1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………2
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………3
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………3
(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ……………………………………………………3
2.経営方針 …………………………………………………………………………………………………………4
(1)会社の経営の基本方針 ……………………………………………………………………………………4
(2)目標とする経営指標 ………………………………………………………………………………………4
(3)中長期的な会社の経営戦略 ………………………………………………………………………………4
(4)会社の対処すべき課題 ……………………………………………………………………………………5
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………6
4.財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………………………7
(1)貸借対照表 …………………………………………………………………………………………………7
(2)損益計算書 …………………………………………………………………………………………………9
(3)株主資本等変動計算書 ……………………………………………………………………………………10
(4)キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………………………12
(5)財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………………………13
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………13
(重要な会計方針) ………………………………………………………………………………………………13
(持分法損益等) …………………………………………………………………………………………………14
(収益認識関係) …………………………………………………………………………………………………15
(セグメント情報等) ……………………………………………………………………………………………16
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………18
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………18
5.補足情報 …………………………………………………………………………………………………………19
(1)研究開発活動 ………………………………………………………………………………………………19
1.経営成績等の概況
当事業年度におけるわが国経済は、インバウンド需要の回復や大手企業を中心とした歴史的な賃上げなどを背景に、日銀が17年ぶりの金利引き上げを決定するなど国内経済回復の兆しが見えてきました。一方で、ウクライナ戦争の長期化、米国大統領をはじめとする各国政権交代による不確実性の上昇など、世界経済の不安定な状況は今後も継続する見通しです。
このような状況下、当社は「未来のがん治療に新たな選択肢を与え、その実績でがん治療の歴史に私たちの足跡を残してゆくこと」をビジョンとし、経営の効率化及び積極的な研究・開発・ライセンス活動を展開いたしました。
特に、がんのウイルス療法OBP-301を中心に研究・開発・ライセンス活動を推進させています。当社は日本国内で厚生労働省よりOBP-301に関する再生医療等製品の「先駆け審査指定」を受けて「放射線併用による食道がんPhase2臨床試験(OBP101JP試験)」を完了させました。本臨床試験結果は、2024年10月に開催された第62回日本癌治療学会学術集会(福岡)において発表されました。独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(以下、「PMDA」)とOBP-301の承認申請に向けた協議を重ねた結果、先駆け総合評価相談に移行することを合意しました。2025年上半期に先駆け総合評価相談を開始し、市販後臨床試験計画も含めた内容の審査を受けた後に、2025年12月期の承認申請を予定しています。
国内ビジネス面では、2024年2月には富士フイルム富山化学株式会社(以下、「富士フイルム富山化学」)とOBP-301の販売提携契約を締結し、製造元のヘノジェン社(サーモフィッシャーグループ、ベルギー)から医療機関に至るサプライチェーンを構築するとともに、上市後の販売体制に関する各種協議を進めています。さらに、東京都へ再生医療等製品製造販売業の業許可申請を行っています。
一方、海外では、米国ではOBP-301とペムブロリズマブの共同開発体制を構築し、当社とMerck Sharp & Dohme LLC. (以下、「MSD社」)MSD社は胃がんの2次治療患者を対象としたPhase2医師主導治験の研究開発費を折半しています。OBP-301と放射線化学療法を併用したPhase1食道がん医師主導治験の安全性や予備的な有効性の結果は、2025年1月の米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウムで発表されました。また、2024年12月には台湾のMedigen Biotechnology Corp.(以下、「Medigen社」)と台湾での販売権に関するライセンス契約を締結しました。
