1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………6
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………6
(4)資本収益性の現状分析と改善への取り組み ……………………………………………………………7
(5)サステナビリティに関する考え方及び取り組み ………………………………………………………8
(6)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………11
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………11
3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………12
(1)連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………………12
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………14
連結損益計算書 …………………………………………………………………………………………………14
連結包括利益計算書 ……………………………………………………………………………………………16
(3)連結株主資本等変動計算書 ………………………………………………………………………………17
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………19
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………21
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………21
(会計方針の変更) ………………………………………………………………………………………………21
(セグメント情報等) ……………………………………………………………………………………………21
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………23
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………24
当連結会計年度(2024年4月〜2025年3月)の日本経済は、物価上昇の影響を受けつつも個人消費や企業業績が底堅く推移しました。一方で、海外経済の減速懸念や地政学リスクの高まりもあり、先行きは見通しにくくなっています。
こうした状況のなかで、当社グループは収益力向上に向け、強みである「アニメ」「経済報道」の強化、また「独自IP(知的財産)」の開発に努めております。当期においては、売上高は前年同期比4.9%増の155,837百万円、営業費用は5.9%増の148,047百万円となりました。営業利益は11.9%減の7,789百万円、経常利益は、受取配当金の減少も影響し14.0%減の8,255百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式の売却益の減少により10.4%減の6,034百万円となりました。
また、当社グループの中核子会社である㈱テレビ東京の決算については、売上高が5.0%増の115,836百万円となりました。営業利益は12.4%減の5,688百万円、経常利益は17.3%減の7,003百万円、税引前当期純利益は24.4%減の7,208百万円となりました。㈱テレビ東京の事業を構成する放送事業、ライツ事業の状況についてはそれぞれ(b)セグメント別の状況の「地上波・BS放送事業」「アニメ・配信事業」に記載しております。
今後につきましては、国内外の不確実な状態が続く中、独自のコンテンツ作りを通じて放送事業の収益をできる限り確保しつつ、経済報道やドラマ等の配信サービス、またアニメの事業展開を一段と進めてまいります。海外については、中国市場に加え東南アジアや欧米、中東でのアニメ作品の配信、商品化を加速していきます。また、新規事業開発や成長投資も推し進め、テレビ東京グループの総力を結集して業績向上を目指してまいります。
セグメント別の業績は以下の通りです。
(単位:百万円)
【地上波・BS放送事業】
地上波・BS放送事業はテレビ東京グループ各社が行う放送事業となっております。
①地上波放送事業(㈱テレビ東京)
放送事業収入(売上高)の合計は3.8%増の78,973百万円となりました。
このうち番組提供のスポンサーから得られるタイム収入は、系列局を通じた全国放送(ネット部門)において前年を上回りました。ミニ番組を活用した新規企画などを行うことで、PTセールスと呼ばれる単発型広告が大きく伸長した結果です。一方、首都圏放送(ローカル部門)は、時報CM企画や通販番組の売上は増加したものの、パリオリンピックによるレギュラー番組の休止が影響し前年を下回りました。特別番組(特番)部門においては、開局60周年を記念した特番や、年末年始のセールスが好調に推移し、前年を上回りました。以上の結果、タイム収入全体では4.0%増の44,924百万円となりました。
