1.経営成績等の概況 …………………………………………………………………………………… 2
(1)当期の経営成績の概況 …………………………………………………………………………… 2
(2)当期の財政状態の概況 …………………………………………………………………………… 5
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ……………………………………………………………… 6
(4)今後の見通し ……………………………………………………………………………………… 6
(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 …………………………………………… 7
2.企業集団の状況 ……………………………………………………………………………………… 8
3.経営方針 ………………………………………………………………………………………………10
(1)会社の経営の基本方針 ……………………………………………………………………………10
(2)今後の見通し及び対処すべき課題 ………………………………………………………………12
4.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………18
5.連結財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………19
(1)連結財政状態計算書 ………………………………………………………………………………19
(2)連結純損益計算書 …………………………………………………………………………………20
(3)連結純損益及びその他の包括利益計算書 ………………………………………………………21
(4)連結持分変動計算書 ………………………………………………………………………………22
(5)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………24
(6)継続企業の前提に関する注記 ……………………………………………………………………25
(7)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………26
(セグメント情報等)……………………………………………………………………………26
(1株当たり情報)………………………………………………………………………………28
(重要な後発事象)………………………………………………………………………………29
経済環境
当連結会計年度(以下、当期という)は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が長期化し、インフレの抑制を図った金融引き締めにより、世界経済への下押し圧力が顕在化しました。米国での銀行破綻や欧州での銀行経営不安を受けて、各国の金融当局は信用不安の拡大を防ぐため対応を急ぎました。
米国では、2022年3月以来、FRBが度重なる利上げを行いましたが、インフレ率の高止まりが長期化しています。物価と雇用が堅調に推移する中、今後もインフレ対策の継続が見込まれますが、政府、民間に関わらず利払い負担が増大することによる景気への影響に注意が必要です。
欧州では、ECBが物価安定を最優先課題として、利上げを継続しています。また、エネルギー価格がピークアウトしたものの、エネルギーの供給不安は依然残っており、経済回復ペースの鈍化が続くと考えられます。
中国では、2022年12月のゼロコロナ政策の転換により景気回復が加速し、2023年は実質5%台のGDP成長が見込まれます。2023年3月に行われた全国人民代表大会で習近平国家主席が三選され、今後の経済発展や国際関係の方向性が引き続き注目されます。
日本では、新型コロナウイルス感染症関連の規制緩和により経済活動が活発化した一方、物価高と海外景気の減速に伴う需要停滞から主力工業製品の生産・輸出の回復が鈍っており、特に外需減退のリスクに留意が必要です。日本銀行は2023年3月の金融政策決定会合で従来の緩和的な金融政策を維持しました。2023年4月から植田新総裁体制に移行しましたが、日本が緩和姿勢を継続する中で日米金利差は依然として開いており、今後の金融政策と為替動向には留意が必要です。
その他アジア地域では、新型コロナウイルス感染症の影響から経済が回復しつつあり、2023年は実質5%台のGDP成長が予想されています。ASEAN、インドなどの新興国では、経済活動の正常化に伴い内需が成長を牽引しましたが、インフレ高止まり、金融引き締めによる資金繰り悪化、米国が利上げを継続する中での通貨安、対外債務膨張、経常赤字拡大などの景気下押しリスクがあります。
当社グループの業績
当期の当社グループの業績につきましては、次のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメントの業績は次のとおりであります。