LINE-1阻害剤OBP-601は、Transposon Therapeutics, Inc.(以下「Transposon社」)とのライセンス契約の下、同社の全額費用負担により臨床試験が進められています。
当社活動の詳細に関しては、「5.補足情報 (1)研究開発活動」をご確認ください。
当事業年度は、売上高31,384千円(前期は売上高63,038千円)、営業損失1,681,403千円(前期は営業損失1,929,986千円)を計上しました。また、営業外収益として為替差益43,775千円等を計上し、営業外費用として新株予約権発行費7,202千円、株式交付費10,394千円等を計上し、経常損失1,663,911千円(前期は経常損失1,913,816千円)になりました。さらに、当社がOBP-301の保管を行う倉庫で使用する機器等の減損損失17,104千円を特別損失として計上した結果、当期純損失1,684,778千円(前期は当期純損失1,938,505千円)を計上しました。
当事業年度末における資産は、現預金の増加等により3,198,858千円(前期比56.8%増)となりました。負債は、未払金の減少等により446,649千円(前期比21.2%減)となりました。純資産は、新株発行による増資や当期純損失等により2,752,209千円(前期比86.7%増)となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物は、2,165,918千円(前期比68.2%増)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローは次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは2,020,088千円の支出(前期は1,336,922千円の支出)となりました。これは主として、税引前当期純損失1,681,015千円、減損損失17,104千円の計上、前払金の増加198,366千円、未収入金の増加50,506千円、未払金の減少141,352千円等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは4,705千円の支出(前期は5,392千円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出3,519千円等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは2,879,444千円の収入(前期は1,142,542千円の収入)となりました。これは主に株式の発行による収入2,890,817千円、長期借入れによる収入100,000千円、長期借入金の返済による支出94,444千円、リース債務の返済による支出11,925千円等によるものです。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債比率/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)により算出しています。
(注2)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しています。
(注3)有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としています。
(注4)営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載していません。
当社の業績は、未だ安定した収入基盤は小さく、OBP-301の販売提携契約に伴うマイルストーン収入の有無や、Transposon社によるLINE-1阻害剤OBP-601の開発イベント達成や同社のIPOやM&Aなどのコーポレートアクションにより発生するマイルストーン収入の有無によって大きく変動します。
したがって、現時点では業績に与える未確定な要素が多いことから、業績予想につきましては適正かつ合理的な数値の算出が困難な状況と考えており、開示を控えさせていただきます。また、当社は年次での業績管理を行っているため、第2四半期(累計)での業績予想の開示も控えさせて頂きます。
(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
当社は研究開発型ベンチャー企業として、先行投資的な事業資金等を支出してまいりました事により、これまで利益配当を実施していません。しかしながら、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識し、経営基盤の一層の強化と積極的な事業展開に備えた内部留保の充実を勘案しながら、各期の経営成績を考慮に入れて配当政策を決定します。この様な基本方針に従い、当期及び次期の配当については、実施しない予定です。
当社は創薬バイオ企業として研究開発先行型の事業を展開しており、独自性の高いがんのウイルス療法薬や重症感染症治療薬などの開発と事業化を推進しています。特に、腫瘍溶解ウイルスであるOBP-301並びに次世代腫瘍溶解ウイルスOBP-702を中心とした「がんのウイルス療法」と、ウイルス感染症治療薬OBP-2011を中心とした「重症ウイルス感染症治療薬」を主な事業領域とした「ウイルス創薬企業」として成長を目指しています。さらに、核酸系逆転写酵素阻害剤のメカニズムを活かしてHIV感染症治療薬として開発して参りましたOBP-601は、LINE-1阻害剤としてドラッグリポジショニングを行い、ライセンス先のTransposon Therapeutics Inc.(以下「Transposon社」)により神経難病治療薬として開発が進められています。
これまで当社は、パイプラインの開発を初期の臨床試験段階まで進め、その後の開発や販売は製薬企業へライセンスを許諾し、その対価として契約一時金やマイルストーン、ロイヤリティ収入などを得るという事業モデルを展開してきました。しかし、今後は上記のようなライセンス型事業モデルに加えて、国内のOBP-301に関しては、自社で製造販売承認を得る製薬会社型事業モデルの展開を進めます。