スポット収入は、『自動車・関連品』『飲料』『家電・AV機器・精密機器』などの出稿が好調となりました。東京地区の広告市場は前年同期比0.6%増となり、㈱テレビ東京もシェアの高い大型案件の出稿を獲得し売上を伸ばした結果、スポット収入は前年同期比7.1%増の28,158百万円となりました。
地方放送局などへの番組販売では、他系列の地方放送局において深夜枠が縮小したことや、パリオリンピックや大型スポーツ中継が土日に多く編成されたことで、全体としては番組購入需要が減少する傾向となりました。番組別では、「ありえへん∞世界」「家、ついて行ってイイですか?」など、販売が好調に推移した番組はあるものの、番組販売収入は1.6%減の4,279百万円となりました。
コストの面では、放送収入の増加に伴う代理店手数料の増加や、パリオリンピック開催による番組制作費の増加などにより、放送事業の費用は4.1%増の62,102百万円となりました。
以上の結果、㈱テレビ東京単体の放送事業利益は2.6%増の16,871百万円となりました。
②BS放送事業(㈱BSテレビ東京)
BS放送事業収入(売上高)の合計は1.0%増の15,901百万円となりました。
このうちタイム収入は、レギュラー部門において、オープンセールスや通販番組のセールスが好調に推移し、前年を上回りました。特番部門においては単発通販枠の縮小が影響し、前年を下回りましたが、レギュラー部門のプラス幅が大きく、タイム収入全体としては前年を上回る結果となりました。また、スポット収入についても、通販スポンサーを中心に効率よくセールスしたほか、単価の高い一般スポンサーの出稿を獲得したことで前年を大きく上回り、放送収入全体として前年を超えました。
営業費用は、ソフト費や制作技術費等の減少により、前年同期比0.9%減の13,366百万円となりました。
以上の結果、BS放送事業(㈱BSテレビ東京)の営業利益は12.7%増の2,535百万円となりました。
これらに加えて㈱テレビ東京メディアネットなど放送関連会社の売上を合計し、同一セグメント内取引を調整したセグメント売上高は4.1%増の98,696百万円、営業利益は10.7%増の4,069百万円となりました。
【アニメ・配信事業】
アニメ・配信事業は、㈱テレビ東京が持つコンテンツを活用し放送による広告以外に収入を上げている「ライツ事業」や、㈱テレビ東京コミュニケーションズ・㈱エー・ティー・エックスなどのグループ会社が行うアニメのCS放送や音楽関連ビジネス事業を指します。主に海外向けの番組販売、ゲーム化による権利、インターネットを通じた課金型配信プラットフォーム、広告付き動画配信プラットフォーム向けのコンテンツ供給、イベントなどから得られる収入となります。
①ライツ事業(㈱テレビ東京)
当連結会計年度におけるライツ事業の収入(売上高)は、6.3%増の36,398百万円となりました。
この主軸であるアニメ部門は、「BORUTO」の中国におけるSNSゲームや「ポケットモンスター」が好調に推移しました。また、2023年12月に公開した「劇場版SPY×FAMILY CODE:White」の国内での配給収入や、海外での番組販売が順調に推移したことに加え、「ブラッククローバー」のゲーム化権などが売上を伸ばし、アニメ部門全体の収入は10.2%増の23,103百万円と過去最高額となりました。
ドラマやドキュメンタリーなどの放送番組や放送以外の独自コンテンツを課金プラットフォームなどに販売する配信ビジネス部門は、広告付き無料動画配信(AVOD)の広告収入や「夫の家庭を壊すまで」「法廷のドラゴン」「95」などの新作ドラマの国内配信権販売、テレ東BIZを中心に売上を伸ばしました。また海外は、中国において「孤独のグルメ」シリーズや「ゲキカラドウ2」の販売が好調となりました。映画は好調だった前年の水準には届かなかったものの、配信ビジネス部門全体の収入としては2.1%増の11,759百万円となりました。
イベント部門は、前年に引き続き「STAGE:0」や「田村淳のTaMaRiBa」など放送や配信と連動したイベントを積極的に実施しました。また全国ツアーとして5都市で開催した「ぷしゅソングフェス」や、初めて開催したホラー型展示会「行方不明展」が好調となったものの、大型イベントを実施した前年には届かず、イベント収入は12.3%減の1,536百万円となりました。
ライツ事業の全体の費用は、アニメの新規作品が増えたことや制作コストの増加により、17.1%増の22,070百万円となりました。
費用が売上高以上に増加したため、ライツ事業の利益は6.9%減の14,328百万円となりました。
②その他アニメ・配信事業