当社グループは、2022年4月1日付にて「生活産業・アグリビジネス」、「リテール・コンシューマーサービス」を再編し、報告セグメントの区分方法を変更しております。
(以下「当期純利益」は「親会社の所有者に帰属する当期純利益」を指しております。)
自動車
収益は、海外自動車事業での為替及び収益性良化などにより、2,988億1百万円と前期比22.9%の増収となりました。売上総利益の増益があったものの、為替による販売費及び一般管理費の増加などにより、当期純利益は、前期比10億70百万円減少し、60億13百万円となりました。
航空産業・交通プロジェクト
収益は、航空機機体販売における減収などにより、690億25百万円と前期比1.4%の減収となりました。ビジネスジェットチャーター販売や船舶の堅調な推移による売上総利益の増益により、当期純利益は、前期比17億2百万円増加し、63億89百万円となりました。
インフラ・ヘルスケア
収益は、米国省エネルギーサービス事業の取得などにより、1,026億32百万円と前期比66.1%の増収となりました。台湾洋上風力発電事業の損失計上による持分法による投資損益の減少があったものの、売上総利益の増益に加え、LNG事業会社の増益による持分法による投資損益の増加や、国内太陽光発電事業の一部売却によるその他の収益・費用の増加などにより、当期純利益は、前期比8億94百万円増加し、75億18百万円となりました。
金属・資源・リサイクル
収益は、石炭価格の上昇などにより、6,456億68百万円と前期比15.2%の増収となりました。売上総利益の増益などにより、当期純利益は、前期比286億36百万円増加し、627億4百万円となりました。
化学
収益は、各種化学品の市況上昇などにより、6,228億84百万円と前期比15.7%の増収となりました。売上総利益の増益などにより、当期純利益は、前期比58億43百万円増加し、184億73百万円となりました。
生活産業・アグリビジネス
収益は、肥料価格の上昇などにより、3,400億89百万円と前期比19.0%の増収となりました。木材価格の下落による売上総利益の減益があったものの、持分法による投資損益の増加などにより、当期純利益は、前期比38百万円増加し、63億98百万円となりました。
リテール・コンシューマーサービス
収益は、水産食品加工会社の取得などにより、3,069億75百万円と前期比39.1%の増収となりました。売上総利益の増益に加え、リート資産運用会社の売却によるその他の収益・費用の増加などにより、当期純利益は、前期比24億25百万円増加し、74億35百万円となりました。
連結資産、負債及び資本の状況
当期末の資産合計は、円安の影響に加え、棚卸資産が石炭や自動車により増加したものの、営業債権及びその他の債権が航空機関連取引により減少したことなどにより、前期末比8億37百万円減少の2兆6,608億43百万円となりました。
負債合計は、円安の影響に加え、営業債務及びその他の債務が石炭や煙草により増加したものの、借入金の返済による有利子負債の減少などにより、前期末比1,135億36百万円減少の1兆7,842億66百万円となりました。
資本のうち親会社の所有者に帰属する持分合計は、当期純利益の積み上がりなどにより、前期末比1,097億1百万円増加の8,377億13百万円となりました。
この結果、当期末の流動比率は162.0%、長期調達比率は81.0%、自己資本比率は31.5%となりました。また、有利子負債総額から現金及び現金同等物、及び定期預金を差し引いたネット有利子負債は前期末比1,408億65百万円減少の6,294億26百万円となり、ネット有利子負債倍率は0.75倍となりました。
※ 自己資本比率及びネット有利子負債倍率の算出には、親会社の所有者に帰属する持分を使用しております。また、有利子負債総額にはリース負債を含めておりません。
当社グループは、「中期経営計画2023」におきまして、従来と同様に資金調達構造の安定性維持・向上を財務戦略の基本方針とし、一定水準の長期調達比率の維持や、経済・金融環境の変化に備えた十分な手元流動性の確保により、安定した財務基盤の維持に努めております。
長期資金調達手段の1つである普通社債につきましては、当連結会計年度は発行しておりませんが、引き続き金利や市場動向を注視し、適切なタイミング、コストでの起債を検討して参ります。
また、資金調達の機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため、円貨1,000億円(未使用)及び25.75億米ドル(7.74億米ドル使用)の長期コミットメントライン契約を有しております。
