1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………3
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………3
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………4
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………4
3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………5
(1)連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………………5
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………6
(連結損益計算書) ……………………………………………………………………………………………6
(連結包括利益計算書) ………………………………………………………………………………………7
(3)連結株主資本等変動計算書 ………………………………………………………………………………8
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………10
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………11
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………11
(セグメント情報等) ……………………………………………………………………………………………11
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………11
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………12
当社グループは、「技術を通じて、人々をもっと大切なことへ」というミッションのもと、「世界中の安全・安心を支える人が頼れるパートナーとなる」というヴィジョンを掲げております。労働人口の減少や高齢化による人手不足の深刻化が進む一方で、インフラ設備の老朽化による設備点検・維持業務の増加や、生活様式の変化に伴うEC化による宅配業務の増加など、労働力の供給不足及び需要と供給の不一致は社会的な課題となっています。これらの社会課題に対し、当社グループはコアである独自開発の制御技術とそれを利用した産業用ドローンの社会実装により、当社グループのミッション・ヴィジョンの実現を通じて解決を目指しております。
当社グループは、ドローン専業メーカーとして、黎明期に求められる概念検証(PoC)を通して「特化するべき用途」を明らかにし、特定した有用な用途について用途特化型機体を開発し、社会実装を実現するために用途特化型機体の量産体制の構築・販売を行っております。
ドローン市場を取り巻く環境は、オペレーションの効率化・無人化に向けたドローンを含むロボティクスの導入や脱炭素化・EV化の手段として、ドローンの有用性が認知されつつあり、世界的に利用が広がっております。加えて、地政学的リスクの高まりや不安定な世界情勢などから、経済安全保障やセキュリティへの関心が強くなっております。
当社は2022年1月に示した中期経営方針「ACSL Accelerate 2022」に基づき、「持続可能なグローバル・メーカーへ」進化するための取り組みを推進してまいりましたが、事業環境は当時の想定より厳しい状況となっており、2024年2月に売上・収益力向上を重視した事業全体の改革を進めることを発表いたしました。具体的には、幅広く展開してきた市場、用途及び製品について、収益性の改善を目的とした「選択と集中」を行い、大幅な売上増加を前提としない黒字化を実現できるコスト構造へ転換すべく「リソースの最適化」を実施いたしました。「選択と集中」としては小型空撮機体の強みを活かせる経済安全保障、脱中国製品が明確である日本の政府調達及び米国の点検・災害対応分野に注力します。加えて、物流分野としては日本郵便株式会社との機体開発及び社会実装に向けた体制構築に注力いたします。リソースの最適化としては、注力事業領域に合わせた研究開発テーマの中止、日本国内の人員最適化及び連動する間接費用の削減を実現し、成長市場となる米国への再投資を進めております。
国内における直近の進捗としては、小型空撮分野にて、「選択と集中」での注力する領域である、防衛省を含めた政府調達への取り組みを進めております。2024年3月には、防衛省の外局である防衛装備庁が実施した入札で当社の小型空撮ドローン「SOTEN」が採用されました。「SOTEN」については、今後も顧客からのフィードバックなどをもとに機能改善を進め、需要創出を図ってまいります。また、物流分野においても、日本郵便株式会社と共同で開発を進めてきた物流専用の新型ドローンにて、同社による「レベル3.5(補助者なし目視外飛行)での配送試行」が2024年3月及び同年10月から12月にかけて実施されました。日本郵便株式会社及び日本郵政キャピタル株式会社とは、2021年6月に資本業務提携を行っており、レベル4対応の物流専用機の開発をはじめ、今後もドローン物流の社会実装の推進とドローン市場の拡大に向けて連携を進めてまいります。
