1.経営成績 …………………………………………………………………………………………………………2
(1)経営成績に関する分析 ……………………………………………………………………………………2
(2)財政状態に関する分析 ……………………………………………………………………………………4
(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ……………………………………………………5
(4)事業等のリスク ……………………………………………………………………………………………5
2.経営方針 …………………………………………………………………………………………………………7
(1)会社の経営の基本方針 ……………………………………………………………………………………7
(2)目標とする経営指標 ………………………………………………………………………………………7
(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題 ………………………………………………………8
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………9
4.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………10
(1)連結財政状態計算書 ………………………………………………………………………………………10
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………12
連結損益計算書 …………………………………………………………………………………………………12
連結包括利益計算書 ……………………………………………………………………………………………13
(3)連結持分変動計算書 ………………………………………………………………………………………14
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………16
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………17
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………17
(表示方法の変更) ………………………………………………………………………………………………17
(セグメント情報) ………………………………………………………………………………………………17
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………20
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………20
(注) 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
当期(2024年1月1日~2024年12月31日)における当社グループをとり巻く環境は、国内では、自動車工業の生産悪化、サービス価格や食料品価格の上昇を受け、消費関連に弱さが残るものの、堅調な半導体需要を背景に生産用機械などが好調であるほか、資源価格の低下などを受けて石油石炭製品などの素材関連も好調であるなど、企業の景況感は総じて良好な傾向を持続しています。
一方、海外においては、米国は良好な雇用・所得環境や株高による資産効果から堅調な個人消費が持続しているものの、製造業を中心に既往の金融引き締めによる需要の低迷などを主因に調整局面が長期化しています。欧州は、ドイツの製造業がエネルギーなどのコスト高や中国の内需減速で長期にわたり低迷しており、また、中国は工業生産と輸出は堅調なものの、個人消費は新エネルギー車販売などを除き、総じて弱い動きとなっています。
こうした状況の中、当社グループは、既存事業における強みの「深化」と新しい価値の「探索」をさらに推し進め、変革の「総仕上げ」を図ることを目指す中期経営計画「Yokohama Transformation 2026(YX2026)」に取り組んでおり、その初年度にあたる当期の連結売上収益は、1兆947億46百万円(前期比11.1%増)、利益面では、連結事業利益は1,343億79百万円(前期比35.6%増)、連結営業利益は1,191億57百万円(前期比18.7%増)、また、親会社の所有者に帰属する当期利益は749億19百万円(前期比11.4%増)となりました。
タイヤセグメントの売上収益は9,808億96百万円(前期比12.1%増)で、当社グループの連結売上収益の89.6%を占めました。
新車用タイヤの売上収益は、国内での自動車メーカーの減産影響があったものの、当社納入車種の販売が好調だったほか、中国においては日系自動車メーカーの販売不振が続く中、現地での開発体制を強化し、中国系自動車メーカーへの新規納入数を拡大させることで前期を上回りました。
市販用タイヤの売上収益は、国内での積極的な販売活動の効果や、海外では欧州におけるハイインチ品の大幅な増販、インドなどアジア地域における新規販路開拓のほか、円安の寄与もあり前期を上回りました。
OHT(オフハイウェイタイヤの略)の売上収益は、農機メーカーの大幅な減産など厳しい環境の中、YOHT(Yokohama Off-Highway Tires、旧ATG)が欧州、アジア、中東を中心に補修用市場向け販売を拡大したほか、2023年5月に買収したY-TWS(旧Trelleborg Wheel Systems Holding AB=TWS)の業績が通期で寄与し、前期を上回りました。