当期のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは1,716億39百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは291億57百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローは2,303億67百万円の支出となりました。これに現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は2,472億86百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動による資金は、営業収入及び配当収入などにより1,716億39百万円の収入となりました。前期比では1,065億55百万円の収入増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動による資金は、家電・電子機器リサイクル事業やフィリピンオフィスビル開発事業への拠出があったものの、政策保有株や国内太陽光発電事業の売却による回収などにより291億57百万円の収入となりました。前期比では1,679億76百万円の収入増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動による資金は、借入金の返済及び配当金の支払いなどにより2,303億67百万円の支出となりました。前期比では2,772億65百万円の支出増加となりました。
現時点での2024年3月期の連結業績見通しは、以下のとおりであります。
上記見通しの前提条件として、為替レート(¥/US$)は125円としております。
※将来情報に関するご注意
本資料に掲載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、業績を確約するものではありません。実際の業績等は、内外主要市場の経済状況や為替相場の変動など様々な要因により大きく異なる可能性があります。重要な変更事象等が発生した場合は、適時開示等にてお知らせします。
当社は、安定的かつ継続的に配当を行うと共に、内部留保の拡充と有効活用によって企業競争力と株主価値を向上させることを基本方針とし、経営の最重要課題の1つと位置づけております。この基本方針のもと「中期経営計画2023」においては、連結配当性向を30%程度とすることを基本とし、各年度末時点でPBRが1倍未満の場合は、時価ベースのDOE(※1)4%を下限配当とし、PBRが1倍以上の場合は、簿価ベースのDOE(※2)4%を下限配当として設定しております。
・当期末の配当
上記基本方針及び当期の決算を踏まえた自己資本の状況などを総合的に勘案し、以下のとおりと
させていただきます。
①配当財産の種類
金銭
②株主に対する配当財産の割当てに関する事項及びその総額
当社普通株式1株につき65円、総額150億65百万円
なお、2022年12月1日に1株当たり65円の中間配当金をお支払いしておりますので、1株当たりの年間配当は130円、年間配当総額は301億31百万円となり、連結配当性向は27.0%となります。また、時価ベースのDOEは5.7%であり下限である4%を超過しております。
③剰余金の配当の効力が生じる日
2023年6月21日
・次期の配当
次期の配当については、上記基本方針及び業績見通しなどを踏まえ、1株当たり年間130円(中間65円、期末65円)を予定しております。これにより、当期純利益(当社株主帰属)に基づく連結配当性向(予想)は30.6%となります。
(注) 当社は、2023年3月31日開催の取締役会において自己株式の取得及び消却について決議致しました。2024年3月期の連結配当性向(予想)は当該自己株式の取得及び消却の影響を考慮しております。
(※1)時価ベースのDOE=1株当たり年間配当÷株価(各年度の終値年間平均)
(※2)簿価ベースのDOE=1株当たり年間配当÷1株当たり親会社所有者帰属持分(各年度末)
当社グループは、総合商社として、物品の売買及び貿易業をはじめ、国内及び海外における各種製品の製造・販売やサービスの提供、各種プロジェクトの企画・調整、各種事業分野への投資、並びに金融活動などグローバルに多角的な事業を行っております。当企業集団にてかかる事業を推進する連結対象会社は、連結子会社290社、持分法適用会社132社の計422社(うち、当社が直接連結経理処理を実施している連結対象会社は、連結子会社175社、持分法適用会社82社の計257社)から構成されております。
当社グループは、2022年4月1日付にて「生活産業・アグリビジネス」、「リテール・コンシューマーサービス」を再編し、報告セグメントの区分方法を変更しております。
当社グループの事業区分ごとの主な取扱商品又はサービス・事業の内容及び主な関係会社は以下のとおりとなります。
(2023年3月31日現在)
(※1)関係会社のうち、2023年3月31日現在、国内証券市場に公開している会社は以下のとおりです。
・さくらインターネット㈱(東証プライム)
・ロイヤルホールディングス㈱(東証プライム、福証本則)
・フジ日本精糖㈱(東証スタンダード)
(※2)2022年7月1日を以って、双日シェアードサービス㈱は双日ビジネスサポート㈱を存続会社として合併し、
双日シェアードサービス㈱に社名変更しました。