海外ドローン市場においては、日本以上に経済安全保障への関心が高く、昨今の世界情勢の状況により転換期を迎えております。特に当社グループが展開を進めている米国ではNational Defense Authorization Actにより、ロシア製や中国製のドローンの政府調達が禁止されており、加えて、中国製ドローンメーカーのDJI社は、2022年10月より米国国防総省の「中国軍事関連企業」に指定されるなど、経済安全保障を強く意識した施策が行われております。当社グループはセキュリティが担保された国産ドローンを有しているのみならず、企業向け対応および用途特化型をキーワードとしたポジショニング形成が可能であり、海外におけるセキュアなドローンへの需要にも適応することができる可能性が高く、当社製品は海外市場においても十分に競争力を持つ製品であると認識しております。
米国市場では官庁・社会インフラ関連企業にて利用されている中国製ドローンからのスイッチングを目指し、カリフォルニア州の当社子会社ACSL, Inc.を2023年1月に設立し、米国大手ドローンソフトウェア開発企業であるAuterion社や中国ドローンメーカーDJI社にて北米の企業向けドローン市場において大きな成果を発揮してきた、シンシア・ホァン(Cynthia Huang)がCEOを担っております。また、グローバルCTO兼ACSL, Inc.の取締役であるクリス・ラービ(Chris Raabe)が米国に駐在し、米国市場の立ち上げ、技術開発をリードしております。米国市場において、当社製品の販売、サポート、修理及びサービス支援を行うディストリビュータとして、Almo Corporation社(DBA Exertis Almo)社をはじめとした合計9社と販売代理店契約を締結しており、これらディストリビュータを通じて、全米で販売を展開しております。当社は2023年11月に米国市場向けのSOTENの販売輸出許可を取得し、同年12月より販売を開始しており、2024年10月には、Almo Corporation社より500台の受注を獲得しております。この受注のうち一部は同年12月に納品を完了し、残数は2025年6月にかけて順次出荷を予定しております。
当社グループの研究開発投資は、短期的な利益を追うのではなく、海外展開も含め、中長期的な成長を実現するために戦略的かつ積極的に研究開発費を投下する方針を維持し、各種用途特化型機体の機体開発、量産体制の構築を進めるとともに、プラットフォーム技術の強化を行ってきました。なお、当社は、経済産業省令和4年度第2次補正予算「中小企業イノベーション創出推進事業」(SBIR事業)に係る事業者に採択され、「行政等ニーズに応える小型空撮ドローンの性能向上と社会実装」事業として新たな小型空撮ドローンの開発を進めており、当連結会計年度において、当該事業に係る研究開発費が867,286千円計上されております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は売上高2,655,602千円、営業損失2,293,221千円、経常損失2,188,320千円、親会社株主に帰属する当期純損失2,371,396千円となりました。
当社グループはドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。そのため、当社グループの販売実績を主な内訳別に区分した売上高の状況は次のとおりであります。
(単位:千円)
(注)1.サービス提供の各段階に関して、実証実験として、顧客のドローン導入のニーズを踏まえて、課題解決のために当社グループのテスト機体を用いた概念検証(PoC)に係るサービスを提供しております。概念検証(PoC)を経て、顧客先の既存システムへの組み込みも含めた特注システム全体の設計・開発を行っております。
2.プラットフォーム機体販売において、顧客先における試用(パイロット)もしくは商用ベースでの導入として、当社グループのプラットフォーム機体をベースにした機体の生産・供給を行っております。
3.用途特化型機体販売においては、特定の領域において量産が見込める機体について、量産機体の開発・生産・販売を行っております。
4.その他においては、機体の保守手数料や消耗品の販売に加えて、一般的に国家プロジェクトにおいて、受託先が収受する補助金等のうち、新規の研究開発を行わず、既存の当社グループの技術を用いて委託された実験を行うことが主目的のプロジェクトについての売上高を含んでおります。
当連結会計年度末における資産合計は、4,563,259千円となり、前連結会計年度末に比べ531,592千円減少いたしました。これは主に売掛金が352,215千円増加した一方で、現金及び預金が255,975千円、仕掛品が345,421千円それぞれ減少したことにより流動資産が前連結会計年度末に比べ325,520千円減少し、これに加えて、主に工具、器具及び備品が55,531千円、ソフトウェアが89,705千円それぞれ減少したことにより固定資産が前連結会計年度末に比べ206,073千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、4,368,654千円となり、前連結会計年度末に比べ1,538,317千円増加いたしました。