MB(マルチプル・ビジネス)セグメントの売上収益は1,052億49百万円(前期比3.3%増)で、当社グループの連結売上収益の9.6%を占めました。
ホース配管事業の売上収益は、建設機械メーカー向け及び北米における自動車メーカー向けなどでの需要低迷の中、アジアを中心に油圧ホース補用品の拡販を行いましたが、事業全体では前期を下回りました。
一方、工業資材事業の売上収益は、コンベヤベルト、海洋商品、航空部品の販売が好調に推移し、また、拡販を支える増産投資、生産性改善などの供給力強化の効果などにより前年を大きく上回りました。
全社の事業利益は、販売量の増加、販売価格の適正化やタイヤ消費財での18インチ以上のタイヤ販売数量増に加えて、Y-TWSの通期寄与、円安も寄与し、前期に対して大幅な増益となりました。
② 次期の見通し
今後の見通しにつきましては、日本経済は所得環境の改善や企業の旺盛な設備投資意欲などにより緩やかな回復が想定される一方、海外では各国の貿易政策などの影響による不透明な経営環境が続くものと予想されます。
当社では中期経営計画「Yokohama Transformation 2026(YX2026)」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーロク)」に基づき、引き続き経営基盤強化に取り組んでまいります。現時点における2025年度の業績見通しは以下のとおりです。なお、為替レートにつきましては、1USD=148円、1EUR=155円を想定しております。
① 資産、負債及び資本の状況に関する分析
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,350億86百万円増加し、1兆7,355億44百万円となりました。これは主に、営業債権、棚卸資産、有形固定資産が増加したことによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に比べて201億32百万円減少し、8,315億31百万円となりました。これは主に有利子負債が減少したことによるものです。
資本合計は1,552億18百万円増加し、9,040億13百万円となりました。これは主に親会社の所有者に帰属する当期利益を計上したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況に関する分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて386億1百万円増加し、1,362億15百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、944億96百万円となりました。
これは主として、税引前利益1,153億59百万円、減価償却費及び償却費661億57百万円の計上等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、13億92百万円となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出769億65百万円、投資有価証券の売却による収入736億13百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、632億13百万円となりました。
これは主として、長期借入金の返済による支出480億58百万円、配当金の支払154億29百万円等であります。
キャッシュ・フロー指標のトレンド
(算定方法)
親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式等控除後)により算出しております。
3.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
5.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社は、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を図りつつ、配当につきましては、安定した配当を継続することを基本方針としております。
また、当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回行うことを基本的な方針としております。
上記基本方針のもと、当期の配当につきましては、既に実施した中間配当の1株当たり46円に加え、期末配当は1株当たり52円としたく、2025年3月開催予定の第149回定時株主総会に付議する予定であります。
これが承認されますと、年間で1株当たり98円の配当となります。
また、次期の配当につきましては、中間配当を1株当たり48円、期末配当を1株当たり54円、年間で1株当たり102円を予定しております。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは下記のようなものがあります。なお、文中における将来等に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経済状況
当社グループの全世界における営業収入のうち、重要な部分を占める自動車用タイヤの需要は当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。従って、日本、北米、欧州、アジアなどの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の減少は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、競業他社との販売競争激化による市場シェアダウン及び価格競争の熾烈化による販売価格の下落も、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 為替レートの影響
