当期の当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響により、2度の緊急事態宣言が発出され、アパレル製品への個人消費が大きく低迷する中、主力の総合衣料卸売事業において想定を大幅に超える売上の落ち込みを経験しました。そのような環境下であっても、長年の歴史で培った多くの取引先を背景に、アパレル製品以外にも小売店の要請に応えた衛生関連商品をはじめとする新規商材の提供や、新たに期中より取組んだ新型コロナウイルス抗体・抗原検査キットの販売等により通期計画の達成を果たすべくグループ一丸となって売上の拡大を図ってまいりましたが、売上高におきましては、前年実績は上回るものの、当初計画には達しない見通しであります。
利益面におきましては、一連の事業構造改革によるグループあげてのコスト削減や、新たな収益事業の推進等により、黒字安定化を目指すべく取組んでまいりました。また、連結子会社である株式会社 Sanko Advanceでは、コンサート開催が厳しい環境下オリジナルコンテンツの育成等新たな事業のチャレンジを行い早期の収益化を達成しております。連結子会社である株式会社サンマールにおいては店舗閉鎖による特別損失13百万円を計上する見込みですが、在庫販売等において収益化を達成する事ができました。
その結果、
前期405百万円であった営業損失が70百万円の営業黒字化
前期437百万円であった経常損失が60百万円の経常黒字化
前期1,191百万円であった親会社株主に帰属する当期純損失が12百万円の最終黒字化(子会社サンマールでの特別損失含む)
と、各段階利益において前期より大幅に改善する見通しでありますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当初売上計画が達成できなかったことに伴い、利益面につきましても当初計画を下回る見通しであります。
計画作成当時には想定をし得なかった新型コロナウイルス感染症拡大という厳しい局面の中、目標の達成に向けて役員、従業員、グループ会社一丸となって取り組みを行った結果、「黒字安定化」に向けた最低限の目標を達成できた事は当社グループにとって大きな自信となりました。また、当期目標未達成の大きな要因となった総合衣料卸売事業に関しては、新型コロナウイルス感染症拡大局面での売上消失に後押しされる形で、その変革のスピードが大きく進捗し、来期以降の主軸とするD2Cビジネス事業やECプラットフォーム事業への足掛かりを前倒しで行っております。