1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………3
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………3
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………4
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………4
3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………5
(1)連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………………5
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………7
(3)連結株主資本等変動計算書 ………………………………………………………………………………9
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………11
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………13
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………13
(会計方針の変更) ………………………………………………………………………………………………13
(セグメント情報等) ……………………………………………………………………………………………14
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………16
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………16
4.その他 ……………………………………………………………………………………………………………17
役員の異動 ………………………………………………………………………………………………………17
当連結会計年度における世界経済は、総じて回復基調にはありましたが、欧米における政策金利動向や為替及び株式市場の大きな変動、中国における経済成長の停滞、さらには米国の政策変更に伴う影響が一部で顕在化するなど、不安定な状況が継続しました。国内経済においても、物価上昇の継続や世界経済の情勢変化を起因とした下押し圧力による影響を受けるなど、楽観視できない状況が継続しました。
半導体・電子部品業界の市場は、パソコン市場においては、新型コロナウィルス感染症の拡大によって発生した特需の反動減を主要因とした在庫調整は一巡したものの、全体として回復は力強さに欠ける水準で推移し、サプライヤー間の価格競争が激化しました。サーバー市場においては、生成AI関連を中心とした成長領域は好調に推移した一方で、既存のデータセンター向けサーバー市場は、大口ユーザーの投資水準に底打ち感は見られたものの、半導体メーカー間の競争環境の変化が続いております。
自動車業界の排気系部品市場は、中国国内の景気減速及び世界的な景気停滞に加え、国内自動車メーカーのエンジン認証問題に伴い、グローバルでの自動車生産台数の伸びは鈍化しております。
このような情勢のもと、当社におきましては、2023年度より始動しております5ヵ年の中期経営計画「Moving on to our New Stage 115 Plan」に基づき、強靭かつしなやかなビジネスモデルの構築を中心とした事業競争力強化や、DXを活用したモノづくり改革など、5本の活動の柱(強化していく5つの力)と製造業としての基盤活動を軸に、事業環境変化への対応と、持続可能な成長の両立に向けた取り組みを進めております。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は3,694億36百万円と前連結会計年度に比べ10億74百万円(0.3%)減少しました。営業利益は476億21百万円と前連結会計年度に比べ52百万円(0.1%)増加しました。経常利益は478億90百万円と前連結会計年度に比べ32億50百万円(6.4%)減少しました。親会社株主に帰属する当期純利益は337億4百万円と前連結会計年度に比べ22億14百万円 (7.0%)増加しました。
セグメントの概況は、次のとおりであります。
電子事業
電子事業におきましては、生成AI用サーバー向けの受注が堅調に推移したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ増加したものの、パソコン及び汎用サーバー向けの高機能ICパッケージ基板の需要が減少したことに加えて、価格競争が激化する中、採算性を重視する受注方針によって一時的に生産稼働が低下したことなどにより、営業利益は前連結会計年度に比べ減少しました。
以上の結果、電子事業の売上高は1,972億23百万円となり、前連結会計年度に比べ3.4%増加しました。同事業の営業利益は、268億47百万円となり、前連結会計年度に比べ1.6%減少しました。
セラミック事業
自動車排気系部品であるディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)は、中国経済の減速に伴う影響を受け、売上高は前連結会計年度に比べ減少したものの、エネルギー費用を中心としたコスト上昇分を顧客との合意に基づいて販売価格に転嫁したことや、受注に合わせた柔軟な生産体制の構築が寄与したことなどにより、営業利益は前連結会計年度に比べ増加しました。
触媒担体保持・シール材(AFP)は、中国経済の減速及び国内自動車メーカーにおけるエンジン認証問題による販売数量減の影響が続いたことなどにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ減少しました。
特殊炭素製品(FGM)は、総じて受注が堅調に推移したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ増加したものの、市況変化による一部顧客の在庫調整及び能増投資に伴う償却費増加などの理由により、営業利益は前連結会計年度に比べ減少しました。
以上の結果、セラミック事業の売上高は840億68百万円となり、前連結会計年度に比べ12.9%減少しました。同事業の営業利益は122億18百万円となり、前連結会計年度に比べ8.5%減少しました。
その他事業
建材部門におきましては、住宅着工件数の落ち込みによる販売棟数の減少影響を受けたものの、2023年度に実施した買収の効果もあり、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。