当社グループは主として円建で一般商取引、投融資活動等を行っておりますが、米ドルその他の外国通貨建でもこれらの活動を行っております。今後一層の事業のグローバル化の進行に伴い、海外事業のウエイトが高まることが予想されます。したがって、従来以上に外国通貨建の一般商取引、投融資活動等が増加し、外国為替の変動により当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける度合いが大きくなります。為替予約の実施等、為替レートの変動によるリスクを最小限にとどめる努力を行っておりますが、当該リスクを完全に回避することはきわめて困難であります。
③ 季節変動の影響
当社グループの業績は上半期と下半期を比較した場合、下半期の業績がよくなる傾向にあります。特に、寒冷地域で冬場の降雪時に使用する自動車用タイヤ(スタッドレスタイヤ)の販売が下半期に集中することが主な理由であります。従って、降雪時期の遅れや降雪量の減少等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ 原材料価格の影響
当社グループの製品の主要な原材料は、天然ゴム及び石油化学製品であります。従って、天然ゴム相場の大幅な上昇及び国際的な原油価格の高騰があった場合、当社製品の製造コストが影響を受ける可能性があります。これらの影響を最小限にとどめるべく各種対策を実施しておりますが、吸収できる範囲を超えた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 資金調達力及びコストの影響
当社グループは資金調達の安定性及び流動性の保持を重視した財務運営を行っておりますが、日本を含めた世界の主要な金融市場で混乱が発生した場合、計画通りに資金調達を行うことができない可能性があります。また、格付会社より当社グループの信用格付けが大幅に下げられた場合、資金調達が制約されるとともに調達コストが増加し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 有利子負債の影響
当社グループの資産合計に占める有利子負債の割合は、約25.2%(2024年12月31日現在)であります。グループファイナンスの実施によりグループ資金の効率化を行うことで財務体質の改善に取り組んでおりますが、今後の金利動向によっては当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの一部の借入契約には財務制限条項が付されております。
⑦ 保有有価証券の影響
当社グループが保有する市場性のある有価証券のうち日本株式への投資が大きな割合を占めております。従って、日本の株式市場の変動及び低迷等による有価証券評価損の計上等で、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 投資等に係る影響
当社グループは世界的な自動車用タイヤの需要に対応すべく、北米、中国での新たな生産拠点の建設を進めております。また、日本、アジアを中心に生産能力の増強及び市場ニーズに対応するための設備投資を行っております。この投資により製品の品質向上を図るとともに需要増やニーズの多様化にも対応でき、当社グループの信頼を高め、シェアアップが期待できます。しかしながら、現地の法的規制や慣習等に起因する予測不能な事態が生じた場合、期待した成果を得ることができなくなるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ M&A、資本・業務提携による影響
当社グループは、さらなる成長の実現に向けた競争力強化の為、他社の買収や他社との資本・業務提携を行うことがあります。2023年5月2日付にてグローバルに農業機械用や産業車両用タイヤなどを生産販売するTrelleborg Wheel Systems Holding ABの買収(連結子会社化)、また2025年2月4日付にて建設・鉱山用車両向けタイヤなどの生産販売をグローバルに展開するGoodyear社のOTR事業の買収(連結子会社化)を行っております。万一対象会社の業績が買収時の想定を下回る場合、または事業環境の変化や競合状況等により期待する成果が得られないと判断された場合にはのれんの減損損失が発生し、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 退職給付債務
当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は割引率、年金資産の期待運用収益率等の一定の前提条件に基づいて数理計算を行っております。実際の割引率、運用収益率等が前提条件と異なる場合、つまり、金利低下、年金資産の時価の下落、運用利回りの低下等があった場合や退職金制度、年金制度を変更した場合、将来の退職給付債務の増加により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 災害等の影響
当社グループは地震等の自然災害、疾病、テロに直接又は間接的に影響を受ける可能性があります。特に、自然災害については災害に備え、各種対応策を検討し、計画的に実施しております。しかしながら、生産拠点及び原材料の主要な仕入先が所在する地域でこれら事象が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑪-2 感染症の大流行