これは主に短期借入金が425,097千円、未払金が387,038千円それぞれ増加したことにより流動負債が前連結会計年度末に比べ526,469千円増加し、これに加えて、海外事業拡大のための運転資金への充当を目的として長期借入金が1,440,000千円増加したこと等により固定負債が前連結会計年度末に比べ1,011,848千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は194,605千円となり、前連結会計年度末に比べ2,069,909千円減少いたしました。これは主に減資及び欠損填補、当期純損失の計上等により、資本金821,498千円、資本剰余金が3,913,151千円それぞれ減少した一方で、利益剰余金が2,673,100千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は2.0%(前連結会計年度末は42.2%)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ255,975千円減少し、1,243,580千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果使用した資金は、1,902,755千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失2,381,168千円を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は46,895千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出21,964千円、無形固定資産の取得による支出60,088千円、投資有価証券の売却による収入37,920千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,691,498千円となりました。これは主に、短期借入金の純増額425,097千円、長期借入れによる収入1,440,000千円によるものであります。
ドローン市場を取り巻く環境は、オペレーションの効率化・無人化や脱炭素化・EV化の手段として、ドローンの有用性が認知されつつあり、世界的に利用が広がっております。また、地政学的リスクの高まりや不安定な世界情勢などから、経済安全保障やセキュリティへの関心が強くなっております。一方で、新型コロナウィルス感染症の流行に伴う経済活動の停滞、世界的な半導体の高騰、急激な円安進行、世界的なインフレ等による外部環境の変化に伴い、当社グループを取り巻く事業環境は当時の想定より厳しい状況となっております。
このような状況を踏まえ、当社グループでは、売上・収益力向上を重視した事業全体の改革を進めることを2024年2月に発表しました。具体的には、幅広く展開してきた市場、用途及び製品について、収益性の改善を目的とした「選択と集中」を行い、大幅な売上増加を前提としない黒字化を実現できるコスト構造へ転換すべく「リソースの最適化」を実施いたしました。「選択と集中」としては小型空撮機体の強みを活かせる経済安全保障、脱中国製品が明確である日本の政府調達及び米国の点検・災害対応分野に注力します。加えて、物流分野としては日本郵便株式会社との機体開発及び社会実装に向けた体制構築に注力いたします。リソースの最適化としては、注力事業領域に合わせて研究開発テーマの中止、日本国内の人員最適化及び連動する間接費用の削減を実施したうえで、成長市場となる米国への再投資を進めております。
当社グループは、新規性の高いドローン市場において、中期経営方針を目標として、これまで継続的に通期の業績予想を開示してまいりました。ドローン市場においては、経済安全保障の動向により、国内および米国等の海外における新たな市場機会が創出されており、特に米国においては脱中国ドローンの流れを受け、販売拡大を見込んでおります。国内においては、官公庁等の主要顧客に加え、地方自治体によるドローン活用の促進により、大きな需要が見込まれます
特に地方自治体におけるドローン活用は事業規模が大きく、業績への影響を精査しておりますが、現時点で適正かつ合理的な連結業績予想の数値を算出することが困難であると判断し、2025年12月期の連結業績予想の開示を見合わせることといたしました。今後の進捗を踏まえ、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに開示いたします。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社は、財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、当面は日本基準で財務諸表を作成する方針であります。なお、国際会計基準の適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針であります。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
該当事項はありません。
当社グループは、ドローン関連事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
2.1株当たり当期純損失(△)の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