当社は、大手製薬会社の経営方針に依存するライセンス収入だけのビジネスモデルから脱却し、「医薬品を製造販売業者として供給することで継続した収入が得られる製薬会社型事業モデル」と「ライセンス型事業モデル」のハイブリッド型ビジネスモデルへ当社自身を変革させていく方針です。
「オンコリスなしでは医療現場が、ひいては患者様が困る」そういう存在感ある創薬を展開することを基本方針とし、いち早く医療現場の課題解決に貢献してゆきたいと考えています。
当社は研究開発型の創薬バイオ企業であり、利益が本格的に拡大するのは、現在開発しているパイプラインが上市され、販売提携先やライセンス契約先から商用製剤供給収入やロイヤリティ収入を得る時期となります。したがって、パイプラインの製品価値の評価指標となる臨床試験での有効性の証明(Proof of Concept: POC)を得るために必要な当社の研究開発費を重要な経営指標と位置付けています。現段階においては、ライセンス先や販売提携契約先からの契約一時金やマイルストーンによる収入を拡大させるために、パイプラインの価値を最大化すると共に財務リスクの低減を図りながら、早期の安定黒字化を目指しています。
当社は基本戦略として、前臨床から臨床試験への効率的な進捗を実現させ、アウトソーシングを活用したファブレス経営モデルを構築し、創薬研究開発のプロジェクトマネジメントに精通した人財を重点的に採用・育成してきました。迅速な開発ステージアップを行いパイプラインの価値を最大化することによって、より良い条件で大手製薬企業・バイオ企業とライセンス契約を締結し、ライセンス先の資金で新薬開発を進めることを経営戦略としてきました。今後はそのようなライセンス型の経営戦略のみならず、自社で新薬承認を得て販売提携先を通じて医薬品販売を行う製薬企業型の展開を行う戦略も実現したいと考えています。
このように、当社は契約金やマイルストーン収入、上市後のロイヤリティ収入を得るライセンス型事業モデルと、自社で製造販売承認を得て商用製剤を製造し販売提携先の製薬会社から製剤収入などを得る製薬会社型事業モデルを、パイプラインの状況や対象地域に応じて選択するハイブリッド型で事業を展開する方針です。今後も、パイプラインの迅速な開発ステージアップを行い、複数のパイプラインから収入を具現化することで、経常的な収入基盤の構築に努めてまいります。
当社は、組織戦略において下記を重要な課題として取り組んでおります。
a.経営理念の浸透
当社のビジョンは、「未来のがん治療に新たな選択肢を与え、その実績でがん治療の歴史に私たちの足跡を残してゆくこと」です。私たちが求めて止まないのは、医療の“イノベーション”です。そのために、普段からの医学研鑽を惜しみません。少人数で大きな仕事を成し遂げてこそ、アドベンチャーと言えるでしょう。大企業にできないことこそ、私たちが成し遂げるべき目標です。いくら儲かるからではなく、どれだけの人を救えるかに価値観をもち、その結果としての利益を追求してゆきたいと考えます。経営者と社員だけではなく、株主様ともこの意識を共有してゆきます。常に透明な経営を心がけ、定期的な情報公開を行ってゆきます。社会貢献を目指す社会人として、常にコンプライアンスの遵守を心がけます。この経営理念を役職員に浸透させ、経営理念に基づいた経営戦略の遂行を柔軟且つ活気を持って執り行う組織を構築することが、重要な経営課題です。そのために、経営理念を具現化するための行動規範を策定し、役職員に行動規範の遵守を指導するとともに、経営トップが役職員に経営理念を語る機会を積極的に設定しています。その上で、研究開発部門と事業開発部門が一元的に情報を共有することを第一義に組織を構築しています。また、社内リソースを管理する管理部門は、常にステークホルダーを意識し、コンプライアンス遵守を徹底します。さらに、内部監査部門は、経営理念及び行動規範の浸透状況をはじめとするモニタリング機能を充実させていきます。
b.人財の確保と成長
役職員個々の自発的な成長こそが当社の成長を支える必須要素です。その実現のために人財の採用・育成を積極的に推進します。特に、当社の研究開発やビジネスは国内外に渡るため、英語能力をはじめ国際的視野を持つ人財を育てることが重要です。社内外ネットワークを活用し、確かな技術・能力・成長意欲のある人財の採用を行い、併せてOJTや各種研修プログラムによる人財育成を行うことで、陣容の充実を図ります。また、業績評価や株式報酬制度を充実させ、業務のスピード及び質を最大化することに努めます。
c.研究開発体制の強化
当社の研究開発は、医薬品候補の探索・創製から前臨床試験及び初期臨床試験(POC: Proof of Concept)までを中心とした前臨床から臨床段階への橋渡し(TR:Translational Research)や、これらの研究開発を進めるための治験薬の製造や品質管理などが主業務でしたが、これらに加え今後は厚生労働省との窓口業務を行う薬事体制や、製造販売業を管理統制する信頼性保証業務を強化していきます。従って、研究開発計画の企画立案並びにその進捗管理を主たる業務とするプロジェクトリーダーを担える人財や、薬事業務経験者や信頼性保証業務の経験者の確保並びに育成が重要な課題です。当社の研究開発体制は、国内のみならず海外にも展開しております。当社100%子会社Oncolys USA Inc.(以下「Oncolys USA社」)の臨床開発部門との連携を充実させ、世界の医療や研究機関との共同研究開発を通じて先進技術を取り込み、技術レベルの向上を図るとともに、アウトソーシング先を積極的に活用し、ローコスト且つハイレベルな研究開発体制の構築を行います。
d.事業開発部門の強化
当社は、遺伝子改変ウイルス製剤を用いたがんのウイルス療法と重症ウイルス感染治療薬を事業領域に定めており、この業界においては非常に特殊なウイルス創薬の事業化を目指しています。従って、ビジネス能力だけではなく科学的知識の豊富な人財を確保・育成し、世界の製薬企業とのネットワークをより強固なものにしていきます。さらに、当社の米国子会社であるOncolys USA社との連携を強化することで海外製薬企業とのライセンスや共同開発の機会を数多く創出し、当社のキャッシュ・フロー獲得に貢献できる事業開発体制を構築します。