建設部門におきましては、発電設備・排水処理設備の建設工事の受注が堅調に推移したことに加え、大型工事が順調に進捗したことにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。
その他部門におきましては、ヘルスケア事業において特定健診制度改正に伴う受注が好調に推移したことに加え、その他事業全体を通じて各種費用改善が寄与したことなどにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。
以上の結果、その他事業の売上高は881億44百万円となり、前連結会計年度に比べ5.8%増加しました。同事業の営業利益は87億6百万円となり、前連結会計年度に比べ23.4%増加しました。
当連結会計年度末における総資産は1兆816億84百万円(前年同期比4.3%減)となりました。流動資産は5,495億80百万円(同8.5%減)、固定資産は5,321億3百万円(同0.6%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、5,843億85百万円(同7.0%減)となりました。流動負債は3,277億17百万円(同8.6%減)、固定負債は2,566億68百万円(同4.9%減)となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は4,972億98百万円(同0.9%減)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,906億56百万円となり、前連結会計年度末より529億27百万円減少しました。
各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、1,188億95百万円となり、前期に比べ、263億35百万円の資金の減少となりました。これは主に前受金の増加額が減少したこと、棚卸資産の増減額が減少から増加に転じたことによって資金が減少したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用された資金は、1,641億82百万円となり、前期に比べ、869億7百万円の資金の減少となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出額が増加したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用された資金は、71億13百万円となり、前期に比べ、746億40百万円の資金の減少となりました。これは主に転換社債型新株予約権付社債の発行による収入が減少したことによります。
今後の世界経済の見通しにつきましては、中国における経済成長鈍化の長期化や、米国の関税政策変化を含む地政学リスクの影響など、不安定かつ不透明な状況が継続すると見込んでおります。当社グループにおきましては、事業環境変化に強いビジネスモデルの構築と最新のデジタル技術の導入・展開による歩留り・生産性改善を進め、競争力強化を図るとともに、市場の変化に対し、グローバルで生産体制を機動的かつ柔軟に運営することで、事業への影響を最小限に留めてまいります。
電子事業の市場におきましては、足下は、生成AI用サーバー向けの需要は引続き堅調に推移しておりますが、パソコン及び汎用サーバー向けの需要の回復は緩やかなペースが継続しています。しかしながら、2025年度の下期以降は、AI分野の更なる成長に加えてデータ量の増加に伴う処理能力の向上と省電力ニーズの両立が求められることにより、汎用サーバー向けを含む高機能ICパッケージ基板全体の需要回復が見込まれます。当社におきましては、既存工場の生産能力の有効活用に加えて、大野事業場の量産を計画通り2025年度の下期より立ち上げることで高付加価値製品の受注を最大限に取り込んでまいります。また、デジタル技術の活用による高効率・高品質なモノづくりを目指したOne Factory構想に基づくグローバルでの品質力強化と匠(たくみ)人材の育成による現場力の強化を進めてまいります。
セラミック事業におきましては、DPF・AFP事業の主力である自動車排気系部品市場については、中国経済の停滞リスクは依然としてあるものの、米国をはじめとするEV関連の政策変更に伴い、内燃機関向け製品の需要は継続するとみております。当社におきましては、成長市場としての中国・インドを中心とした新興国市場の産業用車両(トラック・建機など)向けの需要を確実に取込むとともに、将来のEV化再加速に備え、NEV向け安全部材の量産体制を整備してまいります。また、FGM事業においては、各種半導体製造装置向け需要の動向を見極めつつ、自社の競争力が最大限に発揮できる市場に集中的かつ計画的な投資を行うことで、事業を拡大してまいります。
その他事業におきましては、国内グループ各社の独自競争力を持つコア事業の拡大と併せて選択と集中を実施することで、安定した電力事業とともに、当社グループの電子事業・セラミック事業に次ぐ「第3の収益の柱」としての位置づけを確かなものにしてまいります。
当社グループでは、2023年度より始動しております5ヵ年の中期経営計画「Moving on to our New Stage 115 Plan」で掲げている5本の活動の柱(強化していく5つの力)に基づき、事業環境変化に確実に対応するとともに、安定した成長の実現に向け、全社グループ一丸となって取り組んでまいります。また、経営と従業員の視点による人的資本経営を実践し、自立型人財の育成とフレキシブルな組織体への変革を推進することで、社員一人ひとりが働きがいを感じ、能力を最大限に発揮できる環境を整備してまいります。さらに、経営の基盤としてのESG経営を引続き推進することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
当社グループといたしましては、これらの経営課題・リスクに着実に対処することで、収益基盤を一層強固なものとし、中期経営計画の目標達成とともに、その先の永続的・安定的な成長を実現するための取組みを継続してまいります。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性を考慮し、当面は、日本基準で連結財務諸表を作成する方針であります。
なお、IFRS適用時期等につきましては、諸情勢を考慮しながら、適切に対応していく方針であります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
(「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下「2022年改正会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しています。