当社は、双日グループ企業理念、双日グループスローガンを掲げ、企業理念にある「豊かな未来」の創造に向け、当社グループの事業基盤拡充や持続的成長などの「双日が得る価値」と、国・地域経済の発展や人権・環境配慮などの「社会が得る価値」の2つの価値の実現と最大化に取り組んでおります。
(双日グループ企業理念)
双日グループは、誠実な心で世界を結び、
新たな価値と豊かな未来を創造します。
(双日グループスローガン)
New way, New value
(双日の価値創造モデル)
「豊かな未来」の創造、「2つの価値」の実現に向けて、当社では人材を最も重要な経営資源と考え、「人財」と表記し、価値創造モデルの中心に据えています。世界中のニーズを把握し、価値を生み出す人財力を高めていくことが、双日の価値創造の源泉です。
実効性の高い戦略と充実したコーポレート・ガバナンスのもと、常に新しい発想を持ち、トレーディング・権益投資・事業投資を通じた機能を発揮して、将来を見据え、外部環境の目まぐるしい変化やニーズの多様化に先駆けたスピード感あるビジネスを展開しています。
また、世界各国に広がる事業拠点やパートナーシップ、それぞれの地域で長年に亘り育んできたお客様との信頼関係やブランド力など、築き上げてきた確固たる事業基盤が、当社の持続的な成長を支えています。
当社が創造した価値は、「社会が得る価値」として還元され、ステークホルダーからの信頼獲得につながります。また、創造した価値は、「双日が得る価値」として、当社の人材基盤やビジネスノウハウといった各事業基盤を拡充するものとして還元され、当社の競争力強化や新たなビジネスチャンスの増加につながります。このように価値創造の循環を繰り返すことによって、持続的な企業価値向上を実現しています。
①「中期経営計画2023 ~Start of the Next Decade~」の取り組みについて
世界情勢の不確実性が高まる中で、デジタル化の加速、ESGに対する意識の高まり、価値観・ニーズの多様化といった近年のメガトレンドが、企業活動に与える影響は、ますます大きくなっています。改めて強固な収益基盤の構築と共に、このような状況を機会と捉え、変革を行っていく必要があります。
この大きな変革期にあたり、当社グループは、2021年4月からの3ヵ年計画である「中期経営計画2023 ~Start of the Next Decade~」を策定し、2030年における当社グループの目指す姿として「事業や人材を創造し続ける総合商社」を掲げました。必要なモノ・サービスを必要なところに提供することを総合商社の使命と捉え、人材を競争力の源泉として、「マーケットインの徹底」、「社内外での共創と共有の実践」、「スピードの追及」により競争優位・成長を追求し、これを実現するために組織や人材の変革を継続することで、持続的な価値創造を実現していきます。
1)成長戦略と注力領域について
中期経営計画2023では、サステナビリティを前提とし、競争優位性・成長マーケットを追求できる領域に経営資源を集中的に投下することを成長戦略として掲げています。具体的には「社会課題としてのエッセンシャルインフラ開発とサービス提供」、「3R(リデュース、リユース、リサイクル)事業の深化」、「東南アジア・インド市場のリテール領域取組強化」、「国内産業活性化・地方創生の取組を通じた価値創造」の4つの成長戦略を掲げると共に、これらをデジタルや新技術、社内外での共創と共有により実現することを目指します。
株主価値を創造していくためには、収益性の高い規模感のある投資に挑戦していくことが必要であり、中期経営計画2023では、成長の実現に向けて、次表に示す注力領域を中心として、戦略に裏付けられた規模感のある新規投資の実行に取り組んでいます。新規投資については、キャッシュ・フローをマネージした規律を堅持しつつ、メガトレンドを踏まえた成長領域や新たな領域における投資を中期経営計画3ヵ年で合計3,300億円(うち300億円は人や組織改革に向けた非財務投資)程度を実行することにより、企業価値の着実な向上を実現していきます。
2)当社のサステナビリティ経営
中期経営計画2023では、サステナビリティへの取り組みは、企業経営における最優先事項の1つとなっています。当社では、「双日が得る価値」と「社会が得る価値」という2つの価値の考え方を土台として、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)に基づく2050年長期ビジョン「サステナビリティチャレンジ」を策定しており、中期経営計画2023では、脱炭素社会実現への挑戦と人権の尊重を大枠とする各種施策を打ち出しています。
また、人材戦略として、多様性と自律性を備える「個」の集団を形成し、自律した個の成長をチーム・組織の成長、会社の成長へつなげていくことを目指し、価値創造できる人材を輩出し続ける人的資本経営を実践していきます。さらに当社のDX戦略として、デジタルが顧客・社会ニーズを価値創造につなげる上での大前提であり、全従業員が持つべき共通言語として位置づけ、事業の変革・競争力強化のための手段とし、事業モデル・人材・業務プロセスの改革を進めることで、価値創造に貢献していきます。