e.アウトソーシング戦略
アウトソーシングを主体とする当社のビジネスにおいて、その効率化は重要な課題であります。必要且つ十分な研究開発及び製造力の確保に向け、外部委託会社であるCRO(Contract Research Organization)及びCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)との関係を強化するために、定期訪問等による綿密なコンタクト体制をとるべく全組織に啓蒙しています。また、常に最良のアウトソーシング体制を確保するべく、各々の業務領域において特定の1社依存にならぬよう、セカンドコントラクターの探索及び関係構築も行います。
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社は連結財務諸表を作成していないため、国際会計基準に基づく財務諸表を作成するための体制整備の負担等を考慮し、日本基準に基づき財務諸表を作成しております。
4.財務諸表及び主な注記
前事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
該当事項はありません。
1.有価証券の評価基準及び評価方法
子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
2.棚卸資産の評価基準及び評価方法
貯蔵品
個別法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定)
3.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
建物及び2016年4月1日以後に取得した附属設備については定額法、その他については定率法
なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。
建物 3~15年
工具、器具及び備品 3~8年
(2) リース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法
4.繰延資産の処理方法
株式交付費
支出時に全額費用処理しております。
5.外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、期末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。
6.引当金の計上基準
退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、退職給付引当金及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。
7.重要な収益及び費用の計上基準
当社の顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりであります。
なお、取引の対価は通常、履行義務を充足してから1年以内に受領しており、重要な金融要素は含まれておりません。
(1) ライセンス契約に基づく収入
当社は医薬品のライセンス導出契約の締結に伴う契約一時金、マイルストン収入、治験薬販売及び製造開発負担金等による収益を得ております。契約締結から終了までの履行義務が一時点で充足される場合には、履行義務が充足された時点で収益計上し、一時点で充足されない場合には、契約負債として計上し、履行義務の充足に従い契約期間にわたって収益を認識しております。また、顧客との契約における対価に変動対価が含まれている場合には、変動対価の額に関する不確実性が事後的に解消される際に、解消される時点までに計上された収益の著しい減額が発生しない可能性が高い部分に限り、取引価格に含めております。
(2) その他の収益
当社は他の研究機関に対して医薬品の製造受託による収益を認識しております。製造受託による収入は製造品を顧客に引き渡し、検収が完了した時点で、支配が顧客に移転し、履行義務が充足されることから、当該時点で収益を認識しております。
8.キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっております。
9.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
関連する会計基準の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び手続
譲渡制限付株式報酬制度
当社の譲渡制限付株式報酬制度に基づき、当社の取締役及び従業員に支給した報酬については、対象勤務
期間にわたって費用処理しております。
該当事項はありません。
1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報
前事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:千円)
当事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(単位:千円)
2.顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
(重要な会計方針)7.重要な収益及び費用の計上基準に記載のとおりであります。
3.顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当該契約から生じる当事業年度末において存在する顧客との契約から翌事業年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報
(1) 契約資産及び契約負債の残高等