法人税等の計上区分(その他の包括利益に対する課税)に関する改正については、2022年改正会計基準第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱い及び「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日。以下「2022年改正適用指針」という。)第65-2項(2)ただし書きに定める経過的な取扱いに従っています。なお、当該会計方針の変更による連結財務諸表への影響はありません。
また、連結会社間における子会社株式等の売却に伴い生じた売却損益を税務上繰り延べる場合の連結財務諸表における取扱いの見直しに関連する改正については、2022年改正適用指針を当連結会計年度の期首から適用しています。なお、当該会計方針の変更による前連結会計年度の連結財務諸表への影響はありません。
(「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い」の適用)
「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第46号 2024年3月22日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。
なお、当該会計方針の変更による影響は軽微であります。
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、電子、セラミック、その他事業を営んでおり、取り扱う製品・サービスによって、当社及び当社の連結子会社を設置し、各々が独立した経営単位として、国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社は、製品・サービスを基礎とした事業別のセグメントから構成されており、「電子」、「セラミック」の2つを報告セグメントとしております。
「電子」は、パッケージ基板の製造販売を行っております。
「セラミック」は、環境関連セラミック製品、特殊炭素製品、ファインセラミックス製品、セラミックファイバーの製造販売を行っております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表作成のために採用されている会計処理基準に基づく金額により記載しております。セグメント利益の金額は、営業利益ベースの数値であります。
セグメント間の内部売上高又は振替高は第三者間取引価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益、資産その他の項目の金額に関する情報並びに収益の分解情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、建設、建材、合成樹脂加工業、農畜水産物加工業、石油製品販売業、情報サービス等の各種サービス業等を含んでおります。
2 セグメント利益の調整額△121百万円は、セグメント間取引消去5百万円、各報告セグメントに帰属しない全社費用△127百万円であります。
3 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、建設、建材、合成樹脂加工業、農畜水産物加工業、石油製品販売業、情報サービス等の各種サービス業等を含んでおります。
2 セグメント利益の調整額△151百万円は、セグメント間取引消去△59百万円、各報告セグメントに帰属しない全社費用△91百万円であります。
3 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
4「電子」のセグメント利益には、営業外費用として計上している休止固定資産減価償却費1,743百万円を含んでおりません。
5「電子」のその他の項目「減価償却費」には、営業外費用として計上している休止固定資産減価償却費1,743百万円を含んでおります。
4 報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(固定資産に係る重要な減損損失)
報告セグメントに帰属しない遊休資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。
なお、当該減損損失の計上額は、当連結会計年度において、573百万円であります。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(固定資産に係る重要な減損損失)
電子セグメントにおいて、固定資産に係る重要な減損損失を18,587百万円計上しております。
内訳は、以下となります。
(1)イビデンフィリピン株式会社の固定資産について、減損の兆候が認められたため、将来の回収可能性を検討した結果、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、15,537百万円の減損損失を計上しております。
(2)当社の遊休資産について、回収可能価額を備忘価額として、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、3,050百万円の減損損失を計上しております。
(注) 1 株式会社日本カストディ銀行(信託口)が保有する当社株式(役員向け株式交付信託及び従業員向け株式交付信託分)を1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めており、また、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式数に含めております。1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上、控除した当該自己株式の期中平均株式数は、前連結会計年度212,319株、当連結会計年度227,681株であり、1株当たり純資産額の算定上、控除した当該自己株式の期末株式数は、前連結会計年度201,081株、当連結会計年度284,101株であります。
2 1株当たり当期純利益金額及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額
該当事項はありません。
取締役の異動(2025年6月20日付)
退任取締役
社外取締役 山口 千秋 (現 当社監査等委員でない取締役)
取締役(監査等委員) 桑山 洋一 (現 当社監査等委員である取締役)
社外取締役(監査等委員) 加藤 文夫 (現 当社監査等委員である取締役)
新任取締役
社外取締役 丸山 晴也 (現 ヤマザキマザック株式会社 取締役副社長)
取締役(監査等委員) 野田 幸宏 (現 当社監査部付)
(現 株式会社イビデンキャリア・テクノ取締役)
社外取締役(監査等委員) 後藤 もゆる (現 弁護士法人後藤・木河法律事務所 パートナー弁護士)
(現 株式会社シイエム・シイ 社外監査役)
(現 ケイティケイ株式会社 社外取締役(監査等委員))