3)経営指標及び進捗
「株主価値の創出」と「成長と財務規律」の観点から、それぞれ目標数値を設定しました。新規投資の着実な収益化と既存ビジネスの収益構造の抜本的な改革により、規模と収益性の両方を追求し、株主価値を創造していきます。
※1 基礎的営業CF=会計上の営業CFから運転資金増減を控除したもの
※2 基礎的CF=基礎的営業CF+調整後投資CF-支払配当金-自己株式取得
(調整後投資CF=会計上の投資CFに長期性の営業資産等の増減を調整したもの)
当社の株主資本コストが8%程度である認識のもと、中期経営計画2023では経営指標として3ヵ年のROE平均の目標を10%超に設定しました。この目標を達成するために、社内管理指標として投下資本に対する基礎的営業キャッシュ・フローの比率を示すキャッシュリターンベースでのROIC(CROIC)を導入し、各セグメントにおける達成すべきCROICの目線を価値創造ラインとして定めております。目標に対して2022年度はROE14.2%を達成、また、当期利益に関しては3ヵ年の平均の目標650億円程度に対して2022年度は商品価格・石炭市況の上昇及び非資源事業の安定的な伸長を主な要因として1,112億円を達成しました。
2年連続で過去最高益を更新しており、当社の価値創造の着実な成果と、継続的な投資実行により、収益力が拡大しています。資源分野からの利益獲得に加え、非資源分野からも順調に利益が上がってきており、次期中期経営計画に向けた当社の収益水準の新たなステージへとつなげていきます。
4)新規投資の進捗
新規投資については、2021年度は1,500億円、2022年度は930億円、合計2,430億円を実行しております。具体的には、米国省エネルギー事業、豪州太陽光発電事業、フィリピン通信タワー事業を始めとするインフラ・ヘルスケア領域や水産食品加工会社マリンフーズ・冷凍マグロ加工販売大手のトライ産業の全株式取得、ベトナム最大手ビナミルクとの協業など、東南アジアやインドといった成長市場でのリテール領域、さらにはカナダ家電・電子機器リサイクル事業や福岡県北九州市におけるフッ素化合物製造事業等の、国内外での素材・サーキュラーエコノミー領域での取り組みを強化しています。2023年度もキャッシュ・フローをマネージした規律を堅持しつつ、新規投資を進め、企業価値の着実な向上を実現していきます。
5)株主還元
株主還元について当社は株主の皆様に対して、安定的かつ継続的に配当を行うと共に、内部留保の拡充と有効活用によって株主価値を向上させることを基本方針としています。この基本方針のもと中期経営計画2023においては、連結配当性向30%程度を基本としており、2022年度は27.0%となっております。
なお、2023年度の1株当たり配当金は年間130円を下限とする方針です。
注:2021年10月1日を効力発生日とする株式5株につき1株の株式併合を実施。
2019年3月期~2022年3月期配当は株式併合の影響を遡及した金額を記載。
さらに、中期経営計画2020及び中期経営計画2023の1年目・2年目で創出した基礎的キャッシュ・フローの黒字を成長投資へ振り向けるにあたり、その一部を株主に還元すること、及び資本効率の向上を図ることを目的として、2023年4月7日に15,299,900株の自己株式の消却を実施すると共に、取得株式総数1,000万株又は取得価額の総額300億円を上限とする自己株式の取得を2023年3月31日に公表しております。
6)中期経営計画2023最終年度に向けて
外部環境については、2021年度から続くロシアによるウクライナ侵攻を始めとした地政学リスクや主要国通貨の金利引き上げの影響及びそれらを受けた新興国通貨の変動など、今後も著しい変化が続くと認識しており、多様な変化に伴うリスクを適切にマネージすると共に、自らの変革の機会と捉え、価値創造に向けた取り組みが必要と考えています。引き続き、2030年の当社の目指す姿に向けた施策、「マーケットインの徹底」、「社内外での共創と共有の実践」、「スピードの追求」により競争優位の獲得と事業の成長を追求し、併せてそれに必要な組織改革や人材の高付加価値化を継続することで、成長の実現を通じた持続的な価値創造を実践していきます。
また「事業や人材を創造し続ける総合商社」として、人的資本経営を推進していくと共に、DX戦略として全社員がデジタルを共通言語として理解し、活用し、事業ポートフォリオの変革に取り組むことによって、DXの実装とデジタル人材の育成を軸に企業価値の向上を実現します。こうした取り組みに関する対話や情報の発信を社内外に対して拡充することにより、成長期待の醸成、さらにPBR1倍超の実現を目指します。
中期経営計画2023の詳細につきましては、当社ウェブサイト(https://www.sojitz.com/jp/)をご参照ください。
4.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社は、財務情報の国際的な比較可能性及び利便性の向上、並びに当社グループ内における会計処理の統一を図るため、国際会計基準(IFRS)を適用しております。