音楽出版関連の㈱テレビ東京ミュージックは、北米・南米・欧州地域において「NARUTO」「BORUTO」等アニメ関連のBGMや一般楽曲等の海外印税収入が好調に推移しました。しかしながら、「SPY ×FAMILY」のテーマ曲などの国内印税収入が好調だった前年同期の水準までは届かず、㈱テレビ東京ミュージックの売上高は前年同期比2.8%減の4,256百万円となりました。
CS放送アニメ専門チャンネル「AT-X」を手掛ける㈱エー・ティー・エックスは、放送売上に関しては、 加入促進キャンペーンを通して、加入者数の大幅な落ち込みを食い止め、 増収となりました。ライツ売上に関しては、「陰の実力者になりたくて!」「東京リベンジャーズ」などが好調に推移しましたが前年には届かず減収でした。これにより、㈱エー・ティー・エックスの売上高は前年同期比0.4%増の3,334百万円となりました。
これらに加えて㈱テレビ東京コミュニケーションズの売上高を合計し、同一セグメント内取引を調整したセグメント売上高は5.4%増の46,923百万円、営業利益は28.7%減の4,250百万円となりました。
【ショッピング・その他事業】
ショッピング・その他事業は㈱テレビ東京ダイレクトほか3社が手掛けるテレビ通販やEコマース、グループ全体のサポート事業を指しております。
㈱テレビ東京ダイレクトは、「テレビ東京ショッピング」が夏場の売れ筋商品に続き遠赤速暖ヒーターかるポカなど冬物商品が堅調に推移して増収となりました。「テレ東本舗。」は年度末、「ベイビーわるきゅーれ」や「孤独のグルメ」関連商品の売上が伸び大幅増収となりました。「虎ノ門市場」は年末商材のおせちが前年を上回りましたが定期頒布会の不振が続き減収となりました。これにより㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は前年同期比3.4%増の11,758百万円となりました。
これらに加えて㈱テレビ東京システム、㈱テレビ東京ビジネスサービス、㈱リアルマックスの売上高を合計して、同一セグメント内取引を調整したセグメント売上高は8.0%増の17,183百万円、営業利益は128.5%増の685百万円となりました。
(資産)
流動資産は90,436百万円、前連結会計年度末に比べて1,677百万円増加しております。現金及び預金、受取手形及び売掛金がそれぞれ1,564百万円、2,000百万円増加した一方、未収還付法人税等が2,117百万円減少したことが主な要因です。
固定資産は57,407百万円、前連結会計年度末に比べて928百万円減少しております。有形固定資産が1,345百万円減少した一方で、無形固定資産のソフトウエアが825百万円増加したことによるものです。
(負債)
流動負債は42,362百万円、前連結会計年度末に比べて1,243百万円減少しております。支払手形及び買掛金、未払法人税等がそれぞれ519百万円、639百万円減少した一方、未払費用が791百万円増加したことによるものです。
固定負債は3,580百万円、前連結会計年度末に比べて638百万円減少しております。長期未払金が511百万円減少したことが主な要因です。
(純資産)
純資産は101,900百万円、前連結会計年度末に比べて2,631百万円増加しております。利益剰余金が3,872百万円増加した一方、自己株式の取得等により1,405百万円減少したことが主な要因です。
キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,527百万円の増加となりました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は37,680百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(単位:百万円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は7,569百万円、前年同期比17.0%増加となりました。
これは主に、法人税等の支払額が1,225百万円の支出増加となったものの、未払費用の増減額が1,595百万円の支出減少、売上債権の増減額が1,527百万円の収入増加となったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,015百万円、前年同期比57.2%減少となりました。
これは主に、投資有価証券の取得による支出、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出がそれぞれ1,172百万円、926百万円、691百万円の減少となったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は4,055百万円、前年同期比18.8%増加となりました。
これは主に、自己株式の取得による支出が663百万円の増加となったこと等によるものです。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注1)自己資本比率 : 自己資本 ÷ 総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額 ÷ 総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債 ÷ キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー ÷ 利払い