当社グループは新型コロナウイルスなどの全世界的な感染症の流行に備え、従業員の安全と社内外への感染拡大抑止を第一に対策を講じておりますが、感染症の拡大や長期化の状況によっては、当社グループが事業を展開している国・地域における活動規制や企業活動の停滞等により、当社グループ全体の事業活動、業績、及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑪-3 ウクライナ・中東情勢
現下のウクライナ情勢により、ロシアの乗用車用タイヤ生産会社の生産については、状況を注視しながら判断する方針ですが、進展状況や対応によっては今後当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、現下の中東情勢の今後の進展によっては、当社グループが事業を展開している国・地域における企業活動や物流の停滞等が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑪-4 気候変動
当社グループは温室効果ガス排出量の削減などを通じて気候変動への対策を講じておりますが、各国の温室効果ガス排出量削減目標や炭素税の導入による調達・製造コスト上昇などの「移行リスク」や気候変動による洪水や渇水による工場操業停止などの「物理的リスク」により、当社グループ全体の事業活動、業績、及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 人権侵害
当社グループは「横浜ゴムグループ人権方針」に基づき、人権デューデリジェンスや苦情処理メカニズムの整備を進めておりますが、サプライチェーンにおける人権侵害や潜在的な負の影響の防止・軽減を適切に行うことができなかった場合、レピュテーションの毀損などにより、当社グループ全体の事業活動、業績、及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 知的財産権の影響
当社グループは技術ノウハウの蓄積と知的財産権の保護に努めておりますが、第三者の知的財産権の侵害を効果的に防止できないことがあります。また、当社グループの製品または技術が、第三者から知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、それが認められた場合には、グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 製品の品質による影響
当社グループは、品質管理を経営の最重要課題とし、品質管理体制の万全を期しておりますが、製品の欠陥や不良を皆無にすることは困難であります。大規模なリコールや欠陥に起因する多額の損害賠償が起きた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 法律・規制・訴訟の影響
当社グループは、事業活動を行っている各国において、投資、貿易、為替管理、輸出管理、独占禁止、個人情報保護、環境保護など、当社グループが展開している様々な事業に関連する法律や規制の適用を受けております。
将来において、国内外における新たな法律や規制の施行又は予期せぬ法律や規則の変更などにより、事業活動の制約やコストの上昇など当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これらの他、当社グループは国内外の事業活動に関連して、訴訟や各国当局による捜査・調査の対象となる可能性があります。重大な訴訟が提起された場合や、各国当局による捜査・調査が開始された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、以下を経営方針とし、基本理念である「心と技術をこめたモノづくりにより幸せと豊かさに貢献します」の実現を目指しております。
・技術の先端に挑戦し、新しい価値を創り出す
・独自の領域を切り拓き、事業の広がりを追求する
・人を大切にし、人を磨き、人が活躍する場をつくる
・社会に対する公正さと、環境との調和を大切にする
当社グループでは、2024年度から2026年度までの中期経営計画において以下の財務目標の達成に向けて取り組んでまいります。
当社グループは、2024年から2026年までの3カ年計画として、中期経営計画「Yokohama Transformation 2026(YX2026)」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーロク)の取り組みを2024年度より開始しております。
既存事業における強みの「深化」と新しい価値の「探索」をさらに推し進め、次世代に負の遺産を残さないという強い意志を持って変革の「総仕上げ」を行います。こうした考えのもと、各事業で定めた成長戦略を断行し、「YX2026」中または2027年度に「Hockey Stick Growth」(「うなぎ昇り」の成長)を果たすことを目指します。
各分野での戦略と取り組み内容は、次の通りです。
■タイヤ消費財
タイヤ消費財では近年、低コスト・低価格な新興タイヤメーカーが生産能力を拡大し、市場シェアを伸ばしています。これに対し「YX2026」では高付加価値品比率の最大化を積極的に推進し、収益率の向上を目指します。これに加え「Hockey Stick Growth」を果たすため、新興タイヤメーカーのコスト競争力に対抗すべく低コスト・高効率化を目指し、1年で工場を立ち上げる「1年工場」に挑戦します。高付加価値品比率の最大化では、プレミアムカーへの新車装着の推進およびグローバルでのモータースポーツへの参戦を継続しブランド価値向上に取り組みます。また、各地域の市場動向に沿った開発・供給・販売体制などを強化する「商品・地域事業戦略」を引き続き推進します。