3.1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(第三者割当による第2回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行及び株式会社村田製作所との業務提携)
当社は、2024年12月18日(以下「発行決議日」という。)付の取締役会において、株式会社村田製作所(以下「村田製作所」といいます。)及び CVI Investments, Inc.(以下「CVI」という。)に対する第三者割当による第2回無担保転換社債型新株予約権付社債(以下「本新株予約権付社債」といい、そのうち社債のみを「本社債」、新株予約権のみを「本新株予約権」といいます。)の発行を行うことを決議し、2025年1月10日に払込が完了しております。
また、当社は、発行決議日付の取締役会において、村田製作所との間で業務提携に関する契約(以下「本業務提携契約」という。)を締結することについて決議し、同日付で本業務提携契約を締結いたしました。
1.第2回無担保転換社債型新株予約権付社債の概要
(1) 発行価額 各社債の額面金額 31,250,000円
(各社債の金額100 円につき金100 円)
(2) 発行価額の総額 1,500,000,000円
(3) 払込期日 2025年1月10日
(4) 償還期限 2030年2月8日に社債額面金額の100%で償還
(5) 利率 年率2%
(6) 償還期日 2030年2月8日
(7) 本新株予約権の目的である株式の種類及び数
当社普通株式 1,427,212株
上記株式数は、当初転換価額で転換された場合における最大交付株式数であります。
(8) 本新株予約権の総数 48個
(9) 本新株予約権の行使に際して払い込むべき額
①新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しない
②転換価額 1,051円
③転換価額の修正
2025年8月6日、2026年2月6日、2026年8月6日、2027年2月6日、2027年8月6日、2028年2月6日、2028年8月6日、2029年2月6日及び2029年8月6日(以下、個別に又は総称して「修正日」といいます。)において、当該修正日以降、当該修正日に先立つ10連続取引日において株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)における当社普通株式の普通取引の売買高加重平均価格の最も低い金額(1円未満の端数切り上げ)の90%に相当する金額の1円未満の端数を切り上げた金額に修正される。但し、修正日にかかる修正後の転換価額が下限転換価額を下回ることとなる場合には転換価額は下限転換価額とし、修正日にかかる修正後の転換価額が上限転換価額を上回ることとなる場合には転換価額は上限転換価額とします。
(10) 募集又は割当方法(割当先) 第三者割当の方法により、全ての本新株予約権付社債を以下のとおり割り当てました。
村田製作所 32個
CVI 16個
(11) 新株予約権の行使期間 2025年1月14日から2027年2月4日まで
(12) 新株予約権の行使の条件 本新株予約権の一部行使はできないものとする。
(13) 資金の使途
機体の開発及び評価等の研究開発費及び量産に関わる事業投資、海外事業拡大のための研究開発費を含む運転資金に充当する予定であります。
(資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分)
当社は、2025年2月13日開催の取締役会において、2025年3月27日に開催予定の定時株主総会に、資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分に関する議案を付議することを決議いたしました。
1.資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分の目的
現在生じている繰越利益剰余金の欠損を補填し、財務体質の健全化を図るとともに、今後の資本政策の柔軟性と機動性を確保することを目的として、行うものであります。
2.資本金及び資本準備金の額の減少の内容
(1) 減少する資本金及び資本準備金の額
2025年2月13日現在の資本金の額149,981千円のうち、139,981千円を減少し、10,000千円といたします。また、2025年2月13日現在の資本準備金の額1,564,086千円のうち、1,564,086千円を減少し、0円といたします。
なお、当社が発行している新株予約権が、減資の効力発生日までに行使された場合、資本金及び資本準備金の額並びに減少後の資本金及び資本準備金の額が変動いたします。
(2) 資本金及び資本準備金の減少方法
発行済株式総数の変更は行わず、減少する資本金及び資本準備金の額の全額をその他資本剰余金に振り替えます。
3.剰余金の処分の内容
(1) 減少する剰余金の項目及びその額 その他資本剰余金 1,704,067千円
(2) 増加する剰余金の項目及びその額 繰越利益剰余金 1,704,067千円
4.資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分の日程
(1) 取締役会決議日 2025年2月13日
(2) 債権者異議申述公告日 2025年2月21日(予定)
(3) 債権者異議申述最終期日 2025年3月21日(予定)
(4) 株主総会決議日 2025年3月27日(予定)
(5) 効力発生日 2025年3月27日(予定)