(注2)各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
(注3)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
(注4)キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社は認定放送持株会社として、災害報道等で国民に切れ目なく情報を伝える責務を負っているため、十分な設備や装備をあらかじめ保持していくことが求められており、相応の余裕資金や自己資本が必要と考えています。
その結果、自己資本に対する利益の割合を示すROEが相対的に低い水準になっていると分析しています。
当社は各ステークホルダー(視聴者、社会全般、株主、取引先、社員)への責任をバランスよく果たし、企業価値の向上を通じて満足の総和を高めていくことを基本方針とし、資本コストを含む様々な経営指標を適切に認識しつつ、コーポレートガバナンス・コードを着実に実行しております。当社は200億円の成長投資枠を2025年度から2027年度までの2025中期経営計画でも継続することを決定し、引き続き投資収益性を十分に検討したうえで新規事業の開発に積極的に資金を振り向けていく方針です。
資本コストやその算出の背景にある計算手法などの考え方の開示については、その公表の要否、妥当性、時期や方法などを含め、株主その他のステークホルダーの皆様との建設的な対話の内容なども参考にしつつ、当社において慎重に検討した上で決定すべき事項であると考えております。
当社は、2020年代後半にROE(自己資本利益率)8%の達成をめざします。ROE目標を達成するには利益を着実に増やしていくことが重要であると認識しており、テレビ広告市場の伸びが鈍化傾向にあることを踏まえ、放送事業だけに頼らずに成長性の高い「アニメ・配信」部門を伸ばすと同時に、強みとする経済報道を拡充させ、独自のIP(知的財産)を駆使したグローバルな事業展開を推進します。
株主還元も着実に推進します。配当方針としては1株当たり年間20円を下限とした安定配当に加えて、業績に連動した配当として、連結ベースで配当性向30%を目途としておりますが、中長期的には35%とすることをめざします。また自己株式取得については特定の企業が保有する株式の議決権の上限を定めた「マスメディア集中排除原則」やプライム市場の要件である流通株式比率、流通株式時価総額などを考慮しながら検討します。そのほか政策保有株式は、段階的かつ可及的速やかに売却していくことが適当と考えております。実際に保有株式の縮減を進めており、過去10年の間に4割の銘柄を売却しております。
当社は放送事業だけに頼らない収益構造への転換を着実に推進し、安定した利益を生み出す体質を一層強固にしていきます。今後は稼いだ利益を積極的に成長投資に振り向けるフェーズに入ったと捉えております。中期経営計画では3年間合計の営業キャッシュフローを主な原資として約200億円の「成長のための投資枠」を設定しています。成長投資の重点分野として「アニメ・配信の国内外での事業拡大」「AI(人工知能)やバーチャル・プロダクションなど最先端技術の研究開発・活用」「コンテンツ制作力の強化」を掲げております。
当社は今後もコーポレートガバナンス・コードの趣旨を十分に踏まえつつ、資本コストや株価を意識した経営計画を策定し、ステークホルダーとの対話を通じて企業価値の向上につなげてまいります。
(5)サステナビリティに関する考え方及び取り組み
私たちは、放送の公共的使命を自覚し、責任あるメディアとして文化の創造に貢献することを目指します。企業価値の最大化に向けて、すべてのステークホルダーと良好な関係を築いた上で、気候変動への対応にも努めながら長期安定的に発展していくことをめざします。
<サステナビリティにおける当社の重要課題>
①責任あるメディアとして文化の創造・地域の発展に貢献する
②中立・公正なコンテンツを作り、豊かな生活と民主主義を守り育てる
③多様性に富んだ持続可能な社会を創造する
①ガバナンス
当社は、地球環境問題をはじめ、人権の尊重、従業員の健康、労働環境への配慮や公正・適切な処遇を実現するための啓蒙活動などサステナビリティを巡るあらゆる課題に対してグループ全体で取り組むために、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しております。「サステナビリティ委員会」はグループ全体のサステナビリティ全般の方針や目標・計画などを立案、実行します。取締役会は「サステナビリティ委員会」から活動状況や重要事項について報告を受け、気候関連課題への対応方針および実行計画等についても審議・監督を行います。