契約資産及び契約負債の残高が存在しないため、記載を省略しております。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
当社において、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の簡便法を使用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しております。
(セグメント情報等)
a.セグメント情報
当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
b.関連情報
前事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しています。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
当事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しています。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
c.報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報
当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
d.報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報
当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
e.報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報
当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。
2.1株当たり当期純損失金額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
該当事項はありません。
5.補足情報
(1)研究開発活動
当社の当事業年度における創薬事業の研究開発費は、1,088,997千円となりました。なお、当事業年度における研究開発活動の状況は以下の通りです。
1) 研究開発体制について
2024年12月31日現在、研究開発部門は20名在籍しており、これは総従業員数の50.0%に当たります。
2) 研究開発並びにビジネス活動について
当社は、以下のプロジェクトを中心に研究開発並びにビジネス活動を進めました。
①腫瘍溶解ウイルスOBP-301に関する活動
当社は日本国内で厚生労働省よりOBP-301 に関する再生医療等製品の「先駆け審査指定」を受けて「放射線併用による食道がんPhase2臨床試験(OBP101JP試験)」を完了させました。本臨床試験結果は、2024年10月に開催された第62回日本癌治療学会学術集会(福岡)において発表されました。独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(以下、「PMDA」)とOBP-301の承認申請に向けた協議を重ねた結果、先駆け総合評価相談に移行することを合意しました。2025年上半期に先駆け総合評価相談を開始し、市販後臨床試験計画も含めた内容の審査を受けた後に、2025年12月期の承認申請を予定しています。
国内ビジネス面では、2024年2月には富士フイルム富山化学とOBP-301の販売提携契約を締結し、製造元のヘノジェン社から医療機関に至るサプライチェーンを構築するとともに、上市後の販売体制に関する各種協議を進めています。さらに、東京都へ再生医療等製品製造販売業の業許可申請を行っています。
一方、米国ではOBP-301とペムブロリズマブの共同開発体制を構築するために、当社とコーネル大学、並びにコーネル大学とMSD社の間で、2023年12月にそれぞれ医師主導治験契約を締結しました。その結果、当社とMSD社は胃がんの2次治療患者を対象としたPhase2医師主導治験の研究開発費を折半することになっています。また、米国の権威あるがん研究組織NRGオンコロジーグループにより進められた放射線化学療法併用食道がんPhase1医師主導治験は、2025年1月に開催されたASCO- GI(米国臨床腫瘍学会 消化器がんシンポジウム)において、評価対象の13例全例で投与箇所の腫瘍の消失が確認されたことが発表されました。
海外でのビジネス展開に関しては、2024年12月には台湾のMedigen社と台湾での販売権に関するライセンス契約を締結しました。Medigen 社により台湾で上市された後には、当社は Medigen 社へ OBP-301 の最終製品を有償で供給し、併せて Medigen 社から販売額に応じたロイヤリティ収入を得ることになります。
現在、OBP-301は、承認申請準備中や組入れが終了した臨床試験も含めて、以下の3つの臨床試験が国内外で進められました。
i) 放射線併用食道がんPhase2臨床試験(OBP101JP試験)
ii) 抗PD-1抗体併用2次治療胃がん・胃食道接合部がんPhase2医師主導治験
iii) 放射線化学療法併用食道がんPhase1医師主導治験
i) 放射線併用食道がんPhase2臨床試験(OBP101JP試験)
本試験は2019年4月の「先駆け審査制度」の指定に基づき全国17か所の治験実施施設で進められ、2024年9月に治験終了届をPMDAに提出しました。本試験の結果に関しては、治験調整委員会、効果安全性評価委員会、内視鏡中央判定委員会、放射線品質管理委員会、生物統計専門家、並びに医学専門家との協議により、次項に示したように評価されました。これらの結果に基づき、当社は国内でOBP-301の製造販売承認申請を行うために、PMDAと折衝を重ねてきました結果、これまでの臨床試験結果のみならず、市販後の臨床試験実施計画も含めて承認要件として評価することとなり、本件を先駆け総合評価相談で実施することを合意しています。2025年上半期に先駆け総合評価相談を開始し、市販後臨床試験計画を含めた審査を受け、2025年12月期に承認申請を行う計画です。