■タイヤ生産財
OHT事業
OHTの市場規模は約4兆円、市場成長率は年6%と予測されており、消費財タイヤ市場の年2%と比較し高い成長が期待できます。OHT市場の約40%を占めると予測される農業・林業用機械向けタイヤでは、当社グループがトップシェアを誇っており、Tier(ティア)1~Tier3までティアごとに持つ生・販・技の強みを活かした「マルチブランド戦略」でさらに市場地位を強化します。市場の25%と予測され、当社グループが市場2位のシェアを持つ産業・港湾用車両向けタイヤでは、専門スタッフによるタイヤメンテナンスサービス「Interfit」のさらなる展開地域の拡充を図ります。また、当社グループが僅かなシェアに留まっている建設・鉱山用車両向けタイヤでは、全世界で高いプレゼンスを持つGoodyear社のOTR事業の買収を行いました。この買収は、中期経営計画「YX2026」で掲げる「Hockey Stick Growth」に向けた、OHT事業全体での「Programmatic M&A」(プログラマティックM&A)戦略に沿って検討を進めてきたもので、建設・鉱山用車両向けタイヤにおける販路拡大・生産能力の増強のみならず、Goodyear社 OTR事業の持つ生産技術を含む高い技術力を、当社グループがトップシェアを持つ農業・林業用機械向けタイヤを含む既存カテゴリーで培った技術と融合することにより、OHT事業でのさらなる成長を目指します。また、2023年5月に買収したTrelleborg Wheel Systems Holding AB(現Yokohama-TWS=Y-TWS)とのシナジー創出を当社グループ全体で本格化します。
TBR事業
TBR(トラック・バス用)タイヤにおいても新興タイヤメーカーが生産量や市場への供給量を拡大しており、これに対し、欧米政府はアンチダンピングや相殺関税といった保護政策を実施しています。当社グループはこうした措置により適正な価格が維持された国や地域での販売強化を図り、収益を伴った成長を目指します。
■MB事業
MB(マルチプル・ビジネス)事業は「YX2023」における事業再編や収益改善策の実行により、収益を生み出す事業基盤を整えました。「YX2026」ではホース配管事業を「成長ドライバー」と位置づけ、バリューチェーンの再構築や北米での生産構造の改革を行います。工業資材事業は、コンベヤベルトでは国内における確固たる市場地位の確立、マリンホースでは高収益体制の安定化に向けた内部改善を推進します。MB事業全体では2026年度に事業利益率10%を目指し、MB事業の存在感を高めていきます。
■技術・生産
「YX2026」では「よいものを、安く、スピーディーに」をモットーに当社グループ全体の基盤強化に取り組みます。「よいもの」では次世代プレミアムカーへの新車装着の強化を、「安く」では他社に負けない抜本的コストダウンを、そして「スピーディー」ではタイヤ消費財戦略で目指す「Hockey Stick Growth」の目玉である「1年工場」への挑戦とタイヤ開発のスピードアップを図ります。
■サステナビリティ
当社グループでは、サステナビリティの取り組みは、企業の成長と企業価値の向上に資するものであるべきと考えています。環境投資においても十分な検討を重ね、企業収益と両立していくことを目指します。重要課題の一つである温室効果ガス排出量の削減では、合併前のY-TWSの排出量を含めた2019年の排出量を2026年に30%、2030年に40%削減することを新たな目標とし、追加コストをかけることなく目標達成を目指す計画を策定しました。再生可能・リサイクル原料の利用拡大によるサーキュラーエコノミーへの貢献では、温室効果ガス排出量(Scope3)の削減の観点からも再生可能・リサイクル原料の使用比率の向上を加速させ、2026年に28%、2030年に40%とすることを新たな目標として設定しました。当初、2030年の目標は30%でしたが、さらなる使用比率の向上を目指し、40%に引き上げました。
■財務
「YX2026」でも引き続き「Hockey Stick Growth」を目指す積極的な戦略投資によって企業価値を高めていきます。資産効率化では政策保有株式売却をさらに推進し、資本構成では事業構造に合った最適な資本バランスの実現(自己資本比率50%を目安)に取り組みます。また、PER(株価収益率)向上では、経営陣によるIRイベントを拡充し、情報発信と対話の強化を通じて資本コスト低減や期待成長率の向上に努めます。キャピタルアロケーションでは、3年間累計のキャッシュイン約4,500億円のうち、約3,200億円を戦略投資および経常投資に充てる予定です。株主還元については、こうした持続的な利益成長に向けた投資を積極的に実施する中においても、当社の「将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を図りつつ、安定した配当を継続する」といった基本方針に則り、安定的かつ継続的に増配していくことを目指します。
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、全世界に展開されたグループ会社間での統一した仕組みと、財務情報の標準化を図るとともに、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性を高めることを目的として、2017年12月期の有価証券報告書における連結財務諸表からIFRSを適用しております。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