②リスク管理
当社グループのリスク管理体制は、「リスク管理・コンプライアンス委員会」が中心となり、「リスク管理規程」に基づき、気候変動リスクを含めたグループ内のリスク情報を一元的に集約し、対応が必要と認められたリスクについては適切な予防対策を講じています。特定したリスク・機会はサステナビリティ委員会を中心に議論し、重要度の高いものについては「リスク管理・コンプライアンス委員会」へ報告されるほか、リスク管理の状況や重大なリスクの判断に関しては、取締役会へ報告されます。
①気候変動対策の取り組み
気候変動の影響は年々深刻さを増し、経済・社会・環境に大きな影響を及ぼしています。国際社会は低炭素・脱炭素社会の構築に向けた動きを加速しており、企業が果たすべき役割はますます重くなっています。
気候変動への対応については、消費電力の削減や再生可能エネルギーの導入、自社のCO2排出を相殺できる「J-クレジット」等の活用を組み合わせて2023年度からグループ全体のCO2排出量の実質ゼロを継続しています(対象はScope1とScope2)。
また、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」へ賛同し、TCFDが提言するフレームワークを活用して定期的に情報開示をしています。複数の将来シナリオを用いて気候変動が事業に与えるリスクと機会を評価し、気温上昇に伴う事業活動の恒常的な悪化と、緊急的かつ頻発の恐れのある自然災害の影響を分析してBCP(事業継続計画)体制をグループ全体で構築しています。
世界的な課題となっている気候変動リスクへの対応はメディアグループとしても、企業としても重要な課題の1つと認識しています。当社グループではSDGs (持続可能な開発目標)に本格的に取り組むため、国連が報道機関に協力を呼び掛ける「SDGメディア・コンパクト」に署名・加盟しております。報道機関だからこそ出来る取り組みとして、放送や配信、イベントなどを通じてサステナビリティ推進に貢献します。
②人材の多様性に向けた取り組み
テレビ東京グループは、「挑戦・成長を続ける社員が安心して長く活躍できる会社」の実現を人事戦略に掲げ、人材の多様性と専門性を両立する組織づくりを進めております。
中核会社である㈱テレビ東京における2025年4月時点の女性社員比率(専門社員含む)は31.4%、女性管理職比率は21.5%となり、2017年度末の11.2%から増加を続けています。2025年度末には20%半ばに引き上げることを目指して幹部候補生育成プログラムなど整備をしています。また、2023年度にはいち早くパートナーシップ制度を導入しています。外国籍社員は13名在籍しており、グローバル展開やIPビジネスの拡大において中核的な役割を担っています。2024年度の採用実績は新卒25名、キャリア採用21名でキャリア採用比率は45.7%。2025年度はAI・グローバル・IPビジネス領域の即戦力人材を強化配置するため、キャリア採用数は過去最多の40名を目指します。
働き方の面では、在宅勤務(サテライトオフィスの利用含む)、フレックスタイム、育児介護時短制度等の活用を拡充し、誰もが能力を発揮しやすい制度環境を整備しています。また、2024年度から28社の企業が参加する実験的な取り組み「相互副業プロジェクト」に参画し11名の社員が他社での就業経験を通じて視野を拡げ本業に活かせるスキルアップに繋げています。
加えて、2025年度からシニア再雇用制度を見直し、報酬水準の見直しや成果評価の導入を行うことで、今後増加するシニアが意欲的に活躍できる環境を整備。若手からベテランまで、多様な層が活躍する企業風土を醸成しています。2023年度に人権委員会を発足、ハラスメントやDE&Iなどの様々な角度から人権をテーマにした年5回の人権セミナーや定期的なグループ全社アンケートを実施し、社員の声を反映した職場改善と意識改革に取り組んでいます。
③人的資本への投資
当社は、人材を「企業の価値創出の源泉」と捉え、報酬・育成・働き方のすべてを連動させた戦略的な人的資本投資を推進しています。㈱テレビ東京で給与制度を改定し単なる賃上げに留まらず景気に左右されない月例給与を安定させることで物価高対応だけでなく、成長意欲と成果に報いる仕組みを会社の成長に繋げていきたいと考えています。2025~2027年度の中期経営計画においては、人的資本関連の総投資額35億円規模を継続しており採用、育成、制度整備、DX投資を一体で展開し、社員の挑戦が企業成果につながる環境を整備しています。
育成面では、AI・データ・IPなど重点領域に対応した横断型のリスキリング研修を拡充。管理職を対象としたマネジメントプログラムや、グローバルビジネス・ビジネスリテラシー教育も含め、全社的なスキル再開発を進めています。2024年度からは学習費用の全額補助制度も開始し、自律的な学びと成長を後押ししています。
さらに、現在進行中のグループ全社の業務システムの再設計により、紙資料30万枚削減、経費精算業務3,000時間短縮など定量成果が出ております。そこで創出された時間と人材は戦略部門へ再配分される予定です。
