会計年度は759億36百万円の資金の減少となりました。(前連結会計年度は713億52百万円の資金の減少)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済や自己株式の取得、配当金の支払等により、当連結会計年度は520億76百万円の資金の減少となりました。(前連結会計年度は472億24百万円の資金の減少)
これらに換算差額を減算した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,190億60百万円となりました。
当社は、中長期的な目標であるJTEKT Group 2030 Visionで「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」を目指すことを掲げました。自動車部品や軸受のモノづくり技術と、工作機械というモノづくり設備に強みをもつ当社だからこそ実現できる、画期的なソリューションで社会に貢献していきたいと考えております。そのためには、コア技術やコンピタンスを掛け合わせることで、既存製品の付加価値を高めていくとともに、新たな領域へチャレンジし成長事業へと育てていくことが不可欠となります。その先進的な事例として、主力製品の電動パワーステアリングの補助電源装置として開発された高耐熱リチウムイオンキャパシタ「Libuddy®」が、当社の持つ様々なコンピタンスと掛け合わさり、多方面へ新たなソリューションを提供しつつあります。例えば、電動パワーステアリングで培ったモーター制御技術や安全設計技術等のコンピタンスとLibuddy®を融合させ、ドローンの姿勢制御システムの開発に着手しております。更なる開発・検証を重ね、次世代のモビリティであるドローンの性能向上への貢献を目指します。このように当社がこれまで積み重ねてきた多岐にわたる技術や強みを活用し、積極的に新領域開拓に挑んでまいります。
人やモノが自由に移動できるモビリティ社会のなかで、当社が存在価値を発揮していくためには、これまでの受動型のビジネスからソリューション型ビジネスに大きく転換しなければなりません。その第一歩として、コアコンピタンスプラットフォーム(以下「ココプラ」)と呼ばれる、グループのコア技術やスキルを持つ人財を集約したプラットフォームの構築に注力しております。また、新たに設置したソリューション共創センター(以下「ソリセン」)では、お客様や社内が抱える課題を受け付け、ココプラをつなぎ合わせた最適なソリューションの創出を目指します。まずはココプラやソリセンの活用事例を蓄積し、ソリューション型ビジネスの土台を築いてまいります。この仕組みをブラッシュアップしていくことで、全てのビジネスをソリューション型へと転換させ、ソリューションプロバイダーへと変革してまいります。
加えて、ソリューションプロバイダーへの飛躍を支える経営基盤の強化のため、不要なコストや固定費の徹底的な削減、構造改革や業務の見直し・効率化にも覚悟を持って取り組んでまいります。特に足元では北米において、コロナ禍以降の離職率上昇に起因する生産性悪化や不要なコスト増加が課題となっております。生産体制の正常化、コストの最小化のため、タスクフォースチームを現地に派遣して収益性改善に努めております。北米地域に限らず会社全体で不要なコストを極小化させ、健全に収益を生み出すことができる体制を固めてまいります。
また、「安全第一・品質第二」を旨とする当社は、「Yes for All, by All! ~みんなのためにみんなでやろう~」という価値観のもと、労働安全性の確保や不正を起こさない職場風土の醸成といったガバナンスの強化を一層推し進め、社会から信頼される会社であり続けるよう、絶え間ない改善を続けてまいります。
2026年3月期の通期連結業績予想につきましては、売上収益1兆7,700億円、事業利益600億円、営業利益500億円、税引前利益450億円、親会社の所有者に帰属する当期利益200億円を見込んでおります。なお、為替レートにつきましては、1USドル140円、1ユーロ160円を前提としております。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、2020年3月期(第120期)の有価証券報告書における連結財務諸表から、国際会計基準(IFRS)を適用しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
連結キャッシュ・フロー計算書
前連結会計年度において「財務活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めておりました「自己株式の取得による支出」は、重要性が高まったため、当連結会計年度より独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において「財務活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた△2,697百万円は、「自己株式の取得による支出」△4百万円及び「その他」2,693百万円として組み替えております。
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役等が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、市場別の事業本部を置き、各事業本部は取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
従って、当社グループは事業本部を基礎とした市場別セグメントから構成されており「自動車」、「産機・軸受」及び「工作機械」の3つを報告セグメントとしております。
なお、「自動車」は、売上収益の推移等の経済的特徴が概ね類似している事業セグメント「ステアリング」及び「駆動」の2つのセグメントを集約しております。
「自動車」はステアリング、駆動系部品等の自動車業界向け製品の製造販売をしております。
「産機・軸受」は産業機械用ベアリング等の製造販売をしております。
「工作機械」は工作機械、制御機器、工業用熱処理炉等の製造販売をしております。
セグメント間の内部売上収益又は振替高は、市場価格、総原価を勘案して、毎期価格交渉の上、決定しております。報告セグメントの利益は、事業利益ベースの金額であります。なお、事業利益は事業セグメントごとの営業活動から生じる損益であり、管理会計の区分に従って営業上の取引を集計し、本社部門費については経理部門において適切な方法で事業セグメントに配賦しております。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) セグメント利益(△損失)の調整額437百万円は、セグメント間取引消去であります。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) セグメント利益(△損失)の調整額534百万円は、セグメント間取引消去であります。
「1. 報告セグメントの概要」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
(注) 1 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
2 欧州につきましては、売上収益の一国に係る金額が連結売上収益の10%を超える国はありません。
(注) 1 持分法で会計処理されている投資、その他の金融資産、繰延税金資産を含んでおりません。
2 非流動資産は無形資産と有形固定資産の合計であります。
当社グループの主要な顧客はトヨタ自動車㈱及びそのグループ会社であり、全ての報告セグメントにおいて売上収益を計上しております。
親会社の所有者に帰属する基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎は以下のとおりであります。
該当事項はありません。