また、OBP-301のOBP101JP試験の結果は、2024年10月に開催された第62回日本癌治療学会学術集会(福岡)において発表されました。
i-a) 研究開発活動
有効性
主要評価項目である「局所完全奏効率」(L-CR率)は、内視鏡中央判定委員会の評価により41.7%(小数点以下第2位四捨五入。以下同様。)と示されました。この結果は、事前に試験計画書に示された有効性閾値30.2%を上回る結果であることが確認されました。また、副次的評価項目として規定された「局所著効率」(L-RR率。原発巣は完全に消失しなかったものの、著明に縮小が認められた症例)は16.7%を示し、このL-RRを含めた「局所奏効率」([L-CR+L-RR]率)は58.3%を示しました。
さらに、本試験でのデータカットオフ時点での1年生存率は71.4%となり、「食道学会全国登録データ」による放射線単独治療での1年生存率57.4%を上回る成績でした。
本試験における最長追跡期間である18ヶ月時点の局所奏効率は63.9%となり、そのうち局所完全奏功率は50.0%となりました。また、18ヶ月時点での全生存率は53%でしたが、がんに関連した生存率は70%であり、局所奏功例におけるがん関連生存率は90%となりました。また、食道がん患者のQoL(Quality of Life)評価指標である嚥下障害は、有症状患者の71%に改善が認められました。これらの結果から、OBP-301による食道がん局所への効果が患者の生存率を高めた可能性が示唆されました。
安全性
OBP-301と関連性のある主な副作用は、発熱が51.4%、リンパ球数減少又はリンパ球減少症が48.6%に認められましたが、これらは軽度ないしは中等度、又は一過性の変化でした。
i-b) ビジネス活動
OBP-301の安定供給のために重要なサプライチェーンは、「製造~輸入~出荷」と「富士フイルム富山化学による医療機関への販売」の前工程と後工程に分かれます。また、OBP-301の販売には、製造販売承認以外に当社が再生医療等製品製造販売業者の許可を得る必要があります。
製造~輸入~出荷
国内承認取得後にOBP-301を円滑に供給するために、ヘノジェン社で商用製品用の原薬製造を2024年11月に開始し、十分な収量を得ました。今後、原薬の品質試験を行った上で、2025年12月期に凝集体を発生させない新処方による製品を各バイアルへ充填して製品化を完了させます。包装・保管及び輸送の物流業務を委託している三井倉庫ホールディングス株式会社は、再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準である GCTP(Good Gene, Cellular, and Tissue-based Products Manufacturing Practice)に適合した体制を整備しました。ヘノジェン社を出荷した製品は、輸入後に三井倉庫で保管されます。また、輸入後にOBP-301の出荷試験を委託するユーロフィン分析科学研究所(京都市)では、OBP-301の出荷判定のための試験実施体制の構築に向けた準備が進められています。製造販売業者となる当社が実施する出荷判定をクリアしたOBP-301は、販売提携先の富士フイルム富山化学へ出荷されます。
富士フイルム富山化学による医療機関への販売
当社は、出荷可能と判定したOBP-301を国内で効率的に医療現場へ届けるために、富士フイルム富山化学と2024年2月に販売提携契約を締結しました。OBP-301は出荷判定後に当社から富士フイルム富山化学へ出荷され、富士フイルム富山化学が指定した医薬品卸会社を通じて医療現場に提供されます。2024年9月には、富士フイルム富山化学と安全性情報に関する契約を締結しています。今後も、上市後のOBP-301の円滑な供給のために、サプライチェーンの整備など各種協議を行っています。
再生医療等製品製造販売業
当社は、日本国内へのOBP-301の出荷に責任を負う製造販売業者に位置付けられます。従って、当社は東京都から「GQP(Good Quality Practice:品質管理の基準)」及び「GVP(Good Vigilance Practice: 製造販売後安全管理の基準)」への適合性などの要件に関する審査を受け、再生医療等製品製造販売業の許可を得る必要があります。
当社は、2024年1月に総括製造販売責任者・品質保証責任者・安全管理責任者の製販三役の任命を完了し、「信頼性保証本部」を立ち上げました。今後、GQP及びGVPに適合した体制をさらに強化していきます。2024年11月に東京都へ再生医療等製品製造販売業者の業許可申請を行い、現在東京都による審査を受けています。
ii) 抗PD-1抗体併用2次治療胃がん・胃食道接合部がんPhase2医師主導治験
上記ii)の「抗PD-1抗体併用2次治療胃がん・胃食道接合部がんPhase2医師主導治験」は、米国コーネル大学が当社の事前合意を得た上で、MSD社へ新たな治験の実施や治験費用の負担を提案し、2023年12月に当社とコーネル大学の契約、コーネル大学とMSD社の契約が締結され、共同開発体制が構築されました。
本治験は、抗PD-1/PD-L1抗体を含む1次治療に抵抗性のある胃がん・胃食道接合部がん患者を対象に、2次治療としてOBP-301と抗PD-1抗体ペムブロリズマブを併用します。現在、当社とMSD社で費用を折半して投与が進んでいます。MSD社のペムブロリズマブは2023年に全世界で250億ドル以上売り上げるなど、抗PD-1/PD-L1抗体は大手製薬会社の経営に大きな影響を与えています。抗PD-1/PD-L1抗体を販売する大手製薬会社にとって、このOBP-301を併用した胃がんの2次治療が確立された場合には、抗PD-1/PD-L1抗体の処方機会が拡大する可能性があります。当社は本治験の結果が、OBP-301の海外でのライセンス活動に貢献するものと期待しています。