「制度」ではなく「環境」。社員が挑戦できる舞台を整えることで、テレビ東京グループ全体の生産性と競争力を高めてまいります。
④人権尊重の取り組み
テレビ東京グループは人権尊重の重要性を改めて認識するとともに、社会から信頼される企業集団として認められるよう、「国際人権章典」や「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」といった国際規範に加え、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」「OECD多国籍企業行動指針」および政府による「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」に基づき、2023年11月に「人権方針」を定めました。テレビ東京グループはメディア企業としての責任を果たすための「テレビ東京グループ行動規範」における「行動基準」や「報道倫理ガイドライン」で、既に人権尊重の考え方を盛り込んでおりましたが、新たに「人権方針」を設けることで、人権に対する考え方をより明確にしました。同時に「人権方針」の推進のため「人権委員会」を設置し、サプライチェーン全体で人権侵害の予防や改善に取り組む「人権デューデリジェンス」を実行しております。
<人権デューデリジェンス>
・人権と行動規範等に関するアンケート調査
社内における人権デューデリジェンスの取り組みとして、2024年から外部専門家の協力を得ながら、職場で「人権方針」等に抵触する状況が生じていないかアンケート調査を実施しています。2回目となる2025年は、1月にテレビ東京ホールディングス、テレビ東京、BSテレビ東京、グループの制作会社の役員と社員1114人を対象に実施しました。アンケート調査をした後に、アナウンサーも含めて追加の聞き取り調査も行いました。今回のアンケートの中では、会食などにおける性被害について期間を設けず尋ねましたが、該当する回答はありませんでした。社内外のハラスメントなど不正行為については、社内と社外に通報窓口も設けていて、社員以外からの通報にも対応しています。今後も毎年定期的にアンケート調査を実施し、人権に関するリスクや社内課題の把握に努めてまいります。
・会食ルールの明確化
業務上の会食時においてハラスメント等の事態が起こることがないよう、社内で参加の仕方、事前承認などのルールを定めています。透明性を確保し、未然防止を徹底していきます。
・人権セミナーの開催
グループで働く全ての人が人権意識を高め、活き活きと働ける職場環境を作ることを目的に、2024年1月から外部講師を招いた人権セミナーを開催しています。グループの役員・社員・スタッフが必修で、これまでに「ビジネスと人権」、「ハラスメント防止」、「ダイバーシティ知識テスト受験」、「ダイバーシティ研修」、「リスペクトトレーニング」をテーマに年5回実施しました。今後も継続的に開催していく計画です。
・取引先に対するサステナビリティに関するアンケート調査
当社と取引先とのビジネス全体で人権等に対する負の影響を防止し、より良いサプライチェーンを構築するため、サステナビリティ全般に関するアンケート調査を2024年7月から取扱高上位70%の取引先を対象に実施しました。回答内容については調査会社による評価を行ったうえで回答社へフィードバックを行ったほか、当社グループの窓口部署と共有し、一部の取引先とサステナビリティへの取り組みについて対話を行いました。
・サステナビリティ推進サプライチェーンガイドラインの策定
人権デューデリジェンスの一環として、当社グループおよびすべての取引先を含むサプライチェーン全体で取り組むべきサステナビリティの重要事項を定めた「サステナビリティ推進サプライチェーンガイドライン」を2025年3月に制定しました。「テレビ東京グループ人権方針」等を踏まえ、取引先に対し人権尊重やコンプライアンス面などの遵守すべき事項を提示しています。「サステナビリティ調査」に加えて、本ガイドラインを制定することで、人権デューデリジェンスの取り組みをさらに推進します。
・取引先との各種契約に人権尊重条項を追加
出演者の業界団体とも協議の上、出演者の事務所や制作会社など200社以上の取引先と、各種の契約において当社グループの人権方針の遵守を中心とした人権尊重に関する条項を追加しました。これらの契約書は新規の取引先だけでなく、既に実績のある取引先との契約にも順次適用しています。
・「番組制作ガイドライン」の改訂
番組制作に関するルールや留意点を定めた「番組制作ガイドライン」に「グループ人権方針」の遵守を明記し、放送だけでなく、配信、イベントなどコンテンツ全般に対象を拡大しました。コンテンツ制作の現場において、取材対象者への誠意ある対応、出演者の精神的な健康状態への配慮などを徹底していきます。
長引くウクライナ情勢や中東地域における衝突など地政学的リスクの高まりに加え、貿易摩擦の激化などにより、世界経済の不確実性は高まっております。国内においては、個人消費や企業業績は安定的に推移している一方で、物価上昇や人手不足の深刻化が進んでおり、将来の展望は不透明な状況です。