該当する事項はありません。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
前連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示しておりました「リース負債の返済による支出」は、明瞭性を高めるため、当連結会計年度より独立掲記しております。
なお、前連結会計年度の「その他」に含まれる「リース負債の返済による支出」は、△9,769百万円であります。
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、製品・サービス別の事業部を置き、各事業部は取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の総合的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
各報告セグメントに属する主要な製品
(2)セグメント収益及び業績に関する情報
報告セグメントの数値は事業利益ベースの数値であります。セグメント間の売上収益は市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注)1.「その他」の区分に含まれる事業は、スポーツ事業等であります。
2.セグメント利益(事業利益)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
3.セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去等によるものであります。
4.使用権資産に関する減価償却費及び資本的支出は含めておりません。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(注)1.「その他」の区分に含まれる事業は、スポーツ事業等であります。
2.セグメント利益(事業利益)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
3.セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去等によるものであります。
4.使用権資産に関する減価償却費及び資本的支出は含めておりません。
製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。
(注) 非流動資産は当社グループ各社の所在地を基礎としております。また、その他の金融資産、退職給付に
係る資産及び繰延税金資産は含んでおりません。
外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める取引はありません。
<事業の譲受>
当社は、2024年7月22日付でThe Goodyear Tire & Rubber Company(以下「グッドイヤー」)と締結したグッドイヤーの鉱山・建設車両用タイヤ(OTR=オフザロードタイヤ)事業の譲受契約について、2025年2月4日付で本事業譲受を完了いたしました。
(1)事業譲受の概要
(2)事業譲受を行った主な理由
現在、当社グループは、2024年度から2026年度までの新中期経営計画「Yokohama Transformation 2026(YX2026)」に取り組んでおります。
タイヤ生産財に関しては、安定的に高い収益が見込めるOHT事業の成長戦略の一つとして「Programmatic M&A」 戦略を掲げており、本事業譲受によりこれまで課題となっていた鉱山・建設車両用タイヤを強化し、グローバル展開を加速させていきます。
(3)事業譲受日
2025年2月4日
(4)事業譲受の対価の公正価値
現金 約1,437億円(923百万USドル)
(注)本対価の最終的な公正価値は、事業譲受契約記載の価格調整条項に基づき決定されます。なお、円貨については事前の為替予約による換算額も含まれております。
(5)発生したのれんの金額および発生要因
現在算定中であり、確定しておりません。
(6)事業譲受日に受け入れた資産および引き受ける負債の額並びにその主な内訳
現在算定中であり、確定しておりません。
(7)取得資金の調達
当社は、本事業譲受に係る資金調達のため、以下のとおり借入を実行しております。なお、今回調達する資金につきましては、当社の強固な財務体質およびバンクフォーメーションを活用し、長期固定かつ低利の借入に借り換えする予定であります。
<自己株式の取得および消却に係る事項の決定>
当社は、2025年2月19日開催の取締役会において、会社法第459条第1項及び当社定款第34条の規定に基づき自己株式を取得すること、および会社法第178条の規定に基づき自己株式の消却を行うことについて決議しました。
詳細については、本日発表の「自己株式取得に係る事項の決定及び自己株式の消却に関するお知らせ」をご参照ください。
役 員 の 異 動
本日開催の取締役会において、下記のとおり2025年3月28日付の取締役及び執行役員の異動を内定しております。
なお、本件は、2025年3月28日に開催予定の第149回定時株主総会及び同総会終了後の取締役会にて、正式に承認される予定です。
記
1.取締役
(1)新任取締役(監査等委員である取締役を除く) (1名)
(2)委嘱先変更取締役 (5名)
(3)退任取締役 (2名)
(4)退任の監査等委員である取締役 (2名)
2.執行役員
(1)新任執行役員 (2名)
(2)昇格執行役員 (1名)
(3)委嘱先変更執行役員 (3名)
(4)退任執行役員 (3名)
以 上
<ご参考>
2025年3月28日開催の定時株主総会日以降の新経営体制(予定)
◆ 取締役
◆ 執行役員