iii) 放射線化学療法併用食道がんPhase1医師主導治験
上記iii)の「放射線化学療法併用食道がんPhase1医師主導治験」は、米国の権威あるがん研究組織NRGオンコロジーグループにより、OBP-301と放射線化学療法を併用した際の安全性と有効性の検討を目的として2021年12月から開始され、15例の患者を登録しました。2025年1月に開催されたASCO- GI(米国臨床腫瘍学会 消化器がんシンポジウム)で、有効性の評価対象となる13例全例で、投与箇所での腫瘍の消失が内視鏡所見や病理生検などで確認されたことが発表されました。OBP-301は米国において食道がんのオーファンドラッグ指定を受けており、同指定の下、本治験は実施されています。そのため、補助金の支給や臨床研究費用の税額控除の優遇を受けることができ、さらに、米国においてOBP-301承認後の先発権保護が与えられ、その期間中は市場独占権が得られることになっています。
②LINE-1阻害剤OBP-601(censavudine)に関する活動
2006年にYale大学から導入したOBP-601は、2010年から2014年にかけてBristol-Myers Squibb Co.(以下「BMS社」)へライセンスし、抗HIV薬としてBMS社によりPhase2b臨床試験が実施され、OBP-601の既存薬との非劣性が示されました。また、BMS社によって、OBP-601の長期毒性試験、がん原性試験や多くの臨床データが得られましたが、BMS社が戦略変更によりHIV領域から撤退したため、ライセンス契約は終了しました。その後、ブラウン大学(米国)の研究成果から、HIVの核酸系逆転写酵素阻害剤(以下「NRTI」)がレトロトランスポゾンの異所性発現を抑制することが示唆されました。その後の研究により、同作用を持つOBP-601が他のNRTIと比べて脳内移行性が高く、またLINE-1という逆転写酵素を強力に阻害してレトロトランスポゾンの産生を強力に抑制するという特長が確認されました。
このメカニズムに着目してOBP-601を神経難病治療薬へ応用しようと計画していたTransposon社との間で、当社は2020年6月に全世界を対象とした総額3億ドル超のライセンス契約を締結し、同年11月にTransposon社は第1回マイルストーンを達成しています。
Transposon社は、「進行性核上性麻痺(PSP: Progressive Supranuclear Palsy)」とC9 ORFという酵素の異常発現を伴った「筋萎縮性側索硬化症(ALS: Amyotrophic Lateral Sclerosis)及び前頭側頭型認知症(FTD: Frontotemporal Degeneration)」を対象としたプラセボを用いた二重盲検法による2つのPhase2臨床試験を完了しました。また、アイカルディ・ゴーティエ症候群(AGS: Aicardi-Goutieres Syndrome)を対象にした欧州での単群のPhase2臨床試験の組入れが進んでいます。さらに、Transposon社は、アルツハイマー病を対象とした新たな臨床試験を開始する準備を進めています。
これらのOBP-601に関する臨床試験は、ライセンス契約に基づき全額Transposon社の費用負担で進められています。また、同ライセンス契約に基づき、Transposon社はビジネス活動を行い、第三者である製薬会社などにOBP-601のライセンスを再許諾(サブライセンス)することが可能です。Transposon社が第三者とOBP-601のサブライセンス契約などのビジネス成果を達成した場合は、Transposon社がサブライセンス先から得た収入の一定割合を、当社がTransposon社から受領します。
なお、Transposon社はOBP-601の開発を目的に設立された企業であり、当社は、Transposon社が戦略変更を理由にOBP-601の開発を中断するリスクは低いと考えています。また、当社はTransposon社のビジネス成果に期待しています。
i) PSP Phase2臨床試験
PSPを対象とした臨床試験は2021年11月に1例目への投与が開始され、2022年8月に目標症例数の組入れが完了しました。Transposon社が、2024年3月に第18回 国際アルツハイマー・パーキンソン病学会(AD/PD2024)で発表した主な内容は下記のとおりです。
① PSP患者42例がこの試験に組み込まれました。
② 二重盲検試験として実施され、1日100㎎投与群,200㎎投与群,400㎎投与群,およびプラセボ投与群の4群比較を行いました。6ヶ月間の二重盲検下での投与の後、全症例がOBP-601の400㎎投与に切り替えられてさらに6ヶ月間フォローアップされました。
③ OBP-601はPSP患者に対して忍容性を示し、重篤な副作用として意識消失(1例、100㎎群)が報告されました。
④ 脳神経の破壊状況を現わす脳脊髄液中のニューロフィラメント軽鎖(以下、「NfL」)は400㎎投与群において持続的な低下を示しましたが、プラセボ群では24週にかけて上昇し、フォローアップ期間開始時に400㎎投与に切り替えた後に低下を示しました。
⑤ 脳脊髄液中の炎症性バイオマーカーであるIL-6も同様の変化を示しました。
⑥ 日常動作スケール(PSPRS)ではOBP-601は症状の悪化を遅らせることが示唆されました。
⑦ 以上により、OBP-601は脳内のLINE-1を抑制することによって、炎症による脳神経破壊を抑制して、PSPの病態進展を抑制することが示唆されました。
現在Transposon社は、第三者へのライセンスなどのビジネス活動と並行してPSPのPhase3臨床試験の開始に向けたEnd of Phase2 meetingを実施するなど、米国食品医薬品局(FDA)とPSPを対象にしたPhase3臨床試験の準備を具体的に進めています。なお、FDAは、2024年5月にOBP-601を迅速承認審査制度であるファストトラックに指定しています。