こうした状況のなかで、テレビ東京グループは地上波放送事業を中核に、アニメや配信、経済報道・独自IP(知的財産)事業をさらに強化してまいります。コンテンツ力を新技術の活用などにより高め、新たなテレ東の顔となるヒットコンテンツ・IPを創出します。また、強みである経済報道は「テレ東BIZ」を発信のハブとし、放送と配信で情報を届けるとともに、アニメを中心とした全コンテンツのグローバル展開を加速します。DX(デジタルトランスフォーメーション)、人的投資、ダイバーシティ(多様性)経営も継続して推進し、着実な売上・利益の向上に努めてまいります。
2026年3月期の売上高は、前年比0.7%増の157,000百万円、営業利益は2.7%増の8,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は4.4%増の6,300百万円を想定しています。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループの採用する会計基準につきましては、当面は日本基準を採用することとしておりますが、今後の外国人株主比率の推移及び国内他社のIFRS(国際財務報告基準)採用動向などを踏まえつつ、IFRS適用の検討をすすめていく方針であります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日)等を当連結会計年度の期首から適用しています。これによる、連結財務諸表への影響はありません。
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、コンテンツの有効利用という観点から、地上波放送やBS放送を中心とした一次利用と、それ以外での収益確保という二次利用とを包括的に捉えて事業活動を展開しております。また放送を中心とした当社の事業を機能的に補完するという役割を担っている子会社もあります。
報告セグメントごとの事業の内容は以下のとおりであります。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)1.調整額は以下のとおりであります。
(1)セグメント利益の調整額△1,100百万円には、セグメント間取引消去0百万円、無形固定資産・制作勘定の調整額△79百万円、全社費用△1,020百万円が含まれております。なお、全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない持株会社に係る費用であります。
(2)セグメント資産の調整額19,734百万円には、セグメント間取引消去△27,948百万円、全社資産47,682百万円が含まれております。なお、全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない持株会社の資産であります。
(3)減価償却費の調整額△102百万円は、セグメント間取引消去であります。
(4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額△201百万円は、主にセグメント間取引消去△103百万円であります。
2.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)1.調整額は以下のとおりであります。
(1)セグメント利益の調整額△1,215百万円には、セグメント間取引消去0百万円、無形固定資産・制作勘定の調整額8百万円、全社費用△1,224百万円が含まれております。なお、全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない持株会社に係る費用であります。
(2)セグメント資産の調整額19,674百万円には、セグメント間取引消去△30,689百万円、全社資産50,363百万円が含まれております。なお、全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない持株会社の資産であります。
(3)減価償却費の調整額△111百万円は、セグメント間取引消去であります。
(4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額△102百万円は、セグメント間取引消去であります。
2.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
(注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.1株当たり当期純利益金額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
3.1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
該当事項はありません。