該当事項はありません。
報告セグメントの主な商品・サービスは「2. 企業集団の状況」に記載しております。
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、法人所得税費用の計算方法を除き、連結財務諸表作成における会計処理の方法と概ね同一であります。
セグメント間の取引は、市場価格を勘案し、一般的取引条件と同様の価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当期純利益(親会社の所有者に帰属)の調整額5,025百万円には、当社において発生する実際の法人所得税費用と、社内で設定している計算方法により各セグメントに配分した法人所得税費用との差異4,182百万円、各セグメントに配分していない全社資産に関わる受取配当金等843百万円が含まれております。
セグメント資産の調整額△2,860百万円には、セグメント間取引消去等△172,681百万円、各セグメントに配分していない全社資産169,820百万円が含まれており、その主なものは当社における現預金等の余資運用資産及び有価証券等であります。
資本的支出には、使用権資産に係る金額を含めております。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当期純利益(親会社の所有者に帰属)の調整額△5,345百万円には、当社において発生する実際の法人所得税費用と、社内で設定している計算方法により各セグメントに配分した法人所得税費用との差異△3,682百万円、各セグメントに配分していない全社資産に関わる金融費用等△1,663百万円が含まれております。
セグメント資産の調整額△56,583百万円には、セグメント間取引消去等△204,851百万円、各セグメントに配分していない全社資産148,268百万円が含まれており、その主なものは当社における現預金等の余資運用資産及び有価証券等であります。
資本的支出には、使用権資産に係る金額を含めております。
(報告セグメントの変更等に関する事項)
当社グループは、2022年4月1日付にて「生活産業・アグリビジネス」、「リテール・コンシューマーサービス」を再編し、報告セグメントの区分方法を変更しております。なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成しております。
①基本的1株当たり利益及び希薄化後1株当たり利益
②基本的1株当たり利益及び希薄化後1株当たり利益の算定の基礎
(注1) 2021年10月1日付にて、株式併合(普通株式5株を1株に併合)を実施致しました。前連結会計年度の期首に
株式併合が行われたと仮定し、基本的1株当たり利益及び希薄化後1株当たり利益を算定しております。
(注2) 当連結会計年度の希薄化後1株当たり利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
①自己株式の取得について
当社は、2023年3月31日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第 156条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項について決議し、2023年4月10日より取得を実施しております。
(1) 自己株式の取得を行う理由
中期経営計画2020及び中期経営計画2023の1年目・2年目で創出した基礎的キャッシュフローの黒字を成長投資に振り向けるにあたり、その一部を株主に還元すること、及び資本効率の向上を図ることを目的としています。
(2) 取得に係る事項の内容
1. 取得する株式の種類 : 当社普通株式
2. 取得する株式の総数 : 10,000,000株を上限とする
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合約4.3%)
3. 株式の取得価額の総額 : 30,000百万円を上限とする
4. 取得する期間 : 2023年4月10日~2023年9月29日
5. 取得する方法 : 東京証券取引所における市場買付
(証券会社による投資一任方式)
②自己株式の消却について
当社は、2023年3月31日開催の取締役会において、会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却することを決議し、以下のとおり2023年4月7日に実行しました。
(1) 自己株式の消却を行う理由
自己株式の消却については、将来の株式価値の希薄化懸念を払拭するため行うものです。
(2) 消却の内容
1. 消却した株式の種類 : 当社普通株式
2. 消却した株式の数 : 15,299,900株
(消却前の発行済株式総数に対する割合約6.1%)
3. 消却後の発行済株式総数 : 235,000,000株
4. 消却日 : 2023年4月7日