ii) C9-ALS/FTD Phase2臨床試験
C9ALS/FTDを対象とした臨床試験も2022年1月に投与が開始されました。2023年3月に目標症例数の組入れが完了し、長期フォローアップも終了しました。現在までに、本臨床試験で試験を中止するような安全性上の問題は報告されていません。Transposon社は、2024年10月のNEALS(Northeast Amyotrophic Lateral Sclerosis Consortium)Meeting 2024 年次総会や2024年12月のAnnual ALS Research SymposiumなどでALSに対するOBP-601の開発状況を発表しています。なお、本治験のALSに関する48週までの主な最終解析結果は下記のとおりです。
① OBP-601投与群では、NfL(神経フィラメント軽鎖)、NfH(同重鎖)、IL-6(インターロイキン-6)を含む神経変性及び神経炎症の主要バイオマーカーを低下させました。
② ALS機能評価スケール(ALSFRS-R)を用いた評価では、病勢進行の抑制効果が示唆されました。
③ OBP-601投与群は、C9-ALS患者の死亡率と相関する呼吸機能の客観的な指標である肺活量の低下率を投与開始後24週時点でプラセボ投与群と比較して約50%減少させました。
④ C9-ALS/FTD及びPSP(進行性核上性麻痺)におけるPhase2臨床試験を総合的に解析したメタアナリシスにおいて、OBP-601投与群で有意なNfL値の低下を示しました。
また、Transposon社は、2025年1月にFDAとALSに関するEnd of Phase2 meetingを実施しました。Transposon社は、OBP-601をC9-ALSを対象としたPhase2/3臨床試験に進める計画です。
iii) AGS Phase2臨床試験
Transposon社は、AGSという、小頭症や高度な精神発達遅滞等を呈する遺伝性疾患を対象に、2023年7月にPhase2臨床試験の投与を欧州で開始しました。現在までに、本試験の中止を要するような安全性上の問題は報告されていません。
③次世代腫瘍溶解ウイルスOBP-702に関する活動
OBP-702は、強力な生体内がん抑制遺伝子p53をベクター内に搭載する新規腫瘍溶解ウイルスで、「がん遺伝子治療」と、OBP-301の持つ「腫瘍溶解作用」を組み合わせた2つの抗腫瘍効果を持つ第二世代のウイルス療法です。国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の助成金事業を活用して、岡山大学消化器腫瘍外科学・藤原俊義教授の研究グループにより非臨床試験が進められました。特に、ゲムシタビン耐性すい臓癌細胞株のマウスモデルを用いた実験においては、PD-L1抗体を併用することでより強い抗腫瘍効果が確認されています。また、がん治療で問題となっているがん組織の間質系細胞(CAF : Cancer Associated Fibroblast)に対しても殺傷効果を示すことが示されており、今後、間質系細胞によって治療が困難と考えられているすい臓がんなどの難治性がんに対する新しい治療法として開発していくことが期待されます。なお、OBP-301の承認申請へ経営リソースを集中させるために、OBP-702の開発は助成金の範囲内で継続していく予定です。
④ウイルス感染症治療薬OBP-2011に関する活動
当社は、OBP-2011がヌクレオカプシド形成を阻害する新規メカニズムを有する化合物であることを実験結果から推定していますが、現段階ではその詳細なメカニズムは解明されていません。OBP-2011はすでに承認されているコロナ治療薬の主なメカニズムであるポリメラーゼ阻害やプロテアーゼ阻害とは異なるメカニズムであることが推察されており、コロナウイルスの様々な変異株に対して効果が左右されないというデータが得られています。しかし、新型コロナ治療薬の承認ハードルが上昇していること、並びに新型コロナ治療薬の複数上市による緊急性の低下などの外部環境の変化や、OBP-301の承認申請へ経営リソースを集中させるために、開発方針を見直す必要性が生じました。今後は、鹿児島大学と詳細なメカニズム解明を行った上でコロナウイルス以外のRNAウイルスに対する新規適応を検討し、新たなパンデミックに対応できる体制を維持していく考えです。
⑤がん検査薬OBP-401に関する活動
検査自動化プラットフォームの確立を目的に、OBP-401によって蛍光発光させた血液中で生きているがん細胞の画像学習を進め、AIによる自動判定を目指しています。しかし、画像学習に必要な多くの画像を取得することに、当初計画と比較して時間を要したため開発進捗は遅延しています。なお、OBP-301の承認申請へ経営リソースを集中させるため、優先順位を引き下げています。
⑥HDAC阻害剤OBP-801に関する活動
2009年にアステラス製薬株式会社から導入したヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤であるOBP-801は、各種固形がんを対象とした米国でのPhase1臨床試験で用量制限毒性(DLT:Dose Limiting Toxicity)が発生し、推定有効量までの投与量の増量が不可能となったため、がん領域の開発を中断しました。
一方、新規適応領域である眼科領域では、京都府立医科大学眼科学教室の実験において、緑内障手術を行った際に形成される濾過胞の線維化抑制作用が認められ、2023年4月の日本眼科学会やARVO(視覚と眼科学研究協会学会)で研究結果が発表されました。また、「緑内障治療後の濾過胞線維化抑制」や「加齢黄斑変性症」に関するOBP-801の用途発明が、2024年7月に日本国内で特許査定を受けました。なお、OBP-301の承認申請へ経営リソースを集中させるため、優先順位を引き下げています。
主なパイプラインの開発状況は、以下のとおりです。